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作成:2002/07/10
更新:2014/08/31

マッカロン装甲機兵団 McCarron's Armored Cavalry



 リャオ家に仕える傭兵団、通称「ビッグマック」です。
 第四次継承権戦争のあとで、ビッグマックはカペラ大連邦国の正規軍のような存在になり、その後実際に正規軍へ加入しました。5個連隊と中心領域でもほぼ最大の規模を誇る(元)傭兵部隊です。







マッカロン装甲機兵団 3025

 マッカロン装甲機兵団はカペラ軍において、間違いなくもっとも有名な傭兵部隊である。2930年以来、この部隊はマッカロン家のプライドであり、個人的な所有物であり続けている。2930年、チェスタートンでガマラ・マッカロン卿が部隊を創設してから、「ビッグマック」で知られるこの部隊は、あらゆる継承国家に奉仕し、2996年、最終的にカペラ大連邦国へたどり着いた。

 2930年から2970年の間、ガマラ・マッカロン卿がニューロードスでクリタ軍に殺されるまで、マッカロン連隊はダヴィオン家に仕えていた。傭兵部隊の所有権は、マッカロン卿の長男キャスターが相続し、シュタイナー家に移ることとなった。2975年から2991年まで、自由世界同盟に広範囲な攻撃を行った。

 彼は働きに対する報酬が充分でないと考え、部隊を自由世界同盟から撤退させ、2991年から2995年にかけてクリタ家に忠誠を誓った。やがて部隊維持費が莫大な額に及び、マッカロンはリャオ家に鞍替えせざるを得なかった。マクシミリアン・リャオは喜んで装甲機兵団を援助した。惑星メンケを装甲機兵団の永久領土として与え、広範囲なサポートを行った。

 3002年、キャスター・マッカロンは、バーでダンサーを巡って、他のメック戦士に殺された。チェスタートンでの埋葬のあと、弟のアーチバルドが連隊の指揮をとった。マーリック家との秘密の会談により、マッカロンは兄を殺した犯人の居場所を知った。彼は装甲機兵団を自由世界同盟の管理下に置いたが、マーリックの特殊工作員の手によって、兄を殺害した男の首が彼の元へと届けられたあとのことだった。

 2996年以来、ビッグマックはカペラ国境地帯を、いつでもどこでも必要に応じて、気ままに動き回った。ビッグマック連隊は、ダヴィオン家の攻撃からハイスパイア(3012)、聖イエス(3014)を守り抜き、同様に、3015年エルナス、3016年レザルスを攻撃したマーリック軍を連続して叩いた。

 3022-3023のあいだ、マッカロン隊が見せた不断のスピリットと富への渇望に、マクシミリアン・リャオはすっかり満足し、バーゲン価格でダヴィオン家に教訓を与えた。最近のダヴィオンによるシーアン襲撃に激怒したマクシミリアンが、マッカロン装甲機兵団を使ってダヴィオン宙域の深掃討作戦に出たのだ。他の部隊の輸送艦と装備がまわされ、機兵団は2年間の「おふざけ」に充分なサポートを受けた。3022年の8月、マッカロンは、ダヴィオン領のタワス、ファーウェル、スモーレンスク、マクヘンリー、マスキガン、マーレット、ブライトンを熱心に攻撃を始めた。

 マッカロンの計画では、部隊を攻撃地点から攻撃地点へと素早く展開して、ダヴィオン家深部の集結地点を襲うつもりだった。大きな危険を伴うにもかかわらず、作戦は実行された。マッカロンは部隊を3本の穂先に分けた。ひとつはレオデーモン隊からなる部隊、次はワイルドワン隊、ナイトライダー隊の重量級メック部隊が三番目だった。これらの部隊は、個人司令部隊であるバートン連隊、ロブ反乱隊の指揮下にあった。マスキロヴカ(リャオ諜報部隊)の現地エージェントによる情報も手伝って、隊員たちは最高の仕事をやってのけた。マッカロンの最初の攻撃は、ダヴィオン家所有の惑星タワス、ファーウェル、カシルへ同時に行われた。

 どの星の傭兵も市民軍も、すぐに圧倒された。タワスでは、ハミルトン機甲兵団のサンダーボルトとヴィンディケイターが旧来の敵であるトリスタムテロリスト隊をうち砕いた。ファーウェルでは、デボン蹂躙隊のウルバリーンがダヴィオンの重要な鉱物精製所をいくつか破壊して、敵軍が来る前に素早く撤退した。カシルでは、マッカロン自らタールトンアーチャー隊を率いて、サクストンワスプ隊に援護させつつ、第42アヴァロン装甲機兵隊の大隊と戦った。

 続いてマッカロンは、マクヘンリーの石油精製所とマスキガンの穀物貯蔵庫を攻撃した。前者の惑星において、休息中だったダヴィオンの傭兵部隊〈マティアスのみじめな希望〉を、ハミルトン機甲兵団が奇襲した。何が起きたか気づく前に、彼らの部隊は2/3を破壊されていた。分別と勇気を持って傭兵は降伏し、4機の新品クルセイダーと引き替えに自由を手に入れた。

 惑星マスキガンのヴェスタル突剣隊にはこれほどの役得がなかった。警報が鳴り響くなか、現地のダヴィオン軍市民軍司令官は、侵略者が辿り着く前に忙しく動き回った。この状況でヴェスタル突剣隊は、貧弱な獲物を探し求めるよりも、惑星の最近の収穫物を破壊するだけで満足せねばならなかった。

 マローダー数機を回収する間だけ待って、マッカロンは次なる目標惑星マーレットへ移動した。この地で装甲機兵団の混合部隊は、ブルゴーニュの要塞を包囲した。三日間攻撃を加えても、充分に防衛力をそぐことはできなかったが、恐怖と猜疑心を与えた。この点でマッカロンの部下たちは成功した。3023年のはじめ、彼らは軌道を変えた。機兵団がエメルソンとスモーレンスクの農業センターを攻撃している間、タールトンバンシー隊がゴーシェンのメック修理工場を襲撃した。

 一度だけ、マッカロンの連隊は深刻な危機に陥ったが、復讐とともにあった。3023年、ダヴィオンの惑星ベーテン・カイトスで、レディ・ハミルトン機兵団とタールトンバンシー隊が、ハンス・ダヴィオン卿の親衛隊に奇襲を受けた。二日に及ぶ交戦の間、マッカロンは撤退の時間を稼ぐため、ダヴィオンの特別攻撃部隊をできるだけ近づけないようにした。戦術的撤退ではあったものの、マッカロンがダヴィオン軍の精鋭バトルマスター隊に直面してなお、生き残った事実は、彼に大いなる栄誉を与えた。

