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ニュース・更新履歴

2012年後期



2012/12/27


リーヴィング戦争
記事「ヴィントンの報復」を追加しました。

コヨーテによる、ダイアモンドシャークの主星、ヴィントンへの攻撃の様子です。シャークは集団で中心領域に移住したのでヴィントンはほぼ空っぽの状態でしたが、主星だけあってSDSを始めかなりの防衛力が残っていました。氏族が本気になって予備戦力を投入すると、物資、人員ともにかなりのものがあるようです。



Morpheus MR-P1 Koto KT-P2 Tsunami TS-P1 Colossus CL-P3

Master Unit List を眺めていたら、ソラリスメックのところで、いまだに河森デザインのイラストがそのまま使われているのを見つけました。色々と大丈夫なんでしょうか。



Handbook: House Kurita
今さらなんですが、Ben Romeのブログに"Handbook: House Kurita"のプレビューがありました。ルシエンアーマーワークスの解説などです。この本では、ヨグチ・クリタを暗殺したことで有名なエージェント、雪火(SNOW FIRE)の正体が明かされるそうです。



2012/12/24


リーヴィング戦争
記事「ステラー・システム・ウェイポイント531」と前回のゴリアテスコーピオンの続き、記事「ゴリアテのペテン」です。アイスヘリオンの生き残りと合併し、今後、深辺境勢力へと姿を変えていくことになる、ゴリアテスコーピオンの過程が描かれています。

「ステラー・システム・ウェイポイント531」は、この本で唯一、ワード・オブ・ブレイクの名前が出てくる箇所です。ブレイク軍は氏族本拠地を襲うつもりだったようですが、聖戦の真っ最中ということもあり、割ける戦力が不足していたため、どこまで出来たかはわかりません。大量破壊兵器を大量投入すれば、2〜3氏族は滅ぼせたでしょうか。盗賊階級がその邪魔をして、さらにスコーピオンが残りを利用するのは面白い流れです。

スコーピオンの行動はスティールヴァイパーに把握されており、前回の事件とあわせて、リーヴィングされるべきだと言われています。実際にスコーピオンが氏族本拠地を追い出され、ヌエバカスティーリャを侵略するのは、これから数年後の話です。



"Interstellar Expeditions: Interstellar Players 3"に、奇妙な情報がありました。シーアンを爆撃したのがワード・オブ・ブレイクではないというものです。

カペラ大連邦国の主星、シーアンが謎の戦艦に軌道爆撃されたのは、3068年のことです。この攻撃でフォービドゥン・シティはがれきと化し、サン=ツー・リャオ首相も死亡されたものと思われました(二ヶ月後に王宮の地下より生還)。

当時、この攻撃を行ったのは、交戦状態にあった恒星連邦のハセク家だとされていました。しかし、その後、真犯人が明らかとなります。それはもちろんワード・オブ・ブレイク。カペラと恒星連邦を互いに戦わせるための策略だったのです……これまではそういうことになっていました。

しかし、ISP3内のコメントにおいて、元ブレイクのROM司教はそれを否定しています。信じがたい話ですが、戦後のいまになってこのタイミングで彼が嘘をつく必然性はありません。では、ブレイクの仕業でないとしたら、真犯人はだれなのでしょうか?

カペラにおいてこれほど高度で複雑な陰謀を企み、成功させる人間はごくわずかしかいないでしょう。ひとりはマスターです。そしてもうひとりは……カペラ大連邦国首相、サン=ツー・リャオその人。

サン=ツー黒幕説というのは、以前からあったのですが、彼が人民を犠牲にするわけがないという理由で否定されてきました。彼はやってのけたのでしょうか? ひとつ確かなのは、シーアン爆撃によって国家が団結し、ハセクへの逆襲が成功したということです。



2012/12/18


リーヴィング戦争
記事「スコーピオンの仕掛け」「シュタイナーの愚行」を追加しました。

これまで空気だったゴリアテスコーピオンの攻勢(失敗)と、クラウドコブラのタニテ攻撃(失敗)の様子です。スコーピオンはファイアマンドリル氏族と同盟関係にあったようです。



"Interstellar Expeditions: Interstellar Players 3"より小ネタ。

3095年の時点で、インターステラー・エクスペディションズ(IE)のCEOは、前任者のライナー・ウッデンから、オックスフォード大学人類学名誉教授のナオミ・ウィルソン博士に代わっています。この人物は、なんとウィルソン軽機兵隊(聖戦中に壊滅)の指揮官のいとこなのだそうです。そういえば、ライナー・ウッデン前CEOも傭兵デビル旅団歩兵指揮官との血縁関係が噂されていましたが、そういう伝統があるんでしょうか?

もうひとつ、コムスターの探査局(Explorer Corps)について。聖戦後も彼らは健在ですが、予算がなくなってしまったことから、ブレイク教団の隠された秘密を探す活動のみに専念しているとされます。コムガードが解散してしまったため、探査の際の護衛は傭兵に頼っているようです。

しかし、探査局の活動はどうも怪しげです。それどころかIEの調査チームに攻撃をしかけてくる(!)ことさえあるそうです。公式にはそれを否定していますが……彼らはそこまでして何をしているのでしょうか? 活動範囲は主に、スフィア共和国(地球から90光年以内)と、コアワード辺境(氏族本拠地方面)だそうです。



2012/12/12


リーヴィング戦争
記事「アルビオンの中傷」「アルビオン崩壊」を追加しました。

ブラッドスピリット氏族によるスターアダー氏族への報復の様子です。何に対する報復かというと、3072年8月にアダーがスピリットの主星、ヨークを軌道爆撃し、ほぼ殲滅したということに対して……です。スターアダー氏族が武装した民間人を使ったり、罠を使っているのを見ると、いまさらですがリーヴィング戦争が名誉と規則に則った神判ではなく、単なる戦争、殺し合いに堕していることがわかります。それどころか、食料の奪い合いまでしているので、これは生存競争でしょうか。



賞金稼ぎ(バウンティーハンター)関連の資料をまとめ読みしたので、彼とその中の人について書いてみようと思います。

賞金稼ぎが最初に登場したのは、バトルテック最初のシナリオ集「ブラックウィドウ」においてです。ここで彼はナターシャ・ケレンスキーのライバル的な役割を果たしていました。3027年、賞金稼ぎはケレンスキーとの望まぬ共闘に追い込まれ、そして、直後、姿を消します。彼が平和裏に引退するとは思えません……ブラックウィドウと戦って殺された可能性があります。

その後の3030年代、ミチ・ノケツナという人物が、賞金稼ぎとして再び姿を現しました。彼はミノブ・テツハラの元部下で、上官の死に復讐するため、賞金稼ぎの身分を利用したのです。ミチ・ノケツナには三人の仲間がいました。そのうち二人は、特命を受けたウルフ竜機兵団のメック戦士。もう一人が、ヴィク・トラヴァーズという謎の人物です。竜機兵団関係者ではなさそうなので、おそらくその辺にいた超凄腕のドラコ人でしょう。ミチ・ノケツナが復讐を果たしたあと、賞金稼ぎの跡を継いだのが彼です。

それから20年にわたって、ヴィク・トラヴァーズは賞金稼ぎを続けました。氏族侵攻期には、三機の氏族メック撃墜を成し遂げ、乗っていたマローダーIIと引き替えにスモークジャガー戦士からマッドキャットを奪い取ります。しかし、それ以降、賞金稼ぎは中心領域から不自然に姿を消しました。理由はわかりませんが……スターウォーズのボバ・フェットそのまま過ぎたからでしょうか?

