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作成:2009/07/01
更新:2009/07/09

アイスヘリオン氏族 Clan Ice Hellion



 本拠地残留侵攻派のアイスヘリオンは、スピードを信条とする氏族です。侵攻派らしくフリーボーンを嫌っていますが、「ヘリオンズフューリー」戦役により広い領土を得るにいたったことから、フリーボーン戦士中心の旋風部隊(flurry units)で小規模な氏族軍を強化しています。聖戦では念願の中心領域への侵攻を果たしました。
 classicbattletech.comより。






アイスヘリオン統計

政治派閥: 侵攻派
首都: ヘクター
人口(氏族宙域): 1億130万9000人(3060)
人口増加率: 3.1パーセント (82/51)
自給自足率: 91パーセント

指導者:
 氏族長: アサ・タニー
 副氏族長: セレン・ケージ
 ローアマスター:ジョナス・ケージ
 科学長官:ケン(パスカル)
 商人代表:マーチン
 技術者長:ルーカス
 先任労働者:ルー

軍事:
 星団隊: 21
 軍艦: 13

氏族宙域:
 アトレウス (35パーセント)
 バビロン (23パーセント)
 バルセロナ (38パーセント)
 フォスター (30パーセント)
 ヘクター (100パーセント)
 ホアード (40パーセント)
 ハントレス (8パーセント)
 ロンデルホルム (68パーセント)
 マーシャル (9パーセント)
 ニューケント (6パーセント)
 タジス (30パーセント)


 アイスヘリオン氏族。この言葉は他氏族にとって多くのイメージを連想させる。あるものは、この氏族を極端にトーテムを真似ようとしていると見ている。あるものは、この氏族を戦術眼がない、あるいはバランスの取れた軍隊を作る能力がないと見ている。一部は、我々のことを氏族の伝統に従わない名誉なき戦士とすら考えている。彼らにとって我らとは、ニコラス・ケレンスキーが定めたビジョンに身をゆだねることよりも、仲間たちの征服を追い求める氏族なのである。これらの見方は不正確であるが、我らが氏族の不安定で矛盾した歴史を見ると、勘違いされてしまうのも理解できる。だが、現在の我らの力は、過去の不幸なエピソードとバランスを取るもので、このページを見ればわかるように、我らは常に他氏族が見たことのないような真の名誉で行動しているのである。


歴史 History

 アイスヘリオン氏族の創設者たちは、トーテム動物の速度と群れる習性を真似することを選んだ。軽量級、中量級メックと気圏戦闘機を使う彼らはクロンダイク作戦で偵察兵となった。この役割はニコラス・ケレンスキーとの間で幾分の摩擦を生み出した……というのも、ヘリオンはふさわしい戦いを与えられなかったと感じたのである。彼らは今でもそれを心にとめ、その軍事的能力を積極的に守り続けているのである。

 軽量であるが強力なアイスヘリオンは、ペンタゴン戦役後に起きた他氏族との紛争で速度を有効に活用して、成功した。だが、他氏族はすぐさま効果的な対策を打ち立て、よってヘリオンは気が付くと全方面から攻撃を受けていたのである。一時期、ヘリオン副氏族長ルーシャス・ムアは、絶望的な状況で勝利を勝ち取るその能力で氏族の英雄となった。その後、ケージ上級氏族長はムーアが兵士の力を向上させるために薬物を使っていたのを発見した。氏族の優勢プログラムに対する嘆かわしい侮辱であると怒り狂ったケージは、ことを族長会議の場に持ち込み、ムーアに対する不服の神判を申し立てた。その後の戦いは実質的にヘリオンの内戦となり、戦力の60パーセントが犠牲となったが、ムーアによる不名誉な行動はすすがれたのである。他氏族はヘリオンの弱点を調査したが、ヘリオンはそれを交わした。数の不足を補うため、彼らは新技術をいくつか開発し、現代のオムニメックで使われるエンドースティールとフェロファイバー装甲の製造方法を強化したのである。