 マッカロンは部隊を再編成し、惑星ブリストルに狙いを定めた。奇策は成功した。破壊的なデモンストレーションを繰り返し行い、マッカロンは素早く本来の目標、惑星リストウェルにあるダヴィオンの補給廠に向かった。そのときダヴィオンの予備隊は「脅迫」の行われたブリストルに迫っていた。マッカロンの小隊がリストウェルの守備隊をうち砕いた。ほとんどの部隊はすでにブリストルから脱出していたのである。ミラとミザーティムの要塞を襲撃したあとで、3023年の9月、マッカロンはチコノフへと凱旋し、マクシミリアン首相の個人的な喝采を受けた。

 これら偉業の報酬として、マクシミリアンは個人的に各司令官を表彰し、大連邦国で最高の勲章を授け、引退した際には領主の座を与えると約束した。

 このとき以来、ビッグマックは便利屋的な役割を続けている。「ビックマックの長征」は敵を怖がらせるようになっている。






マッカロン装甲機兵団 3063

 マッカロン装甲機兵団は中心領域にわたって有名で、ウルフ竜機兵団やケルハウンドといった著名な傭兵部隊と肩を並べている。精強で、恐れ知らずで、敵を怖じけつかせるマッカロンは、いまCCAF(リャオ正規軍)新部隊のバックボーンとなっている。「転身した」ことで知られるこれらの傭兵部隊と独立司令部は、リャオの永久的なスポンサーシップを受け入れた。

 ガマラ・マッカロン卿は、2930年にチェスタートンの世界上で機兵団を立ち上げ、2995年までにすべての中心領域王家のために、またすべての中心領域王家に対して、指揮をとり、戦った。2996年にマッカロンはカペラ大連邦国に「帰宅」し、それ以来そこに居続けている。部隊はすぐ大連邦国のトラブルシューターと化し、望むところを歩き回り、必要とされる状況で行動した。

 3022年、ダヴィオンの軍事的圧力に応える形で、マクシミリアン・リャオ首相は、機兵団に恒星連邦領への遠征作戦を許可した。「マッカロンの戦争」で、大連邦国は第三次継承権戦争を通じて初めて、ダヴィオンに対する戦闘を成功させ、複合した三つの激しい攻撃によって、マーレットを(再び散開するまで)包囲した。この2年間の攻勢のあいだ、機兵団は14の世界を叩き、ベーテン・カイトスではハンス・ダヴィオンの親衛隊と撤退するため戦い、AFFSに大連邦への進撃をあきらめさせたのである。第四次継承権戦争では、機兵団第1連隊はほぼ全滅し、残りも重大な損害を被ったが、アーチバルト・マッカロン指揮の下で、部隊は乗り切り、再編成した。悲劇は3050年にやってきた。マッカロンが訓練中の事故で死亡したのだ。指揮を継ぐ年齢の子弟は残されていなかった。これまで常に団結してきた機兵団は、マーカス・バクスターを新司令官に選んだ。時が来たら、アーチバルト・マッカロンの双子の子供を後継者に任命する条件であった。



カペラ入り The Capellan Pledge

 マーカス・バクスターは、装甲機兵団が求めるような強いリーダーであることを証明した。その後、対スモークジャガー氏族戦で自らナイトライダー連隊を率いた彼は、カペラ装甲軍の新時代を告げる新生作戦の真っ最中に、大連邦国に帰還した。リリボウの世界上で、バクスターはスン=ツー・リャオが提案したバクスター自身と戦士たちの完全な市民権を受け入れ、それまで法的には所有していたが、公式には持っていた地位を公的に授けられたのである。この申し出には、バクスターに対する貴族の地位(Barduc、軍人貴族としてのもの)と、機兵団に対するふたつの世界の領土が含まれていた。部隊がそれを熱狂的に受け入れたことで、機兵団と大連邦国は永久的に結びつけられた。



司令組織 Command Structure

 マーカス・バクスター上校(大佐)が、「ビッグマック」で知られるマッカロン装甲機兵団の司令官である。バクスターはアーチボルト・マッカロンの双子を養子にしたのに加え、のちにマッカロンの未亡人と結婚した。3060年、彼は卿(Lord、最下級の貴族)の地位を受け、のちに惑星メンケとミッチェル(部隊の所有領土)の男爵(Mandrinn)として就任した。彼はすぐトーマス・マッカロン卿(アーチボルト・マッカロンのおじ)に行政責任を引き渡し、彼はバクスターの摂政として統治を行っている。

 機兵団連隊は、彼らが駐留している共和区の准将(Jiang-jun)に従う。ただしバクスター上校=卿からの直接命令が優先されることがあるかもしれない。半独立的な立場を維持することで、装甲機兵団は大連邦国のトラブルシューターとしての行動を続けることができる。バクスターの司令部隊は、公式には第2連隊の一部である。



現有戦力 Available Forces

 CCAFの戦列部隊となるまで、機兵団は広範囲な支援部隊を所持していた。カペラのスポンサーシップを受けて以来、5個バトルメック連隊は、さらなる支援項目を受領した。最近、聖アイヴス協定とのあいだで行われた激しい戦いのために、部隊はいまだ定数以下であるが、すぐに以前より強力になると思われる。

 マッカロン家は、メンケの世界に生産施設を所有しており、部隊再建に必要な物資を迅速に得るための助けとなる。メンケ工場では人気のエンペラー強襲メックを生産しており、最近、他の機種と引き替えに交換され始めた。ナイトライダー隊が持ち帰った氏族製オムニメックに感銘を受けた機兵団は、数機のメン=シェンを購入し、同様に自由世界同盟とドラコ連合からオムニメックを買った。しかし新たなメック戦士を捜すのは困難と判明した。機兵団は大連邦国の養成校を卒業した典型的な人材よりも、もっと独立心を持った人材を好むからである。部隊はメンケ上に独自の地方訓練センターを設立しており、リャオ軍事大学とヴィクトリアAATから3064年の卒業生を選ぶ準備を行っている。






第1マッカロン装甲機兵団:ナイトライダーズ

 かつてマッカロン装甲機兵団で最高の部隊だったナイトライダーズはこの三十数年で災厄と不幸を被った。第四次継承権中、航空支援が不十分だったことから、1個大隊のみがダヴィオンのアルボリス強襲を逃れたのである。この大隊は、後に、ノパーでほぼ全滅した。事実上壊滅したナイトライダーズは再建され、アンドゥリエン=カノープス戦の際に、降下船の墜落で1個古参兵中隊を失うことになった。