その後、賞金稼ぎがバトルテック世界にカムバックしたのは、10年以上経った連邦=共和国内戦のころです。ヴィク・トラヴァーズの知られている最後の大仕事は、3068年、カイ・アラード=リャオを一対一の決闘で破り、身柄を確保したことでしょう。両メック戦士ともに、操縦0/砲術0という、この世界のまさに頂上決戦でした。カイが負けたのは、賞金稼ぎのマッドキャットに対し、彼のリョウケンが重量で劣っていたからかもしれません。

それから3072年までのどこかで、賞金稼ぎの中身はウォルト・ウリズマンという人物に変わります。彼は腕の良さを買われて賞金稼ぎの個人テックとなった恒星連邦人技術者です。3068年時点で、メック戦士としての腕はそこそこ(操縦4/砲術4)だったのですが、ヴィク・トラヴァーズから直々に教えを授けられ、賞金稼ぎチームの次席指揮官&後継者候補となっていました。

3072年、ウォルト・ウリズマンは最高の敵と戦って、賞金稼ぎとしての腕を証明します。その敵とは、オパクス・ヴェナトーリ指揮官、ベリス司教。二人は共に、狂った元コムスターROM司教ヴィクトリア・パードゥを追っていました。このもうひとつの頂上対決は、引き分けに終わります……ベリスに追い詰められた賞金稼ぎは、仲間を失いながらも派手な脱出に成功したのです。

このとき彼を雇っていたのはチャンドラセカール・クリタでしたが、その後の3076年にアンクル・チャンディを暗殺したのは、賞金稼ぎだという説があります。



The structure of a mech company - from an in-universe point of view
また公式フォーラムより。メック中隊の構成に関する疑問です。

この中に、メック中隊指揮官が忙しすぎるんじゃないかという指摘が出ています。戦闘中、メック中隊指揮官は、中隊全体の指揮をとりながら、同時に指揮小隊の指揮をとり、さらに自分のメックを操縦して、敵と交戦せねばなりません。たしかに、やることが多すぎて、戦いながら指揮をとるのは難しいかもしれません。現実の戦車中隊は、小隊(戦車4両)×3個の中隊に、指揮分隊(戦車2両)がついてきます(合計戦車14両)。

これに対して、バトルテックスタッフの一人、Øysteinさんが興味深い解答をしています。メック中隊は戦車中隊よりも、戦闘機中隊(fighter squadron)に近いというのです。

……戦闘機中隊指揮官は、自分の機体を飛ばしながら、全体の指揮をとるが、細々とした指示を行うわけではない。パイロットは高度な訓練を受けたエリートたちなので、自らのイニシアチブを持って行動することが出来る。余計な命令はむしろ邪魔になる。バトルメックもそれと同じである……というような話です。

これはスタッフ個人の自説ですが、なかなか説得力があると思います。旧日本軍の飛行中隊は、ちょうどメック中隊と同じく、4機編隊の小隊×3個で構成されていたそうです。



2012/12/08


リーヴィング戦争
記事「感染拡大」を追加しました。

ヘルズホース氏族とウルフ氏族の対ソサエティ戦の模様です。このふたつの氏族は、首謀者のエチエンヌがいるジェイドファルコンに比べると被害が少なかったのですが、それでもかなりのソサエティ関係者が科学者階級内にいたようです。

ソサエティを調査するうち、ホースのウォッチはヌーボーパリにたどり着きました。ここはかつてホースが中心領域侵攻の足場にした深辺境の中間地点です。ときを同じくして、コブラから情報をつかんだスターアダーがやってきたのは、面白いところでしょう。



Topic: Conflicting info on Carlyle's Commandos
グレイデス軍団の前身である、カーライル奇襲部隊について公式のコメントを見つけたので、転載します。

元々、カーライル奇襲部隊は、傭兵であるデュラント・カーライル大尉に率いられたライラ王家メック小隊というよくわからない部隊でした。さらには、メック中隊と数個歩兵小隊による諸兵科連合部隊だったという記述も見られます(いずれもグレイデスの小説とシナリオより)。この矛盾を解消するのが、今回作られたライラ正規軍と傭兵の混成という設定です。

元々はライラのメック小隊を、傭兵のメック2個小隊(カーライル奇襲部隊)が増強したというような編成だったのですが、ライラ小隊はライラ政府から見捨てられたと感じたため、カーライル大尉を事実上の指揮官と見るようになり、事実上傭兵に転じた……というようなことになったようです。

メック1個中隊のうちトレルワンにいたのは1個メック小隊のみでしたが、2個小隊は別の惑星にいたというような解釈でしょうか? 戦力はこの他に、地元で立ち上げられた車両支援があったかもしれないということです。



2012/12/04


リーヴィング戦争
"Wars of Reaving"に戻ります。記事「蔓延」「蛇の分裂」を追加しました。

スティールヴァイパー氏族とスターアダー氏族による、対ソサエティ、盗賊階級作戦の模様です。ソサエティの反乱が始まって1年以上経ってからようやく組織的な対応が始まりました。いくら通信と移動に時間がかかる世界だからといっても、これは遅すぎるでしょう。しかも、この期におよんで、氏族同士で情報交換していないというていたらくです。

本来なら、大氏族長であるブレット・アンドリュースが氏族をとりまとめるべきと思いますが、彼は大氏族長に就任してからここまでリーヴィングの命令しか出していません。バトルテックでも有数の無能な人物ではないでしょうか。



"IE:ISP3"より、隠されし5つの世界(ファイブ)について少しだけ。

この項の情報源は、IEがアンタロスで捕らえたブレイクの航宙艦艦長です。彼は地球出身で、ファイブのすべてに行ったことがあるとしています。

3095年の時点で、いまだ残っているファイブは、OBEEDAH(カペラ大連邦国)、TAUSSEN(恒星連邦)の二ヶ所。IEはカペラ、恒星連邦、スフィア共和国の大々的な支援を受けて(戦艦まで出してもらってます)、このふたつの世界を探しているのですが、いずれの冒険も失敗に終わりました。

OBEEDAH、TAUSSENには、兵器工場があるようで、尋問の際に「恒星連邦で一番メックを生産しているのは? それはTAUSSEN!」などという皮肉が出てきます。OBEEDAHはファイブの中で最も人口豊富で、星間連盟並みの環境・生活水準が残されているとされます。

