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作成:2006/06/06
更新:2006/07/30

タウラス連合国 Taurian Concordat



 辺境最大の国家。辺境といえど、その国力は侮りがたいものがあり、中心領域の5大継承国家に近い力を持ちます。
 classicbattletech.comより。





宛: グローバー・シャープレン卿、護民官

 依頼されていたファイルをこのメッセージに同封しました。正確な歴史の解説と、タウラス防衛軍の配備状況をまとめています。詳細な連隊の記述もあり、あなたが指揮している男女を、よりよく知ることができるでしょう。

 このような発言を許されるでしょうが、連合国を外交、同盟、戦争に関わらせる前に、この情報を再吟味したほうがいいかもしれません。

 そう、我らはダヴィオン家に反撃を行いました……彼らが護民官ジェフリィ・カルデロンの死に関わっていようといまいと、初期の貸しを返しました。そう、少しずつ流入する新技術によって、我らの準備は全面的に改善されました。しかし、あなたがご覧になるように、我が軍は最近の交戦で大損害を被りました。この事実は、わずかな進歩を無に帰すに違いありません。「長期的展望」が連合国を強くすると、あなたが保証していますが、私にはそうは思えません。

 このような理由から(あなたがジェフリィの息子を護民官職の後継者に指名するのをいやがり続けていることを含みます)、これが最後の職務となるでしょう……タウラス近衛隊の元帥として、タウラス防衛軍の最上級元帥として。嵐が水平線にまでやってきています。連合国を分裂させるために、私が護民官の遠い血縁であることを利用されるのは受け入れられないのと同時に、私はあなたの野望をもう支援できません。これは私の公式な辞表とお考え下さい。

――ブレンダ・カルデロン元帥、退役、3063年7月4日




最後のフロンティア The Final Frontier

 2253年、サマンサ・カルデロンの航宙艦隊がヒアデス星団を発見し、入植した。この星団の鉱物資源豊富な世界は、信じられないほどの莫大な資源を入植者に与え、新たな王国の強い核を作り得たのである。自らをタウラス人と呼んだ入植者たちは、近隣の資源豊富な惑星をも、この強力な植民地の所有物であると認識し、主張した。

 避難民たち(5大王家を作ることになる「整理統合紛争」に追い出された人々)は、中心領域のリムワードから脱出し続け、人口爆発に寄与した……数ダースの世界に、10億人が散在するまでにふくれあがったのである。連合国は各独立世界の緩い提携関係として始まり、各自が相互防衛を誓った。タウラス防衛軍(2360年に活動開始)は、近隣のダヴィオン家がもたらした脅威に応じるべく作られた。恒星連邦の注意を引くことはなかったのだが、カルデロン家はそう長く注意を逃れることはできないとわかっていた。




成長 Coming of Age

 2368年、ダヴィオン家とリャオ家の争いが連合国宙域に及び、恒星連邦はタウラス人との直接の紛争に入った。名門王家と戦えるほどの装備がなかったタウラス海軍は、機動力のあるコルベットを用いた小規模戦闘で、より大型のダヴィオン艦船と立派に戦ったのである。2隻の戦闘艦を破壊し、1隻を拿捕した連合国防衛軍は、最初の実戦で驚異的な勝利を宣言した。

 戦いの2年後、恒星連邦軍はタウラス人と一連の被害甚大な海戦に突入した。もっともダヴィオン家は、「組織化された海賊団」と戦ってるつもりだったのである。レイナード・ダヴィオンが、リャオ家に再び目を向け、ようやくタウラス人を追い回すのをやめてからも、恒星連邦に発見されたことで、連合国が侵攻されるという恐怖は残ったのである。だが、次の戦いは、ダヴィオン人でなく、リャオ家とのものだった。

 リャオ家がカペラ王国拡大のために戦っていたとき、彼らは連合国の惑星を容易い獲物と見て、タウラス防衛軍を見くびり、地元の防衛隊を押しやろうとした。残忍な戦いが、宇宙と地上の双方で続き、タウラス人を新たな水準の戦争の残酷さに案内した。タウラス人捕虜への酷い扱いや市民の虐殺は、連合国に訪れたカペラ人による無慈悲な虐待の一例である。だが、タウラス人は勇気をくじかれるよりも、さらに抵抗を強め、大連邦国に犠牲の大きい勝利を与えたのである。




軍事的成熟 Martial Maturity

 一世紀半の平和的共存が、初期の軍事的遭遇後に続き、このあいだにタウラス防衛軍は現代戦の時代に入った。バトルメックが中心領域のいたるところで増殖していた。この設計図を入手するために、連合国は中立を続けて、カペラと自由世界同盟の反体制派に安全な避難地を提供した……盗んだ図面がその代価だった。エレガントな問題解決法とは言い難いのと同時に、問題は解決されたのである。

 不幸なことに、これはダヴィオン家の欲望を刺激しただけだった。彼らはひ弱な辺境国家に対し優位を得るチャンスを伺っていたのだ。2573年にその機会は来た。タウラス小艦隊が、恒星連邦と連合国の共同統治下にある中立星系に迷い込んだのである。ダヴィオンは強襲でもって不法侵入に答え、小艦隊をほぼ破壊した。護民官が説明、保証しさえしようとしたのに、恒星連邦はこの事件にこだわり、星間連盟ポルックス宣言の基本的な議論として押し進めたのである。

[恒星連邦が故意に悪意ある行動をとる傾向は、警告していた「ダヴィオン・ブギーマン・コンプレックス」の一例です。この航法ミスが、ダヴィオンの決意のほどを計るため、故意に起こされたという長く隠された証拠を、あなたの補佐官数名に見せました。もしそうなのだとしたら、我らは自己を破壊する手段を渡していたようなものです。――BC]




すべての成長 All Grown Up

士気はひとつの要素でしかない。生存はすべてだ。
――サマンサ・カルデロン、2252年10月、『現代の冒険家たち』

 ポルックス宣言までの二年間、星間連盟は、まず空手形で連合国を口説こうとし、次に貿易制裁措置で屈服させようとした。どちらの戦術も有効でなく、星間連盟は最終的に、「辺境の混乱」を操ることにした。第一君主が「不本意であろうと、すべての利益のために」独立国家が星間連盟に入ることになるだろうと布告すると、ミッチェル・カルデロン護民官は静かに戦争の準備を始めた。

 明らかに実力で劣っているタウラス連合国軍は、編成中の星間連盟侵攻軍に対する先制攻撃として、2577年、アンバー事件を起こした。時間稼ぎのそれは、ダヴィオン家の急所に手応え確かな一撃を見舞った。

 攻撃後、タウラス人は船に退却するふりをした。この戦術に騙された恒星連邦は、早まった攻撃を始め、主艦隊がタウラスに封鎖されていることに気がついた。罠にかかり、戦力でかなわないダヴィオンは、宇宙を取り戻すべく、絶望的な戦いを行った。結局、アンバー事件で恒星連邦の戦艦2ダース以上が失われた。戦闘で破壊されるか、拿捕されるかしたのである。対して、連合国の艦船は3隻が損傷を負っただけだった。

