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作成:2002/05/08
更新:2017/01/16

ブリオン軍団



 日本語版「メックウォリアーRPG」170ページに記述のある傭兵部隊です。
 3020年代、クリタ家との契約下で、悲惨な傭兵部隊の見本となっていました。
 第四次継承権戦争でダヴィオン軍の攻撃を受け、さらに悲惨な状況に置かれますが、その後、少し変わった運命をたどることになります。













ブリオン軍団 3050 LINDON’S COMPANY

 ブリオン軍団の歴史は、部隊の規律のなさと、献身を通じて逆境に打ち勝つこと、その両方の研究素材である。軍団の指揮官、パイソニウス・ブリオン大佐は、恒星連邦の惑星デービットで第12デネブ軽装甲機兵隊の攻撃を受けて戦死した。軍団は崩壊して逃走し、第9ディーロン正規隊だけがダヴィオンの防衛部隊と戦うことになった。

 軍団は契約を破り、地元のHPGに逃げ込んで庇護を求め、よく言っても哀れな兵士、悪く言うと臆病であることを示してしまったのである。アナスタシウス・フォヒト軍司教は、ブリオンの息子、オクタヴィウスにコムスターとの契約を持ちかけた。オクタヴィウスはそれに同意し、コムスターが隠し持っていた星間連盟バトルメックによって戦力を連隊規模に戻した。

 現状、ブリオン軍団はオクタヴィウス・ブリオン大佐の指揮下で地球防衛軍の一部となっている。20年におよぶコムスターとの訓練で、彼はエリートのメック戦士となっており、コムガードの戦術、中心領域の標準的な戦術の達人となっている。


ブリオン軍団
 3033年より前、ブリオン軍団は典型的な中心領域の連隊に組織されていた。だが、比較的、訓練が足りてないことから、特に専門的な戦闘能力を持っていなかった。彼らは「与えられた仕事をこなす」ことで知られているが、目立ったスキルもなければ、それを自慢することもなかった。連隊は指揮小隊を持っていたが、各大隊には存在しない。

 3033年の後、ブリオン軍団の戦術には注目すべき変化があった。外見上、連隊はまだ通常の中心領域のやり方に沿って組織されている。だが、コムガードと一緒にいたおかげで、柔軟性のある戦術ドクトリンを開発している。軍団は意のままに通常の小隊=中隊=大隊の組織から、コムガードのレベルI、レベルII、レベルIIIの組織にスイッチすることができる。これは大隊単位でなされ、それぞれは前もって決められたラインで再組織される。ブリオン軍団は長距離戦闘を好む。星間連盟技術で長年にわたって訓練してきたことの恩恵である。
 経験レベル: 一般兵
 戦力編成: 1個中メック連隊


オクタヴィウス・ブリオン大佐
 デービッドの大敗の後で、ブリオン大佐は家名を取り戻そうとしており、それは彼をエリートのメック戦士とした。絶え間ない訓練と懸命な学習によって、彼は兵士たちから多大な敬意を買っている。シミュレーションや訓練任務で彼は一番優秀な敵でさえも打ち負かすことができ、学習によってどこで敵が待ち構えているのか、地雷を撒いているのかを予想する能力を伸ばしている。
 乗機: キングクラブ KGC-0000












ブリオン軍団 3059

 第四次継承権戦争の前でさえ、ブリオン軍団はよく言って不確かな部隊だと考えられていた。デービットにおける戦闘で、部隊の評判はますます悪いものとなっていった。第12デネブ軽装甲機兵隊が計略によって指揮官の位置を暴き、1個軽装甲機兵隊が彼を殺したのである。士気を砕かれ、打ちのめされた軍団はコムスター施設に逃れた。そこで幸運が良い方向に変わり始めた。

 第12デネブ隊が、パイソニウス・ブリオン大佐を吹き飛ばして塵に返すと、軍団の指揮権は若き息子オクタヴィウス・ブリオンに渡った。部隊内で、父の死にもっともショックを受けていたオクタヴィウスは部隊をコムスター施設内へ退却させた。コムスターとの契約下で、オクタヴィウスは戦司教に直接監督された。オクタヴィウスは軍団員とともに成長していった。戦略、戦術、戦闘指揮の原則を学び、エリートメック戦士になれるよう自らを駆り立てた。