ファイブは地球を入れて、シックスとされることもあるそうです。ブレイク教団はガブリエル遺跡を放棄したときに、惑星オデッサを生物兵器攻撃しましたが、致死率は30%程度で惑星全滅せずに済んだようです。

なお、ブレイク残党を追っている集団に、FSSコンサルティング・グループというのがあります。このグループの創設者は、恩赦を受けたブレイクROM上層部の司教、レグルス元SAFE工作員、ダモクレスとつながりがあった元コムスターROM諜報員だそうです。あまりに怪しいことから、元ブレイク司教はイルミナティの一員などとも言われています。

ROMの上層部にいた彼でさえもファイブについては詳しいところを知らないようで、マネイドミニとその他の教団員の断絶がうかがえます。ライト・オブ・マンカインド(ブレイク特殊部隊)がマネイドミニを追撃したことさえあったそうです。



Summit of the Giant Stompy Robots
BattleTech Summit (2012)
バトルテックスタッフによるブレインストーミングの画像が上がっています。これはつまり公開企画会議の光景であるか、あるいはスタッフによる悪ふざけ、釣り(troll)であるようです。

ホワイトボードにある文字を読み取るとこんな感じになります。

3250年 ブレインストーム

2016年小説
ハンスに関する真実
黒死病 X1000 タウラス連合浮上
カレブ・ダヴィオン"マイクロチップ"
"ジ・インシデント"
ケイヴ・ヨルゲンソン氏族長
アヴァロン解放核攻撃 ゴーストベア氏族?
ヴィクター・ダヴィオンの遺伝子
新しい戦艦航宙艦ポータル - A.I. - ジャンプポイント
2ページのレコードシート
25の兵器
40のシャーシ(10〜150トン)
クリタによるマーリック転覆殲滅
第五次継承権戦争 3170〜3185年
第六次継承権戦争 3196〜3210年
第七次継承権戦争 3250年
AIメック(ないし無線操縦)
六脚メック
アダー侵攻 3255 3260? 3290?
人口減少
B.H.暗殺部隊
ISP4 WOB? - ウルバリーン大氏族 3146 3200
マイアマー×4


色々ととんでもないことが書かれています。もしかしたら、これらのネタの中から、今後、実際の製品に活かされるものが出てくるかもしれません。ISP4は是非とも出してもらいたいものです。

以下は出版が企画されている(?)本のリストです。

A. Historical: Rise of the Hegemony (地球帝国の黎明期?)
B. TRO:1943 (実在の兵器をバトルテックのルールで現したもの?)
C. DEEP WARS (深辺境の戦い?)
D. Era Report: Exodus (ケレンスキー艦隊の解説?)
E. Interstellar Players 4: Even More Wolverines (説明不要)
F. EXILE'S PATH (放浪ウルフ? 氏族本拠地?)
G. CCG BOX SET & DICE BAG (今さらカードゲーム?)
H. Tribes: Genesis (ネタ分からず)
I. Manei Tyrannids (マネイドミニとウォーハンマー40Kの融合!?)


ジョークとしか思えないものから、本当に出そうなものまで並んでいます。ISP4は是非とも出してもらいたいものです。

他のネタとしては、ガウス射出バトルアーマー、メックアイススケート、すべての降下船にメック用シートベルトが、流体金属歩兵、トランペットがアレス条約違反に、1000トン八脚メック、マッドキャット・マーク30、パンクロックがついに死ぬ、オムニ戦艦、無限軌道降下船、精神弾、ハローキティの侵攻、バトルテック・クローン戦争、アポリオンの正体がスティーヴ・ジョブズと判明……などがあります。

それらに混じっていた気になる単語は、「スマートテック」「カペラメガファクトリーコンセプト」「ルシエン事件」「タウラスの春」「シルティス合意」「クリタ家がマグヌッソン家に取って代わられる」「ライラ崩壊」「ザ・トラブルズ」「ギブソン議定書」などです。



2012/11/29


XTRO
"Experimental Technical Readout: Pirates"から二機種。バスとレパードです。

S-7Aバスは中心領域の小船艇(Small Craft)です。宇宙空間で10名の乗員と30トンの貨物を運ぶ能力があります(ST-46シャトルと違って、大気圏突入能力なし)。海賊の改造型「スカラベ」は、ワード・オブ・ブレイクが使っていたような一種のQシップ(偽装船)であるようです。海賊だけあって残酷であくどいことをしています。

レパードPAは改造型の強襲降下船です。通常のレパード級を大きく上回る火力に、1.5倍近い厚い装甲を持っています。装甲の追加には、中枢強度の強化が必要となり、とても海賊の手に負える改造とは思えません。それにはコムスターも首をかしげているようです。貨物ベイの仕様は、気圏戦闘機用ベイ2つ、バトルタクシー(海兵輸送)用ベイ2つ、ジャンプ歩兵4個小隊となってます。



以下、"Interstellar Expeditions: Interstellar Players 3"より、気になる点をいくつか。

氏族本拠地の状況について、奇妙な情報がありました。3078年にIEがダイアモンドシャークの聴音哨から入手した通信文です。

これによると、氏族本拠地で労働階級が反乱を起こし、粛正の神判の投票がなされ、ファイアマンドリルがクラウドコブラを吸収し、中心領域氏族に対する侵攻が決議され、スタースピリットという新氏族が出来たそうです。"Wars of Reaving"に似ていながら、矛盾のある情報ばかりです。いったいどちらが正しいのでしょうか?

"Wars of Reaving"が間違った情報だとすると、本一冊まるまる無駄になってしまうので、おそらくこちらの通信文が間違っているのでしょう。ダイアモンドシャーク氏族による情報攪乱工作ではないでしょうか。



冒頭の小説、"SHADES AND SPIRITS"にブレイクの残党が登場していました。

時代は聖戦集結から10年以上経った3095年。場所は辺境の南西にあたるマクイヴディ・フォーリー(かつてミネソタ・トライブの痕跡らしきものが見つかった)に近い無人星系。IEの発掘チームは、ここでミネソタ・トライブの調査を行っていました。

主人公である研究者、ウェイドはついに彼とIEの念願を果たします……ウルバリーン氏族の入植地を発見したのです。建物の中には第331親衛バトルメック師団とウルバリーンのパッチを帯びた軍服、バトルメックの残骸、星間連盟品質だが星間連盟は製造していない機器などが残されていました。ウルバリーン氏族が脱出し、生き残ったという説がここで証明されたのです。

しかし、直後、敵が現れます。セラ級空母とスペクトラル・オムニ戦闘機……ワード・オブ・ブレイクの生き残りです。それもスペクトラルシリーズを使っているのでマネイドミニでしょう。彼らは13年経ってもそれだけの戦力を維持していたのです。