 だがこの降下船事故は、部隊に打撃を与えた最近の背信行為に比べると小さいものである。スモークジャガー占領域からの帰還後、ナイトライダーズは「紛争地区」に送られ、単純な任務に就くことになっていた……ウェイの戦争を終わらせるというものだ。しかし、古参兵の第1大隊は惑星で再発見された神経ガスの最初の犠牲者となってしまったのだ(この化学兵器はカーリー・リャオのサギーカルト教団の手に落ちた)。瞬く間に36名の古参兵戦士が苦しみながら死んでいった。この恐怖と戦うすべを持たなかったナイトライダーズはウェイから逃げ出し、デスコマンドに後を任せたのだった。


士官
 ウェイ戦後、士官部門の大規模な再編成で、一部の下級士官たちが責任ある地位につくことになった。エレイン"ブレイズ"パークス上校(一時期バクスター連隊の副指揮官だった)は、聖アイヴスの熾烈な戦闘で前指揮官、アマンダ・ガーン=スキーンが戦死した後、連隊の指揮をとった。パークスのヘッドハンター戦術は惑星の守備隊を粉砕し、協定の兵士たちから憎まれることになったが、部隊の指揮権を彼女の手に残したのである。


戦術
 最近、恐ろしいほどの損害を受けた後、ナイトライダーズは無慈悲な傾向を見せるようになっている。わずかな抵抗でも見せようものなら、単純な占領任務さえも血塗られたものへと変わる。ナイトライダーズは正常な戦術的決定として、集中砲火、間接砲の弾幕、空爆を地上目標に見舞い、圧倒する。装甲歩兵特務隊は必要に応じて、敵の指揮官を捜して、そのメックを始末する。


第1MAC(ナイトライダーズ)
2個大隊/一般兵/信頼できる
指揮官: エレイン"ブレイズ"パークス上校
指揮官/第1大隊: ディビッド・ベンテン中校
第2大隊: クリス・メカルフ中校
 ナイトライダーズは捕獲した氏族のオムニメックを第二大隊に配し、1個重氏族オムニメック小隊が、2個中心領域オムニメック小隊を率いている。第1大隊は、新型のユー=ホアン、メン=シェンなど、主にカペラ製の機体を使っている。第3大隊の再建はあと2年で終了すると予想されている。全体として、ナイトライダーズは中量級から重量級のメックを配備している。


ヴェイダー・ヴァンパイアズ
航空大隊/古参兵/熱狂的
航空隊指揮官: ローレンス・ヴェイダー空軍中校
 必要な航空支援をもう二度と失わないと決意しているナイトライダーズは、確固たる1個航空大隊を創設し、以降、維持し続けている。ヴァンパイアズは低空飛行と夜間精密爆撃に習熟している。彼らは地上攻撃能力の高い重航空機を好む。各戦闘機の紋章は蝙蝠である。


ナイトライダーズ装甲保安特務隊
2個大隊/一般兵/信頼できる
装甲隊指揮官: アイザック・カリントン中校
 この部隊はかつて側面支援を行う3個中隊だったが、CCAFはナイトライダーズが攻勢に彼らを使えるよう2番目の大隊を追加した。現在のCCAFのドクトリンによれば、メックのみを信頼していることは、長期戦でナイトライダーズを傷つけることになりそうである。第1大隊は古参兵部隊である。第2大隊の兵士はほとんどが一般兵や新兵だ。


ナイトライダーズ特殊部隊
強化大隊/一般兵/信頼できる
歩兵隊指揮官: スティーブン・リスナー少校
 ナイトライダーズは1個装甲歩兵小隊を採用している。彼らが使っているのは、ファ・シー・スーツと、連合から持ち帰った少数のカゲ軽バトルアーマーである。2個中隊の間接砲支援と1個中隊の通常保安兵がナイトライダーズの歩兵特務隊を形成する。彼らは追加の装甲隊を受け入れているが、連隊はさらなる地上部隊を拒否している。






第2マッカロン装甲機兵団:エンジェル連隊

 マーカス・バクスター卿=上校を排出したこの部隊は、現在、指揮連隊の役割を果たしている。バクスターの個人部隊は、書類上、エンジェル連隊に配属されているが、現在、メンケに駐留しており、どの機兵団連隊にも加わる可能性がある。

 聖アイヴス紛争において、エンジェル連隊(当時はクリストベル連隊)は星間連盟の平和維持部隊の後にやってきて、協定からブライトンの支配権をもぎ取った。大規模な補給庫と訓練施設のある、重要な世界を失ったことは、聖アイヴス戦線において痛烈な一撃となったのである。この戦争の後半、連隊はエリートのエリダニ軽機隊を相手に、ミロスを占領、確保した。

 停戦後、エンジェル連隊は恒星連邦沿いの辺境をパトロールしている。彼らはシュタイナー=ダヴィオン宙域の騒動からもたらされるかもしれないトラブルを監視し、必要ならば、自分たちの判断で活動するかもしれない。


士官
 エンジェル・ボデズ上校は、生まれつきの戦術家で、不可能と思われる任務を達成するとの名声を得ている。彼は寸分の狂いもないタイミングでの強襲と、不慣れで通行不能かもしれない地形を踏破するのに絶対の自信を持っている。

 すでに大隊指揮官となっているラムセス・マッカロンは、いつの日か、装甲機兵団を指揮するとの見方が有力である。エリートの第2大隊に配属されたことは、義父から信頼を得ていることの証左である。


戦術
 エンジェル連隊は予想できない行動を取ることで有名だ。ボデズ上校は敵の選んだ戦場で戦う時でさえも、過信した敵をおびき出して、致命的な罠にはめるのである。


第2MAC(エンジェル連隊)
連隊/エリート/熱狂的
指揮官: エンジェル・ボデズ上校
副指揮官/第1大隊: フランク・ドイル中校
第2大隊: ラムセス・マッカロン中校
第3大隊: ウィリアム・スタイルス中校
 ブライトンの倉庫を捕獲したおかげで、エンジェル連隊は完全に装備を調えているが、2個小隊分のメック戦士を欠いている。第1大隊の第3中隊は、ナイトライダーズが持ち帰ってきた2個小隊分のオムニメックを配備しているが、整備が難しいことから、中心領域製のメックと交換できないか、ウルフ竜機兵団に打診することになった。ボデズ上校は独立指揮中隊を率いている。


