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作成:2008/11/09

ウルフ竜機兵団 3059



 3049年、氏族侵攻開始。中心領域の側に立つと決意したウルフ竜機兵団は、数度にわたり氏族との交戦を行いました。有名なのが、3052年のルシエン防衛、そして3058年のコベントリ防衛でしょう(また、ライラのモルゲスでも、ファルコンの襲撃と戦っています)。
 しかし、氏族との戦いと、氏族のボンズマンを受け入れたことは、竜機兵団のアイデンティティを大きく揺るがします。その結果、発生したのが、3055年の竜機兵団内戦でした。





ウルフ竜機兵団 WOLF'S DRAGOONS: RUNNING WITH THE PACK

 竜機兵団は3000年に創設されて以降、幾度か再生を繰り返し、その都度、常に強大な存在として進化し、誕生してきた。31世紀の終わりに、氏族の中で侵攻派の影響力が強まると、ウルフ氏族のケルリン・ワード氏族長率いる守護派は、小賢しい遅延戦術に走らざるを得なくなった。ワードは、侵攻派が熱望していた中心領域侵攻を始める前に、偵察作戦を行うことを提案したのである。侵攻派は軍事的な情報を得るという重要性について反対が出来ず、またこの作戦は中心領域に氏族の全面強襲からの猶予を与えたのである。

 この偵察隊は傭兵隊になりすまし、各継承国家に雇われ、そのすべてのために戦い、そのすべてと戦って、各国の軍備を測ることになっていた。部隊はフリーボーンとトゥルーボーンの戦士たちで構成され、中心領域に関して手にはいる限りの情報で訓練し、氏族の起源を隠すための旧式兵器を供与された。部隊の指揮は、二名のフリーバース戦士、ウルフ氏族内で地位を得るために戦った、ジェイムとジョシュアの手に落ちた。戦士階級の伝統にのっとり、彼らはウルフの名を姓とし、戦士の血統によって兄弟となったのだった。部隊はウルフ竜機兵団と命名された。

 竜機兵団は3005年の4月11日に、中心領域、恒星連邦のニューデロス星系に到着した。新しいバトルメック5個連隊と、彼らが持っていた、この2世紀半、お目にかかっていないような装備(氏族が気を払っていたにもかかわらず)は、すぐにも竜機兵団の信頼を失わせてしまうところであった。だが、イアン・ダヴィオン国王は降って湧いた幸運を使いたがり、新部隊の過去を深く詮索しなかったのである。彼はこのグループを雇用し、恒星連邦=カペラ大連邦国の国境線に配備した。

 その結果、ウルフ竜機兵団は一世代にわたり中心領域に仕えることとなった。ダヴィオン家に立派に仕えた後で、竜機兵団は恒星連邦を離れ、リャオ家の仕事に向かった。それから部隊はリャオ家を離れ、マーリックの仕事に向かった。すべての継承国家が一度はウルフの首輪のひもを握り、そして一度は激しくかみつかれることになったのである。

 3027年、ドラコ連合との契約が終わりに近づいていた時、野心家で無謀なDCMSの元帥が、竜機兵団をクリタ家の部隊として直接の管理下に置くべく、背信的な計画を実行に移した。数ヶ月間、ウルフと部下の傭兵たちは、信頼できないというプロパガンダ、必要な物資の補給保留といったひどい扱いを受けた。そしてついには、DCMS元帥の明白な裏切りがあった後で、ウルフはドラコ連合に挑戦を行い、惑星ミザリーに向かった。ここで彼らは、竜機兵団を根絶やしにする命令を受けたDCMS8個戦列連隊と戦った。

 竜機兵団は最後に勝利を収めたが、戦士とバトルメックの半数以上を失ったのだった。ふたたびダヴィオン家に雇われた竜機兵団には休息と修理が必要であったが、もしそれが可能だったとしても取らなかったであろう。ドラコ連合に対する報復を宣言したジェイム・ウルフは、タカシ・クリタ大統領が、持てるすべてを竜機兵団に投入するよう刺激した。第四次継承権戦争が中心領域で猛威をふるっていた間、ウルフ竜機兵団は竜との私戦を行い、この戦争が部隊を終わらせかけた。だが、傭兵隊は生き残り、その仕事に対する謝意として、ダヴィオン家は彼らにアウトリーチを下賜したのである。そして、打ちのめされた傭兵隊(混合臨時連隊にまで戦力低下していた)は、新たな家に向かったのだった。

 竜機兵団は再び再建を始めたが、この時、氏族宙域に戻って補給することは出来なかった。もし帰還したら、氏族宙域にとどまるよう命令されると思われたからだ。ジェイム・ウルフは竜機兵団を氏族社会から離すと決めた。究極的に侵攻はやってくるだろう……そしてウルフはワード氏族長が命じたように、中心領域の防衛を助けると決めたのだ。

 ウルフの再建計画の第一は、戦争中に失われた人員を補充することだった。新しい竜機兵団の戦士を得るために、ウルフは型にはまらない供給源を選んだ。まず彼は第四次継承権戦争の孤児を雇用した。これらの戦争で鍛えられた戦士たちの中から、竜機兵団の手法と伝統で訓練出来る戦士の候補をウルフは見つけだした。次の供給源は、3019年に竜機兵団最後の補給で氏族宙域からもたらされた人工生殖技術である。竜機兵団は確実に氏族のやり方でシブコを生み出しているのだが、どれだけの「トゥルーボーン」戦士が生産されているか、だれがそうなのかは、機密のままである。

 3049年、待ちに待った氏族の侵攻がついにやってきた。一年ちょっとで、侵攻軍は中心領域の約1/5を獲得した。レオ・シャワー大氏族長の予期せぬ戦死で一年近く紛争が収まっていた時期に、ジェイム・ウルフは中心領域国家の指導者たちをアウトリーチに招聘した。氏族の起源と竜機兵団との関係を明かした後で、彼は技術的な支援、訓練を提供し、そして戦闘が再開した時には竜機兵団が中心領域の側に立って戦うことを誓ったのである。それから数ヶ月、ウルフと竜機兵団は、中心領域の指導者たちの準備のためにベストを尽くした。

 侵攻が再開すると、中心領域の軍は氏族の猛攻に通用し始めた。竜機兵団は、ドラコ連合の首都、ルシエンを守る重要な戦いで、氏族の侵攻軍を退けるのを助け、中心領域の防衛に貢献したのである。

 氏族侵攻が停止された後、ウルフ竜機兵団は、えり抜きの傭兵、戦災孤児、遺伝子学的に誕生した竜機兵団戦士、ルシエンで捕らえられた氏族のボンズマンの徴募によって隊列を埋めた。部隊の将卒の拡充は、アウトリーチにある竜機兵団の工場が新たなマシン、装備の要求に応じられなくなるまで続いた。しかしすぐに、氏族の新兵と、中心領域生まれの竜機兵団員のあいだで、深刻な対立が生まれた。

