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作成:2002/02/10
更新:2010/06/19

ハンセン荒くれ機兵団 Hansen's Roughriders



 重傭兵隊、ハンセン荒くれ機兵団はバトルテックの最初期から存在する部隊のひとつで、ダークエイジに至るまで活動を続けています。高潔なエリート傭兵団ではありませんが、この世界の代表的な古参兵隊と言えるでしょう。
 元々はマーリック内戦から逃げ出した自由世界同盟軍部隊なのですが、"FM:Mercenaries"のミスにより恒星連邦軍の流れをくむという設定が付け加えられました。



「貴官も、ヘスペラスIIの夏に関するホロヴィジョンは見ただろう。あのとき、ウルフ竜機兵団の完全な5個連隊が、シュタイナーの精鋭第15ライラ防衛軍、第24ライラ防衛軍、第3親衛隊を引き裂いた。トーマス少尉――大佐が、我々を戦場の外に置いた。最初の二週間、我々は戦車で援護射撃しただけだった。そしてあの日がやってきたのだ。竜機兵団はライラ軍を入念に払いのけ、ホットヘッド連隊とDSPF(デフィアンス工業自衛軍)をひねりつぶしてみせた。わたしはそんな竜機兵団の情報を知らされたのだよ! しかし、忘れないでくれ、彼らは最初5個メック連隊だったが、そのうち9個メック・装甲大隊を我々が叩いた。損失割合は、6〜7対1になった。我々が彼らを降下船まで追い払ったのだ」――荒くれ機兵団、ヘルマン・イミング大佐の証言、3040年、戦力査問会において




誕生 Origin

 ゲルハルト・ハンセン大佐は、第12アトリアン竜機兵団と第1アトリアン竜機兵団の一部から、ハンセン荒くれ機兵団を編成した。失敗に終わったヤノス・マーリックに対する反乱部隊の残存兵力である。荒くれ機兵団は接近戦を好む。またその荒っぽい気質を考えれば、中隊のうちほとんどが重量級メックで構成されている理由がわかるだろう。ハンセン荒くれ機兵団は新型のロンメル/パットン戦車を最初に受け取った。ライラ共和国で、もっとも行動的で積極的な戦車部隊だからである。荒くれ機兵団は、クリタ、及びマーリックに対する深襲撃任務で有名だ。領土の奥深くに侵攻し都市戦闘を仕掛けている。連隊は長い間、シュタイナー家に仕えている。しかし、ライラ共和国と契約したままダヴィオン家の宙域に移動させられた。ダヴィオン=シュタイナー連合によって軍の再編が進められている。



3014, マーリック内戦 Marik Civil War

 第12アトリアン竜機兵団司令官のゲルハルト・ハンセン大佐は、アントン・マーリック公の反乱に際し、最初に協力を表明した司令官の一人だった。第1アトリアン竜機兵団の一部も彼の部隊に従った。ゲルハルト・ハンセン大佐の指揮の下、アトリアン竜機兵団はヤノス・マーリック親衛隊とよく戦い、次から次へと星系を征服していった。ハンセン大佐が反乱軍司令部を離れていた間、マーリック正規軍がライオンVに反撃を加えた。この件でアトリアン竜機兵団が非難された。アントン公は激怒し、補給物資もなくなった。反乱軍が負け、ヤノス・マーリックの正義に直面する前に、ハンセン大佐と残ったアトリアン竜機兵団は、自由世界同盟から脱出した。



3018, ニュー・オリンピア襲撃 Raid on New Olympia

 荒くれ機兵団の歴史の中に、その後の典型例となった有名な重襲撃任務がある。3018年の初め、荒くれ機兵団はマーリック領奥深くのニューオリンピアに降り立った。守備隊はマーリックの正規軍、4個メック連隊。三週間に渡る戦闘の後、神々の庭園山脈において荒くれ機兵団は撤退したが、マーリック2個連隊を壊滅させ、アリソンメック戦士養成所を破壊した。



3019, ヘスペラスIIの戦い Battle of Hesperus II

 第13次ヘスペラスII会戦は3019年に始まった。ウルフ竜機兵団がマーリック家と契約し、惑星に降り立ったのである。ヘスペラスII防衛軍は、第15ライラ防衛軍、第24ライラ防衛軍、第3親衛隊のLCAF正規3個連隊と、ディファイアンス工業自衛軍、傭兵部隊のハンセン荒くれ機兵団だった。最初の二週間の戦いで、竜機兵団はライラの3部隊を蹂躙し、傭兵シェンホットヘッド隊とデフィアンス工業自衛軍を打ち倒した。ディファイアンス工業のメック工場を守る部隊は、ハンセン荒くれ機兵団1個連隊しか残っていなかった。荒くれ機兵団の猛烈な強襲が、竜機兵団をとらえた。荒くれ機兵団のメックと戦車の攻撃は止まらず、竜機兵団のメック部隊を限界点まで押し込んだ。打ち減らされながらも、ブラックウイドウ大隊が頑強に抵抗し、竜機兵団の撤退を助けた。竜機兵団はなんとか撤退したが、甚大な被害が出た。