さらにウェイドは、護衛だった傭兵に裏切られます……彼はIEに送り込まれたスパイでした(おそらく金で雇われたのでしょう)。いったいIEには何人のブレイク派が隠れているのでしょうか? ウェイドは傭兵を倒すことに成功します。しかし彼が見たのは、迫ってくる爆発と美しいマッシュルーム雲だったのです……。

……これは単純に、ワード・オブ・ブレイク(ウルバリーン氏族)残党によるIEへの妨害工作でしょう。

しかし、惑星マクイヴディ・フォーリーと、この小説に出てくる無名の入植地は、ミネソタ・トライブ(コムスターに合流したザ・ブラッド)とは違うウルバリーン生存者の痕跡なのではないかと自分は考えています。

理由のひとつは、マクイヴディ・フォーリーがミネソタ・トライブの現れたドラコ辺境から遠すぎることです。もうひとつは、ミネソタ・トライブがサラ・マクイヴディ氏族長を含んでいないグループだったからです。

ミネソタ・トライブでないもうひとつの生存者とは、最後の副氏族長トリッシュ・エボン率いる、正統派ウルバリーン氏族とも言えるグループです。彼らはサラ・マクイヴディと思われる精神崩壊した老女を連れていました。マクイヴディ・フォーリーは、彼女が眠る墓標のような土地だったのではないでょうか?



2012/11/25


XTRO
エクスペリメンタル・テクニカルリードアウトの項目を作りました。今回は、"Experimental Technical Readout: Pirates"から二機種です(テキストのみ)。

アンフルはTRO3060にある氏族製の30トン輸送ヘリコプターです。海賊はどうにかしてこの機体をサルベージし、中心領域製のステルス装甲と電子機器で改造したようです。秘密裏に物資、歩兵の輸送が可能です。

ミルミドンは、左右側面の張り出し型砲塔(Sponson Turrets)にライトマシンガンを3門ずつ載せています。張り出し型砲塔は側面に搭載する射界180度の砲塔です。



"Interstellar Expeditions: Interstellar Players 3"にお待ちかねのグリーンゴーストの情報がありました。短いページの中にものすごいことが色々書いてあります(グリーンゴーストについての基本的な情報はインターステラー・プレイヤーのインターステラー・エクスペディションズの項を参照)。

このセクションの情報源は、3068年にライラのトーマンズで捕まったグリーンゴーストの下っ端隊員です("Dawn of the Jihad"にこの戦いのシナリオがあります)。

彼は元辺境世界共和国の衰退した植民地で生まれました。ある日突然、グリーンゴーストの降下船とバトルメックがやってきて、彼を連れ去ったというようなことが書かれています(強制徴募)。彼の仕事は、戦場に残されたグリーンゴーストの痕跡や証拠を消すことでした。

彼が内側から見たグリーンゴーストには、サソリのマークを持つ集団と、常にローブをまとった「エンジェルマン」たちがいました。これが意味するところは、つまりこうです……グリーンゴーストは、ゴリアテスコーピオン氏族人と、ワード・オブ・ブレイク信徒と、辺境世界共和国の生き残りで構成されている!

しかし、これはあくまでほぼ部外者だった彼の視点によるものである上、どの勢力が何割で、母体にあたる組織は何なのかということかまではわかりません。文章を見る限り、スコーピオン氏族人とブレイク信徒は、元の組織と袂を分かった離脱者たちのようにも見えますが……。また、単なる推測ですが、配備している装備から見て連邦共和国の部隊(たとえば行方不明になった第7南十字星部隊の通常戦力)も混じっているかもしれません。グリーンゴーストは小隊・中隊、星隊・二連星隊、レベルI・レベルIIといった各勢力の部隊編成をすべて使うそうです。

興味深いのは、グリーンゴーストがペリグリン級戦艦を持っていることです。これはおそらくリーヴィング戦争の最中に、ゴリアテスコーピオン氏族が辺境で遭遇したペリグリン級と同じ船でしょう。ペリグリン級はかつて数隻のみ建造された20万トン以下の軽武装船とされています。氏族の海軍キャッシュから盗み去ったものでしょうか?

さらに興味深く、重要と思われるのは、彼らが帯びているマークについてです。グリーンゴーストは、3080年以降、どこかで見たような新しいシンボルマークを使い始めています。それは燃え上がるサンディスクと、ティアドロップ、サソリだそうです。

これは……ゴリアテスコーピオンのエンブレムにきわめてよく似ているのと同時に、ダークエイジのブラックアウト時にHPGを破壊した謎の集団"Triumvirate"のマークにそっくりではないですか! つまり、グリーンゴーストと"Triumvirate"は、時代を経た同じ組織と思われるのです。

紋章から見て、グリーンゴーストのベースはゴリアテスコーピオン(おそらくその離脱者)の可能性が高いでしょう。そこにワード・オブ・ブレイク信徒が合流したような形に見えます。両者は何らかの「聖なる目的」のために、ひとつになったのかもしれません。

気になるのは、グリーンゴースト内のブレイク信徒に、Mikalなる怪しい人物がいることです。彼の黄色い目は、暗闇で光るそうです……マネイドミニのサイバー・アイでしょうか? そしてMikalの名前は天使ミカエルを指すもの?

もし彼がマネイドミニであったら、単なる宗教的情熱や個人的な目的から教団を抜けたというようなことはないでしょう……マスターの命令により動いているはずです。となると、グリーンゴーストとは、マスターがゴリアテスコーピオン氏族のシーカーをそそのかして、自らの目的のために作った一種の外郭団体というようなことになります。それなら、彼らがデヴリン・ストーンのために、HPGを破壊したことにも納得がいきます。

となると、隠されしファイブを捜索し、グリーンゴースト(マスター)に目の敵にされているインターステラー・エクスペディションズとはいったい何者なのでしょうか? IEはISPシリーズの中心にいるくらいですから、謎の陰謀組織であることは間違いありません。その背後にいるのは、たとえばウルバリーン氏族のミネソタトライブとは違う一派であるとか……。

それとも、Mikalは天使の名を持つ「エンジェルマン」……マスターのもとを離れた正義のマネイ・ドミニかもしれません。



2012/11/21


TRO:3085
ワード・オブ・ブレイクと傭兵の歩兵を追加しました(テキストのみ)。文章の視点は、スフィア共和国によるものです。

ブレイクの歩兵は、いかにもブレイクらしいNBC処理班と暴動鎮圧チームとマネイドミニのサイボーグ分隊。ドミニの歩兵はRPGのルールだと強いのかもしれませんが、ボードゲームだと1個分隊(ドミニ6名)のみの編成となるので、あまり怖くありません。しかし平地でのダメージ二倍なし、バースト射撃のダメージ減少など、様々な特殊効果を持っています。

傭兵の歩兵は、それぞれ特定の部隊に属しているものです。文中に出てくるスチュワート・サポートは、歩兵のみの編成で有名だった傭兵連隊。カオス境界域のニューカントンに駐屯していた彼らは、ワード・オブ・ブレイクに与せず、最後まで抵抗を続けたようです。傭兵の正しいあり方を示した名誉ある部隊のひとつと言えるでしょう。