 中心領域に侵攻するか否かの議論において、アイスヘリオンは熱心な侵攻派となった。3000年、族長会議が竜機兵団の妥協を受け入れた時、ヘリオン氏族長イエナ・ノリズチは激怒した。族長会議の決断に反して、彼女は中心領域への先制的侵攻を始める準備を行った。アーネスト・ウィック副氏族長は命令違反に対し秘密の不平の神判を宣言し、またもアイスヘリオンは気が付くと内戦に足を突っ込んでいたのである。このいわゆる秘密の神判の詳細はつい最近まで明らかになっていなかった。勝利したのはアーネスト・ウィックで、ヘリオンは族長会議に対する責務を守ったのだった。

 3048年、ついに侵攻の呼びかけがあった時、ヘリオンは侵攻軍を決める神判で悪い結果を出した。怒り狂ったヘリオン戦士の多くはフラストレーションを「ヘリオンズフューリー」戦役にぶつけた。氏族宙域への一連の襲撃によって、ヘリオンは多くの資源と領土を得たのみならず、他の本拠氏族と疎遠になった。

 近年、アサ・タニー氏族長は本拠氏族内の不満を使って同盟を組み、自身を大氏族長とし、ヘリオンを侵攻氏族にしようとした。侵攻氏族の氏族長たちに権力基盤を破壊された後でさえも、タニーは権力の中心に残り、ヴィクター・シュタイナー=ダヴィオンが大拒絶の交渉で大氏族長と会った時に同行した四人の氏族長の一人となったのである。この神判でヘリオンはノヴァキャットと交戦し壊滅した。タニー氏族長はセーヴェレン・ルルー氏族長によって負傷させられ、職務に戻ったのは3060年11月のことであった。


社会 Society

 アイスヘリオン社会は氏族の伝統に従い、戦士たちは民間階級より明白に優れているとしている。階級間の関係はそれなりに平等なものであるが、戦士たちは商人階級を疑っている。氏族評議会は、商人たちの流儀は本質的に堕落していると考え、護衛と監視のため全商船に兵士たちを配置している。

 アイスヘリオン氏族の人々は勤勉で、氏族が求める職務の範囲を超えて繁栄している。この労働観は、技術、労働階級内に強い結びつきを作っている。両階級は他の階級に過小評価されていることを知っており、従って互いに互いを助けるようになっている。家族はワークグループや軍部隊と同じように強い結束を示す。家族、部隊内の他者の能力を評価することは、その延長として、自然とヘリオン"パック"(各サブグループを呼ぶ用語)内のきずなになっており、すすんで他者の才能を理解することは、パフォーマンスアートを共通の娯楽としている。

 ボンズマンは(特に襲撃や領土併合で得られた民間人は)ヘリオン社会の特徴である。拡大主義的で好戦的なヘリオンはボンズマンが軍事力の生きる証拠であることを知っている。だが、捕らえられた戦士がアブタカ(戦士階級になった捕虜)になることは少ない。その理由の多くは、ヘリオンの速度と他の独特な戦術に適応するのに問題が生じるからである。

 速度はアイスヘリオンの生活のあらゆる場面で理想とされている。ヘリオン人は第一印象に相当な重点を置き、時間をかけた熟考や将来の見通しはせず、即断即決に飛びつく。このような取り組み方は、素早く行動に移ることが生死を分かつ、戦場では上手く行く。しかし、政治やビジネスの場では大きな問題を引き起こしてしまう。ヘリオンはそう考えていないが、これは指導者たちの政治的野心と同様に、商業上の利害関係を損なってきたのである。

 この氏族のほぼ全員が技術を信奉しているが、最もその度合いが強いのは戦士たちをおいて他にない。マシンの速度と戦士たちの反応速度を上げるもの……強力なエンジン、軽量な部品、EIインプラントは、アイスヘリオン氏族で非常に重視されている。


