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作成:2003/04/17
更新:2009/06/25

ブルー・スター・イレギュラーズ Blue Star Irregulars



 エリダニ軽機隊と同じく、星間連盟防衛軍出身の精鋭傭兵団です。非常に優秀、高名な部隊で、特に第1894軽機隊は中心領域でも指折りの傭兵連隊といえるでしょう。小型艦ながら戦艦を所有する唯一の傭兵でもあります(ウルフ竜機兵団除く)。





 アマリスの簒奪に対するケレンスキーの戦争は、2767年から2779年まで12年の長きに渡って行われた。星間連盟防衛軍(SLDF)は困難と欠乏を伴いながらもアマリス軍を倒し地球へと進んでいった。圧倒的な障害に直面して、確固とした義務と献身を見せたメック戦士を表彰するために、内戦後、アレクサンドル・ケレンスキーはブルースターメダルを作った。これらのメダルのうち37個だけが、ケレンスキーのブルースターとして知られ、与えられたものである。大規模な移住に備え、ケレンスキーがSLDFの中核にエクソダスの招集をかけたとき、37人のブルースター授与者は、あとに残り中心領域に仕え続けることを選んだ。

 エクソダスして1年以内に、3人の授与者が引退し、他のふたりがどこかに消えた。その後の2788年、第一次継承権戦争によって星間連盟が引き裂かれると、ブルースター授与者であるジェレミア・ブライトン大佐は、名誉と伝統を守るため、他のブルースター保有者たちを呼び出した。残った32人の授与者全員が呼びかけに応え、彼らが所属していたSLDF部隊の残存兵を一緒に引き連れてきた。それらの兵士から、3個連隊――第1894軽機隊、アヴァター・オブ・ペインフル・デス、第21辺境世界メック連隊が結成され、ブルー・スター・イレギュラーズが作られたのである。

 連隊は王家の中から、星間連盟の考えに最も忠実であるダヴィオン家を選び、恒星連邦に仕えた。150年以上に渡って、3個連隊はダヴィオン家とともにあり、身を捧げている。ハンス・ダヴィオン国王がシュタイナーとの和平を受け入れ、連邦=共和国を形作ったとき、星間連盟を再興するという傭兵たちの夢が手に入ったかと思われた。



ケレンスキーの帰還 The Return of Kerensky

 氏族がSLDFを祖としているとの噂を、最初、ブルー・スター・イレギュラーズは信じようとしなかった。しかしながら、それを否定しきれなくなったとき、イレギュラーズはすぐ氏族前線への異動を願い出た。彼らはケレンスキーの遺産の悪用に対し挑戦するつもりであった。ちょうどツカイードの停戦によって、中心領域に相対的な平和がもたらされたころであり、氏族が再び前進してくるときに備えて準備に心を砕いた。

 しかしながら、ジェイドファルコンは奇襲をかけ、フォート・ロードンに駐屯していた第21辺境世界メック連隊を攻撃したのである。明らかに氏族はイレギュラーズがSLDF出身であることを知っており、このような価値ある敵を攻撃することで、自らを証明しようとしていた。ファルコンはまず連隊の航宙艦を拿捕し、次に強襲の連続で傭兵を圧倒し始めた。援軍がやってくるまでに、壊滅した2個中隊だけが山岳部に隠れて残っていたのだった。ジェイドファルコンは、優勢を確信して、占領した世界であるクォレルに引き返していった。

 残りの2個イレギュラーズは、すぐにモーガン・ハセク=ダヴィオンに対し、クォレル強襲の許可を請願した。彼が不承不承ながら許可すると、連隊はクォレル星系にジャンプし、不利なファルコンからの挑戦宣告(バッチェル)の要求を無視した。従って、ファルコンのオムニメック3個星団隊が傭兵の地上強襲に応じた。一隻のフレダサ級コルベットとオムニ戦闘機がブルースターの航宙艦に攻撃を始めた。このとき、ファルコンの航空機は、傭兵戦闘機連隊ヘルズブラックエースに遭遇した。彼らは隠れた位置から出現し、素早くクォレルの航空優勢を主張した。しかしながら、氏族の戦艦は従わないように見え、ブルースターの航宙艦に近寄り、ダメージを与えようと試みた。このとき、航宙艦の艦長はファルコン艦艇への体当たりを強いられた。しかしながら、危険な戦術は上手くいき、敵戦艦の主司令センターを破壊したのである。ブラックエースは航空優勢を主張し、ブルー・スター・イレギュラーズの名の下に、ファルコンの降下船をエスコートした。

