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作成:2003/02/08
更新:2013/09/19

ウイルソン軽機兵隊 Wilson's Hussars



 もっとも不幸で悲惨な傭兵として有名な部隊です。元は優秀な1個大隊だったのですが、辺境で海賊に雇われるところにまで落ちぶれてしまいました。初出は"Mercenary's Handbook"。





略歴 Brief History

 「ウイルソン弱虫隊」と嘲笑される、この悲惨なメック戦士たちは絶望的なまでに運がない。デビッド・ウイルソンの指揮の下、軽機兵隊は現在の境遇から逃れるため、ありとあらゆる雇用主から、ありとあらゆる仕事を引き受けるだろう。



軽機兵隊の起源 Origin of the Hussars

 軽機兵隊はリャオ大隊、レファージ軽機兵隊の残存兵力である。ほとんど伝説と化しているアレクサンダー・フロイド少佐の指揮の下、大隊は優れた歴史を持ち、数多の戦闘で出し抜いてきた。これには2985年のフレッチャーI と、2988年の第三次ツァーナX戦を含む。しかしながらリャオ家の幸運がついえていくと、軽機兵隊はますます困難な任務を与えられることになった。2996年バローズXI を防衛しているあいだ、第6シルティス機兵連隊が大隊を粉砕し、フロイド少佐と残りのメック戦士1/3を殺した。生き残った2個中隊は降伏して、ダヴィオン家所属の正規部隊になるのを許された。

 軽機兵隊は次の10年間、恒星連邦に残った。そのあいだ、彼らは二度の戦役に参加しただけだった。2997年のツァリーナと3001年のヴァイである。残りの期間はへんぴな遠隔地での駐屯任務を行った。賃金が3ヶ月分未払いになると、全大隊(完全な戦力になっていた)はダヴィオンの序列から離脱した。軽機兵隊の指揮官ジェニファー・ラングストーム少佐は、未開の地で駐屯任務を行うより、傭兵になった方がより儲かると信じていた。最初は決断を助けるための出来事がたくさんあった。

 3007年に、軽機兵隊はクリタ家と契約を結んだ。最初の交戦で、ダヴィオン軍をニューサマルカンドから追い出すのを助け、4機のメックとレパード級降下船を捕獲した。軽機隊には明るい未来が待っているかと思われた。



不運への転落 When Luck Turns Sour

 軽機兵隊は、一連の駐屯任務と、サンタンダーVの蛮王に対しての日常的な捜索・破壊任務をこなしたあとで、シュタイナーの惑星スークII攻撃を命じられた。しかしながら、シュタイナー軍に切り裂かれてしまい、ラングストーム少佐はもっと有利な任務のため、カペラ大連邦国へと部隊を移さねばならなかった。

 部隊の能力を証明するため、ラングストームはリャオ家とのあいだで格安な契約を結んだ。そこで彼らは、3012年、恒星連邦軍からハイスパイアを防衛するのに成功し、また3013年にリャオ軍のためダヴィオンの惑星レッドフィールドで橋頭堡を確保した。成功したにもかかわらず、軽機兵隊のメックは打撃を受けており、リャオ家には彼らに休養を与える余裕がなかった。

 災厄が部隊を襲った。3014年、ダヴィオンによる聖アイヴス強襲の際に、敵装甲部隊がラングストームとバトルマスターを塵に変えた。兄弟のマイケルが部隊の指揮をとり、軽機兵隊の深刻な悪化が始まった。



マイケル・ラングストーム時代 The Michael Langstrom Era

 軽機兵隊の全兵士は、マイケル・ラングストーム少佐を無能でうるさい男と考えており、部隊の士気は急速に低下していった。彼は大きな金切り声で命令し、反抗した者には厳しい罰を与えると脅した。未熟で無力だったために、失敗から学ぶあいだ、一連の戦闘でメックと降下船〈モロー〉が犠牲となった。3016年、致命的な状況が訪れた。インゲルソルにて軽機兵隊はパニックのなか、マーリック連隊に包囲され、ラングストームは軽機兵隊の降下船〈カーチャ〉に救出を命令した。船が降下しているとき、マーリックの気圏戦闘機が〈カーチャ〉の姿勢制御ジェットを駄目にした。降下船は軽機兵隊の陣地の真ん中に墜落し、部隊の半数が破壊された。