マッカロン装甲モスキート
4個航空隊/エリート/熱狂的
航空隊指揮官: エン・ソン空軍中校
 ブラッドサッカーズの名でも知られるこれらの重戦闘機は、平均以上の飛行速度を持つ一方で、強い火力と良好な装甲を維持している。モスキートは古参兵未満のパイロットを受け入れることはない。部隊の記章は装甲をつけたモスキートである。


エンジェル・ジプシーズ
強化連隊/エリート/熱狂的
特務隊指揮官: デスモンド・ヘルナンデス中校
 この特殊連隊は、装甲、歩兵を組み合わせた4個強化大隊からなる。第1大隊、デスモンドデビルズは重装甲車両とバトルスーツ歩兵を用いる前線戦闘部隊である。第2大隊は間接砲と保安隊。第3大隊、マッカロン・モスは軽ホバークラフト、VTOLの組み合わせで、ジャンプ能力を持つパラトルーパーと特殊偵察チームが付く。第4大隊は、重装甲車両に支援される機械化都市戦闘歩兵の占領部隊である。


バクスター奇襲部隊
混合大隊/エリート/熱狂的
指揮官: マーカス・バクスター上校
 バクスター上校は、エリートメック戦士からなる奇襲部隊第1中隊を自ら率いている。レギュレーター戦車が指揮小隊のエンペラー、ユー・ホアンを支援する。第2中隊は装甲車両の儀仗兵隊。第3中隊は、重戦闘機の護衛航空中隊である。






第3マッカロン装甲機兵団:ワイルドワンズ

 マッカロン・サグの名前でも知られるワイルドワンズは、策謀が失敗して、強引さが必要とされた時に呼び出される。聖アイヴス紛争の直前、ワイルドワンズは軍事的反乱の発生した保護領世界サハリンに降下した。戦地から遠い安全な所に上陸して、戦略的戦役を行うよりも、ワイルドワンズは反乱軍基地の真ん中に降下船を下ろすことを選んだ。船は多大な損傷を負ったが、この機動によってワイルドワンズの強襲メックが敵の要塞になだれ込んだのである。戦塵が晴れると、すべての建物が倒壊し、立っている敵バトルメックはなかった。ワイルドワンズは掃討を第1カペラ防衛軍に任せ、もう飛べなくなった降下船の代わりに一隻を徴発して、カイフェンの任地に戻っていった。彼らが弁明や後悔を見せることはなかったのである。

 ワイルドワンズはメックを暗い赤銅色に塗装し、燃えるような鋼鉄色のハイライトを入れる。部隊は独自の紋章の代わりに、装甲機兵団の記章を大きくしたものを使っている。彼らは大連邦国の紋章をメックに付けていないが、車両には目立つように付けている。連隊はパレード任務を拒否し、戦士たちは礼服、正規の制服に敬意を払っていない。この強襲隊が装甲機兵団で最も規則に従わず、規律の取れてない部隊なのは間違いない。


士官
 オットー・カン上校は年老いたメック戦士で、その強い意志によって部隊の指揮を保っている。腰を交換し、人工義肢を付け、最近膝の手術を行った、67歳のこの男は引退しようとしているかもしれない。だが、カンはワイルドワンズを率い続けており、30歳の大隊指揮官と同じくらい無謀である。カンが戦い続ける限り、連隊が他の指揮官を受け入れることはありそうにない。


戦術
 ワイルドワンズは容赦のない前進で有名である。カン上校の言葉によれば「私の仕事は進むことであり、得たそれを失わないことである」。一般に、部隊はバトルメックを前進に使い、装甲車両を保持に使う。ワイルドワンズが勢いを失った時は、クリスティーネ・ブレイク中校の第1大隊が防衛戦線に沿って移動して、戦域を広げることが出来る。

 ワイルドワンズは必要によって歩兵隊を受け入れるが、「哀れな従兄弟たち」を引き連れるのを好まない。だが、この歩兵に対するさげすみは欠点となり、歩兵による驚異に対し脆弱となっている。


第3MAC(ワイルドワンズ)
連隊/一般兵/信用できる
指揮官: オットー・カン上校
第1大隊: クリスティーネ"デーモン"ブレイク中校
第2大隊: クール・ソク=リン中校
第3大隊: ランス・ホーキンス中校
 この連隊のバトルメックの半分は重量75トン以上で、ほとんどの小隊に1機以上の強襲級マシンがある。その中重量メックは火力を発揮し続けるために重装甲で、たいていが重火力仕様である。中量級メックの大半はMASC、三重強化マイアマーを装備し、重量がある中核部隊の前衛を果たす。


カン・ピラニアズ
2個航空隊/古参兵/信頼できる
航空隊指揮官: パトリシア・ビンドゥー空軍中校
 地上部隊と協力して展開されることはほとんどないが、ビンドゥー空軍中校は強力な航空部隊を維持している。強襲級の地上部隊とは対照的に、この航空大隊は軽量級機を好み、集中砲火を使って敵を素早く激しく撃墜し、次に移る。ビンドゥー空軍中校が好む言い回しは「敵の戦闘機――1機落とすだけではやめられない」である。


テリブルスリー
連隊/一般兵/信頼できる
副指揮官/装甲隊指揮官: デヴィン・モントゴメリー中校
 メック連隊と同じように、ワイルドワンズの装甲連隊は常に重い損害を出し、部隊の経験をすり減らしている。部隊は主に重戦車を配備し、LRMキャリアーのような特定の長所がある車両を持っている。






第4マッカロン装甲機兵団:カーソン卿機兵隊

 ワークホース連隊である機兵隊は、変わらぬ強さと頼もしさを持っている。予備になるか、後方を守ることの多い機兵隊は、技量を研ぎ澄まし続けるに充分なだけの前線任務をこなしてきた。

 最近の聖アイヴス紛争の際、カイ・アラード=リャオ指揮する部隊(聖アイヴス槍機兵隊)が大連邦国宙域への襲撃を行った時、機兵隊は彼らを食い止めた部隊の一部だったのである。第4MACはゲイフで第1聖アイヴス槍機兵隊と短い交戦を行い、勝敗は付かなかった。カイ・アラード=リャオは脱出したのだが、フェイス・マッカロンの中隊は槍機兵隊を追い払い、傷ついた機兵団の戦友たちから遠ざけたのである。アラード=リャオの武勇を考えると、彼と戦い引き分けたことは、一人の新人士官にとって小さい勝利ではなかった。