 地上での作戦はそれほどうまくいかず、ファルコンの技術的、数的優勢にうち勝つことは出来なかった。第1894軽機隊は何とか部隊の形を維持しつつ、ジェイドファルコンの補給倉庫のいくつかを破壊したのだが、アヴァターはすぐにファルコン2個星団隊の挟み撃ちにあった。軽機隊が行動に移る前に、ファルコンはアヴァターへの罠を完成させ、連隊を破壊した。

 戦闘に負けたことを悟ると、アレクサンダー・ダフ=ゴールドン大佐は軽機隊を率いて、ファルコンの大きな補給庫に向かい、これを奪取した。その後、彼はファルコン司令官、スターコーネル、パドリック・シ=ルーに挑戦した。補給庫と拿捕したファルコンの戦艦を条件とし、代わりに捕らえたアヴァター隊・辺境世界連隊の戦士の返還、奪われたブルースターメダルの返還、そして連邦=共和国に無事に帰すことを要求した。数分以内に、ダフ=ゴールドンと7名のブルースター戦士は、スターコーネルパドリックと4名の戦士と、リクルー平原にて対面した。ウォーハンマーの核融合エンジンがオーバーヒートと爆発を起こす前に、ダフ=ゴールドンはなんとかスターコーネル・パドリックを殺した。最後には、2名のイレギュラーズ隊員だけが生き残ったが、彼らは挑戦に勝ったのである。イレギュラーズはラサルゲシーに帰還した。そこで彼らは傷を癒し、氏族と再び対面する日に備えて、再建するのであった。

 最近、エリダニ軽機隊とマッカロン装甲機兵団が傭兵の身分を失い、傭兵調査・雇用委員会(竜機兵団が後援者)の彼らの席を埋めるために、著名なノースウインドハイランダーズとブルー・スター・イレギュラーズに提案がなされた。ハイランダーは受けた。イレギュラーズはまだ提案について熟慮している。



司令部
 ブルースターメダルはもはやイレギュラーズの一般隊員資格ではなくなっているが、部隊の連隊司令官はまだそうである(伝統的にメダルは部隊内で継承されていく)。メダルがそのような地位を保証するわけではないが、ブルースターメダルは戦士が指揮官の地位を得る機会を増やす。

 第1894軽機隊の司令官は、契約の際や、クォレル強襲のような共同作戦のとき、全ブルースター連隊の司令官であると考えられている。イレギュラーズはヴィクター・ダヴィオンに強い忠誠を誓っており、最近アークロイヤル防衛戦線のモルゲスに移動した。そこで彼らはヴィクターの名の下に作戦を続けている。



戦力と組織
 過去6年にわたって、ブルー・スター・イレギュラーズは第21辺境世界連隊を再建してきた。フォート・ロードンから救出された2個連隊の生き残り、アヴァターの生き残り、氏族侵攻で失機者となった古参兵のメック戦士を用いている。装備一式のために積立金のほとんどを使い、また連邦=共和国に大口の融資を求めることとなった。だが、再建された第21辺境世界連隊は、現在、竜機兵団のデータベースで古参兵のB+とされている(第1894軽機隊はA*と評価されている)。

 両連隊は連隊及び大隊司令小隊を使っている。軽機隊は諸兵科連合作戦に長けているが、第21隊はいまだそういった戦術に使う適切な支援部隊を欠いている。すべてのイレギュラーズ隊員は先進技術のマシンを使っている。大規模な改修、ファルコン補給庫の奪取、最近行った多額の新メックへの投資によるものである。氏族製のオムニ・バトルメックは1個大隊分しかないが、大多数のメックが氏族技術の武器・システムを使っている。従って竜機兵団は80パーセントのアップグレードと評価している。