 秘密のコムガード部隊を隠すため、表に立つバトルメック部隊を欲していたコムスターは、ブリオン軍団を利用した。戦司教アナスタシアス・フォヒトは、隠し持っていた星間連盟時代のバトルメックを、ブリオン軍団に引き渡し、1個連隊までに増強させ、その後、2個連隊まで拡大させた。ブリオン軍団のメック戦士は、コムスターの厳しいメック戦士育成プログラムに登録された。30年後、ブリオン軍団は地球(とコムスター)を離れ、カオス国境域での新たな任務に就いた。

 再訓練されたブリオン軍団の最初の作戦は、リャオの革命家たちによって解放された惑星プレイオネの防衛であった。3058年初頭、マーリック国境から撃退された第12ヴェガ特戦隊の2個連隊が、そのまま本拠地ヴァレクサPDZ(多層防衛地帯)に戻るよりはと、プレイオネ奪還をしかけてきた。ブリオン軍団は世界を守ることに成功し、30年前に失われた尊厳のうちいくらかを回復したのだった。


指揮
 ブリオン軍団はコムスターの基準により古参兵と考えられていたが、カオス境界域に向かった時には、まだ試されてない部隊であった。プレイオネとの最初の契約下で、オクタヴィウスは連隊の戦略統制権を持っておらず、また戦術統制権はほとんどなかった。上級戦術計画のすべては、惑星市民軍の自称将軍を通さねばならなかった。だが、次のいくつかの契約で、部隊は自主性を増している。現在、軍団はライラ同盟との契約したでトーマンズに駐留している。


現有戦力と組織
 軍団は3個大隊分の星間連盟メックと、3個大隊分の武装をアップグレードした通常機を使っている。軍団は現在支援隊を欠いており、コムスターに頼るようになっている。伝えられるところによると、ブリオン大佐は1個航空大隊、1個傭兵装甲大隊、いくらかの機械化歩兵を求めているという。それまで、部隊は雇い主の航空支援と支援隊に頼っている。

 ブリオン軍団はコムスターから渡された先進技術をすべて受け取ったが、中心領域の部隊編成を使い続けている。各連隊は、3個大隊を持ち、各大隊はメック12機の3個中隊からなる。独立指揮小隊はまだ採用していない。


支援
 連隊は技術支援を雇用主に大きく依存しており、コムスターに頼るようになっている。部隊内部の支援員は必要な支援の30パーセントを供給するのみだが、星間連盟時代の技術を整備、修理する技術的知識を持っている。

 これまでのところ、軍団は1個連隊を輸送するのに充分な降下船を入手するのに成功している。これらの降下船は各連隊に分けられ、一部の輸送能力を与えている。また部隊は航宙艦を探すために資金を使い始めている。




第1連隊 First Regiment

 技術、輸送支援を欠いていることと、そして30年前の屈辱的な退却は、第1連隊の竜機兵団評価値をDに抑えているが、すぐさま上昇すると見られている。

 第1連隊はデイヴィッドの敗北で被った教訓を忘れないと誓っている。部隊は自信を持っているが、用心深く、良い訓練を受けている――このみっつは30年前になかったものだ。第1連隊はその評価を取り戻そうと決意を固め、プレイオネに上陸した第12ヴェガ連隊ガンマ連隊と交戦し、大きな一撃を与えた。もし市民軍将軍からの退却命令がなかったら、第1連隊はこの古参兵部隊を行動不能としていたかもしれない。どの局面でもプレイオネ市民軍の強い干渉が入ったのだが、ブリオン軍団はそれでもガンマ連隊を弱らせ、痛めつけた一方で、ほとんど損害を受けなかったのである。

竜機兵団評価値: D

士官
 リチャード"K.O."メリウェザー大尉は、部隊の致死的なクロケットのうち一機を操縦しており、重メックですら狙い澄ました一射でノックダウンする技で知られている。

戦術
 ブリオン軍団第1連隊は、山脈や密林のような障害の多い地形で戦うのを好まない。星間連盟兵器の長所を引き出すために、彼らは長距離から敵を攻撃出来る開けた空間を必要としている。通常、この連隊は優れた技術のメック(そして最も射程の長いメック)を最初に前に置き、それから戦線の後方に戻す。そして技術に劣る機種が敵によるダメージの大半を吸収するのである。こうすることで、ブリオンは全マシンの性能をフルに発揮するのに成功し、また通常技術を使っている機種のアップグレードが出来るのである。