士官
 リチャード・カーソン卿=上校は、軍人貴族の一員であるが、フェイス・マッカロンが部隊の指揮を執る準備が出来るまで連隊を率いることを考えている。兄ラムセスのライバルとしてフェイスを擁立するまではしていないのだが、彼はバクスター卿=上校による命令……アーチボルト・バクスターの娘に最高の訓練を与えろというものを真剣に受け取っている。フェイス・マッカロン自身は激しい鍛錬を積み続けている。これまでのところ、二人の兄弟の競争関係は良いものである。両者ともに機兵団の指揮権を求めていると認めているが、必要なときには相手が指揮が執れることに満足している。


戦術
 機兵隊は最近フェイス・マッカロンが発案した旋回突撃機動を使い始めた。第1中隊が先頭に立って戦場に入り、それから急に方向転換して敵を陣地から釣り出す。第2中隊が次に突撃し、敵の側面をとらえる。もし敵がこの突撃に向き直ったのなら、第1中隊が後方に回り、一斉射撃を浴びせる。その間、マッカロン隊は状況に応じて、退却するか前進して挟み撃ちにするのである。撤退するとき、マッカロンはよくメックで射撃を浴びせるのと同時に装甲隊とバトルスーツ歩兵を全速前進させ、近距離で猛烈な一撃をお見舞いするのである。


第4MAC(カーソン機兵隊)
連隊/古参兵/熱狂的
指揮官: リチャード・カーソン卿=上校
副指揮官/第1大隊: エリック・グレイ中校
第2大隊: デーヴ・スタンセル中校
第3大隊: パーヴェル・モスクワ中校
 完成した部隊である機兵隊の各大隊は3個中隊を持っている……1個軽中量級、1個中重量級、1個重量級である。また各大隊は2個偵察小隊と1個強襲小隊を持つ。オムニメックは多大な需要があり、特にメン=シェン、ブラックジャック、ペルセウスや、ある時には連合製のアヴァター、サンダーが求められている。
 第1大隊の第2中隊、通称「マッカロンプライド」は二倍の戦力を持ち、1個バトルメック中隊と、ホバークラフト、ファ・シーバトルスーツ兵の1個増加中隊からなる。カーソン卿はこうすることが、フェイス・マッカロンに諸兵科連合戦術を学ばせる最高の訓練になると考えている。


カペラ海軍エクリプス航空隊
航空隊/古参兵/熱狂的
航空隊指揮官: キム・ラン=タン空軍少校
 ゲイフでの第1聖アイヴス槍機兵隊との交戦で、機兵隊は航空戦力の大半を失ってしまった。カペラ海軍は、部隊が再建されるまで、カーソン卿にエクリプス航空隊を貸し出した。これまで彼らが一流の成果を達成しているのを見て、カーソンは彼らを新航空大隊の中核にすべきだと声高に持論を述べている。


カーソン装甲前衛隊
大隊/古参兵/信頼できる
装甲隊指揮官: ジャスティン・キリアクス少校
 軽量で高速の車両を持つ前衛隊は側面を担当するか、敵戦線を高速で突破する。


カーソン・ヴァレッツ
2個大隊/一般兵/信頼できる
歩兵隊指揮官: カーター・ズィム中校
 第1大隊はレーザー歩兵部隊で、主に保安任務、ちょっとした前線任務に使われる。第2大隊は特殊部隊を持ち、1個間接砲中隊、1個VTOL中隊、1個装甲歩兵中隊からなる。






第5マッカロン装甲機兵団:キープ奇襲部隊

 かつてロブ反逆隊だったこの連隊は王家部隊への転進で被害を被った唯一の機兵団部隊である。まず、傭兵の伝統を捨て去ることを喜んだ士官は一部しかいなかった。マスキロフカがこの問題を探り当てるまでに、聖アイヴス紛争がはじまり、改善の努力はどこかにいってしまった。

 この問題はリトルリチャード機甲旅団がいなかったら収まっていたかもしれない。彼らはマッカロン装甲機兵団や他の格式高い部隊に対する嫉妬を隠していなかった。ロブ反逆隊が機甲旅団と同じ世界に配備されると、愚弄と悪い扱いがとうとう兵舎での喧嘩に結びつき、メック小隊群による争いにまでエスカレートしたのである。地元のメック中隊が事態に介入し、古参兵たちによる騒ぎを収めた。最終的に指揮官たちが部隊のコントロールを取り戻したが、いまだ両陣営は「意見の相違」を解決するチャンスを探っている。

 マスキロフカが部隊内の不満の程度を把握していないことから、全連隊は忠誠度疑問とされている。


士官
 マーカス・バクスター卿=上校の信頼できる友人であるキープ・マーロー上校は、大連邦国に忠誠を誓っていると判断されている。連隊指揮官への昇進に際し、マスキロフカは連隊に秩序を取り戻すチャンスを与えた。


戦術
 装甲機兵団の予備連隊となることが多い奇襲部隊は、守備的な交戦を経験している。主導権を握るには足が遅すぎるのだが、一度戦線が作られれば、この連隊はほとんど倒されることのない壁になる。敵は突破不可能となり、長引く激しい戦いに引きずり込まれてしまうのだ。
 最近、部隊間で起きた不和により、連隊の団結は傷つけられてしまった。


第5MAC(キープ奇襲部隊)
連隊/古参兵/疑問
指揮官/第1大隊: キープ・マーロー上校
第2大隊: マーティン"ランニングウルフ"ケネディ中校
副指揮官/第3大隊: マドラ・スマセイ中校
 キープ・マーローは自ら第1大隊の指揮をとり、第2大隊にも手を入れている。第3大隊は、忠誠度評価を信頼できるに上昇させた。その理由は新兵たちが入ったことと、部隊の副指揮官が「新機兵団」を作るべく常に監督しているところにある。


奇襲部隊航空防衛隊
2個航空隊/一般兵/疑問
航空隊指揮官: ホレイス・ネファリスト空軍中校
 連座責任として、マスキロフカは航空部隊の忠誠度に疑問符をつけた。これはマスキロフカが望んでいない状況を引き起こしてしまうかもしれない。無理からぬことだが、証拠も無しに疑われたのをパイロットたちは不快に思っているのである。


奇襲部隊装甲軍団
連隊/古参兵/熱狂的
装甲隊指揮官: ジャミー・ハンスコム中校
 現在、装甲軍団は親連隊から離れて聖アイヴス共和区のミロスに駐屯している。共和区最高司令部の一部は不法占拠であると憤慨しているが、ミロスの親リャオ派の人民は、親協定強硬派の部隊が駐留するよりもいいと声高に支持している。


奇襲部隊特殊部隊
大隊/古参兵/信頼できる
歩兵隊指揮官: ケビン・ラーセン少校
 この大隊は小規模なのだが、優れた訓練を積んでいることで数の不足を補っている。大隊を構成するのは、エリートの対メックジャンプ兵1個中隊、2個戦闘VTOL小隊と2個偵察小隊による通常航空中隊、砲兵小隊、爆破工兵小隊、特殊部隊チームである。






