indexに戻る
作成:2008/05/18
更新:2010/09/12

テクニカルリードアウト:3075



 TRO:3075は聖戦期をテーマにしたテクニカルリードアウトです。掲載されているユニットは、ワード・オブ・ブレイク製オムニメック、ダークエイジで登場した各種機体、パワーアーマー、プロトメック、ポケット戦艦など多数。さらに〈戦い〉の時代(星間連盟創設前)に使われていた歴史的なユニットが本書の後半を占めています。
 そのうちの一部を、テクニカルリードアウト:3075プレビューより。

















ワード・オブ・ブレイク バトルアーマー


セイリム中量級バトルアーマー Se'irim Medium Battle Armor

 デーモン級バトルスーツは3070年に登場した。明らかにワードの新型セレスティアルシリーズと組み合わせるのが意図されている、このスーツ6機のシリーズ(マネイ・ドミニ、工学司教ヴァプラの新機軸)は、セレスティアルシリーズと同じように、統一された外観を持っている。セレスティアルと違って、デーモンスーツは完全なモジュラー型ではないのだが、多くが取り外し式の兵器マウントを装備し、現在、様々な仕様が配備されている。たとえば、ジンとアスラの場合、通常型の仕様とステルス能力のある対歩兵仕様を同時に戦場に投入し、相手を迷わせ続ける。これは様々な能力を発揮し、特にセレスティアルの柔軟性、マネイ・ドミニのエリート(デーモンの主な使用者。ただしマネイ・ドミニ専用機ではない)が好むサイバネティクスインプラントと組み合わされた時には、効果的である。

 デーモンシリーズの中量級2機の2機目(もう1機はアスラ)であるセイリムは、古代ヘブライの伝承にあるサテュロスのような存在にちなんで命名された。だが、アスラが主として前衛戦闘機として作られている一方、セイリムはステルス性に主眼をおいている……ジャンプジェットを使わず地上での踏破性を高め、センサー無効化アーマーを装備して遠距離からの攻撃を妨げる。従って、セイリムは伏兵戦術を好む傾向にある。獲物が確実に先制攻撃出来る位置に来るまで地形に息を潜めて隠れ、それから衝撃的な集団攻撃(swarm attack)を行うのである。通常型セイリム分隊はこの先制攻撃を30本のSRMと軽反動兵器六重奏の榴弾によって行うかもしれない。この一斉射撃は、通常歩兵の大半を一掃し、バトルアーマーに打撃を与え、軽メックを完全に倒すのに充分な力さえ持っている。獲物たちが呆然とすると、セイリム兵たちは接近戦の距離までに近づき、ビブロクローで生存者たちを切り刻む。ビブロクローは敵の車両にとどめの一撃を見舞うことも可能だ。

 だがこの通常仕様と同じくらい効果的なセイリムの対歩兵型は、大量虐殺の最適なプラットフォームとなるべく作られたと見なされている。この派生型はミサイルラックを外して、肩に2門のマシンガンを載せている。無反動ライフルは通常型火炎放射器と追加燃料タンクに交換される。たった一体で通常歩兵小隊を数秒で殲滅できるほど危険なこのモデルは、右腕の下に取り付けられた対人兵器用マウントがほとんど過剰に見えるほどだ。

 だが、3073年の半ばに、ワードの新開発、着脱式兵器パック(DWP)システムを使った、さらに非道なセイリムが登場した。マネイ・ドミニの「捕獲チーム」によってのみ使われているこの派生型は、ビブロ強化型クローひとつのかわりに、2本のバトルクローと、対歩兵用にライトマシンガンを両腕に持っている。だが、本当の目玉は、敵の車両やメックを無効化、混乱させるのに使うDWP搭載のメック・テーザーである。これら兵士による攻撃が成功すると、マネイ・ドミニはいくらか価値のある回収品(サルベージ)を得るだけでなく、捕虜も得るのである。マスターの手に捕らえられた捕虜たちの運命がどうなるかは想像するしかない。

 ワードのセレスティアルとデーモンシリーズは、ブレイク戦列部隊の現在の装備を段階的に更新する目的で作られたと当初は推測されていたが、デーモンシリーズ・バトルアーマーが多数配備されているのは超エリートのマネイ・ドミニのみで、セイリムもその例外ではない。これは、デーモンがマネイ・ドミニ兵用に開発されたものだからなのか(サイバネティクスに接続するのかもしれない)、ドミニとキャメロン・サン=ジャメ指揮する正規部隊のあいだに亀裂が走っているのを示すさらなる証拠なのか、まだわかっていない。


著名な兵士

ゾンビ(准)司教・タウ・コナ・ジェンキンズ: 第45シャドウ師団の一下級士官なのだが、ジェンキンズは「聖歌隊」と呼ぶ編成の提唱者として、ドミニ内で悪評を得ている。氏族の新星隊に似ている聖歌隊は、2個のレベルII――バトルアーマー1個とメック1個――を編成してひとつの部隊としている。3072年、ワードのベンジャミン征服の際、ジェンキンズは聖歌隊(Choir)を上手く使った。バトルアーマーを前進するDCMSの隊列に対して素早く展開し、それからメックをちょうどいい位置に移動させて、両者の中間を敵部隊のキリングゾーンとした。この戦術を使って、ジェンキンズはドラコのバトルメック、車両1個中隊分以上を破壊し、数ダースの戦士を捕らえたのである。
 その努力を評して、ジェンキンズはレベルIII指揮官に昇進し、マネイ・ドミニ内の出世コースにいたように見えた。ノヴァキャット氏族が突如としてベンジャミンに襲いかかったのは、3072年のこの時である。聖歌隊編成の提唱者が、本物の氏族隊にその戦術を使うことはなかった……ノヴァキャット軍が強襲の最初期に戦闘司令所への直接戦闘降下を仕掛けたのである。

デーモンハウンズ: 第43師団に所属するバトルアーマー特殊レベルIIのデーモンハウンズは、第43が3072年にアークロイヤルへの攻撃を行った(失敗した)際には、少なくとも1個レベルIのセイリムを持っていた。この攻撃で壊滅したのだが、ハウンズはなんとアークロイヤルの地下に潜り、次の二年間、偵察を行い、惑星の防衛を内から弱めるべく破壊活動を行った。その最も大胆な攻撃において、デーモンハウンズはオールドコンノート郊外のケルハウンド弾薬倉庫を破壊し、ニューハノーバーのアークロイヤルメックワークスの工場に相当な損害を与えたのだった。



タイプ: セイリム(デーモン)
製造元: ギブソン・フェデレーテッド・バトルメックス
    主工場: ギブソン
技術ベース: 中心領域
シャーシタイプ: 人型
重量等級: 中量級
最大重量: 1000 kg
バトルバリュー:
   49 (通常型)
   40 (対歩兵型)
   49 (捕獲チーム型)
集団攻撃 /脚部攻撃/機械化/AP: 可/可/可/不可
付記: 対歩兵型セイリムは5kgまでのひとつのAP兵器を載せてもいい。
   捕獲チーム型セイリムはメックテーザーを運んでいる間、歩行MPが1になる。

装備                         装備欄数    重量
シャーシ:                                   175 kg
移動システム(全型):
    地上 MP:        3                        80 kg
    ジャンプ MP:    0                         0 kg
マニピュレーター(通常型/対歩兵型):
    左腕:      バトルビブロクロー         50 kg
    右腕:       なし                0 kg
マニピュレーター(捕獲チーム):
    左腕:      バトルクロー            15 kg
    右腕:       バトルクロー            15 kg
装甲:           ベーシックステルス    3     450 kg
    装甲値:   6 + 1 (兵士)

                    装備欄数
武器・装備         配置    (能力)   重量
通常型
 軽反動ライフル       右腕           2          175 kg
 着脱式SRM-5(OS)      胴体      3          185 kg
 サーチライト        胴体      1            5 kg

対歩兵型
 火炎放射器         右腕      2      155 kg
 対歩兵兵器         左腕           1            5 kg
 マシンガン           胴体           1          100 kg
 マシンガン           胴体           1          100 kg

捕獲チーム型
 ライトマシンガン       右腕           1           75 kg
 ライトマシンガン       左腕           1           75 kg
 メックテーザー(着脱パック) 胴体      1          225 kg
 サーチライト        胴体      1            5 kg











中心領域車両


コンドルホバー戦車(アップグレード型) Condor Hovertank (Upgraded)
重量: 50 トン
移動: ホバー
パワープラント: コアテック215XL
巡航速度: 97.2 キロメートル/時
最高速度: 151.2 キロメートル/時
装甲板: スタースラブ/9.5 フェロファイバーMkII
武装:
 シュアファイアミニガン 2門
 ヴァリアント・アーバレストLRM15パック 1門
 ミドロン・エクセル5SG LB-X AC 1門
製造元: クイックセル
 主要工場: リッチヴェール
通信システム: ターヘス KR-A P/Comm
照準・追尾システム: ターヘス・マーズ1