 ラングストームは奇跡的に墜落から生還し、半狂乱で騒ぎ立て、任務に失敗したことで全員を非難した。そのときに彼のメックは、粒子ビームで穴だらけにされ、撃墜された。(これは確認されていないのだが、ラングストーム大尉の個人的な助手であるデイビッド・ウイルソン大尉が彼を殺したのだと信じている者もいた)。ウイルソン大尉は大隊の残存兵力を残った降下船〈レッドイーグル〉に無事導き、何事もなくリャオの航宙艦と落ち合った。

 ウイルソンは辺境への移動費用を得るため、〈レッドイーグル〉を売り払い、そこで軽機兵隊は傷を癒すこととなったのである。



ぎりぎりの生存 A Meager Survival

 次の2年にわたって、軽機兵隊の運勢はますます悪化していった。降下船、テック、航空支援を奪われた彼らは、ぎりぎりの契約、低報酬の任務、たまの海賊行為で食いつないだ。

 3018年に、クリタ家はシュタイナーの星系パトニールを襲撃するために軽機兵隊を雇った。軽機兵隊は良い働きを見せたものの、薄汚いクリタの担当官は、部隊が共和国から賄賂を受け取ったと主張し、コムスター審査会は支払いを保留した。感情を傷つけられ、腹をたてたウイルソンは、クリタのコーベ星系を襲撃したが、重大な損害を被ってしまった。軽機兵隊は盗んだ降下船で逃亡し、結局、レッドジャック・ライアンに雇われた。

 シュタイナーとクリタの背後への襲撃で、軽機兵隊は両継承国家から嫌われていった。しかしながらライアンは、ウイルソンが補給庫(スペアパーツで一杯だった)の発見に成功したので喜んだ。

 その後、再び破局がやってきた。3021年に、シェイラ・バノック中尉(ウイルソンの親しい友人で副指揮官)がビュートホールドのバーでの喧嘩で殺害された。これを悲しんだウイルソンは、キムボールIV襲撃の最中に何度かミスを犯し、装備が失われ、ライアンとの雇用関係が終わることとなったのである。

 その後、軽機兵隊はヴァラセックの下で働くために、サンタンダーVに定住した。たいした利益を生まなかったが、少なくともどうにか水面に顔を出すことができた。しかしながら、ロングボウ山でタウラス連合に撃破されて以後、ヴァラセックは外世界同盟で彼らを見捨てた。



辺境での零落 Washed Up in the Periphery

 3025年時点で、軽機兵隊は外世界同盟に位置しており、かろうじて現地政府に許容され、仕事を必死に探している。ウイルソン大尉はいまだ部隊を指揮しているが、部隊が常に過酷な状況に置かれ続けてきたことで、彼は消耗しきっている。生き残った軽機兵隊員のうち、一握りだけがマイケル・ラングストームの時代に仕えていた。残りは不幸で信用ならない居候である。メック戦士たちは自らを救うチャンスを必死に探している。軽機兵隊はならず者との評判があるので、ウイルソンは同盟から仕事を得られずにいる。コリガン卿(現地の統治者)は彼らに不審を抱いており、すぐに追い出すかもしれない。



部隊の目標 Unit Description Goals

 ウイルソン軽機兵隊のひとつの目的は職探しである。ウイルソン大尉は彼の中隊がチャンスさえ与えられれば戦う能力があると知っており、仕事と引き替えにスペアパーツと整備を望んでいる。これまでのところ、登用者を見つけられないでいるが、望みを持ち続けている。

 軽機兵隊のような落ちぶれた部隊では、なんらかの刺激がなくとも暴力的事態に発展するおそれがある。昇進の見込みのないヘイズとシンの怒り、ウォーカーの薬物依存、ポーラスの犯罪歴、デュラントのダヴィオンへの憎悪は、いつ燃え上がるかとも知れず、部隊全体にまたがる争いにつながるかもしれない。

 彼らは気がついていないが、軽機兵隊にささやかな希望の光が差し込んでいる。カノープスのカイアラ・セントレラは小さく疲弊したメック部隊に寛大な契約を提示してきた。彼女の代理人は現在外世界同盟でスカウトを行っており、運があれば軽機兵隊がばらばらになる前に部隊を見つけるかもしれない。