技術・輸送支援
 イレギュラーズは部隊の整備に必要な90パーセントの技術スタッフを確保している。技術者たちはアウトリーチで受講し、氏族システムを整備・交換する能力を持ったが、損傷した氏族技術装備を修理するには外部(竜機兵団、ケルハウンドなど)に頼らねばならない。

 イレギュラーズの輸送隊は全戦闘部隊を収容可能である。拿捕したフレダサ級戦艦(ケレンスキーズ・ブルース)はウルフ竜機兵団によって修理され、一部改修された。この戦艦は武装の半分が氏族技術製である。この時に拿捕された氏族降下船は、ブラックエースに回収品の分け前として贈呈されている。


 ブルー・スター・イレギュラーズは、いまだに32個のブルースターメダルを保有しており、隊員に分配されている。





第1894軽機隊: 炎の守護者 1894th Light Horse: keepers of the flame

 第1894軽機隊はブルースター連隊とダヴィオン家への忠誠心で有名だ。第1894隊は、フォート・ロードンとクォレルで第21辺境世界連隊とアヴァター隊がほとんど壊滅状態にまで粉砕されてしまったあとで、両連隊の再建を手助けし、彼らを訓練するための対氏族戦術の厳しいプログラムを作り上げた。

 3057年にライラ同盟が作られたあとで、キャサリン・シュタイナー=ダヴィオンが支援を求めるために、短期間、イレギュラーズを尋ねたとき、第1894隊はダヴィオン家への忠誠を見せた。適切な準備なしでは、彼らを氏族の前線に送らないと彼女は主張し(同時に兄妹であるヴィクター・ダヴィオンがしたことを非難した)、ライラ宙域に残ることが司令部にとって最も有利であると提案した。第1894隊は、3058年のはじめに、キャサリンに秘密の返答を送った。ブルー・スター・イレギュラーズは、連邦=共和国への正統な権利の主張を、永続的に支援していくだろう、と。部隊はラサルゲシーを離れ、モルゲスに移った。そこでいまはアークロイヤル防衛戦線の中心の守備隊を務めている。ラサルゲシーが手薄だと、ジェイドファルコン氏族に気づかれる前に、キャサリンは緊急に新しい守備隊を置かなければならなくなった。

 軽機隊の記章は駆ける白黒のまだら馬である。メックと右胴下に描かれる。まるで地面を蹴って走っているかのように、火花と銀・青の星が足のまわりを取り巻いている。メックの胴下部全体に渡って広がる跡のなかで、星はその後ろに引きずられる。マシンに必要な撃墜数の分だけ赤で縁取られた星がある。気圏戦闘機の場合は、ライトブルーのペガサス(ギリシャ神話の羽根を持った馬)がまだら馬に取って代わられる。装甲部隊の記章はクライズデール馬が特徴である。

竜機兵団評価値: A*


士官
 ドラコ連合、ケンサイ・カミ元教官のラーディン・ルワイは、第四次継承戦争後、ケンサイ・カミ・プログラムが終了した時に、国を離れた。数年後の3034年、彼は傭兵となりイレギュラーズに加わった。3039年戦争でブルースターメダルを獲得している。

戦術
 第1894隊は高速で移動するとき、緊密なフォーメーションを保つことが出来る。部隊はしばしばこの能力を敵の不意を付くのに使う。敵が共通して伸ばし過ぎる側面を攻撃するのである。不幸なことに、ブルースター装甲隊はこのような攻撃の時に、主力隊に遅れてしまう。


第1894軽機隊
メック連隊/エリート/熱狂的

指揮官:ラーディン・ルワイ大佐
副指揮官/第1大隊:パトリシア・クリスティエンセン中佐
第2大隊:トレイシー・ジャミソン少佐
第3大隊:ウー・セン・タン少佐
 第1894軽機隊は、1個氏族オムニメック中隊を用いる。連隊指揮小隊はメック6機の強化部隊である(各大隊の指揮小隊は通常規模)。軽機隊の各大隊は、1個重量級中隊、1個中量級中隊、2個中軽量級混成中隊で構成される。