2012/11/16


リーヴィング戦争
記事「準備」「ウィルス神経症」を追加しました。

前者は、バーロック氏族のギャラクシーコマンダーから氏族長への通信文です。文面から、シャークのリソースを奪って活用していることと、ゼータ銀河隊の戦力が4個星団隊から5個に拡大していることが読み取れます。また前回の記事「収縮」に出てきたモスボール戦艦窃盗についても触れられています。

文中に出てくるシナプス・プロジェクトは、ソサエティによる遺伝子強化実験です。これを受けた人間はミュータントのように変化するようですが、ルール上、デメリットが大きいわりにたいした能力向上はないようです。ソサエティに捕まったトゥルーボーンの多くが、シナプス・プロジェクト、戦闘ドラッグ、遺伝子ウィルスなどの実験体にされました。

後者の記事は、中心領域氏族占領域のHPGを襲ったウィルスについて。おそらく、ファルコン内のソサエティが放ったものでしょう。3068年にワード・オブ・ブレイクが使ったHPGウィルスとよく似ていますが、両者の関係は不明です。



新しい3250年のバトルテックについて、個人的な要望をもう少しだけ。

バトルテックはロボットを主題にした戦争ゲームであるにも関わらず、ダークエイジでは、諸兵科連合偏重でバトルメックが目立たない、軍隊が大きく削減されているという状況がありました。3250年ではぜひ、この逆をいってもらいたいと思います。もし保守派氏族が第三次星間連盟を作っていれば、バトルメックを大量生産してくれるかもしれません。



2012/11/12


リーヴィング戦争
記事「収縮」「頑強な防衛」を追加しました。

タマロン(コヨーテ主星)の海戦で、コヨーテの戦艦がHPG兵器、ダメージ吸収といった謎の新技術を使っている様子が見受けられます。その後、11月になってようやく、スターアダー氏族はタニスにバーロック氏族が存在することに気づいたようです。



WHAT THE FUTURE HOLDS…

BattleBlogが更新されていました。3250年へのタイムジャンプのことや、新製品のことが語られています。

2013年中に、Era Report: 3145やField Manual: 3145を出してダークエイジに始末をつけて、2014年あたりから3250年関連の商品を出すというような予定になっているようです。TRO: Vehicle Annexの改訂版や、2765 Field Reportシリーズ(アマリス内戦直前の各大王家の軍隊について)もリリースされるとのこと。

3250年へのタイムジャンプについては、詳しいことは分かりませんが、25年かけて積み上げてきたルールと世界観をいったんリセットして、新しいルールと世界観を導入するといったものだと思われます。

バトルメック同士の戦いを別のルールで表現したものになるのか、それともバトルメックのありようを根幹から変えるものになるのか(メックがマクロス、ガンダムになるなんてファンの予想も)、想像がつきません。12年前に日の目を見なかった「バトルメック・オメガ」なる新ルールがあったそうですが、もしこれをベースにするのなら前者になるのでしょう。

新しい世界設定について個人的な希望は、現状とはまったく異なるものにしてほしいということです。変化の少ないリセットは、ダークエイジで一度やってますから、今度はわけがわからないほど大きく変化しているといいですね。

中心領域と辺境がすべてウルフ氏族領になってるとか、キャメロン家による地球帝国が復活してるとか、クリタ家が丸ごと滅亡しているとか、恒星連邦が復活の余地無く消滅してるとか、ライラが氏族化しているとか、カペラの首相がハセク=ダヴィオン=リャオだったりとか、中心領域とも氏族とも文化の異なる新大勢力が出るとか、そんな感じのアレです。

この時代には、普通の中口径レーザーが、実は中口径重強化長射程速度可変Xパルスレーザーの軽量改良型……みたいなことになっていそうです。



2012/11/05


リーヴィング戦争
記事「ヘリオンの衰退」を追加しました。中心領域侵攻で空っぽになったアイスヘリオン氏族の本拠地領土が狙われているようです。

飢餓に苦しむ飛び地領が出ていますが、これは氏族の惑星のほとんどが自給自足できず、交易に拠って立っているからです。ソサエティに捕まったトゥルーボーンの戦士たちは、遺伝子実験のモルモットにされてしまうようです。



ちょっと古いネタなんですが、旧FASAが企画していた聖戦の初期プロットというのがあったので紹介してみます。Herbert A. Beas IIさんの書き込みの転載です。

・第二次星間連盟が良くない理由で崩壊したことに、ブレイク教団が切れる
・継承国家の首都5つがすべてブレイク艦隊に襲われ、占領される
・ヴィクターとその仲間たちがツカイードで再結集
・偽トーマス・マーリックが正体を現し、ヴィクター陣営につく
・カオスマーチの惑星すべてがブレイクの強襲を受け、ウルフ竜機兵団とノースウィンド・ハイランダーズが自分たちのために傭兵保護領を作る
・ヴィクターは2年かけて連合軍を結集するが、負ける寸前にまで追い込まれる
・そこで眠れるゴーストベアが目を覚まし、強力な戦艦と共に戦争に加わる。彼らはブレイク教団とウルバリーン氏族が共謀していると信じてバーサーカーになる
・カペラは参加せず亀になる
・ベアがすべての戦線で先陣に立ち、進撃するが、地球の軌道上で止まる。地球上陸は停戦に触れるとヴィクターに指摘されたため
・マネイドミニ、ファイブ・ワールド、デヴリン・ストーンは追加要素

初期のプランだと、ゴーストベア氏族が活躍するような、宇宙をひっくり返すほどではない普通の(?)エピソードだったようです。連邦=共和国内戦の規模と長さでしょうか。実装された聖戦はこれに比べるとちょっと冗長でしたね。



2012/10/30


リーヴィング戦争
記事「ほどかれたヴァイパー」「信号消失」を追加しました。

コヨーテのクファール氏族長が、アンドリュース大氏族長との神判であっさりと死亡しました。後任となったのは、一度階級の神判に落ちて科学者となり再び戦士の座に返り咲いたエリオット・マッキベンといういかがわしい人物です。疑問の余地なくソサエティの手の者でしょう。

二つ目の記事は、ジェイドファルコン氏族のソサエティ殲滅作戦について。ソサエティはファルコンの科学者階級深くに根を下ろしているため、根絶はほぼ不可能な状況でした。なのでファルコン氏族長たちは単純な戦術に訴えます……ウォッチ・チームを使って、科学者階級を丸ごと皆殺しにするというものです。

このやり方で、ファルコンの科学者はソサエティごとほぼ全滅し、残されたのは、他氏族生まれのフリーボーンと、中心領域科学者(学長など除く)のみとなってしまいますが、足りない分はホースやベアから得たり、神判でウルフから奪い取るなどしています。