技術支援 Technical Support

 軽機兵隊の技術面はかなり寒々しいものである。一握りのメック戦士だけがテックとしての技術を持っており、部隊はちょうど2名のテックを雇っている。彼らは軽機兵隊のぼろぼろのジープを使い、部隊が留守のあいだキャンプを守る。ジープの1台はトランスアクスルが故障しているが、二連マシンガンは両方とも機能する。部隊のスペアパーツは、様々な装甲パッチ、電子装置、わずかな駆動装置、スクラップとなったメック数機である。



所属隊員 SELECTED PERSONALITIES

名前:デイビッド・ウィルソン大尉
役職:指揮官、ウィルソン軽機兵隊
 まだ40歳なのだが、ウィルソン大尉は少なくとも55歳に見える。軽機兵隊の絶え間ない苦闘は彼をすり減らしてきた。しかし、ウィルソンには20年以上自らの故郷となってきた部隊をあきらめる気など毛頭無い。彼の生活のほとんどは軽機兵隊を中心に回っている。

 軽機兵隊員の多くは、ウィルソンが親友のシェイラ・バノック中尉の死から立ち直ってないと信じている。だが、彼の指揮能力はここ数年で向上しているのだ。彼は軽機兵隊の失敗で自らを責めているが、部隊の現状をもたらしたのはリーダーシップの誤りというより不運が原因という面が大きい。ウィルソンはマイケル・ラングストーム少佐の死に関して言い逃れを行っている。もし彼が前指揮官の殺人に関わっていたとしたら、軽機兵隊員の大半が拍手喝采を送るだろう。

 ウィルソン大尉のマローダー「エラ」は、軽機兵隊で唯一完動状態にあるメックで、最高の状態にある。この機体は数多の実戦をくぐり抜けており、多数の装甲パッチ、傷、撃墜マークを帯びている。


名前:マイケル・デュラント
役職:指揮小隊
 デュラントはハンサムな男だが、顔の右側面に醜い傷が走っている。元々、ダヴィオンの上級士官だった彼は、ハンス・ダヴィオンへの復讐に取り憑かれている。妻と娘の死に責任があるとしているのだ。その正確な状況や、どのようにダヴィオンが関わっているのかは説明したがらないが、唯一残った形見の品を見つめることに時間の大半を費やしている……黒髪の女性と金髪の若い娘を映したホログラフィック・ロケットである。軽機兵隊は状況の詳細に疑問を感じているが、たいていは気むずかしくて無口なデュラントを一人にしている。


名前:ジェラルド・ウォーカー
役職:強襲小隊
 ウォーカーは高価で非常に危険な抑制剤、KZ麻薬(クレイ・ジーと呼ばれることが多い)の中毒である。崖っぷちにいるウォーカーは、麻薬を使って無感覚になることに多くの時間を費やしており、軽機兵隊が仕事をほしがるのと同じくらい、KZを血眼で求めている。彼は麻薬を買う金を作るために、父から継承したハンチバックからパーツをはぎ取って売るくらいに行き詰まっており、仲間たちはハンチバックがロングボウ山で行動不能となったのはそれが理由だと考えている。


名前:アントン・ジョーンズ
役職:火力小隊
 アントンは借金の代わりにメックを回収されそうになって、債権者から隠れるために軽機兵隊に入隊した。彼はジェンナーを戦闘に加わらせたがらないので、小隊指揮官は何度か彼を懲戒処分にしている。

 ジョーンズは友好的、社交的な男であるが、隊員たちは死すべき定めの不公平について思い悩む彼をほうっておいている。時折、彼はメック戦士数名を徹夜のカードに誘うのに成功する。そこでいつも決まって彼は負けるのである。


名前:リチャード・ガーベイ
役職:火力小隊
 ガーベイははワスプを兄から相続し、行動と冒険の人生に向けて旅立った。彼は残酷な衝撃を受けた。職務怠慢でハンセン荒くれ機兵団から追い出されたガーベイは、スミッソン・チャイニーズ・バンディッツでの仕事を見つけたが、反抗を繰り返したあげく辞職を強要された。やけになったガーベイは、いまだ彼を採用する数少ない部隊、ウィルソン軽機兵隊に入隊した。彼の操縦記録は不十分なものであるが、軽機兵隊は彼を逃すことすら許されなかったのである。現在、彼はロングボウ山でパニックを起こし、逃げ出したことで、不興を買っている。彼は失敗を取り返そうとしているのだが、哀れなことに、同じことを繰り返してしまいそうである。隊員たちの大半は彼と話したがらないが、スティルソン中尉は彼を哀れんで、聴罪修道女としての役目を果たしている。