概要
 レッドデビル工業のパンドラ工場は、3064年、ジェイドファルコンがこの世界を奪取した時に失われた。だが、氏族による強襲の直前、クイックセルカンパニー(パンドラ在住のもうひとつの製造業者)はレッドデビル製品の権利をいくつか入手し、その中にはコンドル・ホバー戦車があった。クイックセルはすでに移転を初めており、生産ラインのひとつはリッチヴェールに移っていた(費用のいくらかはライラの国税によってまかなわれた)。

 連邦共和国内戦の終結に伴い、クイックセルは積極的に各地の市民軍(戦時中、戦後に装備を取られていた)を狙い、また正規軍は評判の悪いクイックセル製品だろうとあらゆるものを求めていたのである。クイックセル社のエンジニアたちはマーケティング部門の誇大広告にあわせるという困難に直面していた。



性能
 原型のコンドルを前にしたエンジニアたちは、好きな先進技術を選び取るという贅沢があった。これは連邦共和国内戦の前には、最も恵まれたメーカーにのみ許されていたことだった。旧式の165ジョーンズICEを強力な215出力のXLエンジンに交換した新型コンドルは、ハイスピードと機動性を誇っている。レーザーを砲塔のLRM-15に交換したことで、現代の戦場に必要な長距離打撃力を獲得し、LB-Xオートキャノン(各種の弾頭を搭載可能)は有効な対歩兵、車両兵器であることが約束されている。連邦共和国内戦の経験によって、追加のマシンガン1門が加えられた。なぜかというと、かつてより装備も訓練も向上した通常歩兵が継承権戦争の時代よりも驚異になり始めていたからである。

 完成した改良型コンドル(フェロファイバー装甲装備)は数十年前のレッドデビル工業製とはかけ離れたものになっていた。



配備
 積極的な販売攻勢により生まれた需要は、最も楽観的な見積もりよりも大きいものであった。第4スカイア特戦隊や第6ライラ防衛軍を筆頭に、注文量はリッチヴェールの生産ラインの限界を超え始めた。

 二番目の生産ラインの導入を急がせる一方、クイックセルの役員、バートン・リチャーズはアイディアを思いついた。組み立てしていないパーツをキットの状態で販売し(若干のディスカウントあり)、せっかちな顧客たちの増加に応えようと言うのである。このコンセプトは人気を博したが、できあがった戦車の信頼性は、「梱包パック」戦車の組み立てを命じられた技術班の能力に直接比例するという問題があった。困惑した顧客が、一見して完成しているコンドルと、何に使うかわからないパーツの山を見るということが一度とならず発生したのだった。

 第二星間連盟の解散後にワード・オブ・ブレイクが奇襲を仕掛ける中で、コンドルの需要は増大し続けた。ロバート・ケルスワ=シュタイナー公爵は自費で2個中隊分の本車両を購入し、新たに結成された第2、第3スカイア防衛軍の装備とした。戦場での成功によりさらなる車両が購入され、スカイア防衛隊装甲部隊の主力となっている。3073年、ワード・オブ・ブレイクのスカイア攻撃をはねのけた第2防衛隊は、コンドルを使って繰り返しブレイク第3師団を悩ませて進軍を低下させ、バトルメック隊と歩兵隊がニューグラスゴーを守る陣地に入る時間を稼いだのだった。

 傭兵隊とライラ同盟正規軍もまたコベントリでこのスピーディーなコンドルを上手く活用し、地上に残されたワード・オブ・ブレイク兵の生き残りを追いつめた。

 自由世界同盟では、各国が自衛せざるを得なくなったため、コンドルの売り上げは大幅に増加した。現在、アンドゥリエン特戦隊は少なくとも2個中隊を配備しており、レグルス、オルロフの装甲隊でもおなじみとなっている。



派生型
 弾薬への依存を減らす溜めに、クイックセル社はオートキャノンをサイクロプス長射程大口径レーザーと交換した派生型を生産した。この車両は、砲塔に搭載されるアンチミサイルシステム、装甲1トン分、ECMユニットを追加している。



著名な戦車兵

ミランダ・リー、ボリス・クストフ、フライア・マックリントッシュ、フレディー・フォン:ツカイードの大破壊を生き抜いたケンタウリ第21槍機兵隊の生存者である四名は、キラービーがブレイク派の封鎖を突破して槍機兵隊を救出した際にシミターを放棄せざるを得なかった。アップグレード型コンドルを贈呈された戦車兵たちは灰から傭兵隊を再生させるために重労働している。





タイプ: コンドル
技術ベース: 中心領域
移動: ホバー
重量: 50トン
戦闘価値: 714

                            装備重量
内部中枢:                        5
エンジン:         215XL            10
タイプ:         核融合
    歩行:         9
    走行:        14
放熱器:           10              0
操縦装置:                       2.5
浮上装置:                        5
補助動力:                        0
砲塔:                          1
装甲板:           108             6

            装甲値
前面           32
右/左側面       21/21
背面           14
砲塔           20

武器・装備       配置       重量
LB 5-X AC        前面        8
弾薬(LB-X)40     胴体        2
2 マシンガン      砲塔        1
弾薬(MG)100      胴体       .5
LRM15          砲塔        7
弾薬(LRM)16      胴体        2











中心領域バトルメック


リージョネア LGN-2d Legionnaire
重量: 50 トン
シャーシ: 2Aタイプ15エンドースティール
パワープラント: マグナ350XL
巡航速度: 75 キロメートル/時
最高速度: 118 キロメートル/時
ジャンプジェット: なし
 ジャンプ能力: なし
装甲板: スターガードII
武装:
 ミドロン・モデルRC・ロータリーオートキャノン5 1門
製造元: コリアン・エンタープライズ、アケルナル・バトルメックス
 主要工場: オーガスタ(コリアン)、カホキア(アケルナル)
通信システム: PCE-4X “ブラスター”
照準・追尾システム: レジナルドシステムスTC-A




概要
 3060年代半ば、連邦共和国内戦が勃発したその時、コリアン・エンタープライゼスは新型バトルメックの研究プロジェクトを考案した。3040年代後半より、旧式となったセンチュリオンの大型版を求めていたAFFS司令部は、50年代の氏族侵攻以降、この問題にかかずらったことがなかった。ヴィクター国王が氏族本拠世界から戻ってきてから、このプロジェクトは再開した。

 2年間にわたり新しい骨格を徹底的にテストした後で、レギオン・プロジェクトチームは、重センチュリオンはAFFSの定めた数値をクリアできないだろうという結論を下した。プロジェクトは、ジャクソン・ダヴィオンと第一女王の許可を受け、このプロトタイプ骨格を廃棄せず、軽量で高速で効果的な側面攻撃機を作ることにした。

 3068年、ワード・オブ・ブレイクがニューアヴァロンを攻撃した時、プロジェクトチームはさらなる努力を行った。研究試験施設44-J2Aは、DMIに上手く隠されていたので、ワードはその存在に気づかなかった。4機のプロトタイプが完成し、ニューアヴァロンのワード・オブ・ブレイク市民軍と同行していた第44シャドウ師団への攻撃で実地試験を行った。新名リージョネアはテムズ川の重要な防衛戦で名をあげ、ワードに対する戦いの流れを変えた。

 3073年、プロトタイプ1機と諜報に関わるいくつかのデータチップが惑星外への持ち出しに成功し、オーガスタのコリアン工場に運ばれた。ニューアヴァロン包囲戦を生き延びたプロトタイプは一機のみであった。この機体はダヴィオン山の崩落とダヴィオン宮殿へのインフェルノ爆撃(これは3074年の第44シャドウ師団退却のカバーになった)で失われた。リージョネア2機は完全に修理され、惑星上に残ったダヴィオン部隊の象徴となった。

 戦場での活躍と簡単に生産できることに感銘を受けた新CEOクリストファー・トンプソンはすぐに、包囲されたAFFSが使用できるこの高速で素早い側面攻撃機の価値に気がついた。しかしながら、コリアンは聖戦でいくつかの工場を失ってしまっていたので、アケルナル・バトルメックスとの提携を行った。法的な問題が処理されたリージョネアは、すぐにアケルナル工場数カ所の生産ラインから動き始めた。



性能
 シュタイナーのブリッツリークに似た性能とコンセプトのリージョネアは、ひとつの強力な武器を中心にしたダヴィオン側の同等品である。新型の高速回転ロータリーキャノンと照準コンピュータを組み合わせたリージョネアは、強力な打撃、偵察機メックである。最初はビーグルプローブシステムを組みこんで偵察能力を強化する予定だったのだが、LGN-1Xが度重なる致命的なシステムエラーを引き起こしたことからこれは中止となった。照準コンピュータとプローブの配線のカスケード効果(連鎖)によって、戦闘用コンピュータが重大な瞬間にクラッシュするのである……プロトタイプの一機は、最悪のタイミングでダウンし、ブレイク派のトヤマに破壊された。