スターハンター
強化航空大隊/エリート/熱狂的

指揮官:イソ・カシギ少佐
 スターハンターは26機の航空機を持っている。大半が軽量級で、一部が中量級である。全機体の主兵器には、少なくともひとつの氏族製を用いる。4個航空中隊と1個指揮航空小隊(2機編成)からなる。

第1894機兵隊
2個装甲大隊/古参兵/熱狂的

指揮官:ダニエル・ブリンカーホフ中佐
 第1894軽機隊の重装甲隊は、バトルメックの直接支援なしで、敵と交戦可能である。両機兵隊はデモリッシャーとシュツルムフォイアを特に好む。

第1894戦術偵察群
歩兵大隊/一般兵/熱狂的

指揮官:カーステン・ラッパーラドロン少佐
 第1894戦術偵察群は偵察と特殊作戦を専門としている。第1戦術偵察中隊はVTOLを装備し、第2、第3中隊は、偵察兵、爆発物のエキスパート、通信特技兵の組み合わせである。彼らは共同して情報収集・分析のために活動し、発見したものを連隊に送るか、必要な時には行動に移る。





第21辺境世界連隊: フェニックス乗り 21st Rim Worlds: riding the phoenix

 フォート・ロードン戦後に、損害と被害が評価され、第21辺境世界連隊とアヴァター隊に残っているのは、32名のメック戦士と28機の回収可能なメックのみであると判明した。イレギュラーズはこの数字を良い兆候であると解釈した……なぜなら、イレギュラーズは32名のブルースター授与者から作られたからだ。

 失機者のメック戦士を雇うことによって、通常のゆっくりした再建スピードを何とか引き上げ、有能な戦士のプールから新しい隊員を選んだ。失機者だったメック戦士たちは、ブルー・スター・イレギュラーズの伝統と戦術を熱心に学ぶことで起用に応えた。 第21辺境世界連隊は32個のブルースターメダルのうち、8個を保持しており、新兵が完全に受け入れられる状況になれば、現在の保有者は彼らにメダルを渡すだろう。

 第21辺境世界連隊の新しい記章はフェニックスで、バトルメックの右胴下に描かれる。フェニックスは、青い炎を燃え立たせており、四方八方にブルースターを飛び散らせている。星は個々の撃墜を表すよう赤で整えられている。

竜機兵団評価値: B+

士官
 リガ・ジャイクライム大佐は、フォートロードンでは第21辺境世界連隊員として、クォレルではアヴァター連隊員として戦い、ブルスターメダルを受け取った――これらの作戦で彼女は「撃墜不能(Unkillable)」の評価もまた得ている。

 ハンク・ハットフィールド=マッコイ少佐は積極的な戦士であり、他者には注意を払わない。その戦術手腕なしには、彼は大隊指揮官の地位を得ることは出来なかったろう。彼はこれ以上昇進しないだろうと考えられている。

 リアン・ヤングコルト少佐は自身が「戦闘センス」と呼ぶもので高名を得ている。時折、彼女は敵の行動を見抜くことが出来、この能力を持ってして、膨大な撃墜を記録している。彼女は古代アナサジ族のタトゥーを顔に施しておりすぐに見分けることが出来る。

戦術
 第21辺境世界連隊には、まだ特定の戦術的な専門は持っていない。しかしながら各大隊は夜間作戦、近距離戦の訓練を積んでいる。


第21辺境世界連隊
連隊/古参兵/信頼できる

指揮官:リガ・ジャイクライム大佐
副指揮官/第1大隊:イザーク・ゴールドマン中佐
第2大隊:ハンク・ハットフィールド=マッコイ少佐
第3大隊:ザッカリーズ・ブッシュ少佐
 第21辺境世界連隊は、1個混合中隊分の氏族オムニメック、バトルメックと、1個大隊分の中心領域製の先進技術を持つ。この大多数は重量級、軽量級である。連隊指揮小隊は重メック6機の強化部隊である。部隊の第2大隊はアヴァター連隊から名前を取ってアヴァター・オブ・ペインフル・デスの部隊名を使っており、戦闘可能な若干の生存者がいる。イレギュラーズの上層部はいつかこの大隊を分離し、三番目の連隊の中核にしようとしている。
 現在、第21は70パーセントのアップグレード率である。