 3055年、エルソン・ノヴァキャット(ルシエンで竜機兵団に捕らえられた元氏族のエレメンタル)が竜機兵団に愛想を尽くして、反乱を扇動し、部隊を氏族の道に戻して、ジェイム・ウルフの孫、アルピンを竜機兵団指揮官の座につけようとした。この反乱はすんでのところで成功し、竜機兵団を抹殺するところだった。だが、最後には、ジェイム・ウルフと忠誠を誓う竜機兵団員たちがどうにかこの挑戦をうち破ったのだった。この戦いは、人員と装備に高価な代償をもたらしたのだが、ジェイム・ウルフと指揮官たちは、部隊を脅かした分裂を吟味し、解決することにもなったのである。こうして、反乱は竜機兵団の目的とアイデンティティの感覚を回復するのを助けることになった。最終的に、勝者と敗者は新たな竜機兵団を作るために手を取った。新しい結束力と強さのあかしとして、「ウルフパック」のニックネームが採用されたのだった。



指揮

 野戦指揮から引退しても、ジェイムウルフはアウトリーチの統治を続け、ウルフ竜機兵団の作戦を監督し続けている。ウルフ竜機兵団最高司令官の役職を保っている。しかしながら、竜機兵団軍の野戦指揮と日常の作戦は、メーヴ・ウルフ将軍が責任を持つ。この人物は、エルソンの反乱で自身の能力を証明した後に実権を握った。

 ウルフ竜機兵団は戦略指揮権を持てる数少ない傭兵隊であるのだが、常にそれを要求するとは限らない。が、部隊は戦術指揮権をけして手放さない。さらに竜機兵団の契約はすべて、指揮小隊、総指揮小隊が竜機兵団の隊と一緒に展開できる条項が含まれている。

 竜機兵団は、氏族の習慣である、指揮官の地位を決める士官のテストを再実施した。だが、氏族とちがって、竜機兵団は士官の年齢と実績で点数を調整する。



現有戦力・組織

 竜機兵団は5個増強バトルメック連隊を、諸兵科連合支援、2個独立強化大隊とともに展開する。加えて、4つの作戦司令部を呼び出すことができる。航空司令部、支援司令部、特殊作戦司令部、アウトリーチ司令部である。

 竜機兵団の部隊構造は、氏族と中心領域の軍組織をユニークに混ぜあわせている。両システムのなかからベストと思われるものをジェイム・ウルフが採用した。竜機兵団は、中心領域スタイルのメック4機小隊と、氏族スタイルのメック5機星隊を両方とも使っている。航空・装甲隊は中心領域の一般的なドクトリン(戦闘教義)をアレンジしたものだ。その一方でエレメンタルは、氏族スタイルのポイント(1ポイントあたり兵士5名)と星隊(1星隊あたり5ポイント)で展開する。通常のメック中隊は3個小隊からなり、中隊指揮官の名前が非公式に付けられる(例、フレーザー中隊)。それぞれの竜機兵連隊は増強混合指揮中隊に率いられる。ここに含まれるのは、メック4機の指揮小隊、メック5機の2個星隊、戦闘機2機の2個航空ポイント、1個エレメンタルポイント、混合偵察小隊(指揮車両、偵察車4両、軽量級か高速の中量級メック)である。

 ほとんどの竜機兵団大隊は、3個中心領域中隊に分かれ、独立指揮中隊が付属する。すべての大隊は公式な部隊名と記章を採用している。命令系統は、第一、第二、第三中隊の順に通っていく。

 竜機兵団連隊は、改良された中心領域の諸兵科連合の配置で組織されている。強化連隊それぞれは、バトルメック大隊3個(エイブル、ベーカー、チャーリー)からなる。さらに1個装甲大隊(デビル)、1個エレメンタル大隊(イーグル)である。それぞれの連隊指揮官は、指揮中隊を率いる。こうして竜機兵団連隊の戦力はバトルメック135機と支援部隊となる。命令系統は連隊指揮官から、エイブル、ベーカー、チャーリーの順に通っていく。



指揮部隊・作戦隊

 指揮小隊(ジェイム・ウルフ率いる)は、強化エリートバトルメック小隊と古参兵のエレメンタル小隊からなる。将軍の指揮中隊(メーヴ・ウルフ将軍率いる)は、ウルフの指揮下にある増強エリート中隊と、エリート航空ポイント、エリートエレメンタルポイント、古参混合偵察小隊からなる。司令部群の全部隊は、熱狂的な忠誠度にレーティングされている。

 艦隊大佐イソラ・チャンドラが竜機兵団航空宇宙隊を率いる。幕僚とともにチャンドラは、23隻の航宙艦、82隻の降下船、317機の気圏戦闘機、戦艦、アウトリーチの防衛補給ステーション2基の作戦を監督する。

 ジェイソン・ワード大佐は、竜機兵団支援隊を率いる。火力支援バトルメック連隊、装甲支援連隊、強化エレメンタル星団隊からなる。これら古参兵部隊はすべて熱狂的と考えられる。

 竜機兵団特殊作戦隊は、特殊偵察群(ピェトル・シャッド少佐指揮下)、レオン・ショストコヴィッチ少佐の第7奇襲部隊、ミチ・ノケツナの諜報群(ウルフネットでよく知られる)からなる。

 竜機兵団アウトリーチ隊が監督するのは、部隊の本拠地防衛軍、竜機兵団交渉群、バトルメック運用本部、装甲運用本部、歩兵運用本部、アウトバック訓練群、物資調達群だ。本拠地防衛軍は、1個一般兵バトルメック大隊、4個古参兵拡大装甲連隊、10個古参兵拡大歩兵連隊からなる。

 指揮部隊と作戦隊群が雇われることはない。その代わりに、竜機兵団の指揮官たちは、契約した竜機兵団部隊を補助するため、必要に応じてこれらの隊から部隊を展開する。こういったやり方は指揮部隊の独立性を守り、全作戦隊の部隊が作戦域にいる上級竜機兵団指揮官の指揮下に直接あることを保証する。



技術

 3005年、中心領域への到着以来、ウルフ竜機兵団は超越した技術(最近、王家によって単に再発見されたもの)を所有していた。竜機兵団のテックは、捕獲した氏族技術をメックに容易に取り付ける。ここ数年、竜機兵団の生産施設は氏族標準の技術を生産し始めた。結果、竜機兵団前線部隊のほとんどは、氏族の標準にアップグレードされており、残った部隊のすべては先進中心領域の技術を装備している。



支援

 竜機兵団指揮官は技術支援の重要さを認識しており、伝統的に中心領域でもっとも優秀な技術員を抱えている。当初からウルフ竜機兵団は100%を超える技術支援を提供する大規模なスタッフを維持していた。これは単に非氏族の技術者が竜機兵団の装備に近づくのを妥協できなかったからだ。その初期に竜機兵団は、中心領域の軍需企業(もっとも有名なのはブラックウェル工業)に多額の投資をし始めた。早くも3012年には、独占契約の下、ブラックウェルは、特殊な装備を竜機兵団に供給し始めた。3031年までに、アウトリーチにあった星間連盟時代の製造施設の再建をブラックウェル工業が監督した。このとき以来、ブラックウェルは竜機兵団技術組織の生産部門に過ぎないと消息筋は見ている(広範囲な独占契約協定、竜機兵団の特許、実体のある投資が、ブラックウェル工業と竜機兵団を密接に結びつけている。だがブラックウェルは私企業であり続けている)。

 竜機兵団は医療・研究設備(アウトリーチでのヘルスケア担当者、戦闘任務での医療担当者含む)もまた維持している。同様に、いくつかの研究・開発施設、ひとつの遺伝子技術施設がある。