3021, ドロミニVI襲撃 Raid on Dromini VI

 ドロミニVIでクリタの装備を出来うる限り多く破壊せよ、と荒くれ機兵団は命令された。ドロミニVIには地元の民兵隊がいるのみだった。荒くれ機兵団はこれを一掃、大都市カナシミのプラントを攻撃した。第7ベンジャミン正規軍がやってくる前に、彼らは貴重品と共にプラントから脱出した。



3023, ソラリス防衛 Defensive of Solaris

 3023年の秋、LCAF(ライラ共和国正規軍)最高司令部は、マーリックによる惑星ソラリス襲撃計画を知ることとなった。ソラリスの防衛部隊はライラ正規2個大隊である。シュタイナー最高司令は、守備を増強するため、ハンセン荒くれ機兵団を送り込んだ。荒くれ機兵団が来る前に、マーリックの攻撃部隊がソラリスを攻撃した。抵抗は軽いもので、マーリック軍は荒くれ機兵団に対する準備を充分に整えることができた。援軍である傭兵部隊が到着し、圧倒的な気圏戦闘機の援護とともに、ライラ共和国の反撃が始まった。マーリック軍は荒くれ機兵団の強襲に後退せざるをえなかった。第33マーリック国民軍は、第131ケシイ隊を残して壊滅した。ライラの気圏戦闘機部隊は、移動するすべての目標を攻撃した。援護もなく第131ケシイ隊のほとんどがライラ正規軍に投降した。荒くれ機兵団は降伏を認めず、マーリックの降下船を捕獲するため宇宙港に突き進む。降下船を破壊し、第131ケシイ大隊の残った中隊を追い込んだ。ハンセン大佐は中隊の団結力に感動し、自分の部下にならないかと持ちかけた。聖ジョージ大尉と部下たちは、その申し出を受け入れた。聖ジョージ騎士団は、ハンセン荒くれ機兵団の第4大隊となった。



3024, セヴァーンの戦い Battle of Sevren

 3024年なかごろ、LCAF(ライラ正規軍)の3個連隊が重工業惑星セヴァーンに降り立った。DCMS(ドラコ正規軍)の3個メック連隊と装甲師団がこの星を守っていた。その中には精鋭部隊のディーロン正規軍も含まれる。ハンセン荒くれ機兵団、ウィンフィールド旅団、第30ライラ防衛軍が送り込まれ、それぞれ別の地点に到着した。最も困難な拠点である首都、及び数百キロメートルに渡る工場群には、ハンセン荒くれ機兵団が選ばれた。この地点での戦いは、ケレンスキー将軍が地球を取り返して以来の激しいものとなった。短い五ヶ月間で、ハンセン荒くれ機兵団は最後のクリタ守備隊を追い出した。ウィンフィールド旅団のお株を奪って、残されたディーロン正規軍を捕獲した。



3025, 砂漠の騎士プロジェクト Desert Knights Project

 ヘルマン・シュタイナーは、新型戦車をハンセン荒くれ機兵団戦車大隊に配備すると決めた。ライラ共和国において最も活発な部隊だからである。



3025, スークIIでのトラブル Problems on Suk II

 連隊の荒っぽい気質から考えてみれば、傭兵たちと市民の関係は、誠実で心のこもったものといえた。総司令部近くの都市ケビルストンにおいて女性が二人殺され、犯人は荒くれ機兵団の中にいるとの証拠が持ち上がった。ハンセン大佐と部隊幹部は、容疑者の政府当局への引き渡しを拒否し、ケビルストンで数度の小さな暴動が起きた。数週間後、部隊幹部は容疑者であるメック戦士の独自捜査を終え、有罪の判決を下した。翌朝、ライラ側メディアのないところで、処刑が執行された。その際、シャロン・ヒュイック首相が出席していたと報道された。



3028, ホイール強襲 Assault on Wheel

 ライラ共和国軍によるドラコ攻撃の第一波の中でも、ホイール戦役は他に例を見ないものであった。ライラ正規軍(LCAF)はふたつの著名な傭兵隊、ハンセン荒くれ機兵団と第1ナーハル襲撃隊に攻撃を委託した。クリタのホイール防衛軍は、傭兵隊トゥース・オブ・イミルだった。クリタの歩兵部隊と装甲部隊は、政治的動乱を理由にホイールを離れており、ライラ諜報部はそれをつかんでいた。残っているのはメック1個連隊と、10代の若者と老人からなる烏合の衆的な10個市民軍連隊だった。ライラ諜報部は正しかった。ホイール防衛軍が、ライラの降下船を出迎えた。トゥース・オブ・イミル司令官デイビス・ヘラー大佐は、自部隊がライラの強力な2個傭兵部隊よりも格下であり、虐殺されてしまうだろうことがわかっていた。彼は大胆な機動を行い、広大な休火山の盆地で敵司令官と出会った。そして全面戦争の危険を犯すよりはと、メック対メックの戦いを申し出た。彼の要求は受け入れられた。ハンセン荒くれ機兵団の重量級メックは、火山平地部分のきつい高熱に対する準備がなかった。おそらく、これが理由でヘラー大佐はこの戦場を選んだのだろう。荒くれ機兵団の重量級メック隊がゆっくりと盆地をのぼっていき、オーバーヒート寸前で、クリタのメックに三方を囲まれた。より軽い第1ナーハル襲撃隊の中量級メック隊は、熱に関してましな状態にあり、トゥース・オブ・イミルのメック隊を包囲することができた。クリタの軽量級メックが、そこかしこでオーバーヒートしていた重量級メックを叩き、戦線の一方の終わりに達した。この攻撃には5日を要し、そのあいだライラのメック隊が厳重に包囲を閉じ、クリタ軍は身動きがとれなくなった。一般的な傭兵の流儀に従い、ヘラー大佐は降伏して、虐殺から市民軍を守った。二ヶ月後、大統領の生き霊に会うよりはと、トゥース・オブ・イミルは荷造りしてクリタ宙域を離れた。