マッカロン装甲機兵団 3067

 リャオ首相の新生運動の中で、マッカロン装甲機兵団がカペラ正規部隊となったことは、カペラ大連邦国の歴史でもっとも良いことのひとつとなりそうである。

 この4年間、ビッグマックは適応するために苦労しているが、母国の大連邦国から完全に受け入れられている。この計画に反対するごくわずかな士官たちは、満額の退職金か解雇ボーナスを与えられ、注意深く、静かに部隊から排除されている。残った士官たちは、貴族階級と領土を狙って、すぐさまリャオ首相の目にとまろうとし始めた。ゆっくりとであるが、過去数年で爵位と土地が与えられている(時折。大半は見過ごされている)。


第1マッカロン装甲機兵団
 ナイトライダーズのエレイン・パークス上校はカオス境界域にローテーションすることを誓願しているが、マーカス・バクスター上校はこの部隊を後方での裏切りに備えた安全予防措置としている。自由世界同盟のアンドゥリエンが大連邦国を脅かし続けており、ジョージ・ハセク公爵は聖アイヴス共和国(元協定)をあきらめるそぶりを見せていないのである。シーアンかヴィクトリア共和国にも攻撃があるかもしれない。

 だが、両国境へのパトロールにより、地元のコムスター師団第467(ジャガースキナーズ)は不平を募らせつつあり、子守が必要となっている。第467はダヴィオン家が、あるいはワード・オブ・ブレイクに支配されたマーリック家が育成したスナイパーとテロリストの手により甚大な損害を被った。不幸なことに、コムスター師団はこの件で地元の準軍事組織を非難している。幸運なことに、彼らは機兵団を共謀で訴えたりはしていない。


第2マッカロン装甲機兵団
 カオス境界域のカペラ大連邦国沿い国境で緊張が高まっていくなか、だれかが第2マッカロンなら問題に対処ができるだろうと考えた。しかし、そうはならなかったようである。自由世界同盟のジオン派不満分子がアルデバランのアンバーマール・ハイランダーズを苦しめていた。その時、エンジェル・ボデズ上校はラムセス・マッカロン中校指揮下の第2メック大隊を派遣し、(エンジェル)ジプシーズの大部分――2個大隊分をつけた。

 この派遣部隊は、3066年の4月にジオンへと降下したアンバーマール・ハイランダーズをエスコートした。予想された通り、第3自由世界同盟防衛軍はテロリストを守りに動いた。だが、第3防衛軍は第2マッカロンが来るのを予想しておらず、すぐに後退せねばならなくなった。マーリック隊が主導権を取り戻すことはなかった。ハイランダーズと機兵団は激しさを増す戦闘で第3防衛軍を引き裂いていき、最終的には戦略局の要請に応じてカペラに帰還したのだった。


第3マッカロン装甲機兵団
 フラストレーションを募らせ、怒れる第3マッカロンはこの四年間、戦闘に参加しなかった。マーカス・バクスターは彼らをカオス境界域に投入せず、また――少なくとも公式には――ダヴィオン国境から引き離した。だが、この2年間で三度、第3マッカロンは明らかにダヴィオン家を刺激するため、チンタオ、レムシールド、フットフォール、ジョナサンに大規模なパトロール隊を送り込んだ。これまでのところ、反応はない。


第4マッカロン装甲機兵団
 兄に劣っているわけでないフェイス・マッカロンは、戦艦〈イルサ・ヒョン〉への破壊活動を行った一味を追う仕事を任された。彼女が率いたのは、エクリプス航空隊に支援されたマッカロンズプライド中隊でしかなかった。命令を自由に解釈したフェイス・マッカロンはジーファン軍団の無法者たちに追いつき、ありとあらゆる兵器で攻撃を加えた。彼女は卑しい裏切り者たちから一片たりとも回収品を得ることはなく、1個中隊分のメックと装甲車両を残骸、スクラップ、破片にしたのだった。

 本隊に戻ったフェイス・マッカロンの諸兵科連合中隊は、カーソン機兵隊の第4大隊に入れられた。


第5マッカロン装甲機兵団
 過去四年間、キープ奇襲部隊はバトルメック隊の忠誠評価を「信頼できる」に上げるため、多大な努力を費やした。彼らはこの目標を達成したが、通常部隊の一部が犠牲になった。航空防衛隊、特殊部隊への注意と装備がなくなったことは怒りを生み出し、歩兵隊の忠誠評価が「疑問」に落とされ、航空隊による全面的な反乱に近いものが起きた。追いつめられたマーロー上校は航空防衛隊の解散を命令した。一部のパイロットが退役した。他のパイロットは別のマッカロン連隊かカペラ戦争大学に異動した。現在、第5マッカロンは新たな航空宇宙隊を待っている。






マッカロン装甲機兵団 3079

 聖アイヴス奪還に先駆けてサン=ツー・リャオ首相がマッカロン装甲機兵団を正規軍に加えたそのとき、彼らは最も長くリャオ家に仕え、最も規模が大きく、最も経験豊かな傭兵部隊であった。3060年代のほとんどを戦略調整官とマーカス・バクスター卿(装甲機兵団司令官)は、独立心を持った機兵団員たちを不正規作戦に使い続けるべきか、大連邦国の伝統的なドクトリンを教え込むべきかで対立した。

 聖戦は他のことの多くのように議論を脇においた。MACの不正規戦術は、通常のカペラ的な反応を予測していた敵に対して使われたとき、装甲機兵団が次々と勝利を得る助けとなった。


状況

 正式加入の前でさえも、装甲機兵団諸連隊は火消し部隊となっており、CCAF加入後もその傾向は続いた。彼らの本拠地(領地として大佐に与えられた世界)はヴィクトリア共和区にあったのだが、諸連隊の活動範囲は共和区の全体、そしてしばしばその外に達したのである。

 第1MACは大打撃を被るという彼らにとっては面白くない評判を持つ。この部隊、ナイトライダーズはよく大連邦国で一番の激戦地に送られ、叩きのめされながらにして生き延びる。聖戦の一部を占めた、長期に渡る至高の正義作戦は、3077年のカペラによるジオン攻撃で完結した。その時点で他の部隊と同程度の経験レベルを取り戻していなかったナイトライダーズは、一部稼動していたSDSによって軌道上でメック戦士2個大隊を失い、中枢を破壊された。アルデバランに退却した彼らは補給と交替人員を待っている。しかし装甲機兵団の隊員たちでさえも不運をおそれ彼らを避け始めている。彼らを口説こうという我らの努力は報われるかもしれない。