 戦闘部隊と作戦隊のそれぞれは、支援降下船を恒久的に配備されているが、降下船と航宙艦の多くは竜機兵団航空宇宙司令部に指揮される。すべての気圏戦闘機も指揮する。





アルファ連隊 Alpha Regiment: Wolf's Own

 アルファ連隊は竜機兵団で「もっとも目立つ」連隊で、竜機兵団のパレード部隊に近い。輝くような装備、新しい塗装、契約がメディアを飾る――なにもかもが、アルファ隊の見栄えを良くする(他の部隊が達成したどんな慎重な仕事よりも注目を集める)。しかしアルファが単なるショーケース部隊であると考える敵指揮官は酷い目に遭うだろう。アルファ連隊の大隊群は、竜機兵団で最良の士官に率いられたエリートなのだ。

 アルファ連隊ではバトルメックをさびた赤色で塗装する。連隊のメック戦士の多くは、マシンを黒で彩る。連隊の記章はギリシャ文字のAである。すべての記章――竜機兵団を表す狼の頭部、連隊のA、あらゆる大隊/隊の記章――は、メックの左肩、戦闘機の左翼、車両の左側面に描かれる。エレメンタルの塗装は赤と茶のカモフラージュで、ヘルメットの上部に狼の頭部(赤に染色された毛皮と、血のように赤い目)である。

竜機兵団評価値: A*

士官
 もっとも高齢でもっとも尊敬されている竜機兵団の戦士、ケリー・ユキノフ大佐(アルファ指揮中隊でエイブル大隊を率い、20年近く、ジェイム・ウルフのアルファ連隊次席指揮官として仕えた人物)は、最高の男から指揮、戦略、戦術を学びとった。ユキノフはキャリアのなかで何度か負傷したものの、現場に戻り続けた。無敵の男だとアルファ連隊内では評価されている。

戦術
 アルファ連隊は連隊規模の機動ができる開けた戦場での戦闘を好む。だが、すべての地形で同じくらい巧みに作戦可能だ。アルファはたいていジェイム・ウルフの古典的な諸兵科アプローチを用いる。典型的なものとしては、軽メックがホバークラフト、エレメンタルの支援の下に前進し、フレキシブルな前衛部隊となり、連隊の主戦力を守る。中量級、重量級マシンがほとんどの重戦闘で主力となる。大規模な重量級、強襲級メックがここに予備戦力としてつく。

アルファ指揮中隊
増強混合中隊/エリート/信頼できる
指揮官:ケリー・ユキノフ大佐
副官:エド・パシュケ中佐
 アルファ指揮中隊は、通常、エイブル大隊に同行するが、危険な区域を支えるため素早く移動可能だ。記章は白の円に向かう吠える狼の黒いシルエットである。

アルファ連隊
増強連隊/エリート/信頼できる
第1大隊:ダイアナ・ピエトール少佐
第2大隊:トム・ドミンゲス少佐
第3大隊:アントン・ブレイク少佐
 エイブル大隊(ストーキング・デス)の記章は、黒い下地に狼の赤い足形である。ベーカー大隊(レッド・デビル)は強襲に特化している。記章に、熊手を持った赤の小さい悪魔を使っている。チャーリー大隊(パスファインダー)は偵察と哨戒任務のための軽量級メック部隊である。記章は黒い矢(赤と青の矢羽根)である。

クイックシルバーズ
強化大隊/エリート/信頼できる
装甲隊長:フランクリン・アサワノ少佐
 軽量級、中量級の車両小隊で構成されたクイックシルバー(水銀)大隊は、竜機兵団指揮小隊を持つ。4機のマシンが加わることになる。大隊の車両の多くはホバークラフト(プレインズマン、ブラックウェル・バンディットなど)である。

ブラッシュ・ストーカー
強化大隊/古参兵/信頼できる
歩兵隊長:クェンティン・シャッド少佐
 ブラッシュ・ストーカーは80名のバトルアーマー兵を展開する。3個星隊と1個指揮ポイントに分割される。クェンティン・シャッド少佐は、部下たちに隠密前進技術を伝授している。このことがエレメンタルの脅威を非常に増加させた。





ベータ連隊 Beta Regiment: Second to None

 ベータ連隊は、ミザリー戦と第四次継承戦争後、完全な戦力に再生され、任務に戻った最初の連隊である。ジェイム・ウルフの行った戦災孤児の「竜機兵団化」によって、部隊の再建は4年近くで終わった。熟練したメック戦士と子供たちの組み合わせで、ベータ連隊全体の経験評価値は古参兵に落ちた。だが、ベータは最初の「新竜機兵団」……現在の技術的レベルより遙かに優れたものを見せると予期された者たちのための厳しい学校であった。続いてベータはすぐ「自信を得」て、2年が過ぎるころには、再びエリート連隊と評価されるようになったのである。

竜機兵団評価値: A*

士官
 前指揮官のアリシア・ファンチャー大佐が、竜機兵団内戦中にアルピン派を支持した件で追い出されると、アントン・ランド大佐がベータ連隊の指揮を執ることになった。若く短気なランドは、かつてのアンドレイ・ショスタコヴィッチを思い起こさせるような連隊を駆り立てる指揮スタイルを持つ。ランドは戦場における即興の天才で、壮大な構想が実施されるまで周囲には意味がわからない命令をしばしば下す。

戦術
 ベータ連隊はチャーリー大隊を予備戦力にするのを好む。広範囲な地域に戦闘を引き延ばし、それからチャーリー大隊を投入する。戦いの終わりに登場する新鮮な部隊は、敵の抵抗を粉砕するのに充分である。

 ランドはまたいわゆるだまし討ちを愛用する。この機動のなかで、ランドは部隊をふたつに分け、ジャンプジェット装備のバトルメックを重量級で足の遅い敵マシンに向かわせ、そのあいだ残りの部隊が残りの敵と交戦する。もし可能なら、戦場を分断するのに山か深い森を使う。それから、あらかじめ用意したシグナルを発し、ジャンプジェット装備のバトルメックが別の側面にジャンプして、数的優勢を竜機兵団に与える。鈍足な敵のマシンが新たな前線に到着するまでに、竜機兵団はたいてい勝利を得ているのだった。

ベータ指揮中隊
増強混合中隊/エリート/信頼できる
指揮官:アントン・ランド大佐
副官:カイル・ルビンスキー少佐
 ベータ指揮中隊が大隊に付くことは滅多にない。その代わりに、部隊がチャーリー大隊であると敵に勘違いさせようと努力する。この戦術によって、予備大隊はすでに戦場に入っていると敵は考え、本当の大隊が到着したときに準備ができていない、ということが起きる。

ベータ連隊
増強連隊/エリート/信頼できる
エイブル大隊:ジャニス・キョミータ少佐
ベーカー大隊:キース・ロマックス少佐
チャーリー大隊:アンドローポフ・キース少佐
 ベータ連隊のエイブル大隊(ホースマン)は戦いの矢面に立つ重部隊である。連隊で最高のアップグレードを受けている。ベーカー大隊(ハートブレーカー)はより高機動である。チャーリー大隊(ギロチン)は、ランドーが言うところの「騎兵突撃」のためデザインされた高速中量級大隊である。