配備
 リージョネアは大きな損害を出したAFFSの大半で見かけられる。多用途メックではないと考えられる本機は、それにもかかわらず、ダヴィオンの兵士たちに受け入れられた。なぜなら、ニューアヴァロン包囲戦のサバイバル神話を思い起こさせるからである。



派生型
 プロトタイプの初期型は、偵察機として設計され、小口径のロータリーキャノン、ビーグルプローブ、中口径レーザー2門、半トンの装甲を搭載していた。コリアンは最終的にLGN-2Xを選んだ……アケルナル製の正式採用機LGN-2Dの元となったプロトタイプである。LGN-2XとLGN-2Dのささいな違いは、コックピット・ディスプレイの配置と若干の内部システムである。

 コリアンは、他の「大砲」派生型、特に大口径ウルトラオートキャノンと照準コンピュータの可能性について熟慮しているが、これまでこの機体は作られていない。



著名なメック戦士

ロバート・ドゥセット中尉: リージョネアとのその真価をよく知る技術者、退役メック戦士のドゥセットは44-J2A工場の生存者の一人である。彼はアヴィトゥの司令部から逃げ出すのに成功し、その過程でもう一人のパイロットを救出した。LGN-2Xでの見事なコリアン工場防衛は、ジャクソン・ダヴィオンの敬意を勝ち取った。大元帥は死ぬ前の最後の仕事のひとつとして、ドゥセットにサンバースト勲章を授与することを決定した。

ディヴィス・ペンドルトン二等兵: ブレイク信徒によるニューアヴァロン占領の最終局面で、突進する第44シャドウ師団の進路にあった小さな森林キャンプからの土壇場の脱出を守ったペンドルトンはどうにしかトヤマを足止めし、逃げる民間人が攻撃されるのを防いだ。彼のリージョネアは事実上戦闘で破壊されたのだが、AFFS最高司令部はダヴィオンのねばり強さのシンボルとして彼のメックを一から修理するのを優先事項としたのだった。





タイプ: リージョネア
技術ベース: 中心領域
重量: 50トン
戦闘価値: 1386

                            装備重量
内部中枢:      エンドースティール        2.5
エンジン:         350XL             15
    歩行:         7
    走行:        11
    ジャンプ:       0
放熱器:          10[20]            0
ジャイロ:                        4
操縦機器:                        3
装甲板:          152             9.5

        内部中枢    装甲
頭部:      3         9
胴中央:    16        20
胴中央(背面):           7
左/右胴:    12        16
左/右胴(背面):          6
左/右腕:     8        14
左/右脚:    12        22

武器・装備       配置    装備欄数    重量
ロータリーAC/5     右胴      6      10
弾薬(RAC)60      右胴      3       3
照準コンピュータ    左胴      3       3











ワード・オブ・ブレイク・バトルメック


タイタンII TI-2P Titan II
重量: 100 トン
シャーシ: クレッスリーTIAインフューズド
パワープラント: ヴィラー300
巡航速度: 32 キロメートル/時
最高速度: 54 キロメートル/時
ジャンプジェット: なし
 ジャンプ能力: なし
装甲板: クレッスリー・ストーンスキン50
武装:
 ブランケンブルク"ディヴァイン・レイス"ヘビーPPC 1門
 ディプランM3-XR長射程中口径レーザー 4門
 ZTトリプルファイア・ストリークSRM6 1門
 ヘルガシリーズ・9連マルチミサイルランチャー 2門
 クレッスリー・プレミア・オプティクス長射程小口径レーザー 1門
製造元: クレッスリー・ウォーワークス
 主要工場: エプシロン・エリダニ
通信システム: クレッスリー=ランターン・アレット C500
照準・追尾システム: クレッスリー=ランターン・アレット T101




概要
 タイタンIIは、VEST(ヴァイニング・エンジニアリング・アンド・サルベージ・チーム)設計のグランドタイタンと祖先を同じくしているのだが、この機体と混同してはならない。実際、VESTによって作られた強襲級メック(生産はアースワークス)は、エクゾダス前のSLDFプロトタイプの現代改修機として、その遠い知られざる起源から漂い出てきて、それ自体が独自の優秀なマシンとなった。

 他方、タイタンIIはオリジナルのタイタンのスペックを本質的に復活させたものである。TI-1Aタイタンは、2675年、ケレンスキー将軍のためにプロトタイプが作られ、その後、アマリス内戦の開始に伴い放棄された。この忘れられた機体は、数世紀後の3023年、恒星連邦の手によって発見されたのだが、当時、恒星連邦には生産する手段(あるいは意志)がなかった。実験型の噂は出回っていたのだが、VESTのグランドタイタンが登場すると、ヴァイニングの修繕屋たちは発見されたスペック書を公開し、自由に使って良いことになった。

 3071年になるかならないかのころ、新型強襲級メックがブレイク保護領の守備隊で運用されているとの噂が早々に正しいものだと確認された。ワード・オブ・ブレイクがタイタンを復活させたのである。しかし、大規模な改造が施されていたことは、既存の生産設備を利用したことを意味している。タイタンIIと名付けられたこのバトルメックは、同盟側ゲリラ部隊との幾度もの交戦で存在感を発揮している。



性能
 TI-2Pは外見上TI-1A型と似ており、同じフレーム、エンジン、ジャイロ、制御システムを使用している。1Aのように、19トンの通常型装甲を搭載しているが、似ているのはそこまでである。装甲の異なった配置と、現代的な武装、高性能放熱器は、このマシンの熱管理能力を向上させ、戦闘で大きなパンチ力を与える。実際に、重PPC、長射程中口径レーザー4門と、バックアップのストリーク6ランチャー、9連マルチミサイルランチャー2門を持つ、この2P型は、乱戦機だった旧型とは異なり、どんな距離でも敵のユニットと戦える万能支援機である。

 だが、タイタンIIの開発に関し、保護領市民軍の機体としてもっとも奇妙なのは、このメックが積めるだけの装備を積んでないことだ。その理由の大半は、コスト削減――通常型エンジン、ジャイロ、制御システムの使用など――と思われるが、タイタンIIが充分に現代的な火力を備えていることは、高度なエレクトロニクス(ワードのユビキタスなC3コンピュータ等)がないことを非常に目立たせているのである。保護領の機体の多くがこういった技術を欠いていることは、献身的な部隊にのみ最高の装備を配備し、二線級部隊の「熱心でない」(あるいは単に有能でない)戦士たちに渡すリスクを犯さないという説を補強している。



配備
 タイタンIIは、キャメロン・サン=ジャメが地球の周囲の世界に配置した保護領市民軍以外ではまず見られない存在である。実際、ワード・オブ・ブレイク市民軍に所属する少数の機体が同盟軍と戦い、ワードが信頼している傭兵隊に少数がある一方で、エリートのマネイ・ドミニ・シャドウ師団にはまったく配備されていない。このやり方は、タイタンIIが保護領専用機として作られたことを、他のなにより証明しているように見える。そしてこれは、ワードの戦司教とマネイ・ドミニの指導者が個人的に対立しているという報告に信頼性を与えているかもしれない。



派生型
 原型機のTI-1Aタイタン(絶滅したと思われる)は、TI-2Pと装甲の配置が異なり、22基の通常型放熱を装備している。武装は2門のPPC、6門の中口径レーザー、4門のSRM-4ランチャー、1門のSRM-6である。AFFSが数機の改良型をテストしているとの噂があるが確認されたことはない。

 一方、ワードは少なくとも一機の最新仕様を実験している。2Pの武装が、一組のプラズマライフル、4門の通常型中口径レーザー、1門のストリーク6ランチャー、4門のマシンガン・アレイとしてまとめられたマシンガン8門に交換されている。明らかに、反ゲリラ、都市戦闘機であるTI-2PA仕様は、隠れた車両、メックを嗅ぎつけるビーグルアクティブプローブを搭載している。





タイプ: タイタンII
技術ベース: 中心領域
重量: 100トン
戦闘価値: 2139

                            装備重量
内部中枢:                       10
エンジン:         300              19
    歩行:         3
    走行:         5
    ジャンプ:       0
放熱器:         18[36]             8
ジャイロ:                        3
操縦機器:                        3
装甲板:          304             19

        内部中枢    装甲
頭部:      3         9
胴中央:    31        41
胴中央(背面):          20
左/右胴:    21        27
左/右胴(背面):         15
左/右腕:    17        33
左/右脚:    21        42

武器・装備       配置    装備欄数    重量
ヘビーPPC        右腕      4      10
ER中口径レーザー    右腕      1       1
MML9          右胴      5       6
CASE          右胴      1       .5
弾薬(MML)26/22    右胴      2       2
2ER中口径レーザー   胴中央      2       2
ストリークSRM6     左腕      2      4.5
弾薬(ストリーク)30  左腕      2       2
ER中口径レーザー    左腕      1       1
MML9          左胴      5       6
CASE          左胴      1       .5
弾薬(MML)26/22    左胴      2       2
ER小口径レーザー    頭部      1       .5