 タウラス防衛軍は戦争を通して、この種の抵抗を続けた。幾度か、戦いに勝っていたのに反して、彼らの目標は星間連盟のすべての勝利を代償の大きなものにすることだった。アンバー事件でダヴィオン戦艦隊が忙殺されるなか、星間連盟軍は重要な惑星系に入るのに悪戦苦闘したのである。

 だが、タウラス人の抵抗は、大空だけに限らなかった。一度、地上に降り立った侵攻軍は、狂信的な防衛隊と遭遇したのである。彼らは一人でも多くの連盟正規軍兵士を地獄へと引きずり込もうとした。この狂信は、リャオ家と戦った際の伝統であり、TDFに耐久力と献身(星間連盟が苦しめられているもの)を吹き込む役割を果たした。ディーフェンベーカーの再奪取を目指した連合国の逆襲において、最大規模のメック対メック戦が展開された。最終的に、タウラス防衛軍の手には50機のメックしか残されなかったのだが、星間連盟は機体の300機以上を失い、精強な地球第3軍団を崩壊させたのである。

 それでも、熱心で残虐な防衛的策謀があったにもかかわらず、2590年までに、タウラス防衛軍にはそれ以上の余裕がなくなっていった。彼らはヒアデス星団を隠す星雲に退却せざるを得なかった。星間連盟が最後の防衛線を突破するのに6年がかかった。星団を守る小惑星帯が、破壊された艦船と死体を並べたのである。憎悪に燃える敵に全滅させられるよりはと、連合国は星間連盟の政治家に運命をゆだね、2596年の9月22日に降伏したのである。半年で終わると言われていた戦役は20年近くを要し、見込まれていたより多くのマシンや生命が失われたのである。




継承権戦争 Succession Wars

 タウラス連合国は直接に関わらなかったが、継承権戦争は辺境国家とその軍隊に、強い影響を及ぼした。中心領域が、その外辺国から注意を逸らすと、連合国とカノープス統一政体は、古き星間連盟時代の条約を破棄し、古風なやり方で国境問題を解決した――戦争である。「19日戦争」で知られることになるものが始まった。この通称は、戦闘の実時間が19日間だったことから命名された。他のよく使われる俗称は、「200時間戦争」(実際には182時間しか戦われなかった)と「押し出し戦争」である。お粗末な作戦行動が3度実施された後で、両陣営は新たな条約を取り交わした。これはあらゆる点で古いものと同じものであった。

 この初期の無能ぶり――平和が長く続いた後のことと考えると理解できる――が、永遠に続いたわけではない。第四次継承権戦争は、防衛軍が強く必要としていた一時的な恩恵を与えた。恒星連邦がリャオ家をほぼ征服したことは、それまでにもダヴィオンの攻勢を心配していたトーマス・カルデロン護民官のダヴィオン恐怖症をパラノイアに変えた。[これがジェフリィの護民官就任までのことと言い出すのは軽はずみですが、あなたの就任以来、この傾向がなぜ再び無分別なことになっているかを、私はけげんに思わねばなりません。――BC] 連合国の活動の一部を妨げること(積年の植民地拡大重視、警戒態勢、軍事演習など)は、連合国の軍事技術をとぎすませた。防衛へと注ぎ込まれた金銭もまた、連合国の役に立つと証明された物質的準備態勢の拡大を引き起こした。




あるべきところへ Marching in Place

歴史に学ばぬ者は同じことをくり返す運命にある
――古き地球の警句、ハッジ・ドル元帥より引用、3055年4月24日、ジェフリィ・カルデロンの早期護民官就任を支持する演説にて

 恒星連邦との大規模な争いのすべては、間違いから始まることを運命づけられたように思える。3047年、連邦=共和国(元恒星連邦)船籍の輸送船が連合国宙域にミスジャンプした。ダヴィオンの偵察を恐れた防衛軍パイロットは、事実が明らかになる前に、輸送船を破壊した。侵攻の前触れであると確信したトーマス・カルデロン護民官は、タウラス防衛軍を警戒状態に置き、8年間そのままとした。このとき、軍事的緊張が、シュタイナー=ダヴィオンのAFFCと幾度かの小競り合いを起こした。といっても恐れていた侵攻は実現しなかったのである。

 ハッジ・ドル元帥(タウラス近衛隊指揮官)は、3055年、トーマス・カルデロンの治世が不的確であると宣言せざるをえなくなり、トーマスの息子が護民官になるのを助けた。これが元帥の最後の活動だった。軍事的クーデターをほのめかして、ジェフリィ・カルデロンの初期の統治を汚すよりも、自発的に連合国から離れたのである。

[ドル元帥が、個人的な名誉と連合国への献身の素晴らしい実例となったにもかかわらず、カノープス統一政体に軍事アドバイザー(故ダナイ・セントレラが与えることで彼を辱めた地位)として現れたことは、幾分心配せねばなりません。彼はタウラス防衛軍の運用手順の大半を知っており、彼の名誉はMAFのために手を抜くの許さないでしょう。機密漏洩と考えるべきです。――BC]




細やかな気配り Attention to Detail

 氏族侵攻がタウラス防衛軍に直接の影響を与えなかったことから、ジェフリィ・カルデロン護民官は、さらなる時間とエネルギーを連合国軍の合理化に注ぎ込むことができた。父の時代に始まった浪費は、より優れた訓練施設と、軍需物資に向き直った。この時期の彼のモットーは「人と機械。他はすべて無駄」だった。可能な限り中心領域国家から新しい設計思想・技術を入手することも、これらの努力に含まれていた。ただし、渇望していた最新鋭の品はつい最近まで手に入らなかった。

 おおかたの予測に背き、軍の大規模な拡大は見られなかった。護民官の関心がよそに……芽生え始めたタウラス=統一政体の同盟関係にあったからである。条項の下、この2国家は植民地をいくつか作り、同時に防衛力を提供した。このようにして、植民地保安官(Colonial Marshals)が誕生したのである。保安官自身は、カノープス軍事学校を出て、連合国がメック、装甲車両、その他の必要な物資を供出した。これは両国家の力を強めるのと同時に、数年間に及ぶ親密な関係と、同盟の力強い未来の希望を促進させたのである。




衛兵交替 Changing of the Guard

 3058年、リャオ家はカノープス統一政体に好条件を与え、不足する軍事支援向けに有益な資源と技術を売買し、その分野における連合国の奮闘を凌駕した。カペラ人が連合国に試験的な提案を出し、同時に聖アイヴスとの戦争に対する助力を求めると、護民官は統一政体以外に外交を広げることに敢然と立ちはだかった。新植民地区の計画が進み、カノープス、リャオ家(必要なときのみ)との活動をしてはいたが、連合国は[このとき]中心領域との新たな関わりを求めなかったのである。