ニュートロン・ブルース
航空大隊/古参兵/熱狂的

指揮官:リアン"ルーモア"ヤングコルト少佐
 ニュートロン・ブルースは20機の戦闘機を持ち、3個航空中隊、1個指揮小隊に分けられる。機体の大半は旧アヴァターの航空戦力であり、クォレルの宇宙戦でヘルズブラックエースがジェイドファルコンの戦艦、オムニ戦闘機と戦うのを助けた。

第3強襲装甲隊
大隊/一般兵/熱狂的
装甲指揮官: ネファロス・アングヴァンハロヴィス少佐
 第3強襲装甲隊は第1894装甲連隊から派遣され、第21辺境世界連隊の装甲支援の中核となっている。部隊は重車両を用い、4個中隊(各中隊は4個小隊編成)からなる強襲大隊に組織される。追加されている車両は、第21辺境世界装甲支援隊の残存兵力である。

第2アヴァターズ歩兵隊
2個中隊/古参兵/熱狂的
歩兵指揮官: ワンダ・フィリップス少佐
 第2アヴァターズ歩兵隊は、アヴァターズの通常歩兵大隊の生き残りからなる、対メックコマンドー部隊である。クォレル戦以降、この部隊は"膝抜き"、集団戦術以外の訓練をほとんどしていない。部隊は連邦=共和国とグレイデス軍団に対し、バトルスーツ訓練の申し込みを行い、両リストの高い位置にある。連邦共和国最高司令部は全隊にバトルアーマーを供給することを考えているという。










ブルー・スター・イレギュラーズ 3067



組織と司令部
 連隊指揮官はケレンスキーのブルー・スターの所持者でなくてはならない。大隊指揮官の多くもまた所持者である……といっても、それが絶対条件ではないのだが。これらのメダルを獲得する――通常は隊員の戦死、退役時に――ことは、指揮官の座につくための大きなステップであるとされる。第1894軽機隊の指揮官はイレギュラーズの総司令官であると考えられる。

 両連隊は、連隊・大隊指揮小隊を採用している。軽機隊は諸兵科連合の運用を得意とするが、再建された第21は友軍のような連携を欠いている。イレギュラーズは中心領域で最新鋭の機体を配備している(氏族製のオムニメック2個完全中隊含む)。



支援
 ブルー・スター・イレギュラーズは、戦艦を保有する唯一の傭兵部隊であり続けている。〈ケレンスキー・ブルース〉は、3055年にヘルズエースとの合同強襲の最中に、ジェイドファルコン氏族から拿捕したフレダサ級艦艇である。この戦艦は常に整備不良をこうむり、ターカッドの宇宙戦では致命的な損傷を負った。完全な支援を行うには、あまりに大きすぎ、費用がかかることは明白なのだが、イレギュラーズはあきらめるのを拒否している。この部隊はまた全部隊を輸送するに足る充分な航宙艦、降下船を所有している。

 〈ケレンスキー・ブルース〉に関する問題は除いて、イレギュラーズのスタッフはおよそ90パーセントの支援を提供している。これには氏族オムニメック2個中隊の整備が含まれているが、これらのマシンのオーバーホールは、ウルフ竜機兵団か(放浪)ウルフ氏族に外部委託されている。





第1894軽機隊 炎の守護者 1894th Light Horse: keepers of the flame

 連邦共和国内戦時、この連隊はターカッドを強襲するピーター・シュタイナー=ダヴィオンの連合軍に加わることで、誓約を守った。この傭兵たちはとにかくビクターの下に行きたがっていたのだが、事情によってそれはかなわず、またカトリーナの強力な支援者を第一に倒すべきだとケルが説得したのである。第1894は数度の重要な戦闘を行い、勝利したが、包囲された第21辺境世界連隊が壊滅する前に救援することができず、大幅に士気低下した。

 第1894はターカッド・シティへの最後の攻撃のために再結集し、カトリーナ派の陣地を突破して、ピーターの弱まる強襲を支えた。1個重大隊が首都に入ると、第11アークトゥルス防衛軍は降伏を申し入れた。