中心領域ワークメック


ハイエナ Hyena HYN-4A
重量: 55 トン
シャーシ: テクニクロン-1a・ユーティリティメック
パワープラント: 275コアテック核融合
巡航速度: 54.0 キロメートル/時
最高速度: 86.4 キロメートル/時
ジャンプジェット: なし
 ジャンプ能力: 0メートル
装甲板: コーニング84(インダストリアル)
武装:
 ディファイアンスB3S・小口径レーザー 1門
製造元: ヴァイニング・エンジニアリング・アンド・サルベージ・チーム(VEST)
 主要工場: ソラリスVII
通信システム: サイファー・ワイドコム
照準・追尾システム: ハートフォードT1000M




概要
 ヴァイニング・エンジニアリング・アンド・サルベージ・チームが開発した機体の試験をソラリスVIIのアリーナで始めると、巨大なアリーナや危険な環境の小アリーナといったどんな地形でも使える回収車両が必要になった。彼らは旧式のメックを改造して回収に使い、資金を節約した。安定した設計で、荷物を運ぶのに適した拾い背中を持つキンタローが、自家製サルベージメックのベースとなった。数年後、VESTは同じ設計に基づいたインダストリアルメックをさらに組み立て始め、ついにハイエナと名付けられたマシンを3066年の秋に一般販売したのである。



性能
 他の回収車両に勝るハイエナ最大の利点は、どこにでもいけるその能力である。完全に環境シーリングした核融合仕様のインダストリアルメックとして、バトルメックや地上車両が行けるところなら、海の中だろうと、真空だろうと、溶岩の中でさえも(少なくとも短時間なら)、行けないところはない。この柔軟性は、本機の最大のセールスポイントのひとつであり、他のインダストリアルメックより高価なのを正当化する。運搬能力もまた、このメックの大きな財産である。リフトホイスト2基とインダストリアル三重強化マイアマーは、55トンのハイエナが二倍の重量を運搬するのを可能とする。この能力は、事実上、現代の戦場で撃墜されたどんなバトルメック、戦闘車両でも回収できるのを意味する。加えて、右腕のサルベージアームは、ユニットとパーツの両方を安全に回収する貴重なツールである。

 ハイエナの地上速度は、戦場用回収車として三つ目の大きな財産である。時速84キロメートルは、ほとんどの重量級メックに追従できる速度で、他の回収車両より高速である。最大重量を載せた状態でさえ、ハイエナは時速60キロ近くを出すことが可能である。あるアニヒレーターのパイロットは、そのまま移動するよりも、ハイエナに乗ったほうが遙かに機動力があると冗談を飛ばした。

 むろん、戦場回収ユニットとして、ハイエナはそれなりの装甲と、小口径をレーザーを近接防衛用に(あるいは戦場での切断用に)持っている。これは戦場で活動する際に、少なくともちょっとした自衛手段を与える――ハイエナを待ち伏せし、その荷物を奪おうとする小規模な盗賊団、歩兵を妨害するには充分である。



配備
 本格生産される前に作られたハイエナ数機はまだソラリスにあるが、初回生産分の大半は、その年のうち、ソラリスがブレイク派の強襲で陥落する前に、傭兵隊に売却された。VESTは1機のハイエナをショウケースとして中心領域で最高の回収部隊、スキビンスキー・サルベージに(割引価格で)販売しさえしている。一部のハイエナは大王家に売却され、一機はリムコレクションに売却されたと伝えられている。リムコレクションの担当者によると、ハイエナは年に1個小隊分のメックを救出し、浪費する余裕のない資源を節約する助けになるだろうと断言している。第二回の生産分は主に傭兵分に行くはずだったが、ブレイク派によるソラリス強襲で出荷は絶望的なまでに中断された。



派生型
 ワードのソラリス強襲は、VESTが低コストなICE版を開発していた時に行われ、ヴァイニングのゾラーラ工場は破壊された。このバージョンは20パーセント低速で、環境シーリングも外されていたが、核融合バージョンよりもコストが30%節約されている。くわえてオリジナルのハイエナ2機がソラリスにあり、ソラリス郷土防衛同盟で活動していると信じられている。原型のキンタローシャーシ使用機に近いこれらのプロトタイプは、キンタローと同じ装甲配置そのままで、生産モデルにある小口径レーザーのかわりに中口径レーザーを搭載している。ハイエナのプロトタイプは、また8トン分の内蔵ストレージを装備している。





タイプ: ハイエナ
技術ベース: 中心領域
重量: 55トン
戦闘価値: 425
価格(C-bills): 4,738,071

                            装備重量
内部中枢:                       11
エンジン:        275(核融合)          15.5
    歩行:         5
    走行:         8
    ジャンプ:       0
放熱器:          10              0
ジャイロ:                        3
操縦機器:                        3
装甲板:           80             7.5

        内部中枢    装甲
頭部:      3         8
胴中央:    18        11
胴中央(背面):           5
左/右胴:    13        8/8
左/右胴(背面):         4/4
左/右腕:    9        7/7
左/右脚:    13        9/9

武器・装備       配置    装備欄数    重量
インダストリアルTSM          12       0
サルベージ・アーム   右腕      2       3
小口径レーザー     胴中央      1       .5
リフトホイスト    右胴(背面)   3       3
リフトホイスト    左胴(背面)   3       3
環境シーリング             8      5.5











中心領域降下船


ミュール級"ポケット戦艦"(Qシップ) Mule-Class “Pocket WarShip” (Q-Ship)

 人類が戦争を始めて以来、だまし討ちはおそらく争いの一形態となっている。特に有名なだまし討ちは伝説にあるトロイの木馬だ。海戦においては、Qシップと呼ばれる、商船に偽装した武装艦、あるいは重武装した商船がそれにあたる。このような船はよく、目標と交戦できる距離に近づくまで、その兵器を隠している。歴史的に、Qシップは敵の商船を襲撃するか、友軍の商船を守るために使われるが、時折、敵の戦艦と交戦して撃破してきた。

 ワード・オブ・ブレイク海軍は、Qシップと分類できる各種の船を持っている。これらのうち、最も非道なものの一隻は、改造型ミュール級降下船かもしれない。8門のAR10ランチャーが上部のカーゴベイに備え付けられ、各カーゴドアが2門ずつ隠す。下部のカーゴベイはミサイルマガジンの大半を占め、また戦闘機中隊とその支援要員の住居区画、寝台となっている。戦闘機中隊は、戦闘機の出撃、回収用に改造された下部カーゴのドアを使う。もう一方のドアは、残った貨物倉庫につながっている。

 装甲は通常型の倍以上になり、特に船首とドアが強化されている。これは他の戦闘用降下船と同程度の防護力を提供する。遠距離からでは装甲が増強されていることが確認しづらく、またAR10ランチャーがドアの背後に隠されていることから、この改造型ミュールは通常型とほとんど判別不可能である。

 再発見された数隻のミュールQシップ(海賊から海運路を守るために、旧星間連盟海軍が開発したもの)を下敷きに、ワード・オブ・ブレイクは二組のホワイトシャークとバラクーダを取り外し、もっと効果的なAR10ランチャーを取り付け、明らかに弾薬を減らしている。敵を混乱させるために、また過大評価させるために、ブレイク信徒はAR10の隣に模型のランチャーを載せている。偽ミサイルランチャーが、砲弾を撃ち出すことはない。この船が3068年、アルタイル上に投入されて以来、成功し続けているのをかんがみて、ワード・オブ・ブレイクはミュール級降下船をQシップ仕様にする突貫的プログラムを開始した。ブレイクが作業を急がせていることから、これまでのところ、これらの船の装甲は通常型と同じであるように見える。

 これまで、ミュールQシップは、アルタイル、アスタ、ヨリイで開発的な被害を引き起こすなど、破壊的なまでの有効性を見せつけてきた。Qシップはまた、地元政府にすべてのミュール級を検査させるという資金的、時間的浪費を強要し、中心領域に経済的な混乱を引き起こしている。今後、他の種類のQシップが登場し、さらなる負担が増えるのではないかと議論を巻き起こしている。ワード・オブ・ブレイクが、大型ミサイルや大量破壊兵器の発射能力よりも、経済を混乱させることを優先させるのか判断は難しいのだが、彼らが出来るだけ多くのミュールを改装している最中なのは確かである。


ミュール級"ポケット戦艦"(Qシップ)