軍事 Military

 ヘリオンは戦闘部隊にフリーボーンを入れなければいけない窮状を嫌っているが、領土に対し軍のサイズが小さいことからそれが求められている。トゥルーボーンとフリーボーンの戦士が一緒にされることはまれで、それぞれの部隊と役割を与えられる。フリーボーンをトゥルーボーンの訓練キャンプとは別のところで訓練しようとさえする。ほとんどのフリーボーンは旋風部隊に入る。この部隊は、装甲と歩兵からなる市民軍で、ヘリオン軍の規模を大きくしている。ヘリオンはエレメンタルとバトルアーマーを得たのが遅かったことから、その評価は低いものである。

 ヘリオンは他氏族よりもシブコに重点を置いておらず、自立心を伸ばすために、訓練中にシブコをばらばらにする。シブコへのつながりを弱めることは、新人戦士たちが所属部隊へのつながりを強めることになると彼らは信じているのである。

 速度に対する好みは別として、ヘリオンの戦士たちは「健闘を語る」能力でよく知られている(そして嘲笑されている)。この習慣があることから、ウルフはヘリオンに食らいつくのを特に楽しみとしている。


仲間と敵 Allies and Enemies

 アイスヘリオンは自信過剰であることから、他氏族との同盟は必要ないと見ている。彼らは時折、他氏族と都合の良い同盟を結ぶことがあるが、一度の戦役、あるいは事変を超えて続くことはない。

 ヘリオンズフューリー戦役があったにも関わらず、この氏族には真の敵はいない。彼らはウルフと互いに嫌いあっている。彼らはヘリオンを無能であると見なし、「ライム=ストースト(イタチの一種)」と呼んでいる。この態度と、ヴラッド・ワード氏族長がアサ・ターニーの運動を邪魔をしたことから、当然のようにヘリオンはウルフを嫌っている。大拒絶後、ターニーが活動できない状態となっていたにも関わらず、この反感は大きな確執に発展したと見られる。


保有領土 Possessions

世界:11(共有10、独占1)

 ヘリオンはヘリオンズフューリー戦役で大きな戦果(特にストラナメクティのスピンワード区域)を得た。さらに最近、ゴーストベア、スモークジャガー、ノヴァキャットの領地に対する所有の神判で、バルセロナ、ホアード、アトレウス、ロンデルホルム、ハントレスの一部を得た。だが、この五つの惑星すべてが戦闘中である。氏族軍が限界まで引き延ばされていることから、ヘリオンは新領土の一部を放棄することになるかもしれない。







著名な戦士

アサ・ターニー氏族長
 アサ・ターニー氏族長はアイスヘリオン氏族の上級氏族長である。熱心な侵攻派である彼はツカイードの停戦の破棄と侵攻の再開を求めている。しかしながら、彼は「最も強力とされる各氏族が無能である」ことを理由として、本拠地氏族が戦いの支援を行うことも提唱しているのである。このような声明により、侵攻氏族からは嫌われることとなった。

 ターニー氏族長は、ステファン・タイラー氏族長が盗賊階級に殺された後、権力の座に昇った。ターニーのパイロットとしての記録は手本となるようなもので、血統は優れているのだが、当時、単なるスターコーネルであった彼が選ばれたことは、族長会議の中で多少の物議を醸した。氏族長の敵たちはタイラー氏族長の死に彼が関わっているとしているが、今のところ証拠はまったく提出されていない。

 本拠地氏族を侵攻に参加させるというターニーの試みは、ウルフ、ジェイドファルコン氏族長により阻まれた。彼らの動きに怒ったターニーは、現在、新たな活動を始め、両氏族長に報復しようとしている。