名前:ポーラ・スティルソン
役職:指揮官、偵察小隊
 南十字星部隊の隊員だったスティルソンは、ダヴィオンのある将軍を誘惑し、それからクリタのスパイであると告発された。逮捕前に、彼女は辞職し、軽機兵隊に加わった。スティルソンが操縦技術を見せつけたあと、ウィルソン大尉は彼女に偵察小隊の指揮権を与えた。隊員たちの中には、ウィルソンとスティルソンの関係が昇進の理由とされているが、彼女は実際に指揮官に値する才覚を持っているのである。彼女は自身を一時的な軽機兵隊員であると考えているが、小隊の指揮については良好で、ウィルソン大尉の人生を明るくしている。


名前:ダイ・チン
役職:偵察小隊
 チンはこの傭兵部隊が作られて以来、軽機兵隊にいる。彼は有能なメック戦士ではないので、ウィルソンはポーラ・スティルソンに偵察小隊の指揮を任せた。ウィルソンの決定を恨んだチンは、不機嫌になり、スティルソンの命令に二度背いている。彼はあらゆる機会を通して彼女が無能であると見ようとしており、たびたびウィルソン大尉に解雇を求めている。


名前:エルモ・ポラス、ジェイク・ポラス
役職:なし
 ポラス兄弟はヘルマー・ヴァラセックに見捨てられた後、軽機兵隊と一緒に立ち往生した。ウィルソン大尉は彼らを好いていないが、軽機兵隊は得られる助けのすべてを必要としており、すぐにも彼らに正規の地位を与えることになるかもしれない。

 ポラス兄弟は、強盗、窃盗、麻薬売買の常習犯であるが、法律から常にジャンプ一回分向こう側にいるのである。兄弟は互いに対し、狂信的な忠誠を示しており、それを超えるものはなにもない。

 頭脳担当であるエルモは、良心を持たない残忍で冷酷な男だ。ジェイクはとびきり利口というわけでなはなく、よって兄弟に言われたことをなんでもやる。彼は民衆に暴行を加えるのに良心の呵責を持たず、殺しさえやってのけるが、軽機兵隊の周囲ではまともな行動を取らねばならないことに気がついている。



人員名簿 PERSONNEL ROSTER

ウィルソン軽機兵隊
 指揮小隊
  古参兵、マローダー(新品同様)
  古参兵、フェニックスホーク(回収品)
  一般兵、グリフィン(回収品)
  古参兵、ブラックジャック(回収品)
 強襲小隊
  古参兵、オウサム(破壊)
  古参兵、ウォーハンマー(新品同様)
  一般兵、ハンチバック(破壊)
  一般兵、ライフルマン(回収品)
 火力小隊
  一般兵、アーチャー(新品同様)
  一般兵、エンフォーサー(回収品)
  一般兵、ジェンナー(新品同様)
  一般兵、ワスプ(回収品)
 偵察小隊
  古参兵、オストロック(新品同様)
  一般兵、ワスプ(回収品)
  一般兵、スティンガー(新品同様)
  一般兵、ローカスト(破壊)












ウイルソン軽機兵隊 3059

 3056年、ドナ・ウィルソン少佐の指揮の下、部隊は再び中心領域に現れ、盗んだ可能性のある古い降下船でアウトリーチに到着した。軽機兵隊は仕事を渇望しており、部隊の目を覆うような戦歴をものともせず、氏族と戦う危険のある契約すら引き受けるつもりである。降下船を所有し、古参兵の評価を得ているのだが、任務を達成しなかった経歴により部隊の竜機兵団評価値は最低のものとなっている。だが、竜機兵団は彼らに過去を押しつけようとはしておらず、よっていくつか契約を満了出来たら、評価が上げられるかもしれない。

竜機兵団評価値: D-


士官
 ドナ・ウィルソン少佐は、父と同じように、部隊が生き残り、精強で尊敬される戦闘部隊になることを信じている。現在は整備費用とスペアパーツのために仕事を探さねばならない状況にある。

 名目上の次席指揮官であるケルン・ヴェリック中尉は、戦略と戦術に優れていると自称している。彼は軽機兵隊がアウトリーチに到着して以来、ジェイム・ウルフにつきまとい、繰り返し「遺恨試合」の挑戦をしている。