ロングライダーズ
強化大隊/古参兵/信頼できる
デビル大隊:リーバ・マックレラン少佐
 クロッシング戦のあと、ロングライダーは大隊規模に拡大され、ベータ連隊に永久的に付いた。ロングライダーはルシエンの戦いにて、エリートの称号を失い、それを取り戻すべく猛烈に活動している。

ニーキャッパーズ
強化エレメンタル大隊/古参兵/信頼できる
イーグル大隊:ラーゴ少佐
 ニーキャッパーズ(膝撃ち)の指導者、ラーゴと呼ばれるノヴァキャットのボンズマンはウルフを好きになっている。宗旨変えをする熱心なエネルギーを持っていたのだ。中心領域に夢中になったラーゴは、手に入る限りの歴史書を読み、学のある兵士になった。部下のバトルスーツ歩兵たちは彼の命令によく応え、バトルメックの「膝撃ち」を得意としている。いくつかの理由から、ラーゴは成功した膝撃ちを「カポネ」と呼び、失敗を「ガルーリー」と呼んでいる。





ガンマ連隊 Gamma Regiment: Back to Basics

 〈エルソンの挑戦〉時に、ガンマ連隊がアルピン・ウルフを支持したのは驚くことではない。当時の連隊指揮官ニール・パレッラ大佐は、3054年のカントフ少佐による契約不履行のあとで、しばらく部隊が弛緩することを許した。傭兵評価・雇用委員会からの非難を受理した後で、ジェイム・ウルフはカントフに私的な不平の神判の挑戦をした。また部下の監督不行届でパレッラを口頭で注意した。神判が実施される前にカントフは逃げ出したのだが、パレッラの憤慨は頂点に達し、エルソンの反乱を支持することになったのである。

 エルソンが敗北したあと、パレッラは竜機兵団から逃げ出し、アーウィン・ティレルがガンマ連隊の指揮官となった。ティレルはすぐにガンマの士気再生に乗り出し、ハーレフの郊外に設置した即席の訓練キャンプで連隊員を再訓練した。早朝の柔軟体操、反復練習、竜機兵団リメンバランスの授業をもって、ティレルは部下たちに新たな能力の感覚と竜機兵団のアイデンティティを注入した。このように準備し、ティレルと幕僚たちは戦闘訓練を開始した。

竜機兵団評価値: A*

士官
 部下を高いレベルに維持するため、ティレルはルシエンで捕らえた大勢の氏族ボンズマンを徴募した。キャシー・ノストラ少佐、アルマンド少佐、レオン・ウィンタース少佐は、トゥルーボーンの氏族戦士である。彼らが存在することによって、ティレルが望んだように、連隊内での競争に拍車がかかったのであった。

戦術
 ガンマは竜機兵団内戦で多大な損失を被り、よって、持っていた特殊な能力を失ってしまった。しかし、ほとんど支援がない中で長い戦役を戦う能力を与えるべく、ティレルは働いている。

ガンマ連隊
増強連隊/エリート/信頼できる
指揮官:アーウィン・ティレル大佐
副官:リー・サン・クァン少佐
エイブル大隊:パトリック・シモンズ少佐
ベーカー大隊:キャシー・ノストラ少佐
チャーリー大隊:アルマンド少佐
 ティレルはまだ指揮中隊を結成していない。古参兵のエイブル大隊(クローク・オブ・ダークネス)に付属する小隊から指揮するのを好む。エイブル大隊は夜間機動に特化している。古参兵のベーカー大隊(ジャガーノート)は重量級・強襲級マシンからなる。エリートのチャーリー大隊(ブラックキャット)は戦場での用心深さで知られる。

第15竜機兵団重装甲隊
強化大隊/一般兵/信頼できる
デビル大隊:ハキム・バジーラ少佐
 第15隊は不運を経験してきた。指揮官が無能だったことから、ルシエン、竜機兵団内戦で、重大な損失を負ったのである。だが、ハキム・バジーラ少佐が部隊を竜機兵団の標準までに戻すだろうと、竜機兵団の指導者たちは確信している。

ゲス
強化エレメンタル大隊/古参兵/信頼できる
イーグル大隊:レオン・ウィンタース少佐
 レオン・ウィンタース少佐は珍しい存在である。ユーモア精神を持った氏族エレメンタルなのだ。大隊名のゲス(Guess、推測する)は、公式な名称であるガンマエレメンタル支援隊(GES)に由来する。





デルタ連隊 Delta Regiment: Trials and Tribulations

 ベータ連隊の野戦訓練に刺激されたジェイム・ウルフは、3037年にデルタ連隊を結成し、3038年の後半、最初の任務に送り込んだ。

 この任務は(ドラコ)連合の世界マーチソンへの通常の襲撃で、連合の国境線防衛の準備態勢をテストするものであった。デルタ連隊は第22ディーロン正規隊(装甲・歩兵2個大隊に支援されていた)と遭遇した。セオドア・クリタが創設した新戦術を使って、連合部隊は竜機兵団に手痛い敗北を与えた。ビル・パクソン大佐は打ちのめされた連隊を率いてなんとか惑星から脱出した。それから竜機兵団はデルタの再建を始めた。ジェイム・ウルフは連隊が3045年に復帰する前に、ナターシャ・ケレンスキーによる訓練を受けさせた。この部隊は最近コベントリで相当な被害を受け、再建の途上にある。

竜機兵団評価値: A*

士官
 シェリー・ブラベイカー大佐は、デルタがマーチソンで罠にはまりかけていたとき、機械化歩兵小隊に仕えていた。ブラベイカーは竜機兵団を率い惑星から撤退した……手柄をパクソンに持たせてやったのではあるが。しかし彼女はやがてメック戦士訓練を受け、すぐ昇進し、型にはまらない戦術の才を示した。ルシエン戦の氏族撤退中に、スモークジャガーのオムニメック星隊をなんとか待ち伏せし、2機のマシンを捕獲した。〈エルソンの挑戦〉の後、士官たちをテストする時が来ると、ブラベイカーはデルタ連隊の指揮権をかけてパクソンに挑戦した。彼は相当な大差で負けたのだが、ブラベイカーの副指揮官の地位を得た。彼女の指導を直接受けられるようになったのである。

戦術
 戦場においては、連続した攻勢で敵をふらつかせたままにするのをブラベイカーは好んでいる。連隊のバトルメックは戦いの矢面に立つが、合図があり次第、後退する準備ができており、デルタの航空部隊が敵軍に機銃掃射を浴びせる。敵軍が頭上からの脅威に注意を向け始めたまさにそのとき、デルタのエレメンタルが下から襲いかかる。それから連隊のバトルメックが攻撃を再開し、脆弱なエレメンタルを敵の砲火から守るのである。

デルタ指揮中隊
増強混合中隊/エリート/信頼できる
指揮官:シェリー・ブラベイカー大佐
副官:ビル・パクソン中佐
 デルタ指揮中隊の全軍は接近戦に習熟している。

デルタ連隊
連隊/エリート/信頼できる
エイブル大隊:フィリップ少佐
ベーカー大隊:トリーシャ・ヴェシーニ少佐
チャーリー大隊:ポール・ヤコブ少佐
 エイブル大隊ランツクネヒトは強打撃隊として知られている。対照的にベーカー大隊(ヴェシーニ前衛隊)は重強化偵察部隊で、中軽量級の高速メックを使う。チャーリー大隊は部隊の名称を採用していない。