3028, ハインフェルドの戦い Battle of Hainfeld

 ホイールにおける成功のあと、荒くれ機兵団はクリタの惑星ハインフェルド強襲を命じられた。ハインフェルドで唯一重要な点は、継承権戦争の中で共和国が失った星ということだ。ハインフェルド防衛軍は、老朽化した市民軍メック大隊と、戦車・歩兵20個連隊であり、荒くれ機兵団を防ぐだけの力を持っていなかった。ホイールの市民軍と違って、クリタ市民軍は雄々しく立ち向かい、短い一週間にわたる長い戦いで、彼らは虐殺された。



3029, サタライスの戦い Battle of Satalice

 五月の終わり、ふたつの優秀な傭兵連隊、ハンセン荒くれ機兵団とワコー特戦隊が惑星サタライスに降り立った。彼らの侵略は、第四次継承権戦争におけるもっとも効果的なものとなる。サタライスは第9ラサルハグ正規軍によって守られていた。数ヶ月に及ぶ行軍の後、シュタイナーの傭兵隊は、山麓でクリタ正規軍を捕まえた。ワコー特戦隊が谷の入り口を閉じ、荒くれ機兵団が正規軍と彼らの降下船の間に陣取った。ラサルハグ正規軍は包囲と殲滅の危機で崩壊し、先を争って降下船に逃げ、サタライスを放棄した。降下船につくまで、ラサルハグ正規軍は多数の損害を出し、それは数ヶ月続いたライラ傭兵隊との、一撃離脱の戦闘による被害よりも大きかった。



3030, 第四次継承権戦争の集結 End of the Fourth Succession War

 クリタは突如、攻撃行動に興味を失い、それを察したライラ共和国もまた似たような態度を取った。戦術に長けた部隊によって指揮された、少数の深襲撃だけが、攻撃の継続を許された。グレイデス軍団と、荒くれ機兵団がこれらの部隊の中で有名である。この間、荒くれ機兵団はふたつの深襲撃を指揮していた。



3031, ケソン襲撃 Raid on Kaesong

 第四次継承権戦争が終わってから一年以上たっても、ライラ正規軍(LCAF)の深襲撃用部隊はいまだ停止状態にあった。グレイデス軍団、荒くれ機兵団だけが、最深部襲撃に選ばれた。パイレーツポイントを通り、通常の交易路から外れて、荒くれ機兵団が突然惑星の軌道上に現れ、惑星守備隊をパニックに陥れた。アルシャイン正規軍のうち軽量・高速なメックが、荒くれ機兵団の到着予測地点に殺到した。ほとんどの低速なメックはあとに残された。荒くれ機兵団の重量級気圏戦闘機は、クリタの気圏戦闘機と対するには充分で、制空権を獲得した。第6アルシャイン正規軍の軽量メックは、荒くれ機兵団の重量級メックに対抗できなかった。ドラコ軍のメックと戦車からなる主部隊は地上に残された。クリタ側司令官に選択の余地はなく、シュタイナーのメックがやってくる前に、ケソンの森へと撤退していった。ハンセン大佐は別のアイディアを思いついた。戦車とメックの小部隊を送り込み、そこにクリタ軍を釘付けにして、そのあいだ惑星を略奪するのである。荒くれ機兵団は第6アルシャイン正規軍を破壊して、第3、第9アルシャイン正規軍がナディール点に到着したのとちょうど同じ頃、惑星から逃げ出した。



3035, シュテムベルデ襲撃 Raid on Stemwerde

 ハンセン荒くれ機兵団は、クリタ領深くへの大胆不敵な襲撃で、メディアの寵児となった。この襲撃の目標は、堅固に防衛されたシュテムベルデで、新しく出来たばかりの自由ラサルハグ共和区をすり抜けて行われたため、敵に発見されなかった。初期の襲撃と違って、精鋭の第2〈光の剣〉連隊第3大隊と、第5ベンジャミン正規軍は、空爆に耐えぬき、荒くれ機兵団の気圏戦闘機に重いダメージを与えた。ドラコ軍の計画では、援軍が来るまで機兵団を釘付けにしておいて、残りの3個連隊が来たら、彼らと協力してシュタイナーの傭兵を殲滅するつもりであった。この計画は他の部隊相手だったらうまくいっただろう。しかし彼らはハンセン荒くれ機兵団だったのだ。ハンセン大佐と荒くれ機兵団は、第5ベンジャミン正規軍を殲滅し、光の剣第三大隊に大打撃を与えた。さらに援軍の降下地点をも攻撃し、クリタの司令官を驚かせた。荒くれ機兵団は、搬出作業中に彼らを捕らえ、3個連隊に重いダメージを与えると、混乱した惑星を脱出した。