2012/10/24


リーヴィング戦争
記事「ザボ陥落」「シャークのあごをつかむ」を追加しました。

前者は元スモークジャガー主星、ハントレスでの戦いについてです。ソサエティの反乱から半年が経っても、まだスコーピオンとコブラは脳天気にリーヴィングを行っています。この時点までザボ山にはジャガーの遺伝子が残されていたようです。

後者の記事は、バーロック氏族の攻撃を受けるダイアモンドシャークの模様です。文中に出てくるP9、ゲント、サロニカなどの星系は、中心領域と氏族宙域の中間にある氏族中継地点です。

攻撃を受けたとき、ダイアモンドシャークは2隻の戦艦を持っていましたが、輸送用のキャラック級とボルガ級なので、戦力としては微妙。バーロック側は旧式とはいえ戦闘艦3隻を投入しているので勝ち目はないでしょう(最初の攻撃の後で危険を察して逃げられればよかったのですが)。バーロックにとっては軌道修理ステーションを得られたのが大きかったようです。



2012/10/18


リーヴィング戦争
記事「ファルコンを解体する」「最後通牒」と、それ以下の本文を追加しました。中心領域のファルコンが、元科学者階級長エチエンヌ・バルザックの攻撃を受ける様子です。



2012/10/13


リーヴィング戦争
記事「突破口を叩く」「内側からの腐敗」「暗黒の辺境」を追加しました。

HPG妨害、遺伝子ウィルス、暗黒階級の襲撃とソサエティが本領を発揮してきました。氏族はまだなにが起きたかに気づいておらず、ただ暴力を拡大させています。

「内側からの腐敗」は中心領域のジェイドファルコンについてです。この時期、アイスヘリオンはすでに中心領域侵攻に失敗しており、なにも知らないまま氏族宙域へと帰還しています。ヘリオンの〈コーテリ〉と、元ジャガーの〈オシス・プライド〉は、両方ともポチョムキン級です。



2012/10/06


リーヴィング戦争
記事「最初の攻撃」と、それ以下の本文を追加しました。

ソサエティは真っ先にアイアンホールドを攻撃していますが、その理由はかつてジェイドファルコン(ソサエティが多い)の主星だったからでしょう。

文中にある、ソサエティがストラナメクティで行ったプロパガンダは、「ウルバリーン氏族はニコラス・ケレンスキーの策略により名誉を汚されスケープゴートにされた。スノウレイヴンへの核攻撃は自業自得」というものです。氏族人からすると、これは信じる信じない以前のまったく意味不明な話だったようですが……読者視点で見ると歴史上の事実(多分)が語られているに過ぎません。

これが示唆するところは、ソサエティのバックにいるのが、ずばりウルバリーン氏族の生き残りであるということです。想像するに、コムスター(ワード・オブ・ブレイク)と合流した連中が、秘密裏に氏族宙域へと帰還し、科学者階級への浸透を図って氏族に対する破壊工作を行っていた、というようなことだと思われます。

ブレイク派とソサエティにはひとつの共通点があります……それは科学技術を信奉していることです。まあそれ以外に、ソサエティとウルバリーン(ブレイク)のつながりを示すものはこれまでなかったわけですが、ソサエティが事実を元にウルバリーン氏族擁護のプロパガンダを行ったことには、あまりに大きな意味がありそうです。

聖戦と同時にソサエティの反乱が起きたのは、ウルバリーン(ないしマスター)がそれを狙ったのか、単なる偶然だったのかは不明です。反乱の発端となったリーヴィングがスティールヴァイパーの暴走なので、判断できません。



2012/09/30


リーヴィング戦争
記事「前進する死」「無敵をまとう」「暗闇の中での決断」を追加しました。

「反乱(chalcas)」に入ります。ソサエティによる反乱の始まり……ここからが本当の本番です。アンドリュース大氏族長のリーヴィング宣言が12月1日で、ソサエティの蜂起が1月1日なので、直後の話ということになります。

コヨーテ氏族内のやりとりを見るに、ソサエティが反乱を起こしたのは、アンドリュース大氏族長による異常なリーヴィング騒ぎが原因であるようです(少なくとも表面的には)。クファール氏族長は最初からソサエティのシンパで、一方、まっとうな戦士であるクリアウォーター副氏族長は反対しています。



2012/09/23


リーヴィング戦争
一番下、「バーロック氏族」を追加しました。バーロックとタニスに関する詳しい説明はこれがおそらく初です。

バーロックは、元々、暗黒階級との関係を咎められ、スターアダーに吸収されてしまった氏族です。吸収はスムーズにいったのですが、それをよしとしない一部の強情者たちが、ユプシロン銀河隊にまとめられ、厄介払いと偵察のため中心領域に派遣されました(彼らは深辺境と中心領域辺境沿いで何度も目撃されています)。

リーヴィング戦争中、バーロック氏族は、タニテにて、ユプシロン銀河隊を中心に復活することになります。彼らが戦艦を7隻も持っていることは驚きでしょう。2隻はクラウドコブラから奪った大型艦(キャメロン級とマッケナ級!)で、4隻はモスボールされていただろう旧式艦です。ここにバン=ホーテンのテキサス級〈プリンツ・オイゲン〉と、ジャガーのブラックライオン級戦艦〈ストリーキング・ミスト〉が加わります。完動状態の船は少ないのでしょうが、容易には打倒し得ない航空宇宙戦力です。



2012/09/16


リーヴィング戦争
記事「ドアに立ちふさがるウルフ」を追加しました。少し長い記事です。

リーヴィングの宣言とウルフの行動により、ストラナメクティでかつてない大騒ぎが起きます。拒絶戦争後に空気化していたウルフ氏族の見せ場でしょう。氏族戦士の遺伝子を納める血統礼拝堂(ブラッドチャペル)は、氏族全体の主星であるストラナメクティに存在し、中立な形で管理されているようです。

ウルフの行動が性急に見えるので、これまでの経緯を少し解説します。事の起こりは、ワード・オブ・ブレイクの核攻撃で、ウルフの主星、タマラーが壊滅的な被害を受けたことでしょう。この攻撃で2500万の民間人が死亡し、ウルフは副氏族長、エリート星団隊群、軍事生産設備の大半を失いました。しかし、本当に痛手だったのは、タマラーの貯蔵庫にしまわれていた遺伝子が破壊されるか、放射線の影響を受けてしまったことです。もし、これが族長会議に知られれば、ウルフは即座に他氏族からの攻撃を受けることになるでしょう。その上、折も折、ヘルズホース氏族が中心領域のウルフ占領域に侵攻を始めていました……。

ウルフは他の侵攻氏族のように、中心領域に移住する決断を下します。その上で助けを求めたのが、長年の同盟氏族、コヨーテでした。ウルフは氏族宙域の飛び地領土すべてと引き替えに、コヨーテからオミクロン銀河隊まるごとと、商船輸送隊5個星隊分を受け取ります。さらに、コヨーテのシブコ10個(有力でないブラッドネームのシブコと、コヨーテとウルフが共有する遺伝子のシブコがほとんど)を、ウルフの戦艦、ヴィンセントMk42級〈リリントレス・パースート〉、ボルガ級〈プロバイダー〉と交換しました。