 長年指揮官を務めていたエンジェル・ボデズを3077年にニューアラゴンで失ったにも関わらず、ラムセス連隊(新しい名称)の兵士たちは装甲機兵団のエリートであり続けている。チューリッヒで連隊が勝利した直後に部隊の指揮を受け継いだラムセス・マッカロン上校はいまだ連隊指揮官としての地盤を探している。有名な装甲機兵団指揮官、アーチボルド・マッカロンの息子であるラムセスは最高指揮官となるべく育てられたが、聖戦の余波の中でひとつの連隊を指揮するという現実は訓練とはまったく違うということがわかった。

 第3MACの幸運はニューシルティスで潰えた。AFFSの背後を強襲しようとしたのが敗走に変わったときのことである。ワイルドワンズ(と呼ばれる)は熱狂的な強襲で強力な防御に打ち勝ってきたが、サソーの防衛部隊はそうならなかったのだ。大連邦国に呼び戻されたあと、メンケに後退した第3は装甲機兵団の訓練プログラムのために訓練部隊を任され、聖戦の残りの期間の間、他の連隊に交替人員となる戦士を供給している。

 3078年に始まったシェンをかけた三つ巴の戦い、ワード・オブ・ブレイク、我が軍(ストーン軍)、大連邦国軍によるものは、我が軍と第4MACの対決に帰結した。機兵団を指揮していたのがリチャード・カーソン卿よりも抜け目無さで劣ることを考えると、戦闘は勃発してしまったかもしれないが、アーチボルド・マッカロンのもうひとりの息子であるフェイス・マッカロンの訓練のためだったとの報告が確認されている。実際、エリック・グレイ中校の死によってカーソンはフェイスを同ポストに昇進させ、装甲機兵団と我が合同軍のあいだの戦場外交に触れさせる実地的な経験を与えている。

 第5装甲機兵団はカペラ境界域とブレイク保護領の目標を適宜襲撃し、聖戦中、部隊内に残っていた最後の不和を駆逐した。赤色槍機兵隊と武家イマーラが他に行っているあいだ、シーアンを守るために呼ばれたこのキープ奇襲部隊は、3077年、ハロランV確保を助けるべく送り込まれ、その後、シーアンに帰還した。


士気

 装甲機兵団は現在、大連邦国に仕えている中でも勇敢な武人であるとの評価を享受している。目立った敗北がないことで彼ら、特に第5連隊はメディアの寵児となった。10年前に疑問とされていたキープ奇襲部隊の忠誠度は、メディアの肯定的な描き方が何を出来るかの皮肉な一例である。人は愛されたとき、愛を返すのは難しくないのだ。

 見当たる唯一の不和の種は、アーチボルド・マッカロンの子供たちを中心とするものである。ラムセス・マッカロンが連隊指揮官に昇進したことは、彼が年老いたマーカス・バクスターに取って代わるものと多くが考えているが、別の一派はフェイス・マッカロンがシェンで我が軍と取引し、必要な外交手腕を得たと見ている。むろんのこと、バクスター卿は議論から離れたままでいるが、機兵団員たちの多くは彼がどのような決断を下すのか見守っている。


連隊現状

第1マッカロン装甲機兵団
連隊/一般兵/信頼できる
戦力25% | アップグレード75%
現在の基地:アルデバラン

第2マッカロン装甲機兵団
連隊/エリート/熱狂的
戦力75% | アップグレード95%
現在の基地:ナンキン/アルボリス

第3マッカロン装甲機兵団
連隊/一般兵/疑問
戦力50% | アップグレード70%
現在の基地:メンケ

第4マッカロン装甲機兵団
連隊/古参兵/熱狂的
戦力85% | アップグレード95%
現在の基地:シェン

第5マッカロン装甲機兵団
連隊/古参兵/信頼できる
戦力40% | アップグレード80%
現在の基地:シーアン






マッカロン装甲機兵団 3081

 マッカロン装甲機兵団のほかに、カペラ大連邦国の異常性を表し、攻撃において禁じ手なしであることを表す好例は存在せず、MACが我が国の国境に居続けることのほかに、大連邦国が我が国の存在に我慢出来ないことを表現することはない。シェンでの数カ月におよぶ威嚇と小競り合いによって、我が軍はこの世界から退却することになり、フェイス・マッカロンは拍手喝采を勝ち取った。彼は我が軍の指揮官に「この星系に残って、私の部下にコクピットを撃たれるよりも、退却して政治家に任せるほうが利益になる」ことを納得させたのである。感銘を受けた(第4MAC指揮官)カーソン卿は、直後に引退を発表し、第4MACの指揮をこのアーチボルトの娘に任せた。新部隊名「フェイス・フォーチュネート」の上校となったフェイス・マッカロンは、兄であるラムセスとの経験のギャップを縮めてきている。両名は冗談めかして、「来るべき紛争」でどっちがより成功するか見せるとしている。このおおっぴらな発言は、CCAFが我らとの戦争が避けられないものと見ていることを示している。






マッカロン装甲機兵団 3085

 ビッグマックは長い間、カペラ大連邦国お気に入りの攻勢戦力であった。元は傭兵であったこの部隊は、サン=ツーのセレスティアル・ヴェンジャンス作戦でカペラ境界域への先陣に立ち、後にはコアワード国境でブレイクの防衛を打ち砕く戦力の多くを提供した。3081年、リャオ首相はスフィア共和国への強襲において、再び装甲機兵団を招集したが、不幸なことに、大連邦国はMACを支援できなかった。伝統的な5個連隊のうち2個が犠牲となった。

 長年不運にさいなまれたナイトライダーズ(第1連隊)の呪いは、ガン・シンでついに最高潮に達した……プリンキペス数個連隊が、彼らをラムセス連隊(第2連隊)から切り離し、リボンのように刻んだのである。装甲機兵団にとってさらなる打撃となったのは、近年昇進したフェイス・マッカロンが、第8、第9、第10ハスタティを相手にしたニューカントンの戦いで伏したことである。リージョネアのロータリーオートキャノンの砲弾が、彼女のスタースレイヤーの頭部を繰り返し叩いたのだ。名前を変えたばかりだった第4連隊フェイス・フォーチュネートは、指揮官が死亡した周囲の地域を放棄したがらず、動くメックが2個小隊以下に減らされてからやっと降伏したのだった。