3036, アンドゥリエン公国の反乱 Rebellion of the Duchy of Andurien

 3036年の初頭、ハンセン大佐はニュースを受け取った。アンドゥリエン公国が自由世界同盟に反旗を翻したのだ。ハンセン大佐は、シュタイナー家を離れ、アンドゥリエン公国に奉仕する許可を求めた。アンドゥリエンは彼らの失われた故郷だった。キャサリン・ハンフリーズ女公は荒くれ機兵団の残った契約を買い取ると持ちかけた。しかし、不安定な新興国(自由ラサルハグ共和国)と、増大するクリタ国境の圧力に対応するため、国家主席は申し出を断った。



3039, アルタイス強襲 Assault on Altais

 荒くれ機兵団は、クリタの惑星アルタイス強襲を援護した。ほかのライラ正規軍参加部隊は、第17スカイア特戦隊、第25アークトゥルス防衛軍連隊戦闘団であった。攻撃の最初の段階は非常にうまくいった。シュタイナー元帥と最高司令が、DEST工作員に狙われ、その気力をくじかれるまでは。援護なしに、ジャンプで戦線の後ろに回り込んだクリタ軍は、見慣れないメックに乗っていた。そのメックが、ライラ軍の部隊をうち砕いた。シュタイナー正規軍の司令官二名はライラ宙域への帰還を決め、荒くれ機兵団が脱出までの時間稼ぎをすることとなった。荒くれ機兵団は三週間以上の絶え間ない強襲に耐え抜き、その後悪夢のような攻撃を受けた。ハンセン大佐の指揮小隊が、クリタ中隊の待ち伏せにあい、戻らなかったのだ。荒くれ機兵団は狂乱し、何にでも攻撃した。指揮小隊の痕跡を探すために突破せねばならなかった。ハンセン大佐の燃え上がるバトルマスターを発見したころには、連隊のほとんどが破壊されていた。少数の老練な荒くれ機兵団員だけが、冷静に思いとどまり、自殺的な突撃をしなかった。荒くれ機兵団の降下船がようやくアルタイスを離れたが、そこにはわずかな隊員しか乗り込んでいなかった。ハンセン大佐は120機のメック、メック戦士、数百両の戦車と歩兵を、アルタイスの血の池に投入していた。このうち脱出できたのは、32機のメックと60両の戦車・支援車両だけであった。



3040, 問題とさらなる問題 Problems and still more problems

 アルタイスでの大打撃のあと、荒くれ機兵団は回収権と戦闘ボーナスを失った。アルタイスに残された人員の身代金を払い、損失を埋め合わせるためには、何隻かの降下船を売らなくてはならなかった。クリタは捕虜の返還に5億ハウスビルを要求した。しかしゲルハルト・ハンセン大佐の返還は拒否した(訳注:処刑されたと思われます)。このとき大佐になっていたクリステン・ハンセンはクリタの要求を飲んだ。彼女は誓いを立てた。荒くれ機兵団はアルタイスに戻る、そして父親のために葬儀を行う、そしてそれを忘れない、と。売却のあと、荒くれ機兵団は5個大隊規模のメック・装甲部隊を招集した。これはスークIIの防衛任務を果たすには足りない数であった。連邦=共和国のタマラー国境域司令官は、ハンセン荒くれ機兵団との契約を解除する代わりに、彼らを戦力査問会に呼んだ。二ヶ月の査問のあと、ハンセン荒くれ機兵団は契約を充分に果たすには能力が足りないとの見方が優勢になった。連邦=共和国は彼らをスークIIから移動し、もっと戦力に見合った惑星の防衛任務につかせることにした。3041年のはじめ、熱狂的なまでに忠誠心を持った部隊、第33アヴァロン装甲機兵隊連隊戦闘団が、ハンセン荒くれ機兵団と置き換えられた。荒くれ機兵団は、連邦共和国の別の世界へと旅だった。カペラ国境の辺境にある、ブロムヘッドと呼ばれる惑星に向けて。



3043, ブロムヘッド防衛 Defense of Bromhead

 カペラから派遣されたメックの一団が、荒くれ機兵団の新しい本拠惑星をおそった。彼らは駐屯地に居を構えたばかりであった。カペラの降下船が辺境の商人に偽装して、低高度戦闘降下で宇宙港に着陸した。カペラ軍は首都が敵メックに囲まれていることに気がついた。荒くれ機兵団の攻撃が、部隊の中枢へ一直線に突き刺さった。逆襲に対する準備はなく、襲撃者は四方八方へと逃げていった。荒くれ機兵団は一ヶ月かけて、襲撃者たちを追いつめていった。