 新植民地区でシャーマン・マルティンが蜂起に失敗し、折り悪くカルデロン護民官が死んだ後、国家の手綱はグローバー・シャープレン卿の手に落ちた。ダヴィオンの関与を示す初期の[詳細な]証拠が、タウラス防衛軍の大多数をシャープレン護民官支持にまわらせた。彼は恒星連邦の大使を送還し、リャオ家との交渉に入った。3062年8月、タウラス連合国はカペラ大連邦国、カノープス統一政体との三者間同盟を結んだのである。




代価と約束 Costs and Commitments

 いわゆる「三者同盟(Trinity Alliance)」に対する当面の代価は、カペラが行っていた聖アイヴス協定との戦争への支援であった。タウラス軽装隊とタウラス猟兵隊がすぐさま戦いに加わり、9月に交戦開始、3062年の6月に停戦があるまで、ほとんどノンストップで戦ったのである。連合国胸甲機兵隊と傭兵ロングウッド蒼衣隊は、最後の4ヶ月に投入された。蒼衣隊はタウラスの利益のため、結局は、リャオ=連合国国境に引き返した。胸甲機兵隊が戻ることはなかった。

 彼らは承認に多額の代償を支払ったが、リャオ家、カノープス統一政体との同盟から多くの利益が得られると、護民官は期待した。将来の、有利な貿易条件、先進技術の入手、継承国家軍と同水準のアップグレードが約束されていたのである。そのうちいくつかは、すぐには無理であった。他のものは、期待される一方で、得られるかどうか疑われる。それとは関係なく、連合国は身をゆだねており、歴史を通して証明してきたように、タウラス人は最後まで約束を見ていくことだろう。







タウラス防衛軍 Taurian Defense Force

 タウラス防衛軍は、ほぼ間違いなく、辺境でもっとも訓練され、もっとも経験豊かな軍隊である。カノープスのMAFのほうが数が多いかもしれないが、それに近い数を持っている。タウラス市民は大いなる誇りを軍に与えている。連合国に仕える男女によって名誉が得られたのである。




護民官職 The Protectorship

 タウラス防衛軍の最重要人物は、疑いようもなく護民官である。軍の最高司令官であり、たいていは上級元帥となる。だが、シャープレン護民官は、先任元帥にその役目を任せている。彼の本質は、政治的リーダーであり、兵士ではないからだ。

 シャープレン卿の護民官職就任は、論議を呼んでいる。ジェフリィ・カルデロンの声高な批判者の一人であった彼は、いくつかの政策――有名なのは、リャオ家との取引――を変更した。これは上級士官の多くから好ましく思われていない。彼の明白なダヴィオン恐怖症もまた、トーマス・カルデロンのなごりであり、万人に8年間の軍事警戒による浪費を思いおこさせる。

 カルデロンの跡継ぎ候補が3名いるという問題が存在する。一人目はトーマス・カルデロンの妹、ジャニスである。病弱であることから、一度は後継者の座から身を引いている(といっても、恒星連邦がブリスベイン・ウィルスの治療法を見つけた可能性があるとの噂が広まっている)。二人目は、ジェフリィの私生児エリックで、傭兵プレイ師団の上級士官との間に誕生した。若干5歳であるが、シャープレン卿は彼の摂政を指名したかもしれない。

 三人目の跡継ぎは、ジェフリィの死後に見つかった。リチャード・カルデロン(フェリックス・カルデロンの息子)は、深辺境の前哨植民地で誕生した。フェリックスは3046年、星図作成任務の最中に行方不明になったと考えられる。エマ・セントレラ総統の姉妹が、リチャードを発見し、連合国に戻るよう説得したのだ。悲劇的なことに、ある海賊が連合国宙域の手前に襲撃をかけ、リチャード・カルデロンとローレライ・セントレラの身柄を奪取した。汚い行為があったとの疑いが間接的にすらかかってはいないのだが、護民官の正統な血統を持つジェフリィ・カルデロンの血縁だったかもしれないことは、依然としてグローバー・シャープレン護民官に傷を付けている。




軍産複合体 Military-Industrial Complex

 カペラ大連邦国と聖アイヴス共和区の争いが終了して以来、新技術がタウラス連合に少しずつ流れ込み始めている。一緒に技術者と教官もやってきて、開発を続けている。

 資源と兵器については、リャオ家とカノープス統一政体がデトロイトに建設している生産施設から徴用することになるかもしれないが、連合国が同盟に加わるのが遅かったことから、他のメンバーより優先順位が低くなっている。現時点で、リャオ家のヴィクトリア工場で生産された余剰物資を購入するのはなおも容易である。そうすることによって、たとえリャオ家からさらなる技術支援を雇うことになっても、統一政体すら入手に失敗していたような技術を得ることができたのである。アップグレードのコストは安いものでなかったが、防衛軍は辺境最強の軍隊であり続けた。その座を明け渡したくはなかったのだ。




軍団の魂(団結心) Esprit De Corps

 力強く、団結していると常に考えられていたタウラス軍は、最近の試練によって亀裂が入っている。原因の大半は、新護民官を取り巻く論争にあるのだが、圧力の一部はリャオ家、あるいは統一政体に対する不信に端を発している。


タウラス近衛隊 The Taurian Guard
 TDFのショーケースであると常に考えられてきた、タウラス近衛隊はヒアデス星団の見張りを第一の任務としている。近衛隊は、交代で一度に2個大隊を、哨戒任務か、海賊狩り任務に出す。といっても、タウラス軽装隊が損害を受けたことで、ローテーションは1個大隊に減らされた。
[私の辞職で、公式な忠誠度評価にいくらかの影響があることを理解しておりますが、同時に彼らの忠誠心は、あなたが他の選択肢を強要しない限り、あなたに向いたままであることをお知らせしたい。――BC]

第1軍団 I CORPS
 通常、第1軍団は各国境に1個連隊ずつを展開し、1/3の連隊をトラブルシューティングに使う。ブレンダ・カルデロン上級元帥はタウラス軽装隊を、傷ついたタウラス猟兵隊に組み入れ、第1軍団を防衛軍内でもっとも経験豊かな連隊群のひとつとした。両連隊は、新植民地区国境に再配置され、傭兵のゴードン装甲機兵隊は、広範囲な哨戒のため、特定の地域に拘束されないままでいる。装甲機兵隊は移動する問題解決部隊としての役目によくあっており、彼らの攻撃的なスタイルはより軽装な多くの部隊に恐れられている。

第2軍団 II CORPS
 常に不変で信頼できるこの正規連隊群は、伝統的に連合国=恒星連邦国境の大半を守っている。第2軍団は古き規範の「部隊、軍団、神、国」を信奉し、究極の忠誠心を明示し、潜在的な紛争を解決する。彼らはあなたの背後に従う良き兵士たちである。
 残念ながら、連合国胸甲機兵隊はカペラの内戦で失われ、連合国の防衛態勢に大きな穴を穿った。加えて、傭兵ロングウッド蒼衣隊はもっとも信頼できる部隊ではなかった――リャオ家が技術アップグレードで懐柔しようとしているかもしれないと、信じている者たちもいる。