第2マッカロン装甲機兵団
 ラムセス・マッカロン上校は、妹の死をきわめて個人的に受け取った。ガン・シンにおいて、ラムセスは他の共和国部隊を無視して第8ハスタティへの正面強襲を命じたが、ナイトライダーズを完全な崩壊から救うには遅すぎた。生き残ったマッカロンは判断ミスを思い悩み続け、共和国全体への深い憎悪を募らせている。

第3マッカロン装甲機兵団
 ニューシルティスのミートグラインダー(大量殺戮)から再建している最中だったのだが、この部隊、通称ワイルドワンズは共和国への攻撃に遅れて参加した。彼らはアカマーとサイツァンで二度、ストーン・レヴナントと衝突し、二度とも最悪の損失を被った。レヴナントの通常部隊が数で圧倒し、マッカロン・サグズ(第3連隊の別名)の重々しい強襲メックを拘束したのだった。それにもかかわらず、第3MACはCCAFの新しい諸兵科連合ドクトリンを受け入れたがっていない。高齢で頭の固いオットー・カン上校は、「小学生たちとゴーカートは、仕事をしているメック戦士の邪魔になるだけだ」としている。

第5マッカロン装甲機兵団
 かつて傭兵から王家部隊への転身に抵抗していたキープ奇襲部隊は、シーアンに駐屯しているあいだ、カペラ連隊のモデルとなり、赤色槍機兵隊がカノープスにいるあいだ、フォビドゥン・シティ(紫禁城、カペラ首都)の閲兵場で何度か印象的なところを見せさえした。防衛の専門家である第5の共和国侵攻参加は、主に他のMAC4個連隊を支援することであったが、ウッドストック、リャオ、サイツァン防衛で活躍することになった。残念ながら、RAF(共和国装甲軍)に数で負けていたことから、彼らは後退を余儀なくされた。それにもかかわらず、熱意は失われていない。連隊兵士の多くにとって、この経験は祖国防衛のために犠牲となる重要性を深く認識するだけだったのである。






マッカロン装甲機兵団 3145

 CCAFの全連隊のうち、「ビッグマック」ほど敵と味方にとって象徴的な存在は他にない。この一世紀以上、リャオ家が戦ってきたほとんどすべての紛争において、MACは最初に戦いに加わり、最後に退却してきた。彼らが持つ執拗な粘り強さ、熱狂的な忠誠心、優秀な戦果の評判によって、装甲機兵団はCCAFで最高の連隊の一つと考えられている……規律がない非正統的で無鉄砲なメック乗りたちによる旅団なのだが。彼らが傭兵出身であることは歴史上の脚注程度のものであるが、マッカロン連隊群は独立して活動し続けており、ザビエル・マッカロンのみに従い、カペラの軍事戦略調整官にはおおざっぱに従う。この指揮権の自由さは、ダオシェンの妹がMACの指揮連隊内で勤務していることとあわせ、首相と軍事戦略調整官がマッカロンの大いなる勝利をもたらす能力を信頼していることの反映である。MAC旅団の最近の活動に見られるように、この信頼は非常にうまくいっているようだ。

第1マッカロン装甲機兵団
 ナイトライダースは、カペラ境界域への進出の際に慈悲を与えず、焦土戦を行う一方で、数多のシルティス機兵連隊LCTを追いやった。ジェイク・イートン上校は、部下を率いて、出くわしたすべての工場、発電所、倉庫、貯蔵施設、輸送ターミナルに火をかけ、「火付け屋」とあだ名されることになった。ある時、ナイトライダースはインフェルノ弾頭の備蓄をきれいに撃ち尽くしてしまった。再補給のために待つことなく、彼らは引き返してカーマックスにあるダヴィオン市民軍の倉庫を略奪した。火炎弾頭が大量にあったことから、第1連隊は首都モーディアロック全域に火を付けるため移動した。瞬く間に広まった火は数千人を殺害し、五日間にわたって燃え続けたのだった。

第2マッカロン装甲機兵団
 第2連隊はこの10年の大半を大連邦国コアワード国境沿いの戦闘任務に費やし、時折、休息と補修のためメンケに戻るだけだった。ザビエル・マッカロンにとって、この戦役は、息子二人を訓練するのに最高の試練となった。名目上、シャイミン・タオ上校の指揮下にある第2連隊は、ダヴィオンに対する戦役での残虐性で悪名高くなった。チコノフで捕まった第3恒星連邦槍機兵団の隊員全員が即座に処刑されたとの噂が広まっている。

第3マッカロン装甲機兵団
 ビッグマックのスレッジハンマーであるワイルドワンズは、セレスティアル・リワードの緒戦で温存され、その後、タイゲタ、ニューシルティスに投入された。両方の戦闘でけして巧妙でなかった第3連隊は、惑星首都に正面強襲を仕掛け、強襲メックの火力をもってして防衛部隊を圧倒した。ニューシルティスを確保した第3連隊は、メンケに戻って休息し、次の要塞攻略の時を待っている。

第4マッカロン装甲機兵団
 リンゼー・バクスター上校は、聖戦期のMAC指揮官であったマーカス・バクスターの曾曾曾姪である。それにもかかわらず、リンゼーは出来るだけ一族の名前を使わずに道を切り開いてきた。カペラ軍事大学卒業生のリンゼーは、小部隊戦術に特化してゆっくりと昇進を重ねていき、カペラ境界域で幾度も調査襲撃を成功させた後で、ついに第4連隊指揮官の座を得たのである。ニューシルティスにおいて、バクスター・バンディッツこと第4連隊は、広く分散し、素早くハセクの抵抗軍を潰した。エネルギッシュなバクスターは、機動戦の大々的な支持者である。結果、連隊に付随する装甲支援は、大半がVTOLとホバークラフトで構成されている。

第5マッカロン装甲機兵団
 MACは二世紀以上前にチェスタートンで創設されたことから、戦略調整官はこの世界を取り戻す名誉を、グウェンドリン・ヴォーン上校の第5連隊グリーンナイツに与えた。3144年12月、第5連隊は第2チコノフ防衛軍の分隊と共にチェスタートンを叩き、守るヴェガ特戦隊を素早く追い出した。第5連隊の注意深い前進は、ダヴィオン傭兵に突く隙を与えたのだが、民間の巻き添え被害を最小限にする効果もまたもたらした。マッカロン装甲機兵団は、チェスタートンの民衆から暖かい歓迎を受けなかったが、ヴォーン上校は礼を尽くして大昔に失われた関係を取り戻すと誓っている。それはグリーンナイツが大きな暴力なしに低強度反カペラ内乱を鎮圧できるかにかかっている。




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