3044, タウラス連合との関係 Relations with the Taurian Concordat

 司令官ウォルフガング・ハンセン(ゲルハルト・ハンセンの末っ子)は、タウラス連合へと旅だった。現在の摂政トーマス・カルドロンと面会し、タウラスの工場群から、装備・補給物資を得るためである。ハンセン荒くれ機兵団は、連邦=共和国の企業とあまり取引をしていない。現在の傭兵評価値と割り当てでは、充分に料金が払えなかったのだ。この会見の詳細はわかっていない。しかし彼らは降下船に装備とスペアパーツを積んで、惑星を離れていった。二ヶ月ごとに、タウラス連合の航宙船がブロムヘッドのジャンプポイントに現れた。多くの事情通は、なぜ荒くれ機兵団に数多くのアーチャー、マローダー、サンダーボルト、ウォーハンマーがあるのかと感じていた(訳注:タウラス連合はこれらの重量級メックを生産し傭兵部隊に販売しています)。荒くれ機兵団は最新の装備とメックを少しずつ受け取っており、これは連邦=共和国の企業からでなく、ほとんどがライラ側司令部の"砂漠の騎士プロジェクト" によるものだ。



3047, 海賊攻撃 Pirate Strikes

 3047年の中ごろ、荒くれ機兵団は、連邦=共和国の傭兵だった盗賊を追って辺境へ行け、と命令された。その部隊はデドリクソン・デビルズであった。荒くれ機兵団にはわからなかったのだが、盗賊たちはすでに惑星ピナードの首都を攻撃し、辺境の奥深くへ逃げ去っていた。クリステン・ハンセン大佐は、彼らの後を追って、メック1個大隊とともに、ピナードへジャンプした。首都はいまだ炎の中にあった。彼女はパイレーツヘイブン群星団へジャンプせよと命じた。いかにもデリクソンが行きそうな場所であった。群星団についてすぐ、小さな月で何隻かの降下船が見つかった。荒くれ機兵団はメックを降ろし、待ち伏せをかけた。海賊たちを破壊しても、荒くれ機兵団の方はほとんどダメージを受けなかった。海賊は重量級メックを見ると逃げていき、戦闘が終わったあと、荒くれ機兵団は四機のメックを失っただけであった。その中にはクリステンの乗機も含まれていた。残った荒くれ機兵団員たちは、回収した戦利品を海賊の古びたユニオン級降下船に積み込み、ブロムヘッドへと戻っていった。荒くれ機兵団はもう二度デリクソンデビルを探しに行き、待ち伏せをかけた。



3048, タウラスの襲撃 Taurian Raids

 タウラスの連邦=共和国国境襲撃は3048年の初頭に始まった。奇妙なことに、ブロムヘッドはタウラス偵察部隊の攻撃を一度受けただけだった。襲撃の間、二隻のハミルカー級降下船(タウラスが輸送のため使っていた)を追い払った。



3050, 第二次ブロムヘッド襲撃 Second Capellan Raid on Bromhead

 3050年の終わり、パイレーツポイントから向かってくる数隻の降下船が発見された。荒くれ機兵団は予測される着地地点に急ぎ、搬出作業中の襲撃者たちを捕らえた。戦闘中、一隻の降下船がメックの大規模部隊を、荒くれ機兵団の背後に降ろした。これは第1装甲大隊にとっては不幸なことであった。彼らは補給のために移動中だった。盗賊たちのメックが、弾薬不足の戦車部隊を捕まえた。ミサイル・オートキャノンの弾薬が足りないか、まったく無い状況で、荒くれ機兵団は貧乏くじを引いてしまった。彼らは炎のような戦術を見せた。弾切れの戦車が、衝角のように敵メックへと全速力でぶつかっていった。この戦術で一機以上のメックが地に伏した。しかし最後には、ほとんどの戦車が致命的な被害を負うか、破壊されてしまった。彼らの犠牲により、戦いは接戦へと変わった。生き残った襲撃者たちは、なんとか降下船に戻り、手ぶらで本拠地へと帰還していった。カペラの公式プレスリリースは、この襲撃を行ったのは犯罪者であるとした。だが、連邦=共和国の諜報部は、ヴィクターの49個部隊があわただしく出発したあとでカペラが空き家を探しているのではないかと見ている。



3054, 最高司令との会合 Meeting with High Command

 ウォルフガング・ハンセンと彼の側近は、ニューアヴァロンへ飛んだ。荒くれ機兵団を対氏族戦の前線に移動させる件について、国王、及び元帥と会談するためであった。荒くれ機兵団にはアップグレードされたメックが少数しかなく、氏族と戦える状態にないと話がついた。また辺境の政治情勢とカペラ正規軍の存在により、今まで通りブロムヘッドに必要とされた。