デルタ航空大隊
2個中隊/古参兵/信頼できる
フォックストロット大隊:ジョシュア・レディングス少佐
 デルタは装甲部隊とうまく噛みあったことがない。よって装甲隊の代わりに航空大隊が恒久的に所属する唯一の竜機兵団連隊となっている。戦闘機大隊の編成はバトルメック組織のドクトリンに基づく。4機の戦闘機が1個小隊になり、3個小隊が1個中隊となる。

デルタエレメンタル支援隊
強化エレメンタル大隊/古参兵/信頼できる
イーグル大隊:エリアス・ウィンタース少佐
 ブラベイカーは機械化歩兵小隊を直属にするよう竜機兵団の指揮官をせっついているが、エレメンタル部隊の仕事ぶりには非常に満足している。





エプシロン連隊 Epsilon Regiment: Harrowers

 ニコールはジェイム・ウルフの支援者として知られおり、彼女がアルピン軍に加わったとき、竜機兵団員の多くが驚いた。のちにわけが明らかとなった……部下のメック戦士たちにややアルピン派が多かったことから決断を迫られたのである。連隊内での流血を避けるため、ニコールはジェイムの孫を支持したが、ハロウズ・サンにおいて機動陽動戦略を用い、ウルフ派との戦闘を避けた。このやり方で部隊は忙しく動き回っているように見えたが、実際の戦闘にはほとんど加わらなかったのである。ジェイム・ウルフは彼女が何をしているかに気づいており、確信を持って隊をもっと重大な脅威に再配備した。

竜機兵団評価値: A*

士官
 ドゥエイン・ラブデーの無敵ぶり(もしくは自殺衝動、人の意見に頼ること)の評判は、すぐに伝説となり部下の間で広まった。ラブデーは戦場でしばしば無謀な突撃を敢行し、すぐに麾下の大隊が後を追いかけ、しばしば敵の戦線を破る。

戦術
 ニコール大佐は陽動、遅延、待ち伏せ戦術の天才である。しばしば大規模な戦場でのダンスに見えるものを指揮し、敵を怒らせ、いらだたせる。結局、敵はミスを犯し、エプシロンはハンマーで彼らを地面に打ち込むのである。

エプシロン指揮中隊
増強混合中隊/エリート/信頼できる
指揮官:エリザベス・ニコール大佐
副官:サミュエル・ウー少佐
 エプシロン指揮中隊のメック全14機は重量級、強襲級である。

エプシロン連隊
増強連隊/エリート/信頼できる
エイブル大隊:ドナルド・ラリオス少佐
ベータ大隊:ジーン・マクルーエン少佐
チャーリー大隊:ドゥエイン・ラブデー少佐
 重量級、中量級、軽量級の組み合わせであるエイブル大隊は、異なる部隊と大規模に動くことに特に習熟している。ベーカー大隊(ジーン槍機兵団)の部隊名は常に指揮官の名前の一部をとる。ベーカーの長い訓練の伝統は、ユニフォームからペンキ仕事の分野にまで、教科書通りのやり方を要求する。チャーリー大隊(ドゥエイン軽機兵隊)もまた現在の士官から名称を取る。

イージー・マネー(あぶく銭)
強化大隊/エリート/信頼できる
デビル大隊:サイモン・クラウス少佐
 イージー・マネー装甲大隊は、軽量級、中量級、重量級のキャタピラ・ホバークラフト車両を用いる。

タルボット・スマッシャー
強化エレメンタル大隊/古参兵/信頼できる
イーグル大隊:ジェローム・タルボット少佐
 エプシロン・エレメンタル隊は、他の連隊ほど幅広い用途にバトルスーツ歩兵隊を使っていない。主に退却路の護衛、偵察任務である。だが、敵をエレメンタルの巣に引き寄せる罠を、ニコールは一度以上使っている。




ウルフスパイダー大隊 Wolf Spider Battalion: The Spider's Web

 そもそもはブラックウィドウ大隊として知られていたウルフスパイダー大隊は、中心領域で最高の部隊のひとつであるとの評価を保ち続けている。ナターシャ・ケレンスキーが、悪名高いブラックウィドウ中隊を元に隊を作った際に意図したのは、猛烈に攻撃し、素早く移動し、さらに攻撃する部隊だった。すべての大隊員は、戦場での戦術を容赦なく最後まで叩き込まれた。こうして、大隊の隅々までもが初期の中隊と同程度に致死的であると、すぐに証明したのだった。ケレンスキーは3035年に大隊を再組織した。指揮小隊から第3中隊を作り、それぞれの小隊にバトルメックを1機ずつ付け加え、2個航空小隊を増やした。3039年、大隊は公の場に初めて姿を現した。マーリック家の連隊が守るホールの世界を奪取したのだ。ケレンスキーの兵士たちは敵の大隊を完全に捕獲し、それから戦場で他の2個大隊と遭遇した。煙が晴れると、マーリックの部隊は残骸になっていた。氏族スタイルのポイント、星隊、三連星隊に組織することによって、ケレンスキーが未来の戦闘を中心領域に見せたことにほとんど誰も気がつかなかった。

 ウルフスパイダーとして、部隊はオリジナルの黒い塗装と血の赤の縁取りを保っている。記章は白い巣のなかにいるクロゴケグモである。記章が描かれるのは、すべてのメックの左上腕、航空機の左翼、歩兵の腕章である。竜機兵団の記章については、メックの右腕に描かれる。エレメンタルもこれに準じ、ヘルメットの上部、狼の頭部の上に描かれる。スパイダーウェブは、1機のオーバーロード級降下船ウィドウ・リガード(ウィドウによろしく)を運用する。

竜機兵団評価値: A*

士官
 ナターシャ・ケレンスキーの氏族への帰還によって、ジョン"伊達者"クレイヴェルがブラックウィドウ大隊指揮官に任命された。当初のブラックウィドウ中隊員であったクレイヴェルは、ウルフスパイダー大隊と改名した。戦場における攻撃的な戦術で知られるクレイヴェルは、メックの外では「ドンファン」としての名声を博している。

戦術
 小さな部隊を使って、より大きな敵軍を罠に引き寄せるのが、ウルフスパイダーのトレードマーク的な戦術である。ウルフスパイダー星隊を追う敵の中隊は、彼ら自身が完全な三連星隊(完全な大隊でないにせよ)に包囲されていることに気づく。

ウルフスパイダー大隊
強化メック大隊/エリート/狂信的
指揮官:ジョン・クレイヴェル少佐
第1三連星隊:デレク・ストーム大尉
第2三連星隊:コーナー・マクドゥガル大尉
第3三連星隊:ステイシー・チャーチ大尉
 大隊指揮星隊(3個三連星隊とは独立して運用される)は5機の重量級メックからなる。クレイヴェルの指揮の下、この星隊は神出鬼没の能力を持つ。指揮星隊のバトルメックの背中それぞれに記章(狼の頭部にとまったクロゴケグモ)がついている。