 6機のボンバーディアが第1大隊第2中隊に配備されている。メリウェザーはこれらメックを全大隊の支援に使う。時折、彼は6機のボンバーディアを、遠距離から敵中隊を叩くことの出来る遮蔽の外に出すことがある。支援機が至近距離では弱いことを知る敵は近づこうとすることになる。敵が充分に近づくと、隠れていた他の星間連盟メック6機(指揮小隊のサグ2機、クロケット2機含む)があらわれる。メリウェザーは素早く2機から4機の敵マシンを倒すのである。これらのマシンはボンバーディアの前衛となり、よってこの支援機はいつでも240本のミサイルを降り注がせることが出来る。第1連隊がアローIVの支援を受けたとしたら、メリウェザーは指揮小隊の各メックにTAGを取り付け(代わりに装甲1トン分を外す)、近距離への適応性を増そうとしている。

第1連隊
連隊/古参兵/熱狂的
指揮官/第1大隊:オクタヴィウス・ブリオン大佐
副指揮官:アルベルト・ヨハンソン少佐
 第2中隊:リチャード"K.O."メリウェザー大尉
第2大隊:イザベラ・フランシス少佐
第3大隊:ウェラム・オーウェンス少佐
 コムスターは第1連隊を星間連盟マシンの4個中隊として再建した。このうち1個中隊は全機がボンバーディアである。ブリオンはボンバーディアを2個の半中隊に分け、第1大隊、第2大隊に配置した。新型マシンの残りは、全3個大隊に均等に分配している。さらに旧式マシンのほぼ全機が星間連盟製兵器で改修されている。




第2連隊 Second Regiment

 次の6〜12ヶ月で技術支援を増やし、さらなる降下船を得ることで、第2連隊の竜機兵団評価値は上昇することが予期されている。

 プレイオネの作戦で、第2連隊は第12ヴェガ特戦隊の一般兵、デルタ連隊(気圏戦闘機、歩兵、装甲の混成連隊に支援されていた)と対戦した。航空宇宙戦力を持たない第2連隊は妨害させられたが、プレイオネ市民軍の気圏戦闘機がどうにか航空支援を提供するのに成功すると、特戦隊を倒し、惑星の外に追い出したのである。

竜機兵団評価値: C-

士官
 ロバート・マークハム中佐は優れたメック戦士であり戦術家だが、連隊の隊員たちにプライドを植え付けていない。その一方、ダグラス・リー少佐はカリスマ的な人物で、自然と部下たちを引きつけている。この二人は恐るべきチームとなっている。だが、一方が失われれば、問題が発生することだろう。

 シェイラ・オルソン中尉は第3大隊第3中隊の偵察小隊を指揮している。マングースに乗った彼女は小隊と共に戦場を飛び回っているかのように見える。そして彼らはしばしば軽メック小隊に出来る以上のやっかいを引き起こすのである。

戦術
 第2連隊"ブリオンズ・レガシー"は星間連盟メックを使っていることを強調し、敵を脅すために、星間連盟の賛美歌を通信で流す。部隊が好むのは、戦闘の初期段階に集中砲火を使うことである。実際、しばしば全連隊が移動して、長距離から砲撃を行い、「戦場の一斉射撃」を作り出す。古参兵でない部隊がこれに耐えるのはほぼ不可能である。

第2連隊
連隊/一般兵/信頼出来る
指揮官/第1大隊:ロバート・マークハム中佐
副指揮官:ダグラス・リー少佐
第2大隊:アーネスト・ジュリオ少佐
第3大隊:シェーン・フレッチャー少佐
 第3中隊/偵察小隊:シェイラ・オルソン中尉
 第2連隊のバトルメック110機のうち、2/3が星間連盟機であり、残りは星間連盟技術でアップグレードされた通常機種である。これらのマシンが戦場に揃うと壮観で恐ろしい光景となる。
 連隊の余った2機は第3中隊の偵察小隊の一部である。星間連盟バトルメック6機からなるこの部隊はすさまじいスピードを誇っている。














ブリオン軍団 3067

 8年前に予測されていたように、ブリオン軍団は人員と戦力の両方の質を向上させ続けている。この理由の大部分は、中心領域の中でも優れた傭兵隊を作ろうというオクタヴィウス・ブリオン大佐の努力によるものである。

 だが、常にうまくいっていたわけではなかった。第四次継承権戦争後、ブリオン軍団は粉砕された残骸となっていた。戦力低下し、債務超過で、敗北したこの部隊はコムスターの雇用に逃げ、最も必要なものを見つけた。息を付く余裕と訓練である。30年の時間と新世代の戦士たちを得たブリオン軍団はコムスターの雇用を離れ、別の世界へと旅だっていった。