ハンセン荒くれ機兵団 3059

 ピーター・ダヴィオン国王の統治時代、荒くれ機兵団は恒星連邦のメック連隊であった。彼が周囲からメック戦士たちを遠ざけて以来、多くの部隊が遠慮なく彼を批判し始めた。荒くれ機兵団は国王を脅すようなことはしなかったが、自分たちの判断が信頼できるのかを疑い始めた。ドラコ境界域の(反体制派の士官からなる)少人数のグループが、2961年、ピーター国王を暗殺した。息子であるアンドリューがこの反乱を鎮圧し、忠誠に疑問のある5個完全連隊を破壊した。アンドリュー国王は確たる証拠もなしに粛正を続けるのではないか、そう荒くれ機兵団のルートヴィヒ・ハンセン大佐は心配していた。彼は部隊と一緒に、ドラコ境界域からシュタイナー領へと逃げ出した。

 大佐の心配は杞憂に終わったにもかかわらず、恒星連邦と荒くれ機兵団のあいだには悪い関係が残った。ハンス・ダヴィオン国王は、第四次継承権戦争を通じて、荒くれ機兵団に楽な仕事と高給を与え、関係を改善した。当時の執政官カトリーナ・シュタイナーによる奨励の言葉が、契約を締結した。いま荒くれ機兵団はブロムヘッドにて惑星防衛任務についている。

 荒くれ機兵団は汚れた茶色と焦茶色を好む。しかし必要なときには、適当なカモフラージュを取る。連隊の記章"牙と角を持った焦茶色の盾の上のどくろ"が目立つようメックの胴前面、気圏戦闘機の胴体、車両の横に記載されている。



士官
 ウォルフガング・ハンセン大佐はヴィクター・シュタイナー=ダヴィオンとの関係を保とうとしている。しかし最近、氏族前線での任務を説得された。彼はカトリーナ・シュタイナー=ダヴィオンと直面するブロムヘッドに残ることを決めた。これは"帰宅"と呼ばれた。契約の遵守と、ヴィクター・シュタイナー=ダヴィオンに対する真の忠誠の開始を見せたのである。



戦術
 彼らが好む戦術は、まず部隊が装甲部隊に先導されて前進する。装甲部隊に中央を保持させておいて、メック隊は両翼に広がり敵主力と衝突する。一見、中央が弱いように見え、敵メック部隊は荒くれ機兵団を分断しようと突進する。重装甲部隊が時間を稼ぐ。両翼がつつみこみ、三方向から敵部隊を叩く。敵が罠にかかるとすぐに装甲部隊は荒くれ機兵団メック部隊のあいだを前進する。



ハンセン荒くれ機兵団 Hansen's Roughriders
連隊 / 古参兵 / 忠誠度疑問
司令官/第1大隊長: ウォルフガング・ハンセン大佐
副司令官/第2大隊長: ウイリアム・クライン少佐
第3大隊長: アンドレア・シュミット少佐
 荒くれ機兵団はベテランの地位を保つため厳しい訓練を行う。彼らは3057年にマーリック−リャオ連合軍の攻勢と対峙し、いまだ手に負えない部隊であり続けていることを証明した。連邦=共和国は彼らを氏族戦線へ送り込むことに失敗した。しかしヴィクター・シュタイナー=ダヴィオン国王は、この部隊に中心領域の先進技術を供与し、関係を改善しようと努力している。この部隊は兵器のうち25%がアップグレードされている。ハンセン大佐は部隊指揮を分割する新ドクトリンをテスト・演習しているが、まだまだ荒くれ機兵団内には浸透していない。



荒くれ機兵団航空支援部隊 Roughriders Air Support
航空大隊/一般兵/忠誠度疑問
飛行隊司令官: カルヴィン・S・ロスチャイルド少佐
 この航空部隊は伝統通り18機の中軽量級気圏戦闘機を配備している。だいたい25%がアップグレード済みである。



荒くれ機兵団装甲支援部隊 Roughriders Armor Support
2個大隊/ベテラン/忠誠度疑問
装甲部隊司令官:ユージン・トーマス少佐
 荒くれ機兵団は、戦車に危険な武器――アローIVミサイル・キャリアー、ガウスライフル、多連装LRM発射筒、PPCといったものをよく搭載する。荒くれ機兵団装甲部隊と戦った敵部隊は酷く傷つけられるだろう。メック連隊第3大隊第3中隊は、しばしば装甲部隊の盾の役割を果たす。



荒くれ機兵団歩兵支援隊 Roughrider Infantry Support
連隊/一般兵/忠誠度疑問
歩兵部隊司令官: ジェラルディン・レイブンウッド中佐
 荒くれ機兵団の歩兵部隊はごく平凡な戦術ドクトリンで行動する。彼らの主な仕事は傭兵部隊基地、占領した敵施設、都市の保安任務である。