 スパイダー、タランチュラ、ウェブ三連星隊が大隊の残りを形成する。スパイダー三連星隊は重量級と強襲級マシンの強打撃部隊である。もっともタフな部隊でも切り刻むことができる。部隊の記章は竜機兵団のウルフの頭部を這い回る大きなクロゴケグモである。タランチュラ三連星隊は軽量級と中量級メックを含む。記章は、バトルメックの頭部の横に描かれたタランチュラである。ウェブ三連星隊は中重量級バトルメック2個星隊と1個エレメンタル星隊で作られる。ウェブ隊の記章は、クモの巣に囲まれた狼の頭部である。

ウィドウ・フライト
航空中隊/エリート/狂信的
航空隊長:アンドレア・タイラー大尉
 ウルフスパイダーの航空隊(ウィドウ・フライトとして知られる)は、6機の戦闘機からなる中隊である。ウィドウ・フライトの最もドラマチックな戦術は、機銃掃射による挟み撃ちである。2機の戦闘機が高速、低空で目標に反対側から接近し、最後の瞬間に離れる。たいてい目標は反転し、攻撃機の1機に立ち向かう。よってもう1機が目標の背中をきれいに撃てるのである。

第3歩兵隊、第7奇襲部隊(グレイウルフ)
奇襲打撃部隊/エリート/狂信的
グレイウルフ隊長:ジェラルド・デビットスン中尉
 グレイウルフ(他の第7奇襲隊と似ている)は、エリート特殊作戦群である。森林や沼地での作戦に特化しているが、25年以上ウィドウに仕えたあとで、どんな環境にも熟達するようになった。




ゼータ大隊 Zeta Battalion: Metal Manics

 ゼータ大隊は、強襲級・重量級マシンと、猛烈との評判(ほとんど逆上した強襲)の組み合わせによって、中心領域でもっとも畏れられるバトルメック部隊のひとつになっている。実際に、ゼータがただそこに存在することが、時々、敵に降伏を説得するに足る材料を与えてきたのだ。大隊には竜機兵団でもっとも無謀、自殺志願的な兵士がいるように見える。どれほど勝ち目のない敵にでも、酷い戦場の状況にでも、常に突っ込む用意ができている。しかし、無謀で乱暴な連中との評判にもかかわらず、ゼータのメック戦士は高いレベルのバトルメック戦術を持つ、現実的に規律正しい兵士たちなのだ。

 〈エルソンの挑戦〉のあいだ、ゼータはアウトリーチへ戻るため、事実上、契約を破った。大隊が独立的精神を持っていることから、ジェイム・ウルフはそのような動きを予期しており、アルピン・ウルフをバックアップするために大隊指揮官ジャミソン大佐が到着しても、わずかに驚いただけだった。

 ゼータは志願制の大隊であるが、部隊の評判によって、事実上、補充兵に事欠かないことが保証されている。大隊のメックすべては漆黒に塗られる。記章はギリシャ文字のZである。輝く銀色で、バトルメックの左腕と、右足上部に塗装される。大隊の隊員たちは、竜機兵団の狼の頭の記章を、マシンの右胴上部に塗る。

竜機兵団評価値: A*

士官
 J・エリオット・ジャミソン大佐は力強く印象強い男である。ちょうど彼が指揮するバトルメックのように。三名の前ゼータ指揮官が戦死したにもかかわらず、ジャミソンは大胆に部下を率いて前進し続ける。ジャミソンは名誉に関する強い感覚を持っており、そのことが〈エルソンの挑戦〉に対するジェイム・ウルフの反乱を拒絶の神判に見せ、ゼータをアルピン派に加わらせた。ジェイム・ウルフの勝利とともに、大佐は再び彼の最も信頼できる支持者となった。

 タラ・ルーカス大尉はゼータで最良のメック戦士として認められており、いつの日か大隊を指揮することを希望している。すべての士官が地位のテストを行うのが発表されたとき、彼女がゼータの指揮をジャミソンに挑戦しなかったのは、単に彼を尊敬しているからである。

戦術
 他の竜機兵団隊と違って、ゼータは小規模な部隊に分割しない。代わりに大隊は敵の突撃を正面から受け、敵の戦線を破るのに凄まじい火力に頼る。ゼータは敵指揮官を引き込むため、しばしば1対1の戦闘を行う。それから敵指揮官を破壊し、敵軍を殲滅するために圧倒的な火力を集中させる。

 ゼータのメック戦士は格闘戦(特にパンチと突撃)にもまた習熟している。彼らが好む機動のひとつが、いわゆるゼータクランチである。この機動において、2人のゼータメック戦士が同じ対象に突撃する。ひとりが目標のマシンを押し出すような場所を狙ってまず突撃をかける。この突撃が成功したなら、目標は二番目のゼータバトルメックに直接向かってくることになる。ドラマチックである一方、この機動にリスクがないわけではない。最初のゼータメック戦士が目標を外し、二機目のゼータメックにぶつかった記録が少なくともひとつはあるのだ。

ゼータ大隊
増強大隊/エリート/狂信的
指揮官:J・エリオット・ジャミソン大佐
第1三連星隊:タラ・ルーカス少佐
第2三連星隊:タミー・マーハル大尉
第3三連星隊:ジミー・ツー=フェザーズ大尉
 ゼータはほとんどがオムニメックで構成される。ほとんどが氏族標準機の派生型であるが、ルシエンでスモークジャガー氏族とノヴァキャット氏族から捕獲した最新鋭マシンも保有している。大隊はまた数機の竜機兵団製オムニメック(独占契約の下、ブラックウェルがウルフ竜機兵団のために生産したもの)も持っている。また新しい強襲級のデザインが、最近、大隊の興味をそそっている。

 部隊の指揮小隊(竜機兵団の流儀通り独立して運用される)は、すべてが強襲級マシンである。3個三連星隊は強襲級が主力で、少数の重量級がある。二つ目の独立星隊(火力星隊)はLRM、アローIVオムニメックで構成される。ゼータ大隊のさらなる戦力拡大をウルフ将軍が計画しているか否かは不明である。








著名な人物



名前:ジェイム・ウルフ司令官
役職:ウルフ竜機兵団最高司令官

 グレーの髪と髭を持つ小柄な男ジェイム・ウルフは2981年生まれで、いまでも健康で現役を続けている。時々、彼はメック訓練のために、再調整されたアーチャーに乗るのだが、その年齢から考えて優れた操縦技術を維持している。若い竜機兵団員がスピードと反射神経で対抗するにもかかわらずである。半世紀間、ジェイム・ウルフは戦場の内外で竜機兵団を指揮し、部隊を勝利から勝利へ導き、素晴らしい戦術家、戦略家であるとの評判を得た。そのキャリアのなかで、ウルフは全継承国家、ほとんどの氏族と戦い、雇用者と同じく敵からも尊敬を得た。戦略と戦術に関するウルフの古典的なテキスト(かつては竜機兵団外に不出だったもの)は、いまでは中心領域中の軍事学校での必読書となっている。長年の闘争は彼に勝利だけでなく悲劇をももたらした。3055年に生き残っていた最後の息子(マッケンジー)が死ぬと、ジェイム・ウルフは打ちひしがれたように見えた。彼は責務から身を引き、部隊の管理を放棄した。竜機兵団はルシエンでの損害から回復する重要な段階にあった。竜機兵団内にいたウルフの敵は、彼の明白な弱点を利用して反乱を起こした。それがウルフの無関心を刺激した。竜機兵団(古参兵と新兵の双方)の多数派に支援されたウルフは、反乱の挑戦に応じ、これを破った。その後、ジェイム・ウルフは野戦指揮から退いた。最近、彼はアウトリーチの統治と、中心領域の新興独立勢力としての役割を指導することに、関心を向けている。