タイプ:軍用楕円型
使用:メック輸送船
技術:中心領域
登場:3068年
重量:11200トン
戦闘価値:13691

大きさ
 全長:158メートル
 全幅:158メートル
 全高:100.4メートル

燃料:319トン(9570)
トン/噴射日:4.22
安全噴射:3
最大噴射:5
放熱器:160(320)
中枢強度:10

装甲
 機首:176
 側面:154
 背面:132

積荷
ベイ1:積荷(354トン) 1扉
ベイ2:戦闘機(6) 2扉

ライフボート:2

脱出ポッド:2

船員:士官3名、兵員4名、火器管制11名、搭乗員12名

弾薬:キラーホエール40発(2000トン)、ホワイトシャークミサイル40発(1600トン)、バラクーダ40発(1200トン)、40射オートキャノン/5弾薬(2トン)、30射SRM6弾薬(2トン)

付記:通常装甲36トン搭載


武器            戦艦用兵器攻撃ダメージ(通常)
側面(発熱)        近   中   遠   超遠  クラス
機首(6点発熱)
 1 オートキャノン/5(40発) 1(5)  1(5)   -     -    オートキャノン
 1 中口径レーザー     1(5)   -    -     -    レーザー
 2 小口径レーザー     1(6)   -    -     -    近接防衛
左前/右前(90点発熱)
 4 AR10 (KW40,HS40,B40)   *    *    *     *    大型ミサイル
 1 SRM6            1(8)   -    -     -    SRM
 1 中口径レーザー     1(5)   -    -     -    レーザー
左後/右後(11点発熱)
 1 大口径、中口径レーザー 1(13)  1(8)   -     -    レーザー
船尾(11点発熱)
 1 大口径、中口径レーザー 1(13)  1(8)   -     -    レーザー

*AR10は各大型ミサイルを発射できる











氏族車両


SM1駆逐戦車 SM1 Tank Destroyer
重量: 50 トン
移動: ホバー
パワープラント: 165通常核融合エンジン
巡航速度: 86.4 キロメートル/時
最高速度: 129.6 キロメートル/時
装甲板: アドバンスド・コンパウンドベータ
武装:
 シリーズ2Cライトマシンガン 4門
 タイプ10ウルトラオートキャノン/20 1門
製造元: LAWバーセラ
 主要工場: バーセラ
通信システム: ユニット2J2"バッシャー"
照準・追尾システム: エイブルセブン・センサースーツ




概要
 ノヴァキャットが3064年にショーデン強襲車両を導入すると、この氏族の戦術はそれと共に変化した。ゆっくりとだが着実にノヴァキャットは中心領域の諸兵科連合戦術を受け入れ始め、戦車兵たちの一部はキャット氏族軍内で輝きを見せ始めていた。

 ショーデンの成功に触発されたウェスト氏族長はノヴァキャットの科学者たちが持ち込んだ戦闘車両開発の新プロジェクトを認可した。3065年、ルシエンアーマーワークスがバーセラのキャット商人階級に接近するまで、ことが人目を引くことはなかった。数ヶ月におよぶ、秘密交渉の後、LAWはノヴァキャットとの契約を結んだ。実績のある中心領域の機種をベースに氏族技術を使った安価で強力なホバー戦車の設計と製造を助けるというものである。引き替えに、キャットはバーセラの使われてないLAW車両工場を改装し、新型戦闘車両の生産と販売を許可することに合意した。ただし、最初の5年の生産分は直接氏族に行くこととなる。



性能
 設計チームの最優先事項は車体を作ることだった。旧式のサラディンをおおざっぱにベースとしている車体は、弾薬の爆発や内部の火災のような危機的な状況から搭乗員を守らねばならなかった。まず最初に、潜水艦で使われている概念を流用したLAWは、「デュアルバブル」の設計を提案した。約80パーセントのフェロガラスに覆われたコクピットに、搭乗員を2名ずつおさめるというものである。大口径主砲の両側に陣取る合計四名の搭乗員は、240度の視界を享受する。さらに重要なのは、このバブルにはバトルメックのイジェクトシステムに似た機能が備え付けられていることだ。戦車内で出火した場合は、バブルが「発射」し、搭乗員を誘爆から遠ざけるのだ。バブルがふたつあるという冗長性により、この戦車は搭乗員を失ったとしても(非効率的ながら)作戦を続けることが出来る。

 「ダブルデュアル」コクピットはLAWの工場で容易に生産できる。半分ずつ戦車を作って、それからウルトラオートキャノンの左右に接続するのである。小さな砲塔の上部には防御用のライトマシンガンが取り付けられ、コクピットから遠隔操作可能である。

 異様な外観であるにもかかわらず(ガラスで覆われたコクピットを見て、パイロットたちは「自殺マシン」とあだ名した)、プロトタイプのテストは順調にいった。ギャラクシーコマンダー数名の前で、志願者たちによる階級の神判が行われると、SM1は圧倒的多数で承認された。LAWは新型戦車の生産を始め、初回生産は3068年の12月5日に完了する予定である。



配備
 ワード・オブ・ブレイクが中心領域全体に攻撃を仕掛けると、LAWは3069年に三倍の生産を行った。ノヴァキャットの戦士たちはその外見を中傷しているにもかかわらず、本機はノヴァキャット銀河隊の多くでよく見られる存在となった。若干数のSM1はリュウケンですら見ることが出来る。隣人であるノヴァキャットとの神判で勝ち取ったようだ。





タイプ: SM1駆逐戦車
技術ベース: 氏族
移動: ホバー
重量: 50トン
戦闘価値: 1204

                            装備重量
内部中枢:                        5
エンジン:         165              10
タイプ:         核融合
    歩行:         8
    走行:        12
放熱器:           10              0
操縦装置:                       2.5
浮上装置:                        5
補助動力:                        0
砲塔:                          .5
装甲板:           144             7.5

            装甲値
前面           43
右/左側面       29/29
背面           19
砲塔           24

武器・装備       配置       重量
ウルトラAC20      前面       12
弾薬(ウルトラ)30   胴体        6
4 ライトマシンガン   砲塔        1
弾薬(LMG)100     胴体       .5











氏族バトルメック


クリムゾンホーク Crimson Hawk
重量: 25 トン
シャーシ: ヨークIIXT
パワープラント: 125ヨークXL
巡航速度: 54 キロメートル/時
最高速度: 86 キロメートル/時
ジャンプジェット: クランシリーズ・タイプIライト
 ジャンプ能力: 150メートル
装甲板: コンパウンド6A
武装:
 シリーズ7J長射程大口径レーザー 1門
 シリーズ7K長射程大口径レーザー 1門
製造元: 生産プラントDSF-IT1
 主要工場: イタビアナ
通信システム: エーブルセブン・センサースーツ
照準・追尾システム: マルチスプレッド9




概要
 元々はブラッドスピリットの科学者が着想し、設計したクリムゾンホークは、内部の問題、システム不良、決定的な資源不足に絶えず悩まされた。スターアダーによるブラッドスピリットのヨーク封鎖の間、スピリットはゆっくりと資源、部品、士気の低下を体験した。包囲が長引くに連れて、スピリットを完全なる殲滅から救っていたのは、アダーが戦士を鍛えるための場としてヨークを使っていたからに他ならないことが明らかになった。

 これが明白となったのは、アダーがヨークを出入りする他氏族の商人階級に対する挑戦をやめたときである。3069年、このような商用の最中、めざといダイアモンドシャーク指揮官の一人が、人里離れたハンガーに組み立て中のクリムゾンホークがあることに気がついた。興味を引かれた彼は所有の神判を求めた。衝撃を受け、激怒したスピリットは、地獄のようなモーグレイブ湿原でメック二連星隊をもって対抗した。戦闘は上手くいったが、シャークが湿原を勝利とともに出たのである。生き残ったスピリットの戦士は二名のみであった。

 クリムゾンホークとスピリットの技術者・科学者チームは、イタビアナに移され、3070年に到着した。拡大する戦争と、本拠地の混乱を離れたシャークは軽量級メックをやや秘密裏に開発を続けた。

 3073年、連合のスパイは、ダイアモンドシャークが8隻のオーバーロードCにクリムゾンホークを積み込み、それから〈タイタニック〉とともに消えたのを目撃した。この話は、ゴーストベアのウォッチからある噂が偶然傍受されるまで無視されていた。それによると〈タイタニック〉が「アダーの強力な封鎖を突破し、数隻の護衛していた降下船を惑星に向かわせ、その後、巨大な戦艦(〈ソブリン・ライト〉か〈アブソリュート・トゥルース〉と思われる)に半分にひき裂かれた」とのことだった。



性能
 クリムゾンホークは矛盾したメックである。主力兵器は2門の長射程レーザーなのだが、同じモデルではない。このメックは策略を秘めて設計されている――確実にシャークの仕業である――シリーズ7Jと放熱スリーブが胴の上に搭載される……これは旧式シャドウホークを思い起こさせる折り畳み式である。右腕のシリーズ7Kは、一瞥したところはシリーズ3K長射程中口径レーザーに見える。この混乱は意図的なもののようだ。マウントプレートと接続部分は、シリーズ3Kを容易に搭載可能で、その他の装備や兵器を他の部分につけて敵を驚かせること出来るのだ。