竜機兵団評価値: A*


士官
 ウー・セン・タンはターカッド・シティの戦い後、連隊指揮官に昇進し、新国家主席から感状を受けた。彼はブラックアースへの一時的な部隊移転を承諾したが(その間にイナークス、コベントリからの装備で第1894を再建する)、元に戻った恒星連邦に帰還したい旨を言明している。

戦術
 数世紀に渡って自信を得てきた第1894は、緊密な陣形、細心のタイミングが必要とされる高速機動を専門としている。


第1894軽機隊
連隊/エリート/熱狂的

指揮官:ウー・セン・タン大佐
副指揮官/第1大隊:トレイシー・ジャミソン中佐
第2大隊:ピーター・オルリアン少佐
第3大隊:ケーレ・ヴォズカ少佐
 連隊指揮小隊はメック6機の強化部隊である。通常、各軽機大隊は、1個重大隊、1個中大隊、2個中軽量混成大隊で構成される。戦場での損失により、部隊の戦力は82パーセントに落ちている。第1大隊は、氏族製バトルメック、オムニメックの完全1個中隊を持つ。連隊、大隊指揮小隊にも少なくとも1機の氏族製マシンが含まれる。さらに、氏族技術でアップグレードされた中心領域製オムニメックが各大隊に散らばっている。

スターハンター
航空大隊/古参兵/熱狂的

指揮官:イソ・カシギ少佐
 スターハンターは26機の航空機を展開し、大半が軽量級で、一部が中量級である。ターカッドでの損害を交換した後、氏族技術兵器を使っているのは、半分の戦闘機だけとなった。スターハンターは4個航空中隊にまとめられ、戦闘機2機の1個指揮航空分隊を持つ。

第1894機兵隊
1個大隊/エリート/熱狂的

指揮官:マイケル・マルヴィヒル中佐
 第1894の重機兵隊は、バトルメックの直接支援なしで、敵と交戦可能である。両機兵隊はデモリッシャーとシュツルムフォイアを特に好む。内戦からの再建に際し、マルヴィヒル中佐は新たなエリートのステータスを保ち続けることを望んだ。軽機兵隊が好む側面戦術を支援するための、重ホバークラフト高速強襲大隊を創設する話も出ている。

第1894戦術偵察群
大隊/一般兵/熱狂的

指揮官:カーステン・ラッパーラドロン少佐
 この偵察・隠密活動専門部隊の第1中隊はVTOLを装備し、第2、第3中隊は偵察兵、爆発物のエキスパート、通信特技兵の組み合わせである。彼らは共同して情報収集・分析のために活動し、発見したものを連隊に送る。





第21辺境世界連隊 21ST RIM WORLDS: ASHES TO ASHES

 第21辺境世界連隊はかつてここにいた。3054年、彼らはジェイドファルコン氏族の攻撃で全滅しかかり、メック戦士32名とそれ以下のバトルメックだけが生き残ったのだが、氏族の強襲で失機者となった戦士たちを徴募して、他の部隊よりも早く再建されたのである。

 今回、ターカッドの山道で凄まじい損害を出した後、第21は再び再建の途上にある。41名の戦士と12機の動くマシンだけが残されている。ゴールデン・ライオンズ(第11アークトゥルス防衛軍、カトリーナ派)は、第21辺境世界連隊に物質的な大穴を開けてみせたが、部隊の強固な精神を打ち破ることが出来なかった。モーガン・ケルはイレギュラーズを支援し、ケルハウンドの"育成チーム"から、部隊の戦闘哲学、スタイルにふさわしい隊員を捜すのを許可した。同じく、ピーター・シュタイナー=ダヴィオンも、イナークス、コベントリで生産される物資を約束した。

 ライラ士官の多くは、イレギュラーズが恒星連邦に戻ってしまうことを予想している(そしてそれを望んでいる。傭兵隊がライラの兵站部門から多くを持っていってしまうから)のだが、物質的支援以上のもので彼らは残った。事実、第21にまつわるある出来事が、ウー・セン・タンにブラックアースへの配置を受け入れさせたのである。数年前のジェイドファルコンによる攻撃で、氏族は連隊のブルースター保有者をメダルと共にボンズマンとしていた。情報部は、ライラ宙域メリッサ戦区の近くに両者があるとしている。