セレン・ケージ副氏族長
 セレン・ケージ副氏族長はこのような高い地位を占める、最も若いアイスヘリオンである。リスターの一人であるケージは、中心領域との長引く紛争に関わるリスクを犯すより、氏族宙域で領土を増やすべきとする派閥から激しい勧誘を受けている。ケージはこの提案にいくらかのメリットがあると見ているが、侵攻派の理想と中心領域の奪還に執着している。彼女は、侵攻氏族が中心領域で広い領土を得ているのを見て、いつの日かヘリオンが固有の領土を持つことを夢見ている。多くの氏族が侵攻に参加できていない現状において、収穫戦争には、多くの氏族部隊が第二の侵攻軍に加わるという有意義な意味があると、彼女は見ている。彼女にとって、侵攻と「ケレンスキーの秘されし希望」教義の達成は、ひとつの氏族への忠誠よりも重要なものなのである。しかし前任者が、ターニー氏族長に不平の神判で殺されたことから、収穫の神判を公に支持することは避けている。


スターキャプテン・コナー・ルード
 アイスヘリオンの全戦士の中で、スターキャプテン・ルードは氏族の内外から最も注意を引きつけている。彼は一連のめざましい勝利を達成してきた。階級の神判でスターキャプテンの地位を得たことは、ヘリオン候補生の間では珍しい功績である。ルードのブラッドネームは特に目立つものでないことから、その業績は喝采よりも驚嘆をもたらした。しかしながら、ルードが理想的な未来の氏族長候補であると見る者の数は増えている。彼がヘリオンをさらなる高みへもたらすと見ているのだ。

 ルードは仲間たちのような強硬な侵攻派であるように見えないが、いまだ名目上、侵攻派を支持している。有能で知的な指揮官であるルードは、フリーボーン数名を含む部下たちから絶大な忠誠心を得ている。







3067年アップデート

我らは泣いている子供でも、不機嫌な若者でもない。我らは戦士、パックを率いるリーダーだ。我らはアイスヘリオンだ。小さな争いをやめ、未来に目を向ける時が来た。我らが指し示し、導くのを期待されている未来。我らがパックを遠くまで導く未来だ!

――ライナ・モントーゼ氏族長、3065年6月22日、アイスヘリオン評議会で氏族長に選ばれる前の演説

 アイスヘリオン氏族の歴史の中で、族長会議における影響力と、全体の権力機構は、ヘクターの月と同じくらい頻繁に満ちては引いていった。ヘリオン氏族軍は時に弱体化することがあったが、ここ10年ほど他氏族の影響を受けたことはなかった。

 この原因はアサ・ターニー氏族長の的はずれな努力にのみ帰することが出来る。かつて同僚たちから有能なリーダーにしてリスターと考えられていたのだが、最高司令部と族長会議の政治のプレッシャーは、彼をこの10年が始まるまでに、冷酷でやつれた男とした。リバイバル作戦開始直後の信じがたいような成功があってさえも、3050年代後半から3060年代前半にかけての誤りを埋め合わせることは出来ないのである。

 ターニー氏族長は大拒絶でヘリオンを率い、ノヴァキャットと戦って敗北した。族長会議での失敗直後のこれで、氏族長は急速に下降線をたどることとなった。ヘリオンの影響力が刻々と低下していくのを見ると、ターニー氏族長は部下に対し、そして族長会議の中でますます激発しやすくなった。これらの大げさな振る舞いで、すぐに残っていた支持と尊敬が失われた。

 族長会議で影響力をなくしたターニー氏族長は、アイスヘリオンの地位を取り戻すために部下に頼ることとなった。不幸にも、ターニーは戦略や手本を示さなかったので、指揮官たちは統制と情報のない中、手探りで敵に対応せざるを得なかった。

 ヘリオンはたいてい、より重量がありより強力な敵を相手に善戦し、負けた数より勝った数の方が多かった。不運にも、ヘリオンは許容できないほどの損害を被った。さらには、彼らが戦った争いは、得るもののない無意味なものが多かったのである。真に重要な戦いは、ヘリオンを容易に退けられる敵との間で行われた。