 プレイオネ政府と最初に契約したブリオン軍団はコムスターの外で人生のつらさを味わった――そして契約交渉という厳しい教訓を得たのである。カオス境界域の独立世界(当時)を連邦共和国軍の逆襲から守るために雇われたブリオン(コムスターによる30年の訓練から出たばかり)は地元の市民軍指揮官に指揮権を渡してしまった。その後、第12ヴェガ特戦隊が到着すると、軍団は上陸した部隊を迎撃し、野戦で痛めつけた。しかしながら、臆病な地元指揮官と、部隊内の支援が欠けていたことにより、軍団は高い代償を支払い、得たものを利用することはできなかったのである。

 3058年の後半、ブリオン軍団はライラ同盟の契約を受け、トーマンズを氏族の攻撃から守るために移動した。3064年にジェイドファルコン侵攻が始まるまで彼らはそこにいた。急いで前線に移ったブリオン軍団は、ケレンフォルドPTM、スノード・イレギュラーズの支援を受けて、ラサルゲシーの混沌とした絶望的な戦いを遂行した。これは第四次継承権戦争以来、軍団の最も激しい戦いのひとつとなった。この戦いでブリオン軍団は集団隊列、長距離戦闘スタイルを放棄し、より柔軟性に富んだ戦術を採用さざるを得なくなった。誘引、罠、伏兵、だまし討ちがブリオン大佐の計略の重要な部分となった。その一例として、1個中隊がメック6機の半中隊に分かれ、半分がファルコンのメック星隊をおびき寄せ、残りが後方からファルコンをいたぶった。

 現時点で、軍団はライラの新国家主席からさらなる契約を受けている。この中で、今後10年間、部隊が現役で戦闘準備が整い続けていることが約束されている。

 


指揮
 オクタヴィウス・ブリオン大佐は年老いているが、その指揮スタイルは活発で柔軟なままである。彼は拙劣な契約交渉を克服できてないが、戦場で状況を変える順応性は、他のもっと頭の固い指揮官なら圧倒されるような難局を切り抜けることを可能としている。


現有戦力と組織
 ブリオン軍団の全戦力は2個バトルメック連隊と2個非バトルメック部隊である。最高の部類に入る装備を持ち、数十年にわたりコムスターの教練を受けた軍団は、実戦で証明された優秀な部隊で、野戦から小部隊による一撃離脱戦まで各種の作戦を実行することができる。


支援
 ブリオン軍団は全部隊を輸送可能な船と、完全な技術・管理支援能力を持つ。




ブリオン第1連隊 First Regiment

 現在クリモンドに駐屯している第1連隊は、2世代前にデヴィッドで学んだ苦い教訓をいまだ胸にとどめており、準備状況に関してほとんど偏執的なまでである。彼らはこの大敗でオクタヴィウスの前任者を失った。もし、警戒を怠らず、第12デネブ軽装甲機兵隊の罠を見抜いていれば、これを防げたかもしれないと信じ続けている。それ以来、第1は、駐屯中、ほとんど絶え間なく訓練サイクルを実行することで熱狂的に腕を磨き続けている。訓練で行うのは、様々な編成、諸兵科連合作戦、夜間作戦などである。この結果、部隊が戦闘中に取れる術策は増えている。

竜機兵団評価値: B

士官
 リチャード"K.O."メリウェザー少佐(ブリオン大佐の副指揮官)はいまだ軍団で最高のメック戦士のひとりであると考えられており、ラサルゲシーの戦闘中、トレードマークの一斉射撃攻撃によって、支援無しで氏族オムニメック2機の撃墜を記録している。

 カルロス・ウォーターズ少佐(第1連隊通常部隊の新指揮官)は傭兵業界に長く身を置いた古参兵である。堅実な指導者であり、優れた戦術家――独創性はないにせよ――のウォーターズは、連隊の消耗したメック隊を支援するために、歩兵、戦車、VTOLの混成中隊群をできうる限り活用する。

戦術
 第1はいまだ開けた地形での戦闘と、長距離砲撃を好むが、この10年で新しい次元が開いている。装備表に通常部隊を追加したことで、第1連隊は非通常の編成で作戦を行うようになった。予測不可能という要素を使って部隊は戦闘を有利に導いている。