配備
 ファルコンの商人はクリムゾンホークに飛びついた。内部からの攻撃でファルコンOZの氏族軍が大打撃を受けたとの根強い噂によるものかもしれない。放浪ウルフはシャークとの機体取得の交渉を始めたところで、もしかしたら生産工場を造るかもしれない。



派生型
 クリムゾンホークの派生型で知られているのは二種類だけである。O5Pの監視チームは、イタビアナで積まれたホークはヘビーレーザーを載せていたとしている。サーペント作戦後に収集された情報によると、ブラッドスピリットはヘビーレーザーを使った機種に心酔しており、またこの兵器はシリーズ7レーザーとトン数、パワー配分に見事一致する。それを考えると、これらのクリムゾンホークが通常の長射程レーザーの代わりにヘビーレーザーを搭載していると仮定するのは妥当である。

 もう一種類の派生型は、(放浪)ウルフが生産用に試験している改造されたものであるようだ。大型のジャンプジェットを搭載し、ジャンプ力を20パーセントアップしていることから、シャーシは強化されていると思われる。シリーズ7K大口径レーザーは小型のシリーズ3K長射程中口径レーザーに交換され、素晴らしく機動力のあるこのクリムゾンホークを、決定的に熱効率的とし、偵察メックとして効果的とするのである。



著名なメック戦士

ギャラクシーコマンダー・ステファン・フォルク: 商人の心を持ったダイアモンドシャークの熟練した戦士、フォルクは、スピリットの最初のクリムゾンホーク・プロトタイプを見つけ、神判で勝ち取った人物である。それ以来、スピリットは彼の腕前(抜け目なさではない)に敬意を払い、シャークが氏族本拠地での存在感を減らす中で、他のダイアモンドシャーク戦士、商人との取引を拒否している。商人階級の噂では、ダイアモンドシャークが氏族本拠地から永遠に移住していった後でさえも、1個星団隊分以上のクリムゾンホークがスピリットに渡されたとフォルクが主張したとされる。彼がこの常軌を逸した要請を実行するために失ったものは知られてないかもしれない。O5Pによると、彼が最後に目撃されたのは、イタビアナを発つ〈タイタニック〉にシャトルで向かったところなのである。





タイプ: クリムゾンホーク
技術ベース: 氏族
重量: 25トン
戦闘価値: 1029

                          装備重量
内部中枢:                       2.5
エンジン:         125XL            2
    歩行:         5
    走行:         8
    ジャンプ:       5
放熱器:         10[20]             0
ジャイロ:                        2
操縦機器:                        3
装甲板:           89              5



        内部中枢    装甲
頭部:      3         9
胴中央:     8        12
胴中央(背面):           4
左/右胴:    6        9
左/右胴(背面):          3
左/右腕:    4        8
左/右脚:    6        12

武器・装備       配置    装備欄数    重量
ER大口径レーザー    右腕      1       4
ER大口径レーザー    右胴      1       4
ジャンプジェット    右胴      2       1
ジャンプジェット    左胴      2       1
ジャンプジェット    胴中央      1       .5











氏族バトルメック


オセロット Ocelot
重量: 35 トン
シャーシ: カーティスフォックス・オセロット
パワープラント: 210ゼネラルシステムスXL
巡航速度: 65 キロメートル/時
最高速度: 97 キロメートル/時
ジャンプジェット: リーパー・モデルL6
 ジャンプ能力: 180メートル
装甲板: フォージング・FF01・フェロファイバー
武装:
 シリーズ2dER中口径レーザー 2門
 モデルX・ヘビー大口径レーザー 1門
 イレース"スクイーラー"ライトアクティブプローブ 1門
製造元: イレース・アルファ
 主要工場: イレース
通信システム: ラルドンR1
照準・追尾システム: ダルバンHi-Rez II




概要
 ノヴァキャットが氏族宙域から放棄された時、サンティン・ウェスト氏族長には氏族再生のシンボルが必要であるとわかっていた。氏族宙域脱出の際の死にものぐるいな戦闘中に、スモークジャガーの科学者チームをアイソーラ(戦利品)として獲得したウェスト氏族長は、ヴィジョンによってその機会が来たことを知った。彼はすぐに若干名のノヴァキャット科学者をジャガーのグループに入れ、バトルメックの開発を命じた。その条件は、大量生産が可能で、すぐに前線部隊を埋められることだった。



性能
 プロジェクトはいくつかの失敗と共に始まった。なぜなら、この新型機はライラ製のホランダーのように1門の重兵器システムを中心にした軽メックだったからである。この時期、氏族製ERPPCは不足しており、ノヴァキャットの備蓄は、残虐な放棄から連合=ゴーストベア戦争後まで、壊滅した氏族軍の修理に向かった。3065年、ダイアモンドシャーク交易船団と偶然イタビアナで遭遇すると、計画が活性化させられた。シャーク商人との短く猛烈な入札戦争でモデルX・ヘビー大口径レーザーの山を勝ち取ったノヴァキャットは、必要だった兵器を見つけたのである(その際、シャークがイタビアナを併合することになる下地が作られた)。

 放浪ウルフのパックハンターからヒントを得たノヴァキャットの科学者たちは、イレース管区の資源で生産可能な軽量級メックのシャーシを開発した。パックハンターの構造設計を複製しようとした開発チームは肩にヘビーレーザーを載せるのはバランスが悪くなることに気が付いた。レーザーに安定性が必要だったので、設計者たちはこれを胴に移しかえた。胴にはメックが地形を疾走するショックを吸収できる特殊なショックマウントが備え付けられている。加えて、その厄介な重量によって、彼らはやむを得ずジャンプジェット用に「スナブウィング」を開発せねばならなかった。ウィングは飛行中にメックのバランスを保ち、よって戦士は最小限の精度損失でヘビーレーザーを撃てるのである。



配備
 3067年の前半、開発チーム(いまだジャガーの科学者たちが全員いた)は、イレースのカーティスフォックス工場で、デヴァリス副氏族長に実働状態のプロトタイプのお披露目を行った。デモンストレーションにさほどの感銘を受けなかった副氏族長は、プロトタイプを実弾演習場に持っていき、設計者たちを戦慄させた。立て続けにメック3機――パックハンター、キットフォックス、アダー――を撃墜すると、副氏族長は唖然としている科学者たちに向き直った。この機体を採用出来るかどうか問われると、デヴァリスは謎めいた笑みを浮かべ、「ジャガーのように俊敏、パンサーのように早く、ノヴァキャットのように致命的。我らが戦士たちは魂の面で勝っているが、ジャガーの武器を持つのは良きことである。私はオセロットを我が氏族に迎える。戦士たちの魂は鉤爪と一体化するであろう」



派生型
 これまでに派生型が一種類だけ作られた。プロトタイプの一機がテストベッドとし、放熱器一基、装甲0.5トン、ライトプローブを外しているが、より一般的な長射程PPCシステムを装備している。





タイプ: オセロット
技術ベース: 氏族
重量: 35トン
戦闘価値: 1422

                            装備重量
内部中枢:                       3.5
エンジン:         210XL            4.5
    歩行:         6
    走行:         9
    ジャンプ:       6
放熱器:         15[30]             5
ジャイロ:                        3
操縦機器:                        3
装甲板:          119             6.5

        内部中枢    装甲
頭部:      3         9
胴中央:    23        16
胴中央(背面):           6
左/右胴:    16        12
左/右胴(背面):          4
左/右腕:    12        12
左/右脚:    16        16

武器・装備        配置    装備欄数    重量
ヘビー大口径レーザー   左胴      3       4
2 ER中口径レーザー    右腕      2       2
ライトアクティブプローブ 頭部      1       .5
ジャンプジェット     左胴      3      1.5
ジャンプジェット     右胴      3      1.5











氏族バトルメック


ジュピター Jupiter
重量: 100 トン
シャーシ: オリベッティ・ステージ 9
パワープラント: ゴーヴァック300XL
巡航速度: 32 キロメートル/時
最高速度: 54 キロメートル/時
ジャンプジェット: なし
 ジャンプ能力: なし
装甲板: レイディエント・シリーズ5
武装:
 タイプXX・長距離射程PPC 2門 
 シリーズIV・長距離射程15ランチャー 2門 
 タイプDL・ウルトラ5オートキャノン 4門 
製造元: CJFファクトリーゾーン4
 主要工場: エレウォン
通信システム: ラプターX-Tタイプiii
照準・追尾システム: ゴショーク・Eシリーズ




概要
 新型機を即時生産する方法を探していたプライド氏族長は科学者、技術者階級に対し、ファルコン守備星団隊の主柱になるような新型二線級強襲メックを開発するよう命じた。この機種に課せられた条件は、資源を使わないことと、3070年までに生産が可能なことだった。