戦術
 軽機兵隊が好む戦術について知られていることは少ない。シミュレーターを借りている時、彼らは肩を並べて強襲格闘攻撃を仕掛けるのが目撃されている。

支援
 軽機兵隊は技術支援をほとんど持ち合わせておらず、メック戦士が自身でそれを行う。彼らは怪しげな船員たちが操る古いユニオン級降下船を所有する。


ウィルソン軽機兵隊
2個/古参兵/疑問
指揮官/第1小隊: ドナ・ウィルソン少佐
第2小隊: ケルン・ヴェリック中尉
 中隊は中量級小隊、重量級小隊で構成されるが、8機のうち5機だけが実戦に耐えられる状態である。メック戦士たちはやむを得ず自機の基本的な整備を行う方法を学んでいるが、装甲交換以上のことをするには外部のテックを雇わねばならない。部隊は長射程PPC1門のみを所有しており、メック戦士たちの一部は冷却ベストさえ持っていない。












ウイルソン軽機兵隊 3067

 不運な部隊の典型と考えられていたウィルソン軽機兵隊は、不運と無能な指揮官と最悪の戦果に何年も苦しみ続け、その後、ドナ・ウィルソン少佐が、部隊をその日暮らしの存在から引き上げるべく、たった一人の改革運動を始めた。重要でない守備契約すら獲得できず、無益な数ヶ月を過ごしたそのあと、軽機兵隊は幸運にぶつかった。フリーランスの企業警備隊が、不足していた技術支援と共に、部隊への加入を持ちかけてきたのである。ドリルソン・ホバータンク3個小隊、2個歩兵小隊、小規模な技術支援班の加入は、軽機兵隊に渇望していた後押しを加え、恒星連邦から連邦=共和国内戦の契約を得られたのである。

 この戦争の間に、ウィルソンの指揮経験は試されることとなった。彼女と軽機兵隊は、カオス境界域で活動する各種傭兵隊からなる寄せ集め部隊の指揮権を与えられのだ。この部隊は、第5シルティス機兵連隊のロバート・ケーニッヒとの契約下で、スモールワールド争奪戦を戦い、かなりの損害を被った。「極めて好意的な」回収権、また将来のAFFSとの契約優遇の約束と引き替えに、軽機兵隊は第17アークトゥルス防衛軍と二週間の重戦闘を行い、2個大隊を勝利に導いた。軽機兵隊が先頭に立って、第17の降下地点への戦闘降下を行い、王党派連隊の最後の決意を打ち砕くと、ついに第17のデイヴィス・リリー将軍は惑星をケーニッヒに明け渡したのである。

 スモールワールドの戦いが終わると、軽機兵隊は一時的に配属された部隊と合併の交渉を持った。一部――ハーロック・ウォリアーズからの1個中隊含む――は、元の持ち場、部隊に戻る事を選んだのだが、他部隊が加わったことは、軽機兵隊の戦列を2個小隊から1個大隊に膨張させ、新たな自信を与えたのである。だが、つきまとう不運のイメージを完全に消し去るためには、まだ長い道がある。

竜機兵団評価値: D


士官
 ドナ・ウィルソン少佐は父親から受け継いだ部隊に大きな誇りを抱いており、各隊員を血が繋がった家族のように扱う。ウィルソン少佐は、部隊がアウトリーチにあった際、双子の息子、チャールズとセオドアを出産しており、ウィルソン軽機兵隊が一族の手にあり続けることを確実とした。

 チコノフ出身の砲術軍曹マレク・マリクは、マイティ・ドリルソンの指揮車両の砲手/装填手として入隊する前の人生については、口を閉ざしている。熟練した射手であるマリク軍曹は、戦闘中、たまにハッチから顔を出し、ミノルタ9000スナイパーシステムを敵の歩兵に乱射する事で知られている。

戦術
 軽機兵隊は、可能な限りは格闘、接近戦を好む。車両は敵の側面を悩ませ、歩兵隊が敵戦線をすり抜けて、後方でトラブルを引き起こす。

支援
 軽機兵隊の全隊員は、各マシンの基本的な整備を実行できるが、複雑な修理をするには、部隊の支援員や外部の技術支援を大規模に活用せねばならない。部隊は現在、古びたユニオン級降下船、ラカンターを所有している。