支援
 第1連隊はメック全隊の完全な技術支援員、輸送能力を持っている。

第1連隊
連隊/古参兵/信頼できる
指揮官/第1大隊:オクタヴィウス・ブリオン大佐
副指揮官:リチャード"K.O."メリウェザー少佐
 第2中隊:デリラ・フォークナー大尉
第2大隊:イザベラ・フランシス少佐
第3大隊:ウェラム・オーウェンス少佐
 ラサルゲシーでの損失後、第1連隊は現在戦力低下しており、損害の少ない通常戦力に頼らざるを得ない状態である。

第1戦闘支援隊
大隊/古参兵/熱狂的
指揮官:カルロス・ウォーターズ少佐
 ラサルゲシーの戦いの生き残りに率いられる3個中隊の第1戦闘支援隊は、サンパー間接砲12門の砲兵中隊、1個装甲中隊、1個機械化ライフル歩兵中隊(対メック、奇襲部隊訓練を受けている)を持つ。

第1戦闘航空支援隊
航空大隊/一般兵/信頼できる
指揮官:ジョン・クライド准尉
 第1戦闘航空支援隊は旧式戦闘機12機からなる1個航空宇宙大隊である。その主な仕事は、地上支援任務、降下船護衛任務である。ジョン・クライド准尉のF-90スティンガーはいくらかの通常でないアップグレードを受けており、ラサルゲシーで回収された氏族製PPC1門を持つ。




第2連隊 Second Regiment

 現在トーマンズに駐留している軍団の第2連隊は、意図的に第1連隊よりもやや大きくなっている。第12ヴェガ特戦隊のデルタ連隊と戦った時に、航空支援がなかったという厳しい状況は、死につながる教訓となり、これがきっかけで第2は部隊内に1個航空大隊分を組み入れた。間接砲もまた追加され、この連隊に交戦の選択肢を与えている。部隊は幅広い状況に対応できるようになった。

竜機兵団評価値: A

士官
 ダグラス・リー中佐は独創的でカリスマ的なリーダーであり、師にあたるロバート・マークハムから戦術の粋とメック戦闘を学んでいる。ラサルゲシーの戦いの直後にマークハムが退役すると、後継者として指名されたリーはただちに連隊指揮官の役についた。

 シェイラ・オルソン少佐は軽量級マングースのパイロットとして偵察小隊を率いていた際に学んだリスク管理と慎重さで評価を得ている。指揮官として、彼女はきめ細やかかつ正確であり、「セイフティーファースト」の方針により、彼女の大隊は低い事故発生率を記録している。この思考法は、戦場の内と外の両方で低い損害を保証している。

 ブレット・ホークス准尉は第2連隊の新人で、第2戦闘航空支援隊に属する小気圏戦闘機隊を指揮している。部下たちは時折、彼の性格の酷い面について文句を言う――彼は非常に気まぐれな男で、起こるはずのない気の滅入るような予言を行うのだ。

戦術
 第2連隊は、出来るだけ早く、猛烈に敵を壊滅させることを意図した、集団砲撃戦略と高速移動砲撃を採用する、多数の有効な手法を作り上げた。第1連隊のように、第2は、仮想敵、雇用主候補にあわせた通常でない部隊編成の練習をしている。

 混成軍を使う時と小部隊で作戦する時に、第2連隊は敵をキルゾーンにおびき寄せる各種の欺瞞戦略を使う。それは、偽の無線通信、金属と丸太を使った"ダミー"、念入りなECMネットワークなどである。実際、ラサルゲシーでの悪名高い半中隊による待ち伏せは、第2連隊のリー大佐とオルソン少佐の妙案であり、第2大隊の偵察中隊によって実行された。

第2連隊
連隊/一般兵/信頼出来る
指揮官:ダグラス・リー中佐
副指揮官:シェーン・フレッチャー少佐
第1大隊:シェイラ・オルソン少佐
第2大隊:チャールズ・オバノン少佐
第3大隊:アルフレッド・ゴイル少佐
 第2連隊は柔軟な交戦とミートグラインダー戦術を交互に使う。また第1大隊は、戦闘の前と最中に真の戦力数と位置を隠すため欺瞞工作を行う。

第2戦闘支援隊
大隊/一般兵/信頼できる
指揮官:ダリル・ポーター少佐
 第2戦闘支援隊は、気圏戦闘機大隊、間接砲中隊、対バトルメック戦術の訓練をした歩兵中隊を持つ。歩兵中隊は追加の2個戦闘工兵小隊を持っている。