 ジュピターはすぐに完成した――疑われるほど早く。ファルコン領からの噂によると、科学者階級はすでに設計を進めており、3067年の後半に披露するまで戦士たちとの権力闘争を繰り広げていたことが示唆されている。エレウォンの新工場が完成した後で、生産が開始されることになった。

 ジュピターは、3068年、辺境の国境沿いに大量に現れ始め、これらの世界を守っていた二線級部隊の戦士たちに熱狂的に受け入れられた。強襲を始めたヘリオンはアップグレード済みの守備隊で強化されたファルコンの世界に直面した……PGCの多くが火力を指数関数的に増大させており、これによってファルコンは辺境世界の防衛に使える強烈な打撃能力を得たのである。



性能
 地元の資源のみで作られているジュピターは、長時間、敵の攻撃に耐え、また打撃を与えることのできる頑丈な機体である。遠距離交戦思想を採用する本機はPPCと小口径オートキャノンを組み合わせ、戦場の状況に左右されない"スパイクカラー"ゴショークセンサーを使っている。ファルコンの戦士たちは、長距離から敵を寄せ付けず、撃ち倒すことができる。ヘリオン侵攻の際、ジュピターによる星隊が尾根に陣取り、ヘリオンが射程に入る前に倒してしまうことがよくあった。その大きな成功により、ファルコン戦士たちの中でジュピターの需要は増大し、前線星団隊内でさえもそうなっているのだ。噂によると、前線部隊に配備された少数のジュピターの操縦権をかけて神判が行われているという。



配備
 「ヘリオンのかんしゃく」の前、ジュピターは主にジェイドファルコンの守備星団隊の中で見られるものだった。ヘリオンと衝突し深辺境の通商路が遮断される前に、数機のジュピターが本拠世界に向かった。わずかな例外を除き、この新型強襲メックは主としてファルコンの武器であり続けており、これを求めるすべての神判に勝利している。奇妙なことに、ジュピターはヘルズホースによる意図がはっきりしない3073年のスール攻撃で目撃されたという。ファルコンは神判で1機も失っていないと断固とした主張を行っていることから、ホースがどのように、またなぜこの強襲メックを入手したかは不明である。



派生型
 ジュピターのよく見かけられる派生型は、機動力と打撃力と引き替えにいくらかの長距離火力を犠牲としたものである。4門のAC5を、2門のウルトラAC10、ジャンプジェットと交換したジュピター2は至近距離でのパンチ力を得ている。この機種は大都市や工業地区に駐屯している守備隊で人気となった。

 ここ数ヶ月、2門のハイパーアサルトガウスライフルを搭載した新型ジュピターの噂が、ライラ諜報部内で上がっている。ウルトラオートキャノンと組み合わせられたこの機種は、一射で膨大な破壊を引き起こす能力を持つ。この新型はホースの部隊にふさわしいものかもしれない。この興味深い機体がファルコンのみで見られるのかが、情報アナリストたちを悩ましている。



著名なメック戦士

ローアマスター・ブライアン・プライド: ジェイドファルコン氏族のアルファ銀河隊指揮官であるプライドは、先頃、ローアマスター・ケール・ペールシャー(3072年の辺境に対する強襲で死亡)の非公認後継者として指名された。英雄的な死の前、抜け目のないウォッチ長により特別に推薦されたプライドは、いまだ臨時銀河隊の指揮権を持ち続けている(氏族長の当初の命令により、彼は唯一のブラッドネーム持ち戦士である)。プライドは戦場にて巧妙かつ無慈悲である。ある未確認の報告によると、信じがたいことに彼は一人で敵の1個プロトメック星隊と戦い、それは10分間続いたという。

ギャラクシーコマンダー・ドーカス・ヘルマー: 3072年のウィンフィールドでヘリオンと戦い死んだリザベット・ダンフォースの跡を継いで、素早くロー銀河隊の指揮をとったヘルマーは、ファルコンの逆襲において明敏な戦士にしてリスターであることを証明した。ヘリオンのデルタ銀河隊に一度の神判を挑んだヘルマーは、ギャラクシーコマンダー・デーモン・ホーキンスの全指揮星隊を倒した。長引く戦闘でヘリオンがゼルブリゲンの使用を曖昧にしたにもかかわらず、ヘルマーはメック全4機と、シルフ・バトルアーマー・ポイントを正確無比な射撃で撃墜したのである。ヘルマーの敢闘精神と決断力に感銘を受けたマーサ・プライド氏族長は、ブレイク派の逆襲に対する守備の強化として、全銀河隊をズデーテンに移動させた。





タイプ: ジュピター
技術ベース: 中心領域
重量: 100トン
戦闘価値: 2784

                            装備重量
内部中枢:       エンドースティール        5
エンジン:         300XL            9.5
    歩行:         3
    走行:         5
    ジャンプ:       0
放熱器:          17[34]            7
ジャイロ:                        3
操縦機器:                        3
装甲板:           307            19.5


        内部中枢    装甲
頭部:      3         9
胴中央:    31        46
胴中央(背面):          16
左/右胴:    21        32
左/右胴(背面):         10
左/右腕:    17        34
左/右脚:    21        42

武器・装備       配置    装備欄数    重量
ウルトラAC/5      右腕      3       7
ウルトラAC/5      右腕      3       7
弾薬(ウルトラ)40   右胴      2       2
ER PPC         右胴      2       6
LRM15          右胴      3      3.5
弾薬(LRM)8      右胴      1       1
ER PPC         左胴      2       6
LRM15          左胴      3      3.5
弾薬(LRM)8      左胴      1       1
弾薬(ウルトラ)40   左胴      2       2
ウルトラAC/5      左腕      3       7
ウルトラAC/5      左腕      3       7











ドラコ連合気圏戦闘機


セイバー SB-27 Sabre
重量: 25 トン
フレーム: イナズマ SI-32
パワープラント: ニッサン225
装甲板: ニカマチ・タイプ3
武装:
 トロネルII中口径レーザー 3門
製造元: ワカザシ・エンタープライズ、ロッキード/CBM、ジャラスター・エアロスペース
 主要工場: カーヴィル(ワカザシ)、ドネガル(ロッキード/CBM)、パンプール(ジャラスター)
通信システム: ビップスター49-G
照準・追尾システム: Ki-II TTS



概要
 連合海軍で最も長く使われている戦闘機、セイバーシリーズは、発足したばかりだった時期のゲイルダン同盟にその起源を持つ。手堅い設計である本機は、駐屯部隊専用機という異例の役割ゆえに、ほとんど注意を引くことはなかった。現在、セイバーについて知られていることは、400年で4ヶ国にまで広がった巨大な企業スパイ網の件に関してである。

 ゲイルダンのライメイ工場はクリタ一族との密接な関係を作っていた。実際、シロー・クリタはこの企業の主要株主であった。クリタ家とライメイの緊密な協力関係は、連合最大級の諜報プロジェクトを準備する助けとなった。

 地球帝国が建設された時期、ライメイは生産地のいくつかで市場シェアを伸ばすチャンスがあると見た。そしてクリタ一族はライバルの情報を集めるチャンスがあると見たのである。

 2572年までに、ライメイは全大王家と辺境国家二つに、セイバーの生産工場を立ち上げ、半独立工場として稼働させた。2676年までに、それぞれの施設は、ISFのスパイの情報センターとなったのである。ここに価値ある情報が集められ、宣伝され、それから秘密チャンネルを通して連合に通信が行われた。しかしながら、継承権戦争の最中、この非常に貴重なスパイネットワークは途切れ始めた。この時期、ISFの長官たちは、ネットワークを安定させようとしたのだが、2814年にライメイは財政的に破綻し、その後、地元のパートナー企業が工場を買収したことで、諜報網はかなりのダメージを受けたのだった。

 31世紀、「ライメイ・リング(諜報網)」は散発的に情報をもたらした。最後の諜報報告を、ISFは3019年に受け取っている。苦労して作り上げた秘密工作は、ブレイク派のホワイトアウトまで連合の秘密であり続けた……この時、HPGネットワークが回復するまでに、ブレイク派の誇張された一連の大言壮語によって、秘密が暴露されたのだった。この発覚により、工場のある外国の企業と政治家の間に不信が広がった。


性能
 SB-26は燃料を2トンしか積んでいないので、その作戦可動範囲は制限されており、輸送機、戦闘機のスクリーンに使われることはまずなかった。同時代の戦闘機と比べると、SB-26は例外的に高速で機動力があった。技術が向上すると、核融合エンジンの軽量化により、ライメイは機体の速度を増加させ、二倍の燃料を積めるようになった。また、気圏戦闘機用装甲の飛躍的進化は、この戦闘機に軽い重量で同じだけの防護力を与えた。このことは元の武装が交換されなかったことを意味する。