第3軍団 III CORPS
 シャープレン護民官、そして支援者たちと、長年の結びつきを持っている第3軍団は、最近、忠誠度評価が「狂信的」に変わった。シャープレン護民官は、バノックバーン・バンディッツ傭兵隊を個人的な領土であるマクロード・ランドに置き、その一方で正規連隊をヒアデス星団とダヴィオン家の盾としている。この配置で、ヒアデス星団とリャオ家をつなぐ「ボトルネック」を開けたままにすることにもなっている。新たな1個傭兵連隊オルソン特戦隊が、リャオ家の下で何年も活躍し、強い推薦を受けたことから、雇用された。

第4軍団 IV CORPS
 タウラス軽装隊がカペラの紛争で打撃を受け、猟兵隊がブレンダ・カルデロンに呼び戻される状況において、シャープレン護民官は第4軍団をリャオ家への軍事的補助に指定した。第4軍団の両連隊は大連邦国内で広範囲な活動を行い、技術アップグレードを楽しみ、タウラス防衛軍にフィードバックすべき重要な経験を獲得した。

第5軍団 V CORPS
 傭兵のみで構成された軍団を増強すべく、新たに創設された第3タウラス槍機兵隊が、この第5軍団に加わった。第3槍機兵隊と、傭兵ヴァンディレイ・ヴァルキリーズのあいだには、熾烈なライバル関係がある。これは潜在的な問題である……第5軍団が遠方の国境(ダヴィオンの裏切り行為と海賊行為が起こりうる)に腰を据える際には。幸運なことに、傭兵連隊サマー・ストームがこれを気にとめ続けている。

第6軍団 VI CORPS
 元々は「何でも屋」の特殊作戦軍団として指定された第6軍団は、植民地の前哨地と国境での任務に戦力を分割している。常に護民官に忠誠を誓ってきたことで、どれだけの忠誠心が直接ジェフリィ・カルデロンに向いていたかが過小評価されている。グローバー・シャープレンが護民官となり、ジェフリィの息子を無視しているなかで、第6軍団は課されていた任務を放棄し、連合国のもっとも遠い地域に引っ込んだ。現在、反乱か否かのボーダーライン上におり、移動の命令に応じることを拒絶し、連合国の利益にかなう行動であると主張している。

傭兵隊 Mercenaries
 2個戦列連隊が失われたのに伴い、タウラス防衛軍はリストを増強するため、傭兵部隊に強く依存するようになった。連合国では、傭兵の長期契約が、代用品として受け入れられてきた。各連隊は伝統的に軍団に編入される。例外はタウラス近衛隊である(上記の通り)。残念ながら、さらなる部隊を雇ったら、すぐにも費用の限界が来るかもしれない。




植民地保安官 Colonial Marshals

 独立の企てが失敗したにもかかわらず、新植民地区(NCR)は自由国家としての承認を煽動し続けている。アナリストの多くがこれを無謀な意見であるとした……NCRは外部の支援に頼っているからである。だが、カノープス人が支援を行う(少なくとも独立初期は)とほのめかしている中で、この発案は実現性を高めている。植民地保安官の大多数がカノープスで生まれ、訓練を受けていることから、彼らの最終的な展望は必ずや統一政体的な意見を反映したものになろう。

 この動きに対する形ばかりの抗議として、連合国は植民地保安官へのこれ以上の軍事的支援をうち切っている。デトロイトのメック工場(リャオ家と統一政体の優遇)が存在する状況において、この抗議がどれほどのものに感じられているかは不確かである。経済援助は、新植民地区が公式に連合国との関係を終わらせるまで、続けられることだろう。





組織に関するドクトリン Organizational Doctrine

 タウラス防衛軍は本当の諸兵科連合アプローチには従っていない。その理由は、バトルメック、気圏航空隊が、薄く分布し、しばしば交替する性質を持つからだ。支援部隊は常に独自に行動できるよう準備せねばならない。援軍の見込みはほとんどないのである。歩兵、装甲軍団のみが互いに協調行動し、そういうときにTDFは大きな優位を持つ。バトルメック隊、航空隊の部隊間協調は、ほとんど個々のメック戦士、パイロット頼みだ。


戦士 Warriors

 タウラス防衛軍の最も大きな宝は、おそらく平均的兵士が軍に抱いている誇りである。狂信的な防衛者として知られ、彼らの歴史を知る他国の軍隊は、連合国の世界を奪取するという考えに身震いする。攻勢戦略において残虐行為が許されない一方で、再統合戦争において、タウラス人は故郷を守るのに、リベラルな定義を採用したことが知られている。幾度かタウラス人への降伏の申し入れがなされた際、常に認めなかったのである。「ヘッドハンティング」戦術は一般的なもので、航宙艦が輸送中の部隊を吐き出す前に破壊できるなら、それが理想的である。防衛軍に自分たちと同じルールを要求する侵攻側は常に重要なことを忘れている……タウラスはアレス条約に批准しなかったのだ。

 このような通常の軍隊が見せる品行の欠如と、TDFが見せてきた狂信的に近い伝統的な抵抗の背後にある理由は、連合国の軍事史を広く覆っている。言い訳はなされていない――汚い行為を除外していないのだ。この理由から、全TDF兵士は防衛軍の遺産に関する幅広い教育を受けることにもなる。


連合国保安警察隊 Concordat Constabulary
 国内の保安目的に使われる準軍事部隊である保安警察隊は、現地の警察より一段階上にあるが、完全なプロの軍事集団ではない。これらトラブルシューターたちは、いくらかの戦場訓練を受けており、戦時中に動員可能である。通常、保安警察隊はゲリラ戦の訓練を受け、侵攻を受けた際には不正規軍を組織し、惑星での抵抗活動を行う。彼らの成功は、再統合戦争時から大量に記録されており、そして平均的な市民を厄介者に変える彼らの能力は、部隊の人数を数えるのをほとんど不可能にしている。



バトルメック隊 BattleMech Assets
 どういう意味だ、歩兵は役割を果たしていない? 1億コムスタービルの金属スーツを着ずにいるのはいったい誰なんだ?
――マイケル・ロック准将、第1タウラス槍機兵隊、3059年5月14日、演習中に

 タウラス防衛軍は現在、20個バトルメック連隊をリストしている。これら部隊は、一般的な組織構成の、メック4機で1個小隊、3個小隊で1個中隊、に従っている。この基準から外れるのは、4個中隊が1個大隊になるところだ。独立指揮部隊は、連隊、軍団レベルを除き、原則として使われない。連隊指揮官は通常、護衛、戦闘任務用の1個指揮小隊を展開する。軍団元帥はよくメックと装甲車両の混成1個中隊を展開し、装甲車両を偵察にのみ用いる。

 TDFは通常、中量級バトルメックに依存していると同時に、軽量級、重量級もそれなりに一般的である。強襲級マシンは珍しく、名目上の価値よりも遙かに高く評価される。防衛軍は可能なら常に頑丈なデザインを好むが、この古い考えは、新技術でアップグレードがなされるに従って、ほとんど省みられなくなった。戦闘中、メック戦士たちは、支援部隊がもっとも大きい優位を与えるような位置に動く。そこは力の弱い友軍の面倒を見られる位置でもある。彼らの広範囲にわたる訓練は成果を上げ、多くの場合、限られた諸兵科連合部隊の利点を与える。