ハンセン荒くれ機兵団 3067

 公式には、3014年のアントンの反乱直後に、第12、第1アトリアン竜機兵団の残存兵力から創設されたことになっているのだが、荒くれ機兵団のルーツは恒星連邦にある。ルートヴィヒ・ハンセン(ハンセン家の遠戚)が、2961年、部隊と共にダヴィオン家を脱し、高名な第12アトリアン竜機兵団(ゲルハルト・ハンセン少将指揮)に合流した時、後に荒くれ機兵団となるものの本質が生まれたのである。もっとも、我らが今日知る部隊となるまでには、さらに50年を要することになる。部隊の起源に関する正確な期日が不確かなことで、両王家の国粋主義者たちがエリート部隊の故郷を主張しあうことになった。

 荒くれ機兵団は特に珍しい傭兵たちの集団である……激しい戦いを楽しむだけでなく、それで成功してきたからだ。ブルドッグ作戦中、キャサリンがジェイドファルコン国境の防衛任務を提案すると、彼らはこのチャンスに飛びつき、氏族による数度の激しい襲撃を熱心にはねのけ続けた。この任務でキャサリンは部隊の忠誠を勝ち取り、彼らは内戦で彼女のために戦うことになったのである。パンプールへの攻撃では、マサール将軍の考えにより、新兵を各部隊から引き抜いて侵攻の主力にしたにも関わらず、彼らは世界の大半を確保し、レキシントン戦闘団(LCG)全部隊の反撃があるまで、保持したのである。撤退中でさえも、彼らはファイティング・ウルクハイ、アルビオン候補生訓練隊に大打撃を与えた(それからヌニバクに退却した)。まもなく、タウラスの侵攻があり、ジョージ・ハセクは撃退の支援を求めて彼らにコンタクトを取った。荒くれ機兵団は、LCGを攻撃する代わりに、彼らと肩を並べて共に戦うこととなった。だが、傭兵連隊は気付かなかったが、契約がなされる前に、すでに紛争へと引き込まれていたのである。

 ブロムヘッドに、第2タウラス槍機兵隊が上陸し、彼らは荒くれ機兵団の歩兵隊のみが惑星を守っていることに気がついた。この歩兵隊は基地から一族郎党を撤退させる前に、タウラス人にいくらかの厄介な敗北を与え、1個中隊以上を撃破した。狼狽を振り払おうとする中で、タウラスのメックは、基地に乗り込むと、出来うるすべてを破壊した。その中には、撤退する民間人も含まれていた……タウラス人は荒くれ機兵団の歩兵が乗っていると考えたのだ。最終的に、荒くれ機兵団の防衛隊と一族郎党は虐殺され地に伏した。

 ハンセンはリンゼーに向かっている間にこれを聞き、話が広がると部隊は怒り狂った。彼らは遠征部隊を支援するという契約を無視し、プレイアデス槍機兵隊に単独で襲いかかり、この部隊を殲滅した。今日まで、荒くれ機兵団は、打ちのめされた部隊をタウラス世界への攻撃に使うよう、ハセクに請願しているのだが、航宙艦を持っていないことから、再建を終えてから報復するというハセクの条件にしぶしぶ従っている。

竜機兵団評価値: A



士官
 ウォルフガング・ハンセンはブロムヘッドで妻と三人の子供を亡くした。起きている時間のすべてを、荒くれ機兵団の再建と準備に費やし、タウラスと戦う日に備えている。ウォルフガングはすべての戦場をタウラス人の大墓所にする、血の誓いを立てており、部下たちもそれに従い、捕虜を取らないことを誓っている。



ハンセン荒くれ機兵団 Hansen's Roughriders
連隊 / エリート / 忠誠度疑問
指揮官/: ウォルフガング・ハンセン大佐
副指揮官/第1大隊長: ウイリアム・クライン少佐
第2大隊長: アンドレア・シュミット少佐
第3大隊長: カタリナ・フィオレ少佐
 現在活動できるのは2個大隊だけなのだが、16機の稼働するマシンが、数ヶ月後以内に病院から戻ってくるパイロットたちを待っている。生き残ったメックの大半が重強襲級で、偵察機を使用しているのはコマンド部隊のみである。指揮小隊は氏族兵器を装備している。連隊は完全に先進技術でアップグレードされている。



荒くれ機兵団装甲支援隊 Roughriders Armor Support
2個大隊/エリート/忠誠度疑問
装甲部隊司令官:ユージン・トーマス少佐
 荒くれ機兵団装甲隊は常に極めて重量がある。重LRMキャリアー、シルトロン、アラコルンに頼るこの部隊は、パットン、ロンメル戦車で「軽支援」を提供する。この装甲大隊群は、王家部隊の時代に立ち戻るFWLM小隊の組織で訓練、戦闘する。通常より戦力が増えていることは、しばしば油断した敵を驚かせる。



荒くれ機兵団歩兵支援隊 Roughrider Infantry Support
中隊/古参兵/信頼できる
歩兵部隊司令官: ブルース・ミリス大尉
 ブロムヘッドの虐殺を逃れたごくわずかな生存者たちは別として、唯一の健在な歩兵たちは、パンプールで装甲部隊の偵察兵となった、グレイデス軽偵察スーツ装備のコマンド部隊員28名である。観測、歩兵輸送用に、スプリントスカウトVTOL、カルノフの1個小隊が、中隊に所属する。