名前:メーヴ・ウルフ将軍
役職:ウルフ竜機兵団野戦司令官

 小柄で黒髪のメーヴ・ウルフは、技能、反射神経、抜け目のなさ(高名なブラッドウィドウ、ナターシャ・ケレンスキーに匹敵すると言われている)を組み合わせて発揮して、繰り返しメック戦士としての能力を実証した。司令官として、ウルフは攻勢作戦と防衛作戦を同じくらいたやすく指揮し、誰もが不十分と考えるだろう戦力で顕著な成功を達成してきた。兵士たちはウルフの公平性を賞賛し、彼女を母狼に例える。なぜなら、彼女は全力で部下たちを守るからだ。竜機兵団ではじめて将軍の階級についた者として、メーヴ・ウルフは新しい領域に進んで見せた。竜機兵団再構成に際し、慣習(傭兵の士官は大佐以上にならないというもの)を破ることで、部隊の独立性を強調したのである。また、最初の副指揮官ジョシュア・ウルフの死後、竜機兵団に採用されたスタイルであるところの、部隊野戦司令官が「最先任と同じ」という習慣についても免除された。これまでのところ、メーヴ・ウルフ将軍は地位が必要とするところまで昇進した。竜機兵団が丁重に市民を扱い、太古のアレス条約を厳守することを、エルジンでの事件と、ヨリイのブラックリバー戦役において、彼女は再確認した。彼女の若さと、ジェイム・ウルフと似ていることにより、事実を知らない者たちは、メーヴがウルフの孫娘だと考えている。初期の伝記によると彼女は竜機兵団の戦災孤児のひとりとされているが、実際は竜機兵団が第四次継承権戦争のあとで、消耗した序列を埋めるために創設したシブコで生まれ育ったのである。混合された血統から生まれたメーヴは名誉名(オナーネーム)を要求できないと感じ、どの名誉名の競争にも参加しないことで(明白な資格があったのに)、無名の系譜を名誉に関わる問題にした。再統合された竜機兵団に、ウルフの名誉名が付け加えられると、その問題は解決した。それまでの戦いで彼女が見せていたすさまじい戦果に対する尊敬と、彼女の資格の承認によって、メーヴが求めたウルフの姓への挑戦者は現れなかったのである。名誉名と昇進を理由にして、いまだにメーヴがジェイム・ウルフの私生児であり、縁故登用であるとのしつこい噂がある。しかしながら、二世代にわたって彼の血縁を司令官の座につけないというジェイム・ウルフの宣言と、メーヴの仕事の記録により、噂の信用度は低いままだった。メーヴ・ウルフはウルフ竜機兵団司令官の立派な後継者になると約束し、また彼女は部隊をウルフパックと呼ぶのを好んでいる。



名前:ブライアン・キャメロン大尉
役職:ウルフ司令官の副官

 ブライアンは、ウィリアム・キャメロン(キャメロンの竜機兵団名誉血統の創設者)につらなる血統の持ち主で、シブコを卒業するのと同時に名誉名を勝ち取った。ブライアンとウィリアムの間には強い肉体的な相似点があり、ブライアンのフェノタイプにウィリアムの遺伝子の強い影響があることを示している。血統的な父親と同じように、彼は副官、通信の専門家としてジェイム・ウルフに仕えている。話によると、ふたりのキャメロンはキャリアと能力が似ていることから、ジェイムはブライアンをウィリアムと呼んでいるという。身体的な類似は、ブライアンが継承した能力ほどには重要でない。戦闘指揮センターを見さえすれば、ブライアンがウィリアム・キャメロンと同じたぐいまれな才能を組み合わせ(ウルフが重宝したもの)を持っているとわかるだろう。ブライアンは通信の魔術師であると同時に、重要でないデータを切り捨てる才能を持っているのだ。

 タブロイド紙は、ブライアンがメーヴと親密な関係にあると伝えているが、竜機兵団はこの件について何もコメントしてない。



名前:エルソン・ノヴァキャット少佐
役職:エレメンタル打撃星団隊、特殊作戦群司令官、歩兵作戦司令官幕僚

 卓越した技術と偽らざる野心の戦士、この氏族エレメンタルのフリーバースの息子は、ノヴァキャット氏族の歩兵訓練の道程で戦い、戦士のステータスとバトルスーツを着る権利を勝ち取った。中心領域侵攻の初期に、戦下で勇気を見せた彼は氏族内で認められた。ノヴァキャットがルシエンで撃破されたのに続いて、彼はボンズマンとして竜機兵団に加入した。エルソンはその経験によって、竜機兵団内で新エレメンタル師団の司令官にすぐ昇進した。氏族でないものに対する氏族的な偏見に凝り固まったエルソンは、氏族の遺産が、ジェイム・ウルフや他の竜機兵団の古参兵によってないがしろにされているのを見てぞっとした。竜機兵団を氏族の道に戻すのを決心したエルソンは、ジェイム・ウルフに対する反乱を計画実行するために、竜機兵団内部の緊張とウルフの息子マッケンジーの死を巧みに利用した。革命が失敗に終わったあと、死を予期していたエルソンは、ジェイム・ウルフの驚くべき申し出(竜機兵団再統合のためのもの)を喜んで受け入れた。エルソン・ノヴァキャットを倒すことによって、ウルフは戦士としての価値を証明し、エルソンの氏族としての名誉が上官に従うことを要求したのである。



名前:ケリー・ユキノフ大佐
役職:アルファ連隊指揮官

 ユキノフの評判は他のどこにおいても目立つものであるが、竜機兵団においてはジェイム・ウルフ(今日もっとも偉大な軍事指導者のひとり)との比較に苦しむことになる。そのように成果を軽んじられると気分を害する者たちもいるかもしれないが、ユキノフはそうではなかった。キャリアの中で何度か負傷した彼は、常にアルファ連隊の指揮に戻ってきた。時折、素晴らしい輝きを見せる有能な士官の彼は容易にアルファを操り(前任者と違って革新的ではなかったが)、大胆な賭を行っているときに不意を打たれてもうろたえることはない。



名前:ジョン・クレイヴェル少佐
役職:ウルフスパイダー大隊指揮官

 伊達者ジョニーは、大元の竜機兵団の時代から参加しており、ブラックウィドウ中隊(部隊は成長しウルフスパイダー大隊に変貌を遂げた)を結成した一人である。大隊の終身司令官に昇進したクレイヴェルは、最近、部隊の名称を変更した。そのときに、彼はある伝統を捨て去る決心をした。彼の言うところでは、それは竜機兵団が行っている全面的な再編成と一致しているという。前司令官のナターシャ・ケレンスキーとの関わりを放棄することについて、同僚たちから非難されると、彼は公式に答えた。「レディは船に乗ってウルフ氏族に帰る決断を下した。彼女はいま氏族長であり、彼女にくそったれた誇りを抱いているが、我々は竜機兵団であって、ウルフパックはもう氏族と関わらない」そのときから、この件については沈黙を保っている。彼の叫びは公式に報道された。大隊が使っている降下船がハーレフに着地したとき、側面に「ウィドウによろしく」と描かれていたのだ。この星系に降下船を運んできた航宙艦はウルフ氏族の船であった。