 ヘリオン上級戦士たちの背中を押すことになったのは、クラウドコブラのタニス星系に対する交易使節団の余波であった。新たな貿易を求めていただけのヘリオンの商人たちは、コブラから砲撃を受けると仰天した。おそらくはいわれなきこの攻撃による生存者は、クラウドコブラのアイソーラとして捕縛されたが、一部の噂によると生存者自体がいないとされている。これに応じて、ターニーは素早くクラウドコブラのブリムへの攻撃を行った。これが撃退されると、彼は怒りをコブラの同盟相手であるスターアダーとホアードの守備隊に向けた。この報復攻撃と思われるものは、ヘリオンの敗走へと変わり、その後、彼らはこの世界の領土の多くを失ったのだった。

 氏族の上級戦士たちはもうこの災厄的な作戦に従うことが出来なかった。だが、ターニーは、政治的、戦略的に無能だったにも関わらず、いまだ優れた戦士だったのである。セレン・ケージ副氏族長を含む、四人の戦士が不平の神判を挑んだ。ケージと他の二名は負傷が元で死に、残った一人は障害を負って、氏族の現役名簿から除名された。だが、五人目の挑戦者は、ついにターニーを負かした――スターコーネル・ライナ・モントーゼが氏族長と戦い、戦闘機を落としたのである。ターニーは奇跡的に生き延びたが、ヘリオン氏族長会議によって氏族長の座から下ろされた後で、怪我が元で死んだ(一部の噂によると、彼は自ら命を絶ったか、病院のベッドの上で殺されたという)。スターコーネル・ライナ・モントーゼは容易く氏族内からの支持を取り付け、ただちにターニーの行動によって被った問題を是正し始めた。

 モントーゼ氏族長が権力の座に着いてから二年強が過ぎると、彼女は族長会議の中でかなりの尊敬を得るようになっていた。アイスヘリオン氏族はターニーが望んだような領土を求めるには弱いままであり続けたのだが、ヘリオンの銀河隊、星団隊指揮官たちは、飛び地領土への攻撃を防ぐのに成功して、必要だった自信を取り戻し、ホアード、ハントレス、マーシャルの領土をいくらか奪還しさえしたのだった。氏族長はほぼ毎週、部下たちに向けて演説を行い、その中で輝ける未来と中心領域への帰還を約束している。これによって氏族内は結束し、ヘリオン人たちはそれぞれが直面している問題を解決しようとしている。


アイスヘリオン氏族軍 ICE HELLION TOUMAN

 アイスヘリオンの典型として、彼らの氏族軍は氏族の中で最軽量、最速である。新しいリーダーたちもこれを変える計画は立てていない。ヘリオンにとっては不幸なことに、過去数年で氏族軍が成長することはなかったが、各銀河隊の旋風部隊は拡大された。旋風部隊は幾度もその真価を発揮し、他氏族の多くは戦闘部隊内の車両の価値を理解するようになっている。車両の使用は氏族内で嘲笑されているが、旋風部隊の集中させる火力を味わった者は意見を変えるものなのである。


海軍戦力 Naval Assets

 アイスヘリオン艦隊は13隻の戦艦を持つ。イージス級〈カオスセーラー〉〈ターニー〉、キャラック級〈メーカー〉、エセックス級〈ムーアズオナー〉、フレダサ級〈ヘリオンズプライド〉〈スウィフトバイト〉〈ウィルプ〉、ローラIII級〈コールドハンター〉〈インペラー〉〈ラディアント〉、マッケナ級〈ケージズプライド〉、ポチョムキン級〈コテリエ〉、ヨーク級〈パックリーダー〉。