航空宇宙隊 Aerospace Assets
 連合国軍に弱点があるとしたら、それは航空宇宙軍である。腕のいいパイロットを見つけるのは難しく、すべての技能を訓練するのは依然として困難である。伝統的に防衛軍は、外世界同盟など外部のアドバイザーと契約して、有能な教官を連れてくる。この方法はパイロットの腕を上げるのに役立ち、費用がかかり、数を揃えられないこととなった。

 TDF気圏戦闘機の平均重量は数世紀かけて少しずつ増加していった。その後、軽量級戦闘機は事実上消え失せ、重量級の機体が標準となった。パイロットを守るのに都合がよかったからである。内部の戦士より、戦闘機を交換する方が容易なのだ。このとき攻撃面のアップグレードに対する配慮はほとんどなかった……もっとも、防御用の優れたオプションがただちに導入されたようである。気圏戦闘機の組織は、2機が1個航空小隊、2個航空小隊が1個航空中隊、2個航空中隊が1個航空大隊となり、2〜3個航空大隊が1個航空師団(最大の単位)となる。諸兵科連合において、パイロットは周囲を気にかけず済む。地上戦闘支援を要求されることが稀だからだ。それから、どこを撃つのが最も効果的かに専念できる。



戦艦、在来型艦隊支援 WarShip and Conventional Fleet Support
 防衛軍の在来型艦隊は、現実的に連合国の第一防衛線であると考えられている。標準の戦略ドクトリンにおいて艦隊に要求されているのは、できるだけ遠方で敵と交戦し、もし必要なら、侵攻を遅らせ、ヒアデス星団から攻撃軍を遠ざけるために自身を犠牲にすることである。敵の航宙艦が侵攻軍の一部であるときは、攻撃目標と考えられる。

 連合国の歴史が残した最大の軍事的財産は、ヴィンセント級コルベット、TCWヴァンデンバーグである。ヒアデス星団への最後の強襲に参加できなかったヴァンデンバーグは、以来、星雲の中に隠されてきた。かろうじて動く状態で、戦う力はない。最近のリャオ家との同盟によって、この古代艦の修繕が可能となった。だが、すでに行われている分のわずかな修理と改装の高い費用が、深刻に予算を圧迫している。リャオのエンジニアは現役復帰に楽観的である。被爆した装甲が交換され、ドライブがオーバーホールされ、兵器がアップグレードされ、全艦が配線し直された。海軍内の大多数が、この艦をすでに「TCWアルバトロス」と呼んでいる。



装甲隊 Armor Assets
 連合国の全世界(植民世界含む)には、少なくとも1個装甲大隊が配備される。重要な世界は1個以上の装甲連隊を持っているだろう。生産・維持コストが安いことから、装甲軍団はバトルメックよりかなり前に技術アップグレードを見た。実際、連合国で生産された特定の車両は、中心領域の傭兵や、一部の王家部隊から高い需要がある。TDFは軽量級から重量級の装甲車両を使用し、ホバークラフト車をひいきにしている。70トン以上の戦車は非常に珍しく、人口の多い世界の守備隊で見つけられる。

 装甲隊の組織編成は、2両の戦車が1個分隊(maniple)に、3個分隊が1個小隊(lance)に、3個小隊が1個中隊に、3個小隊が1個大隊になる。生存性を上げるために、連隊指揮官は独立した指揮部隊を使用しない。その代わりに、指揮官たちは陣形の中に潜み、どこから見ても正規戦列部隊であるかのように振る舞う。

 歩兵と肩を並べて戦う際、戦車兵は戦闘の固定地点となることを楽しむ。だがバトルメックが戦場にいる場合はこれが根底から覆る。搭乗員たちはメックを守るためなら、乗っている車両を犠牲にするのが予想されるからだ。



歩兵隊 Infantry Assets
 連合国軍部は、歩兵たちが再統合戦争で英雄的な自己犠牲を遂げたのを忘れておらず、兵士たちがそれを忘れるのを許さない。必要なら最後の一兵まで戦うという熱狂的な防衛の評判は、彼らをそのように恐れられる戦闘集団にしたのだ。今日でもそれが通用するかは、試されるところである。

 正規歩兵隊の組織編成は、5人の兵士が班(maniples)に、2個班が1個分隊(squads)に、3個分隊が1個小隊(platoon)に、3個小隊が1個中隊になる。連隊では800名以上の戦闘員数にまで拡大する。歩兵隊が別の世界に移動することはまずないので、しばしば特化した訓練をうける。各大隊は特定の地形か戦術機動での優位を持つ。大隊以上の全部隊で、対メック訓練が行われている。連隊は必ず、対テロ、狙撃、破壊、潜入技術の訓練を受けた1個特殊小隊を保有する。



特殊部隊 Special Forces
 正規兵以外に(通常の特殊部隊以外にも)、TDFは二種類の特別な歩兵を採用している。一種類目は、タウラス特殊小惑星支援隊、SASFである。この5000名からなる志願兵隊は、ゼロG強襲プラットフォームでの訓練を受け、配置についている。ヒアデス星団内の広い小惑星帯に駐留する。この防御殻を通るすべての侵攻軍は、SASFを個人戦闘で排除せねばならない(しばしば格闘戦となる)。さもなくば、戦艦を傷つける猛烈な一撃離脱攻撃を食うだろう。

 特殊部隊の二種類目は、辺境では新しいが、中心領域ではそうでないものだ。氏族によってもたらされ、バトルメックに対しても有効と実証された、パワーアーマー兵である。連合国が自前のバトルスーツを開発・生産するのはまだ先となるので、カペラ大連邦国の気前よさに頼り、余剰となった旧型のスーツを購入している。兵士4名のバトルスーツ分隊は、上級の連隊内では珍しい存在ではないが、バトルスーツ兵16名の1個小隊が見られるのは、現在バトルメック隊と戦闘区域で共同行動している歩兵連隊のみだと予期できる。






TDF階級構成 TDF Rank Structure

 以下の項目で、二つ目の称号は、航空隊の同階級を表している。二つ目がないなら、階級組織は同じである。元帥の階級は例外で、提督は軍団の元帥に直接従う。


下士官兵階級 Enlisted Ranks

初等兵 Recruit
 法的には、連合国の男女は18歳でTDFに入隊し、2年間仕えねばならない。これら初等兵は基礎訓練を受け、臨時訓練大隊に配属される。これは強制的な社会奉仕活動とたいして変わらず、戦場でのパトロールより、ゴミ不法投棄のパトロールのほうがありうる。正式に入隊を希望する者は切り離され、正規の戦列部隊に配属される前に、18週間の基礎訓練を与えられる。