名前:ミチ・ノケツナ少佐
役職:諜報グループ司令官(ウルフネット)

 ミチ・ノケツナはクリタ人で、以前は、竜機兵団の連絡士官だったミノブ・テツハラの副官として仕えていた。ノケツナはテツハラから、ブシドーの掟(サムライの道)を厳守し忘れないことを学んだ。掟によると、彼はジェイム・ウルフに仕えねばならないと考えた。ノケツナの過去と経験は、現在の職務に適合した。賞金稼ぎからクリタ武王に至るまですべてに通じていたのだ。中心領域社会の危険地帯で暮らした長い日々は、社会を通る情報についての深い洞察を彼に与えた。その洞察力は、すぐにスタンフォード・ブレイクの注意を引くことになる。彼はウルフの前保安部長で、クリタ人の技術に称賛を惜しまなかった。たとえウルフが戦場から引退しても、ノケツナは掟の厳正な解釈に駆り立てられ、特に好きでないが得意な仕事についている。彼は私生活で他と隔絶し、社会の中で過ごすのは稀である。



名前:ナターシャ・ケレンスキー(故人)
役職:前ブラックウィドウ指揮官

 ジェイム、ジョシュア・ウルフとともに中心領域に同行した幾人かのトゥルーボーンの戦士。その有能で型破りなメック戦士の名はナターシャ・ケレンスキー――ブラックウィドウである。遺伝的にアレクサンドル・ケレンスキーからつながるナターシャは、美人であるが、恐るべき戦士だ。神秘的な雰囲気といかなる敵をも破ることから、死の第一婦人というニックネームを得た。50年以上に渡ってうち立てた戦場での功績は、無数の遺恨、伝説、ホロテレビ(冒険記と子供向けファンタジー)の種となった。ブラックウィドウ中隊(マーリック内戦の最中に創設され、のちにブラックウィドウ大隊に成長した)は、中心領域でもっとも畏れられる部隊となった。

 3050年の終わりに、氏族がブラッドネーム保有者に氏族宙域への帰還を命じたとき、ナターシャ・ケレンスキーは中心領域を離れた。氏族政治と数回の階級の神判をなぎ倒したナターシャは、ウルフ氏族長の地位を得て、その後、中心領域に帰還した。ツカイードにて彼女は勇敢に戦った。5年まえに行われたジェイドウルフ氏族とのあいだで行われた伝説的な戦役で、彼女は戦場でのあいかわらずの容赦のなさを見せつけた。ブラックウィドウは次々とファルコンの部隊を切り刻み、自身を能力の限界に駆り立て、ツカイードの停戦を支持し新たな氏族の侵攻から中心領域を守るためにかつて強力だったジェイドファルコンを撃破した。ナターシャ・ケレンスキーは3057年12月7日に戦死した。





ウルフ竜機兵団の本拠地

アウトリーチ Outeach

惑星名: アウトリーチ
ジャンプポイントからの行程: 3日
補給ステーション: ゼニス点、ナディール点
再充電時間: 7日
コムスター施設: A
コムスター代表者: 上級大使、マーク・ブレマー、アウトリーチ基地司教
領有貴族: なし
政治指導者: ジェイム・ウルフ


 アウトリーチ(いわゆる傭兵たちの世界)は、22世紀に地球の植民者によって植民化された。これらの人々は、暖かい気候と、広い耕作地、豊富な自然資源に惹きつけられたのだった。この初期に、アウトリーチは農作物を輸出したが、2704年に星間連盟軍事オリンピックが開催されると、観光が惑星経済の中心となった。だが、同世紀の終わりに星間連盟が崩壊し、アウトリーチの観光産業は死に絶え、住人の多くに移住を強いたのだった。

 2786年、アウトリーチはカペラの支配下に入り、その運勢はほぼ200年間下降し続けた。第四次継承権戦争において、連邦=共和国が惑星を奪取した。戦争が終わると、ハンス・ダヴィオン国王はウルフ竜機兵団(中心領域で最も有名かつ手に負えない傭兵隊)にアウトリーチを下賜した。この行動は世界再興の宣言となった。ここに本拠地を作ると決めた竜機兵団は、アウトリーチを全中心領域中における傭兵取引の中心地とした。

 今日、アウトリーチはいわゆるカオス境界域において、血塗られた紛争が起きてない数少ない世界となっている。惑星を支配する竜機兵団5個連隊と戦って、高い代償を支払いたくなかったスン=ツー・リャオ首相は、アウトリーチがカペラ大連邦国の独立した男爵領だと宣言した。だいたいにおいて、アウトリーチでの商売は日常的に進行した。高名な雇用ホール(傭兵評価・雇用委員会の監督の下に運営されている)は、傭兵と雇用主の両方を惹きつけ続けている。実際に、周囲の星系が不安定なことで、カオス境界域の戦闘中の世界から雇用主が傭兵を捜しにこの都市へやってきて、ホールのまわりに大津波を引き起こしているのである。ちょうどこの地域の緊張から傭兵取引で儲けているように、アウトリーチのメック・武器取引業者、他の傭兵取引を支援する産業も利益を上げている。だが、この地域の騒ぎが、アウトリーチの観光産業に幾分のダメージを与えている。

 アウトリーチの健全な経済に加えて、優秀な竜機兵団の統治と、最先端の惑星防衛網が、アウトリーチをオアシスにしている。竜機兵団司令官のジェイム・ウルフが堅実に公正に惑星を統治し、サイクロプスI 軌道ステーションが訪れる降下船を密に監視しているのだった。このふたつによって、アウトリーチには周辺の不穏な空気が入り込まないことを事実上保証されている。

 アウトリーチには、ロムルス、レムスと名付けられた双子の大陸がある。ロムルスには惑星の首都ハーレフと、主要な都市と大企業のすべてがある。リッジと呼ばれる山系がロムルスをふたつに分ける。大陸の地方は小農場と小規模に植林された丘である。レムス(アウトバック、奥地として知られる)は、ウルフ竜機兵団が私的に保有している。この傭兵隊は総司令部と訓練施設を、乾燥した砂漠の惑星に設置している。惑星全土は温暖で、一年中温和な気候である。

 ハーレフのコムスターのオフィスは、ダウンタウンに位置している。ハーレフの降下港と雇用ホールにも支店がある。惑星HPGステーションの実質的な中継アンテナは、都市の北にあり、固く防護されている。コムスターは3039年、施設をAにアップグレードし、ウルフ竜機兵団がアウトリーチを支配して以来、よい関係であり続けている。

 コムスターはまたハーレフのコムネットを動かしている。アウトリーチ惑星内の通信ネットワークである。通信技術に熟練していることの現れとして、コムネットはもっとも洗練されていて、使いやすいもののひとつとなっている。コムスターはまた高度に洗練されたコンピュータネットワーク(簡単に電話回線網に接続できる)を維持している。このシステムは、標準でメッセージボードを備えており、アウトリーチ大学の図書館、地球のコムスター資料に簡単にアクセスできる。

 コムスターはまた傭兵ネットの装備と支援スタッフを揃えている。この傭兵のためのオンラインデータベースは、傭兵評価・雇用委員会が運営する。




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