アルファ銀河隊 Alpha Galaxy

 建前上はヘリオン軍で最強の銀河隊ということになっているのだが、アルファは主力前線銀河隊の平均的な戦力の3/4しかない。アルファは何年もの間、成長しては縮小してきた。ライナ・モントーゼが氏族長となる前の話だが、ブリム、ホアード強襲で大きな被害を被っている。一部の報告によると、多数のアルファ銀河隊戦士が、3065年の前半、クラウドコブラ氏族のバビロン宗教会議へのコヨーテ率いる攻撃に参加したという。これら戦士の多くが任務に戻らなかったが、彼らが殺されたか、単純に不名誉とされたかは不明である。アルファは3個星団隊規模の旋風部隊を持ち、敵が予想するより多くの打撃を与える。


ベータ銀河隊 Beta Galaxy

 ベータは収穫の神判と長年に渡る神判、攻撃によって被害を被った。ターニー氏族長との不平の神判で、指導者であるセレン・ケージ副氏族長を失ったことは、酷い時期でさえも強い意志を保っていた戦士たちを徐々に消耗させることとなった。コナー・ルード副氏族長とその補佐、スターコーネル・ブレンドン・ウィックはこの二年をかけて部隊内の団結心を再建しているが、前進した分だけ後進している。さらに悪いことに、彼らが達成した勝利は、2個旋風部隊のうちどちらかがもたらしたものであることから、戦士たちは喜びを相殺されているのである。


デルタ銀河隊 Delta Galaxy

 氏族内外の戦士たちを驚かしたことに、デルタはハントレスを強襲する名誉を与えられ、ウォリアー半島と呼ばれる地域を制圧し、プロトメックを生産するのに必要なデータと技術を勝ち取った。デルタは様々な戦力で積極的にプロトメックを使う唯一のヘリオン銀河隊である。2個旋風部隊に加え、各星団隊にサテュロスとサイレンのような高速プロト1個三連星隊、ロック数個ポイントを配備していることは、デルタの戦力をアルファ銀河隊並みとしている。ギャラクシーコマンダー・デイモン・ホーキンズ(元ゴーストベア・メック戦士)に率いられるデルタは、ヘリオンで最も優秀な銀河隊とされている。


ゼータ銀河隊 Zeta Galaxy

 ゼータは完全な1個旋風星団隊を配備した最初のヘリオン守備銀河隊である。四年前に追加されて以降、この銀河隊は旋風三連星隊を増やし、少なくとも各星団隊に1個をTO&Eに加えている。ゼータは過去数年で多くの作戦に参加し、ハントレスでは第150攻撃星団隊がその力を証明する機会を得て、この世界にいた各氏族からアイソーラの戦士を獲得して、氏族軍に加えたのだった。これまでに、第150の戦士たちは参加した各神判で勝利し、領土だけでなくボンズマンも勝ち取っている。


ゼータプライム銀河隊 Zeta Prime Galaxy

 氏族内のトゥルーボーン戦士のほとんどから見下されているゼータプライムは、それにも関わらず、力を持った戦闘部隊である。彼らが駐屯している世界、ニューケントは絶え間ない戦争の脅威にさらされている……都市や工場や農地でさえも週ごとに所有者が変わっているのだ。ギャラクシーコマンダー・エルド・コーディントン(最近有力でないブラッドネームを勝ち取った)はこの「はみ出し者」銀河隊を楽にまとめている。ゼータプライムの戦士たちは必要な装備を積極的に探しだし、旋風三連星隊を作りあげている。このうち3個三連星隊はひとつの星団隊として編成され、残った4個は銀河隊の3個メック星団隊に配備されている。


シータ銀河隊 Theta Galaxy

 商船隊と交易基地の防衛を任されているシータは、盗賊や海賊以外との戦闘を行うことはまれである。消えない噂によると、シータの分遣隊がタニスへの「交易使節団」に同行し、数機のメックが惑星防衛軍に殲滅される前に、惑星に降り立ったという。もしそれが事実なら、生存者はいなかったことになる。




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