伍長 Corporal
 伍長は1個班の歩兵5名を率いるか、戦車指揮官となる。この階級は、下位の専門技術兵にも使う(テック、衛生兵、その他)。

分隊長 Section Leader
 この階級は、歩兵分隊指揮官、戦車分隊長、技術下士官に与えられる。

軍曹 Force Sergeant
 軍曹は歩兵小隊、装甲小隊を指揮する。この階級は下級の航空パイロットにも与えられ、支援部門の下級管理者を意味する。

小隊軍曹 Lance Sergeant
 小隊軍曹は、軍曹と同じ指揮任務を受け持つだけでなく、中隊指揮官の補佐役も務める。この階級は、航空小隊リーダーをも意味する。支援部門では、実務をこなす地位の者たちに与えている。訓練中のメック戦士は、小隊軍曹の名誉階級を授けられる。

大隊曹長/航空曹長 Battalion Chief-Sergeant/Air Chief
 大隊曹長はいかなるタウラス部隊(地上、艦船、支援部門)においても最先任下士官である。その任務は軍曹と同等だが、管理分野に強い責任を負うい。航空宇宙戦において、航空長は1個航空中隊か2個航空小隊を指揮する。メック戦士は養成校卒業に伴い、大隊曹長に昇進する。


士官階級 Officer Ranks

少尉/海軍少尉 Cornet/Ensign
 通常、歩兵部隊、戦車部隊内で中隊指揮官を務めるこの階級は、訓練を受けたメック戦士にも自動的に与えられる。支援部門、艦船では、首脳部の補佐を行う。海軍の航空宇宙軍では2個中隊以上の航空大隊指揮官となる。

准大尉/下級航空長 Subaltern/Air Master, Junior Grade
 准大尉は、在来型地上軍の大隊指揮官、バトルメック中隊指揮官、支援部門内の部長を務める。下級航空長は艦内各部門の長となり、戦闘中は航空師団指揮官の補佐を務める。

少佐/上級航空長 Brigadier/Air Master, Senior Grade
 少佐の階級は、在来型地上軍の連隊副司令官、支援部門の副司令官、メック部隊の大隊指揮官を表す。ほとんどのメック連隊は大隊サイズに分割されることから、メック戦士部門の主力士官であると考えられる。海軍で、上級航空長は船の副艦長、師団の指揮官を務めるかもしれない。

大佐/宇宙長 Colonel/Space Master
 大佐はバトルメック隊、在来軍の連隊指揮官である。宇宙長は、船の艦長(全航空宇宙士官に対する権威を持つ)を表す。

統制官/提督 Comptroller/Commodore
 大多数は歩兵、装甲隊の階級である統制官は、たいてい大規模で、複数の世界に跨る軍事管区の責任を負う。バトルメック隊では、支援部隊付きの1個連隊を率いるか、軍団元帥の事務補佐を務めるかもしれない。提督は海軍艦の半戦隊(目的に添って構成される)を受け持つ。提督は担当の元帥に直接報告を行う。

元帥 Marshal
 各師団は7名存在する元帥の一人に指揮される。タウラス近衛隊は上級元帥(伝統的には護民官が兼任するが今は違う)に指揮される。上級元帥は装甲軍の総指揮官でもある。






タウラス軍事養成校 The Taurian Military Academy

 連合国は、駐屯兵と支援部隊の訓練用に、主要な世界のすべてに軍事養成校を備えている。より高度な訓練のために、TDFは専門三校に資源を集中している。エコール軍学校、海軍大学、連合国航空宇宙学校である。新設のカノープス軍事学校のように完全に専門化されていないのと同時に、タウラスの養成校は、辺境の兵士が受ける平均以上の訓練を提供している。統一政体、カペラとの交換留学プログラムが進むに従い、タウラスの士官はより優れた訓練のチャンスを与えられることだろう。


入学 Enrollment
 各三校はそれぞれ500人以上の人員を受け入れ可能である。まず求められるのは、少なくとも平均的な肉体的健康と精神的機能である。養成校は、運営資金を捻出する手段として、外国の生徒の出願を受け付ける。連合国の出願者は入学にやや有利であるが、生徒の少なくとも10パーセントは外国人となる。航空宇宙学校では、40パーセント近くが外国人である。優れたパイロット候補生を捜し出せないからだ。

 タウラス人は授業料を払わなくともよい。だが、養成校への健全な「寄付」は、出願者に点数を加える。この公的な賄賂は、養成校の高い水準を保つのに必要である。不正な関係者のポケットに金が入るよりも、学校の予算になるほうが良いと考えられている。


カリキュラム Curriculum
 軍事養成校は、すべての専門分野をカバーする、練り上げられた軍事訓練プログラムを所持している。中心領域の学校のように、新兵はまず基礎訓練から始める。だが、この段階に他の養成校よりも重点が置かれている。新兵に軍事史を教え、そして若干の教科選択を許すのである。

 基礎訓練終了後、生徒は軍事職務分野からひとつを選ばねばならない。十中八九、この選択は入学段階で行われ、素質、適正によって決められる。といっても、条件を満たすなら変更可能である。選ばれた生徒は、特別訓練か、士官候補生学校(OCS)の申し出を受けるかもしれない。メック戦士は自動的に士官の地位を保証される。前途有望なメック戦士は、いずれにしても指揮能力を高めるべく、OCSの申し出があるかもしれない。他のすべての専攻は、そのような名誉を得るために選ばねばならない。

 教官たちは可能ならばタウラス人である。といっても、航空宇宙学校には外世界同盟から来た大勢の教官がいる。


校風 Atmosphere
 軍事訓練でかけれらるプレッシャーは平均的なものと考えられていたが、リャオの養成校に入って戻ってきた数名の生徒たちは、タウラスの学校はストレスが著しく少ないと報告している。カペラの学校は、各個人に高いレベルの努力を求めているが、このやり方で多くの将来ある兵士が燃えつきているように見える。


卒業 Graduation
 訓練後、軍に入隊した兵士のほとんどは、"初等兵"の階級であり続ける。航空宇宙パイロットは直接伍長となり、メック戦士は少尉となる。連合国内で訓練したリャオ、統一政体兵の一部は、タウラス防衛軍内での地位を提供される。これは、同盟関係を促進させ、TDFに新たな技能と、違う物の見方を投入するために行われる。たまに統一政体兵士はこれを受けるが、今のところ大連邦国からの入隊はない。


特記事項 Special Notes
 タウラスの養成校に入学する資格を持つ者は、タウラス人を受け付けているカペラ校への転校を求められるかしれない。選抜生のほとんどは基礎訓練後に選ばれるが、ともかくカペラの基礎訓練をくり返す。連合国から数年離れることを意味するが、このような外部での経験は、TDF内での昇進の時期が来た際に財産であると考えられる。







人物 Personalities


グローバー・シャープレン Grover Shraplen

 マクロード・ランドの長きに渡る統治者であり、ジェフリィ・カルデロンを正面から批判してきたシャープレン卿は、カルデロンの死に際して、護民官を引き受けた。この地位を求めてはいなかったのだが、ジェフリィの政策に反対する活動を活発に行ってきた。彼がジェフリィの息子エリックの摂政にならなかったことも、シャープレン護民官の野心に関する憶測を読んでいる。