ブリオン軍団 3071

 3057年、コムスターの雇用下での消極的な30年を終えたブリオン軍団は、3058年のカオス境界域におけるプレイオネ防衛と、3064年のジェイドファルコン侵攻で、傭兵業界の現役部隊となっている。戦闘経験は訓練では得られない鋭さを彼らに与えた。また、ファルコンと戦うため適切な戦術を選択する能力は、この2個連隊に確固たる評価を与えた。同盟との契約が満了すると、軍団は再契約を行い、連邦共和国内戦後にジェイドファルコンが再侵攻を仕掛けてくるのに備えた。だが、それが実現することはなかった。聖戦が勃発し、同盟はすぐさま自由世界同盟との予期せぬ戦争に突入したのである。ターカッドの陥落によりLAAF最高司令部の大部分が麻痺すると、最高司令官アダム・シュタイナー辺境伯は、3068年、ブリオン軍団含む多数の兵士を素早く同盟前線に送り込んで、危機に陥った国境を強化した。

 同年、ブリオン軍団第1連隊は予期される自由世界の逆襲に備え、攻撃してくる鋼鉄衛団(スティールガード)と戦うためミザールに到着した。凶暴な衛団に対し、大きな損害を出し、身をすくませた第1連隊はしばしの間ヌサカンに後退し、3069年の1月までに装備を修理して補給を行い、それから前線に戻ってマーリック侵攻軍を駆逐することになっていた。勝利を収め、回収権があったにも関わらず、第1軍団は大幅に戦力低下したままだった……生き残った失機者メック戦士のために充分な装備を購入したというのに。不幸なことに、注文した装備は傭兵に届かなかったのである。その理由は、聖戦によりLAAFの補給線が壊滅的な打撃を受けていたこと、そして反傭兵感情が持ち上がりスカイア州の軍と工場に蔓延していったことである。

 ブリオン第2連隊は3068年の半ばボランに到着し、以来、そこにとどまっているようである。伝えられるところによると、ボランのアルダー・ウマイル公爵と第2のダグラス・リー中佐は、戦災に見舞われた州主星の平和を守るため、共に働いているという。ボラン猟兵隊が前線に移動して以来、ボランの都市国家群を抑えていた力が取り除かれてしまっていた。血で血を洗う内戦の再来に直面したウマイル公爵の衛兵たちは、紛争を抑えるだけの戦力がないことにすぐ気づいた。よって公爵は第2連隊を呼び出し、定期的にメック隊を配備して力を見せつけたのである。だが、パルチザン歩兵の伏兵によって軍団のメック小隊が全滅したために、危機対応のため1個中隊を配備せねばならなくなった。激変の中で、ボランの評者たちは軍団員がどれだけ公爵の宮殿で過ごしたかに注視しており、一部は通りで争いが起きた回数よりも訪問の回数のほうが多いとしている。リー中佐はこれらの的はずれな言いがかり――第2軍団は公爵の「ペット」になっていると馬鹿にされている――に対し反論している。部隊はボラン全体を守る準備をせねばならず、それを実行するには惑星の正統な政府と緊密なパートナーシップを組むことが必須であると説明している。

第1連隊
 リチャード・メリウェザーは、ミザールで支援無しに同盟の強襲級メック小隊と戦い、勝利した時に、模範的メック戦士であるとの評価をさらに固めた。ミザールで負傷したオクタヴィウス・ブリオン大佐がメックに乗れなくなり、ヌサカンで引退すると、彼がその後を継いでいる。部隊は定数未満の2個メック大隊と、少数の歩兵、気圏戦闘機にまで減少した。メリウェザーは戦闘に戻る前に少しでも戦力を回復しようと思って、部隊の大半をヌサカンに後退させた。

第2連隊
 ボランのニュース局の一部は、ウマイル公爵が事実上の指揮官であると中傷を始めているが、ダグラス・リー中佐が第2連隊を指揮し続けている。部隊を動かす時はいつも公爵に相談しているのは明らかな一方で、ウマイル公爵がブレット元帥の停戦提案を受け入れたことと傭兵のゲストの存在には関係があるのではないかと一部で言われている。ブリオン軍団は小切手を受け取る一方で、公爵の宮殿でのシーフードの宴会と贅沢な部屋を楽しむ以上の激しい作戦行動は行っていないと言及している者もいる。現在、これらの資源の大半は、第1の再建にあてられている。




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