 戦士一人、メダル一枚のために、次の戦争を再開するリスクを犯すのは、幾分滑稽に見えるかもしれないが、それこそがまさにイレギュラーズがしかねないことなのである。モーガン・ケルとピーター・シュタイナー=ダヴィオンの支援がある限り、彼らが望むものは得られそうである。

竜機兵団評価値: B

士官
 ハンク・ハットフィールド=マッコイ大佐は、上級指揮官の器ではないと考えられており、戦闘による戦力減で連隊総指揮の座に押し出されなかったら、大隊指揮官より上の階級に昇進することはなかっただろう。優れた戦術士官なのだが、戦略の訓練を受けず、自己中心的な行動を取りがちなことが、彼のキャリアに影響してきた。ターカッドでの損失が、この男を良き指揮官に成熟させる役割を果たすかも知れないが、次席指揮官として、古参兵のザッカリーズ・ブッシュではなく、若いプライス・ウィットクックを選んだことは、気がかりである。

戦術
 第21辺境世界連隊は、ハットフィールド=マッコイ大佐の訓練計画により、照準装置を使わない直接射撃を含む、夜間戦闘技術を鍛えている最中である。これが実を結ぶかはまだわからない。


第21辺境世界連隊
連隊/一般兵/信頼できる

指揮官:ハンク・ハットフィールド=マッコイ大佐
副指揮官/第1大隊:プライス・ウィットクック少佐
第2大隊:ラフィア・デイトン少佐
第3大隊:ザッカリーズ・ブッシュ少佐
 新隊員を加えてもなお、第21辺境世界連隊は修復で回復出来る範囲を超えて、戦力が低下している。連隊のTO&Eは穴だらけである。現在、58バーセントの人員と、46パーセントの装備しかない。この状況における唯一の光明は、1個完全中隊分の氏族製オムニメック、バトルメックで、連隊の各指揮小隊に分配されている。第1894のように、連隊指揮小隊は通常のバトルメック4機編成でなく、6機編成となる。第21辺境世界連隊は伝統的に軽機連隊より重量のある機体を当てにしており、再建中にそれが放棄されることはなさそうである。

ニュートロン・ブルース
航空大隊/古参兵/熱狂的

指揮官:リアン"ルーモア"ヤングコルト少佐
 ブルースは、3個飛行中隊、1個指揮分隊の、戦闘機20機で構成される。機体の大半は、氏族帰還以前のものであるが、ターカッドでの損失は、新型ライラ製オムニ戦闘機4機という贈り物をもたらした。

第3強襲アヴァターズ
混成大隊/古参兵/信用できる
装甲隊長: ネファロス・アングヴァンハロヴィス中佐
 ターカッド後の再建の一環として、ネファロスは装甲車両、歩兵を連合させて、新たな機械化部隊を作るというアイディアを指示した。この部隊は戦場でさらなる柔軟性を発揮するだろう。アヴァターズ……4個小隊からなる強化4個中隊の強化強襲大隊がその結果である。
 重強襲級車両のみを使う2個中隊は完全に装甲部隊である。残りの2個中隊は機械化歩兵で、間接砲、VTOL支援、対メック指揮分隊、2個バトルスーツ分隊が付随する。








ブルー・スター・イレギュラーズ 3071

 3069年1月、イレギュラーズの両連隊はブラックアースでジェイドファルコン軍の攻撃を受け、壊滅した。傭兵の拿捕したフレダサ級戦艦が、逃走する降下船と脱出する民間人を乗せた小艦隊を航宙艦まで護衛していた時、ファルコンのコングレス級フリゲート率いる海軍隊が迎撃を行った。〈ケレンスキー・ブルース〉はファルコンのヴィンセント級コルベット〈ライトニングストライク〉を片づけるのに成功したのだが、残った氏族の戦艦が、降下船と航宙艦の中にいた1個中隊分のイレギュラーズをほぼ虐殺し、それからブルースを沈めたのである。生き残ったイレギュラーズの大半は、引退するか、アークロイヤルを基盤に活動する他の傭兵隊に加わるかした。





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