 雄弁な演説家のシャープレン護民官は、貴族と市民の大部分によく知られ、尊敬されている。個人の自由に対する彼の主張は、ダヴィオン家への深い憎悪でもっても知られている。グローバー・シャープレンのパラノイア(トーマス・カルデロンを軍事的過剰に走らせたものと同類)は、市民――最初はマクロード・ランドの、現在は連合国中の市民のライフスタイルと自由を守りたいという想いに根ざしているように見える。




ブレンダ・カルデロン Brenda Calderon

 ジェフリィ・カルデロンの遠縁にあたるブレンダの家系は、護民官に値する血筋ではないと考えられている。もし彼女が名をなしたとしたら、その成果と出世がえこひいきから来ていると考えるのは不適当かもしれない。実際に、そうではなかったのである。ブレンダ・カルデロンは名字がもたらす偏見を克服し、最年少で軍団元帥の地位を得た。

 ジェフリィの求めに応じ、ブレンダ・カルデロンは引退するときが来るまで上級元帥としての地位にとどまった。グローバー・シャープレン護民官と意見を異にするのを知り、伝統主義者たちが彼女を代理として擁立することを恐れたブレンダ・カルデロンは辞職し、実力で手に入れたニューヴァンデンバーグの地所に落ち着いた。彼女が第I軍団に囲まれていることは、シャープレン護民官にいくらかの懸念を持たせている。




ジャニス・カルデロン Janice Calderon

 かつては連合国の跡取りであったジャニス・カルデロンは、ブリスベイン・ウィルス(進行性の神経性疾患)に感染した。このとき18歳であった。車いす生活を余儀なくされているにもかかわらず、病気と戦い続け、同時に兄ジェフリィの上級アドバイザーとしての役割を果たした。3055年、約束されていた試験的な条約を取り扱うべく、彼女はカノープス統一政体に旅立った。この行為はいくらかの助けになったが、休みなく再治療が必要だったために、彼女はカノープスに残ることを余儀なくされた。

 後に、恒星連邦のNAIS大学がブリスベイン・ウィルスの治療法と、それだけでなく弱った神経を回復させる方法を発見したとの噂が広まった。これはジャニス(現在44歳)が力をいくらか回復し、護民官の地位を取り戻すことを可能にするかもしれない。残念ながら、カノープスとダヴィオン家の関係は、カペラ大連邦国との同盟により、緊張状態にある。これまでのところ、シャープレン護民官は、恒星連邦大使の再入国を拒否している。




チャム・キスロング元帥(男爵) Marshal (Baron) Cham Kithrong

 連合国の重要人物であるチャム・キスロング男爵は、タウラス宙域の大部分を監督し、7名の元帥の一人として仕えている。ジェフリィ・カルデロンの熱烈な支持者であった彼は、護民官となったグローバー・シャープレンの行動に、公然と異を唱えた最初の人間である。

 キスロング元帥は、エリック・マルテンス(カルデロン)の摂政となり、出生の公式調査をいったん停止した。正規の手続きを待っているにもかかわらず、チャム・キスロングは個人的な信念を明らかとした。「私はジェフリィとタリア・マルテンスの関係を知っていました。同じく、ジェフリィが最終的にエリックを受け入れ、少年が成長したら後継者として認める計画があったことを知っているのです。これが決議されるまで、エリック・マルテンスは第VI軍団が面倒を見ます」







3067年アップデート


ブレンダ

 ニューヴァンデンバーグでの隠退生活を楽しんでいることでしょう、と言いたいところですが、良き男女の大勢が恒星連邦の牙に捉えられ、あなたから軍の即応態勢と士気を懸念する質問が届く状況で、それは不可能です。添付したのは、最新の即応態勢アップデートです。参考にしてください。正式な手続きなど知ったことではありません。我らにとって、あなたはいまだ「関係者」です。我々全員にとって試練の時です。あなたが恋しいのです。

リー・スミス、大佐、タウラス近衛隊
[傍受 J-11/21Jun67/route0103]




ほろにがき年(3064年-3065年) THE BITTERSWEET YEARS (3064-3065)

 タウラス連合国は、リャオ家の新生紛争とその後のカオス境界域侵攻を支援し、高い代価を支払って、大な報酬を得た。3064年の星間連盟評議会で、連合国は星間連盟仮所属国家となったのである。連合国が再統合戦争で元の星間連盟と激しく戦ったことを考えると、ちょっとした皮肉であろう。だが、時代は変わり、確実にシャープレン護民官の意志の下で行われたのである。

 しかしながら、翌年、面目を失ったカノープス統一政体が兵士と支援の大半を大連合国から引き上げさせ、代価が増大したのである。それはカオス境界域の戦闘で得られた相応の分け前より大きく、軍部を恐ろしいまでに緊張させ、連合国民に新たな税金を強い、新兵募集が強化され、軍需産業にさらなるリソースを注ぎ込む結果となったのである。




古きものと新しきもの Something Old, Something New

 長期化する戦闘はまた、アップグレードにいそしむ連合国軍の穴をあらわにし始めた。リャオ製メックを貰い受け、デトロイトの生産ラインでハイテクのアヌビスが生産されたのだが、それはあまりに多すぎ、早すぎた。統一政体の数年遅れで技術のアップグレードに取り組んだ、連合国兵站部門と現地の技術者たちは、マシンを完動状態に保つのは重い負担になると気付いた。一時的な救援がやってきたのは、3065年、リャオ首相が旧型機をアップグレードする新プランの共有を持ちかけてきたときだった。再設計されたデザインで連合国は息を付くことができた。かろうじて。

 彼らは流入に対し、すぐさま軍の準備を行った。




三部分の悲劇(3066年-3067年) A TRAGEDY IN THREE PARTS (3066-3067)

 3066年は連合国にとって忘れられない年になるだろう。まず第一に、新植民地区の分離があった。戦争で疲弊していたカノープス統一政体の支援の下、フロンツリーチが誕生したのである。だが、エマ・セントレラ総統は、デトロイトとメック工場の支配権を完全に集中に収める戦力があることに気がついた。連合国は双方の件に関してほとんど何も言わなかった。内部の問題と外部の脅威が、ニュースの見出しを飾り、大衆の関心を呼んでいたからである。

 チャム・キスロング男爵を従わせようという、シャープレン護民官の試みが失敗した後、短い交戦がミルファクとベル・アイルで起きた。キスロング男爵は最終的に、強情な第6軍団を引き上げさせ、連合国から荒々しく離脱した。キスロングはカルデロン保護領と名付けたものを作り、エリック・マルテンス=カルデロンをタウラスの王位につけるか、それともその途上で死ぬかを誓った。

 この行動で連合国内にさらなるさざ波が立った。2つの世界が国家の支配から抜け出て、その一方で2つの植民世界が放棄された。連合国もカルデロン保護領も、これらの世界を支えることができないと明らかになったのである。