準備が終わると、ウルフ氏族はタマラーが核攻撃されたことを族長会議で公表し、ストラナメクティの血統礼拝堂からウルフ氏族が独占する遺伝子すべてを移送し始めました。スネーク同盟はこれを見とがめ、ウルフを放棄処分とします。ウルフの飛び地領は、様々な氏族からの攻撃を受けました(コヨーテは貧乏くじを引くことに)。最終的にトランキルがウルフ最後の拠点となり、スティールヴァイパーの軌道爆撃で吹き飛ばされることとなります。

なぜ、ヴァイパーがそんな暴挙に走ったかというと、トランキルの防衛が固かったことと、ウルフの民間人(階級の神判に落ちたトゥルーボーン)が他氏族と戦うため武装していたことにあります。これは氏族の階級制度に反するチャルカス(反逆)的な行為であるようで、後にブラッドスピリットが滅ぶ原因にもなりました。



2012/09/09


リーヴィング戦争
記事「血統の剥奪」を追加しました。いよいよリーヴィング戦争に入ります。

ここまで氏族宙域で起きていたことをちょっとまとめます。ジェイドファルコン、スノウレイヴン、ダイアモンドシャークなどの侵攻氏族は氏族本拠地で大打撃を受けました。代わりに台頭してきたのが、スティールヴァイパー、スターアダー、クラウドコブラなど。ヘルズホースとアイスヘリオンは中心領域への侵攻を始めました。

こんな状況で、族長会議は中心領域への再侵攻を決め、ヴァイパーのブレット・アンドリュースを大氏族長に選びます。氏族が協調すれば、中心領域は簡単に征服され、ブレイクも倒されていたかもしれません。しかし、アンドリュース大氏族長は、なぜか「中心領域に汚染された血統」のリーヴィングを始めてしまいました。その結果が氏族同士の殺し合い、実質的な内戦です。

スティールヴァイパーは保守的な氏族ですが、中心領域に侵攻した当の本人である彼らが「中心領域の汚染」とやらを言い出すのは、ちょっと無理がありますね。そんなことを言うのなら、まずペリガード・ザールマンの血統からリーヴィングするべきでしょう。彼らはその後、支離滅裂な行動の報いを受けることになります。



2012/09/05


リーヴィング戦争
記事をふたつ、「スコーピオンの放浪」「コンモドゥス・バン=ホーテン」を追加しました。

前者は、そのまんま、スコーピオンのシーカーに関する記事です。この時期、アイスヘリオンが中心領域(氏族占領域)への侵攻を始めており、それに遭遇したことが綴られています。発見した第1エリダニ槍機兵隊のスターコーネル・サンドラは、元エリダニ軽機隊のサンドラ・バークレー大佐のことでしょう。

彼らはT-892という星系で謎のペリグリン級戦艦にも遭遇していますが、これはリーヴィング戦争に残された最大の謎のひとつです。そもそもペリグリン級戦艦という艦種に関する情報がほぼありません。かろうじてわかっているのは、「2969年に生産が開始された、ジェイドファルコン氏族初のオリジナル戦艦」という情報のみです。建造数不明。新型戦艦であるにも関わらず、ジェイドファルコンは、3050年以降、この船を運用していません。

予想されるのは、ファルコン内のソサエティが、欠陥などの理由をつけてこの船をモスボールにして、その後、自分たちのために使っているということです。目撃された位置が、深辺境の中心領域ファルコン占領域寄りであることは、その状況証拠にもなるでしょう。以後、このペリグリン級がどうなったかは不明です(そもそも目撃談がこの一件のみ)。ソサエティの残党、あるいは反乱に参加しなかった穏健派の船でしょうか?

後者の記事は、有力な盗賊階級の解説です(コンモドゥス・バン=ホーテンは人名)。暗黒階級の大きな戦力は、このグループとジャガーのグループしかいないようです。文中に出てくる〈プリンツ・オイゲン〉は、エグゾダス中、アレクサンドル・ケレンスキーに対する反乱を起こした船。以降は囚人船として使われていました。この船を暗黒階級が使うのは、なかなか皮肉の効いたストーリーですね。



2012/08/30


リーヴィング戦争
記事を三つ、「うろこの身繕い」「ヴァイパーとファルコン」「ヴァイパーの攻撃」を追加しました。スティールヴァイパー氏族が、ジェイドファルコン氏族を攻撃する話です。

この両氏族は昔から折り合いが悪く、中心領域から追い出された後、ヴァイパーは常に復讐のチャンスを伺っていました。そしてファルコンが中心領域的な戦術を使ったのをチャンスと見て、一気に片をつけてしまいます。

ファルコンが弱く見えるのは、ファルコンの主力がほとんど中心領域にいて、氏族本拠地には2個銀河隊程度しか残ってなかったからです。氏族にはゼルブリゲンの鉄則があるので、それで充分だったのですが、デズグラ扱いすることによって数で圧倒すること可能となった形です。

本来なら、族長会議で問題になるような自分勝手な行動だと思うのですが、族長会議が機能してない上に、この後、侵攻氏族攻撃ブームが始まってしまうので、とくになにもありません。

この直後、まずスノウレイヴン氏族がゲイルダンの件でやり玉に挙がり、スネーク同盟(アダー、ヴァイパー、コブラ)の総攻撃を受け、次にそれをチクったダイアモンドシャークがレイヴンに恒星連邦との取引をチクられて、集団で攻撃を受けます。この戦いで〈ペリガード・ザールマン〉はその無敵ぶりを見せつけ、修理中にレイヴン艦隊の逆襲を受けても撃退するという大戦果を上げています。



2012/08/23


リーヴィング戦争
「取引の粋」と「スコーピオンと星間連盟」を追加しました。前者はダイアモンドシャークで、後者はゴリアテスコーピオンの話です。

シャークは密かに恒星連邦との取引を行っています。後にこれを咎められて、本拠地氏族から攻撃を受けることになります。

ゴリアテスコーピオン氏族は、ハントレスに駐留していたエリダニ軽機隊を吸収しました。これも後になって彼らを衰退させる遠因となります。氏族長がボンズレフの儀式をやっていますが、ボンズレフはボンズマンにならないための名誉の自殺のことなので、ちょっと話があわない感じがします。



2012/08/17


リーヴィング戦争
所有の審判に入ります。この項目は、3067年の星間連盟崩壊直後から、3071年のリーヴィング宣言直前までを扱っています。リーヴィングとソサエティの反乱が始まるから、氏族が激しい内乱を続けていたことが見て取れるでしょう。