ハンセン荒くれ機兵団 3071

 3067年のブロムヘッド虐殺以来、このかつて騒々しかった傭兵連隊(一部の報告によると歴史は100年以上におよぶ)は、静かで、血に飢え、苦々しい集団となっていると言われる。現在、正当性のある契約よりも失われた一族郎党の復讐を重視しているハンセンはこの印象を証明している……彼らの前を横切った不幸なタウラス部隊を抹殺し、捕虜をほとんどとらないか、まったくとらないのだ。タウラス連合のプロパガンダ機関はハンセン荒くれ機兵団を「ダヴィオン家の雇った処刑部隊」とし、文明的な戦争の名誉と法をすべて放棄した傭兵隊としている。だが、実際のところ、3070年にミデールでの短い激戦があったにもかかわらず、この連隊はつい最近までほんとど実戦に参加しておらず、復讐の乾きを満たす機会は与えられていなかったのである。

 荒くれ機兵団のほんとど耐えざる嫌がらせについに屈したカペラ境界域司令部は、傭兵に対し独自の攻撃に着手するチャンスを与え、すでに戦闘状態となっていた地域に送り込んだ。それまでダヴィオン兵によるプレイアデス星団確保は失敗していた。その理由は少なからず、ブレイク派のニューアヴァロン包囲とジョージ・ハセク公爵の至高の正義作戦失敗の混乱によるものがあった。新たにカペラ境界域の指揮を任されたナサニエル・ハセクは、この問題に対処するため、追加の王家軍ではなく、荒くれ機兵団の使用を決定し、3071年の3月、傭兵の降下船と支援部隊は、星系内で最も激しい戦闘の起きていたエレクトラについに上陸した。

 実戦を熱望していたのだが、荒くれ機兵団は戦役の初期にいくつかの挫折を味わった。タウラスのゲリラをタムーン渓谷に閉じこめようとする一方で、彼らはすぐに一連の待ち伏せ、ゲリラ戦を受けてしまい、素早い問題解決は妨げられたのである。低強度紛争はウォルフガング・ハンセン大佐の部下たちを摩耗し始め、一方、タウラスの海賊放送はゲリラを無慈悲な「処刑部隊」を倒した勇士であるとし始めたのである。

 ターニングポイントが来たのは、タウラス小隊が要塞と化した渓谷の迷路に荒くれ機兵団のパトロール隊を引き寄せた時だった。自然の地形を守りに使って、ゲリラたちは崖に埋めた多量の爆薬を起爆し、荒くれ機兵団のメック数機を土砂の中に埋めた。荒くれ機兵団はおびえることも、士気低下することもなく、血の渇望を再び燃え上がらせた。残った傭兵たちは渓谷からすぐさま撤退し、数日にわたって、間接砲による燃料気化爆弾(FAE)の砲撃を浴びせた。

 荒くれ機兵団が谷をまるごと焦土と硝煙に変えると、装甲歩兵が前進して掃討を行い、隠された爆薬を発見、無効化したので、残ったタウラスのトラップにかかることはなかった。装甲歩兵は周到に隠された野営地を暴き出し、一方、他の部隊が弾薬の備蓄を捕獲した――この中には、タウラスが起爆しようとしていたとされるアラモ級核弾頭数基があったのである。ゲリラたちは必死に戦いながらの退却を試みたが、退路をFAE爆撃に阻まれているのに気づき、また混乱の中で、傭兵たちは彼らを跡形もなく抹殺するために捕獲したアラモの一部を使った。惑星上のDMI工作員はすぐに若干の生存者を確保した。ハンセン大佐と怒り狂った兵士たちの手で即座に処刑されることをおそれたのである。

 荒くれ機兵団が核兵器を使ったことに対する公の抗議は短いが激しいものであった――その大半がタウラスのメディアからのもので、傭兵の野蛮さを証明したと主張し、MRBCによる裁可を求めた。しかし、委員会はこの事件を調査したのだが、アラモを持っていたのがタウラスのゲリラだったという事実は減刑に値する要素だと広く考えられたのである。だが、これは連合を満足させることはなく、兵士たちがWMD(大量破壊兵器)を持っていたことを否定し、ブロムヘッドの虐殺も嘘だと主張しさえしているのである。

竜機兵団評価値: A(評価中)

ハンセン荒くれ機兵団
 幸運にも、DMIがタムーン渓谷で捕らえた捕虜たちのひとりはブレイク派の連絡士官で、大量の価値ある情報がもたらされた。尋問によって得られた情報の中には、特定の星系でタウラスに捕らえられた捕虜たちが遠くの再教育キャンプに送られるという噂があった。連絡士官によるとブロムヘッドもこの星系にリストされており、希望を持った荒くれ機兵団は失われた戦友や愛する者がこれらの捕虜の中にいるかもしれないと奪還の準備をしている――この任務はAFFSの同意があろうとなかろうと遂行されるかもしれない。荒くれ機兵団のAFFS連絡士官は、この情報が荒くれ機兵団を撤退させるための作り話かもしれないと注意しているが、これまでのところこのような警告は彼らのふさがれた耳には届いていない。




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