ウィルソン軽機兵隊
大隊/古参兵/疑問
指揮官: ドナ・ウィルソン少佐
副指揮官: ケルン・ヴェリック大尉
 ウィルソン軽機兵隊は先進兵器の類をほとんど持っていない。わずかなそれは部隊の名手に託され、最大限の効果を発揮する。軽機兵隊は、破損したメック用のアップグレードキットについてAFFSと交渉しており、スモールワールドで回収した装備と一緒に使用する予定である。


マーフィーズ・レイス
混合中隊/一般兵/信用できる
エイブル小隊: マルコムカバナフ大尉
ベイカー小隊: スコット・ウォーカー中尉
マイティ・ドリルソン: ダニエル・イエラ中尉
 元企業警備部隊マーフィーズ・レイスは、民間企業外での雇用を得るチャンスを増やすため、また軽機兵隊に手を貸すため、軽機兵隊に雇われた。この部隊は、軽機兵隊の記章に、金のレンチを持たせたものを使っている。












ウイルソン軽機兵隊 3071

 長年に渡って、ウィルソン軽機兵隊は不運な傭兵団の好例であるとされ、傭兵たちは彼らの名を失敗、貧困と同一視した。これを覆すため、ドナ・ウィルソン少佐はたった一人の改革運動に着手し、3050年代の半ばに部隊の指揮をとるとすぐ軽機兵隊を忘れられた状態から戻そうとした。3056年、古ぼけた降下船(盗んだものであると一部で言われている)でアウトリーチに到着すると、軽機兵隊は新しい契約を必死に求め、ついに金脈を掘り当てた。三流のフリーランス保安隊が部隊への参加を求め、軽機兵隊に新たな血と能力をもたらした。待望の新戦力は、連邦共和国内戦の前夜に彼らが恒星連邦の契約を勝ち取る助けとなった。内戦で新しい軽機兵隊はついに試練に直面した。

 連邦共和国内戦はウィルソン軽機兵隊が求めていたキャリアのターニングポイントとなった。彼らは小規模な傭兵部隊からなる臨時部隊を率い、スモールワールドで第17アークトゥルス防衛軍に勝利を収めたのである。3066年の秋にスモールワールドの戦いが終わると、軽機兵隊は恒星連邦との長期契約を結び、ノーパーに落ち着いて、休養、修理し、新たな命令を待った。

 聖戦が始まるとすぐに軽機兵隊は守勢に立たされたことに気が付いた。軽機兵隊は、ハセク公爵の「至高の正義作戦(Operation Sovereign Justice)」の攻勢にも、カペラの逆襲に対する防衛にも参加しなかったのだが、ワード・オブ・ブレイク軍がカオス境界域を超えてあらゆる方向に保護領を広げていくと、依然として警戒態勢に置かれた。3068年の後半、ブレイク兵がついにノーパーを叩いた。諸兵科連合軍の軽機兵隊は、狂信者たちが上陸すると素早く地下に潜り、一撃離脱戦を繰り広げて、3069年の後半、ヴァレクサに退却することが出来た。ブレイクの侵略に対する防衛戦を維持したかったAFFSは、3069年の6月軽機兵隊を公式にヴァレクサ配備とし、3072年まで契約を延長した。

竜機兵団評価値: D

ウィルソン軽機兵隊
 機兵隊がノーパーに駐留していた3068年、ワード・オブ・ブレイクはこの惑星を奪うべく傭兵とブレイク市民軍の連合軍を送り込んできた。軽機兵隊の車両・歩兵大隊「マーフィーズ・レイス」は最初の強襲の矢面に立ち、軽機兵隊の残りが丘陵まで向かう時間を稼ぐ間に、べーカー小隊の大半が失われた。次の三ヶ月、傭兵たちは惑星から出るために奪われた降下船ラコンテールを取り返そうとブレイクを何度も攻撃した。軽機兵隊の狙撃手のラッキーショットがノーパーのブレイク軍指揮官を殺して、一時的に敵の行動が止まると、傭兵隊はこのチャンスに飛びつき宇宙港へと急いだ。船を守っていた形ばかりの部隊を圧倒した彼らはノーパーから急いで逃げ、通りすがりの商船に載せてもらい、報告と修理のためヴァレクサへと向かった。

 ヴァレクサに駐留中の軽機兵隊の戦力は以前の2/3しかない。これを乗り越え、「失敗の黄金期」に戻るのを避けるため、ウィルソン少佐は次の任務が始まる前に戦力を増強すべく、小規模部隊や壊滅した部隊の生き残りに、合併を持ちかけている。




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