今回はヘルズホース氏族関連で、「不在だが存在する」「秘密の移動、秘密の世界」と、タイトル無しの囲み記事。この時期の彼らは、中心領域への帰還を目指して長期計画に着手しています。その一環が、氏族本拠地と中心領域の中間にあるヌーボーパリ(元ジャガーの中継地点)を兵站拠点として強化することです。

かつてホースはベアと悪い関係にありましたが、ベアのリスター、ジェイク・カブリンスキーをアブタカにしたことで、関係が良化します。その後の彼は着実に昇進し、ゴーストベア出身にもかかわらず、ヘルズホース氏族の氏族長にまでのぼりつめることとなります。

文中に出てくるスターアダー氏族のユプシロン銀河隊は、中心領域侵攻に備えて、辺境で情報収集している部隊です。元バーロック氏族の厄介者で構成されており、将来は復活したバーロックに加わります。



2012/08/11


リーヴィング戦争
"Wars of Reaving"に入ろうと思います。初回は暗黒階級に関する囲み記事。これまで存在しなかった、暗黒階級の詳しい解説です。

訳語についてですが、"Wars of Reaving"は固有名詞的に「リーヴィング戦争」と表記します。"Trial of Reaving"は一般名詞的に「剥奪の神判」と日本語訳。"Reaving"は本来ならブラッドカウントを減らすことを意味するのですが、リーヴィング戦争においては、特定の血統を抹殺する意味で使われているようです。この用法のときは、「剥奪」でなく「リーヴィング」としています。



2012/08/06


スターコープス調査報告書 3076
ジェイドファルコンの人物、ブライアン・プライドとダイアン・アヌを追加しました(人名でページ内を検索してください)。

ブライアン・プライドは、前ローアマスターでソサエティを殲滅した隠れ英雄ケール・ペールシャーの後継者です。ジュピターの「著名なパイロット」でもあります。ダイアン・アヌは、この後、氏族内で認められ、副氏族長となります。



2012/08/03


クロンダイク作戦
アブサロム・トラスコット以下、氏族の創設者たち3名を追加。人物紹介は今回で最後です。



"Historical: Operation Klondike"より、氏族の優生プログラムとブラッドネームについて書き出してみます。

ニコラス・ケレンスキーは元々、40名の戦士だけで優生プログラムを行うつもりだったそうです。しかし各氏族が反発したため、妥協として20氏族×40名の合計800名分が使われることになりました。ここにニコラス、アンドリュー、ジェニファー・ウィンソンの遺伝子が加わり、実質的には803名分となります。この3つはウルフ氏族に属し、ジェニファー・ウィンソンの遺産は近年まで使われていませんでした。なお、同姓の者たちがいるため、単純に名前の数で見ると787種類だそうです。

意外なのは、多様性を保つため、この803名のほかに600名の民間人(ニコラスに忠誠を誓った者たち)の血統が使われていることです。これらはむろんブラッドネームとしてはカウントされません。ブラッドネームは母方の血統に属するものなので、民間人の遺伝子は父方に使われたのでしょう。

ブラッドネームを所有できる戦士は、ひとつの名字につき25名のみです。これをブラッドライトと呼びます。神判によってブラッドライトを削減するのが、リーヴィング(剥奪)です。後にリーヴィング戦争の由来にもなりました。リーヴィングが起きる理由は、血統の弱体化や氏族内での政治的な争いなどが主です。

ウルバリーンの殲滅や、マングースの吸収などにより、ブラッドネームは803から660にまで減ったとされています(ケルは含まず)。これはリーヴィング戦争前の話でしょう。



2012/07/28


クロンダイク作戦
ローラ・ペイン以下、氏族の創設者たち4名を追加。

ポルチェク兄弟は氏族でも変わり種の双子氏族長です。バーロックはふたり分のブラッドネームと遺伝子をそれぞれ別のものとして使っていました。両名はSLDFと戦った辺境世界共和国出身ですが、こういうアマリスでなくケレンスキーについた人たちもけっこういるようです。



2012/07/23


クロンダイク作戦
サラ・マクイヴディ以下、氏族の創設者たち4名を追加。

今回は氏族の有名人たちが並んでます。カレン・ナガサワさんのイラストは、いかにも国連で働く日本人女性といった感じのイメージ。サラ・マクイヴディは、ジェニファー・ウィンソンと並んで、キャメロン重要容疑者の一人です(二人とも年齢がちょっとズレますが)。

ニコラスに敗北した彼女は、おそらくウルバリーン氏族脱出艦隊のミネソタトライブでないほうに拾われ、中心領域地図の左下、氏族宙域から最も離れた辺境にあるマクイヴディ・フォーリーにたどり着き、ここで死んだと考えられます。気になるのは、"Jihad: Final Reckoning"において、マクイヴディ・フォーリーがゲイルダンやギャラックスと同じく、「死んだ世界」とされていることです。この時期は単なる人口の少ない原始的な惑星だったはずですが、シャドウ師団の攻撃を受けたのでしょうか?



2012/07/18


クロンダイク作戦
エリー・キニスン以下、氏族の創設者たち4名を追加。

今回は比較的若いメンツです。スティールヴァイパーのエリー・キニスンは、後に嫉妬に狂ってジェニファー・ウィンソンを暗殺しようとした、ヴァイパーからするとなかったことにしたい人物です。ターゲットを考えると、もしかしたら陰謀がらみかもしれません。アントニウス・ザールマンは後で出てきますが、大学教授で元レジスタンスのヴァイパー初代氏族長です。



2012/07/12


クロンダイク作戦
ディヴィッド・カラザ以下、氏族の創設者たち4名を追加。

今回はあまり知名度の高くない地味な人物がそろいました。……シーフォックス氏族長のディヴィッド・カラザにいたっては作中で影の薄い人物という設定が付いてますから。シーフォックス(ダイアモンドシャーク)で有名なのは後を継いだカレン・ナガサワのほうですね。

ウィドウメーカー氏族長のジェイソン・カリッジは、ニコラスによるウルバリーンの陰謀にかかわった人物(実行犯?)です。証拠を抹消されたのはそのあたりが絡んでいるのでしょう。



2012/07/06


テクニカルリードアウト:3060
中心領域戦車のミルミドンを追加しました。

マンティコアを小型化したという設定の40トン中戦車です。遠距離火力(PPC)、近距離火力(SRM6)の両方を持ち、機動性そこそこ、防御力は必要充分と、過不足のないまとまった性能を持ちます。軽戦車扱いなので降下船での輸送にも便利。安価な定番中戦車という感があります。

欠点は、核融合エンジン搭載なので安いといっても高いこと(旧式ペガサス2両分、75トンのジューコフよりやや安い程度)、先進技術を使ってないのでやや性能に劣ることでしょうか。



2012/07/03


クロンダイク作戦
氏族の創設者たち5名を追加しました。

いずれもそうそうたる人物です。地球奪還作戦で活躍した元SLDF隊員たちなので、現役軍人にしては年齢が高くなってます。




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