 国境付近でこのドラマが演じられていたそのとき、新たな脅威が現れた。ダヴィオンの降下船2隻が猛スピードでタウラスに迫っていたのだ。どうしたことか、ファイティング・ウルクハイ(傭兵)の飛行隊が、ガイド船なしで、星雲とヒアデス星団を通り抜けていった。連合国との契約のために交渉チームを運んでいたのだとウルクハイは後に主張した。といっても傭兵の交渉担当者がオーバーロード級でやってくることは稀である。船は破壊され、忍び寄りつつある我々の内戦の予兆は忘れ去られたのである。




プレイアデス十字軍 The Pleiades Crusade

 8月、連邦=共和国内戦が最終段階に突入したそのとき、ディマエストリ・スラッガーズ(ファイティング・ウルクハイ、第2連隊)がタウラスを強襲し、タウラス近衛隊に倒される前に、地元の軍需工場に凄まじい損害をもたらした。捕らえられたごく少数の兵士が以下のことを明らかとした。ジョージ・ハセク=ダヴィオン公爵は、元タウラス航法士の海賊から星雲を通り抜ける秘密のルートを購入し、ルートはカペラ境界域の軍部隊の中で一般的な情報となっていたのである。この生存者たちは裁判にかけられ、投獄された。そして連合国は逆襲を行ったのである。

 ハイアライト、次にロタールが、ミディルとブロックウェイのように、たいして戦わず陥落した。両者ともに、シュタイナー=ダヴィオンの戦いで弱体化していたのである。報復襲撃を意図していたこれらの成功で、ブロムヘッドとリンゼイへの第二の攻撃が促された。プレイアデス軽機兵隊は二週間以内にリンゼイでの抵抗を潰した。次に、軽機兵隊とプレイアデス槍機兵隊は、プレイアデス内にあるかつての本拠地に襲いかかった。

 境界域君主ジョージ・ハセク(すでに連合国の攻撃に応じて軍を動かしていた)は、傭兵連隊群でプレイアデス星団を叩いた。傭兵隊がタウラス人を追い返したら、それで終わりだったかもしれない。だが、長きに渡って放棄していた世界のためにプレイアデス隊は固執した。ダヴィオン卿は、二度目のさらに強力な派兵をせざるを得なくなった。慈悲が求められることも、与えられることもなかった。3067年3月までに、恒星連邦はすべての世界を取り戻し、平和をもたらした。例外は星団の世界である。連合国が残った惑星に不安定な足場を築いている。

 だがプレイアデス星団強襲で世論が揺れると、タウラス軍もそうなった。四大工業地帯の生産は、強襲で破壊された部隊の補充へと向いた。だが、この苦労は連合国軍を新たな緊張状態に置き、崩壊の危機を生み出したのである。実際に、再設計型バトルメックプログラムなしでは、軍の未来は閉ざされていたことだろう。シャープレンは星団内の足場を維持すると決心しており、抵抗活動は星間連盟評議会までしか続かないだろうと信じている。この場で、タウラス人の不満を表明することができ、またリャオ家の支持の下、護民官はプレイアデス星団がタウラスの支配に戻るのが適切であると要求するだろう。




タウラス装甲軍 TAURIAN ARMED FORCES

 以下はタウラス連合国装甲隊の概要である。

タウラス近衛隊 Taurian Guard
 忠誠度評価を下げられたままなのだが、タウラス近衛隊はファイティング・ウルクハイを殲滅し、次に恒星連邦強襲の先鋒に立った。2個大隊は後にミディルから押し返され、タウラスに戻った。1個大隊はいかなるダヴィオンの反撃をも弱めるべく、星雲の外部に張り付いたままである。最近、ヒアデス軽歩兵隊の生存者が隊列に加わった。彼らは伝説的な部隊を復活させるという最後の望みを共有している。

第1軍団 I Corp
 第1軍団はアルゴスからラコニスまで、国境線沿いに立ちはだかり続けている。シャープレン護民官に対して歯に衣着せぬ批判を行い、引退したブレンダ・カルデロン将軍との強い結びつきがあることから、軍部は第1軍団の忠誠度評価を「疑問」に下げた。傭兵ゴードン装甲機兵隊は第5軍団に異動となり、カルデロン保護国を苦しめるために送り込まれた。
 ここのところヘレスポントは、カルデロン奇襲部隊と称する新興海賊団の被害に遭っている。第1軍団が非常に薄く分散し、援軍が無く、また戦争態勢を維持するために資源豊富なヘレスポントに負担がかかっている状況において、この世界は最近、連合国との全ての接触を断った。第1軍団は何らかの形で関係を復活させようとしているが、これまでのところヘレスポントは無視している。

第2軍団 II Corp
 ヒアデス軽歩兵隊がプレイアデス星団から追い払われ、ブロックウェイでほぼ壊滅する中、第2軍団は一時的に解散し、その旗を降ろした。軽歩兵隊の残存兵はタウラス近衛隊に吸収されている。ロングウッド蒼衣隊は第4軍団に移った。

第3軍団 III Corp
 シャープレン護民官は、第3軍団の狂信的な忠誠心をつなぎ止めている。自由裁量権の範囲で、彼らが求めらるものをすべて与えているのだ。プレイアデス軽機兵隊はプレイアデス星団内で活動し続けており、星間連盟評議会の開催までそこで耐え抜くのを望んでいる。再補給と人員補充を行い、部隊の適切な戦力を保つタウラス人の継続的な努力があっても、50パーセントを上回る程度の稼働率が続いている。
 第1タウラス槍機兵隊と、新たに任命された第1マクロード連隊は、タウラス近衛隊と交替でヒアデス星団の護衛を行い、軍事的経験なしでも名声がもたらされている。その一方で、バノックバーン・バンディッツ傭兵隊は辺境のパトロールを行っている。

第4軍団 IV Corp
 リャオ家の長期攻勢戦役で打ちのめされ、傷を負い、ほぼ壊滅した第4軍団は、ヴィクトリアでどうにかして簡単な修理を行い、恒星連邦宙域への二次攻撃を支援すべく、連合国へと戻っていった。第2タウラス槍騎兵隊はブロムヘッドに降下し、そしてプレイアデス槍機兵隊はリンゼイに滑り込み、軽機兵隊が渇望していた「帰還」にちょうど間に合った。
 プレイアデス槍機兵隊は崩壊し、生存者が第3軍団の軽機兵隊に加わった。第2タウラス槍騎兵隊は辺境警備に戻り、異動してきたロングウッド蒼衣隊と任務を分担している。

第5軍団 V Corp
 ハイアライト陥落後、第3タウラス槍騎兵隊は重要な数個世界を守るべく奮闘している。傭兵部隊のヴァンディレイ・ヴァルキリーズとサマーストームが、アンチスピンワードの国境を防護し、カルデロン保護国と、パイレーツヘブンの盗賊たちを監視することとなった。ゴードン装甲機兵隊(連合国で最高のトラブルシューティング部隊のひとつであると長らく考えられてきた)は、保護国を偵察し、弱点を晒すのを待ち構えている。






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