 SB-27は惑星市民軍が選ぶような惑星防衛戦闘機となり、他のもっと火力のある戦闘機を攻撃任務、艦隊任務につかせることができるようになった。継承権戦争で技術が衰退していくと、これら新型戦闘機の重要性が増していき、セイバーは惑星防衛の穴を埋めるようになった。セイバーのみを搭載した一隻のサマルカンド級空母が惑星を守り、かなりの障害となる姿はそう珍しいものではない。


配備
 ライメイとISFの秘密協定を理由に、SB-27セイバーは中心領域の至るところで一般的となり、一定数が大半の惑星駐屯部隊で見うけられる。継承権戦争でライメイの工場が倒産すると、残った4つが地元の企業、ロッキード/CBM、ジャラスター・エアロスペース、マジェスティ金属、ピナードプロテクトレート株式会社に買収された。


派生型
 セイバーは2753年に地球帝国で改良され、SB-28がアウトリーチのライメイ/ロッキードの工場で限定生産された。この派生型は新型のエクストラライトエンジンを搭載して、機首の長距離レーザーを載せるスペースを作り出し、主翼の旧式な中口径レーザーはそのまま残した。フェロ・アルミニウム装甲が戦闘機により厚い防護力を与え、数個航空中隊分が帝国海軍用に生産された。驚くべきことに、この派生型は他のライメイ工場では生産されなかった。おそらく、帝国の政治的圧力に屈したものと思われる。

 ドネガルの工場は、最近この派生型の設計図をケルハウンド(おそらく放浪ウルフ)から入手し、この傭兵隊向けの生産ラインを再開している。


改良型
 ワカザシは最近、プロトタイプセイバーの新しい設計図を入手し、3068年、連合のカーヴィルに記念すべき帰還を果たした。SB-29は機首にライトPPCを、両翼に2門の長射程中口径レーザーを搭載する。DCA(ドラコ連合海軍)のパイロットはこの高速ですばしこい戦闘機を再び入手出来るようになった。すぐさまこの機体は海軍の中で古い機材に取って変わるようになった。


著名なパイロット
シロー・クリタ大統領: ドラコ連合の初代大統領、シロー・クリタは趣味として時々、飛行を行った。希望によって、クリタ卿は組み立て用ハンガーから出荷された一機目のSB-26を飛ばした。大統領によって飛ばされたこのセイバーは、その後飛ぶことはなかった。ニューサマルカンドのヤマシロにある文化歴史センターに鎮座しているのである。


タイプ: セイバー
技術ベース: 中心領域
重量: 25トン
戦闘価値: 1449

                          装備重量
エンジン:         225              10
  安全噴射:        11
  最大噴射:        17
中枢強度:         11              
放熱器:          10              0
燃料:           400              5
操縦機器:                        3
装甲板:           64              4

        装甲
機首:       19
両翼:     15/15
後面:       15

武器・弾薬       配置 重量 熱 近 中 遠 超遠
中口径レーザー     機首    1    3   5   -   -   -
中口径レーザー     右翼    1    3   5   -   -   -
中口径レーザー     左翼    1    3   5   -   -   -











恒星連邦バトルメック


ハンマーハンズ HMH-3D Hammerhands
重量: 75 トン
シャーシ: アケルナルスペシャル・タイプ4強化型
パワープラント: DAV225
巡航速度: 32 キロメートル/時
最高速度: 54 キロメートル/時
ジャンプジェット: ローリングス50
 ジャンプ能力: 90メートル
装甲板: スターガードII
武装:
 ミドロン・モデルB・オートキャノン/10 2門
 チスコンプ38中口径レーザー 2門
 ハープーン6 SRM6 1門
製造元: アケルナル
 主要工場: ニューアヴァロン
通信システム: アケルナル・エレクトロニクスHICK-3
照準・追尾システム: フェデレーテッド・ギャザラーMkII




概要
 バトルアックスの試作型、量産型を10年以上かけて評価したのち、アケルナルの設計者たちはこの型に対する数多くの苦情を耳にした。設計からやり直したアケルナルは、二機目の恒星連邦専用機、ハンマーハンズを2475年にデビューさせた。基本的にバトルアックスの改造型なのだが、大幅な改造だったので、設計チームは改名を決め、両腕に載せたすばらしい火力から命名を行った。



性能
 ハンマーハンズの設計チームは、武器と装甲をもっと積めるようにシャーシの基本重量を増やし、エンジンの出力を下げることで、バトルアックスの欠点を修正しようとした。欠陥品の電子装置と照準システムは、新型の信頼性が高いものに交換され、バトルアックスを苦しめた技術的問題の多くから解放されたのである。発熱のひどい荷電粒子砲は、一組のミドロンB大型オートキャノンに交換され、両腕に中口径レーザーが付き、この75トン機の主砲となった。

 だが、外観を含め、バトルアックスの多くの要素がそのまま保たれている。肩のSRMラックは、かつて物議をかもしたジャンプジェット(ダヴィオンのパイロットたちは最終的に使いこなし始めた)のように、同じ位置に残っている。



配備
 ハンマーハンズは登場直後から、恒星連邦の選ばれたバトルメックとなった。その人気は急上昇し、なんと地球連邦が本機とバトルアックスをコピーし、2515年にウォーハンマーを作り出したのである。アケルナルが猛抗議したにもかかわらず、フラッグシップ機の名称、外観、能力はすべて修正され、改良された。副砲、放熱能力、移動速度の強化は、この兵器プラットホームをあらゆる点で性能上位とし、少しずつハンマーハンズに置き換わっていったのである。ウォーハンマーの設計上の優位は繰り返し明らかにされてきた……ハンマーハンズはすべてのメックに対して良い戦果を残した一方で、ウォーハンマーと直面した時には毎回必ず敗北したのだ。かつて恒星連邦の成功作であったものは、「貧者のウォーハンマー」と呼ばれるようになり、前身であるバトルアックスもまたその呼び名で嘲笑されたのである。この機種はすぐに忘れられていった。

 機体が消えた一方で、搭載されていたオートキャノンは繰り返し高性能を発揮して生き残った。メディアと軍報道官は、良好なダメージ/発熱比と、打撃力を強調して取り上げた。この武器の名声が上がったので、入隊した若手士官たちはオートキャノンを載せたマシンを求めるようになり、効果的に使う方法を模索し始めた。恒星連邦のオートキャノン好きが始まったのである。



派生型
 バトルアックスのケースと同じように、メック戦士の多くがジャンプジェットをハンマーハンズから取り外し、本領を発揮してきた荷電粒子砲とSRMシステムを交換した。熱の問題は再び大きなものとなったが、副砲の射程が長くなったことを喜び、長時間の戦闘に備えて重エネルギー兵器に価値を持つ者もいたのである。



改良型
 ハンマーハンズは、他機種のテスト用として、恒星連邦の軍産複合体によって引っ張り出された、最初の〈戦い〉の時代の機体であった。一機目の5D型は、装甲とジャンプ力を強化するために先端の素材を使った、コンセプトの試験を超えたものだった。2門の長射程中口径レーザーが中口径レーザーと交換され、C3スレイブが追加された。元のオートキャノンはそのまま使われている。新型の精密、装甲貫通弾が、旧式主兵器の性能を相殺している。6Dの生産用にラインを完全オーバーホールするまでに、少数の生産だけが行われた。

 6Dはジャンプ能力を最大限とし、SRMシステムと交換にC3と特殊なターゲティングコンピュータを加えている。オートキャノンはロータリーバージョンと交換され、減らされた放熱器は三重強化マイアマーによって補われている。この変更版で最も論議を呼んだのは、装甲の再配置である。前面の防護を強化するため、背面にはほとんど付けられていないのだ。



著名なメック戦士

スコット"ナパ"パーカー大尉: ドラコ連合、カペラ大連邦国との広く宣伝された小規模戦闘の中で、ハンマーハンズのオートキャノンを使用したパーカーは、一掃射で複数のコクピットを撃ち抜き、群れをなしていた敵のメック戦士を殺した。これが幾度か襲撃の流れを変え、パーカーを大尉の階級に昇進させたのである。彼は引退すると、ミドロン社で販売促進とミドロンオートキャノンの生産ラインの改善を担当した。パーカーのマーケティングは多大な成功を収め、帝国のような外国が重要な顧客となった。最終的にミドロンは多数の工場を帝国内に建設し、アマリスの乱で破壊されたのだった。





タイプ: ハンマーハンズ
技術ベース: 中心領域
重量: 75トン
戦闘価値: 1381

                            装備重量
内部中枢:                       7.5
エンジン:         225              10
    歩行:         3
    走行:         5
    ジャンプ:       3
放熱器:          13              3
ジャイロ:                        3
操縦機器:                        3
装甲板:          184             11.5

        内部中枢    装甲
頭部:      3         9
胴中央:    23        30
胴中央(背面):           9
左/右胴:    16        20
左/右胴(背面):          5
左/右腕:    12        20
左/右脚:    16        23

武器・装備       配置    装備欄数    重量
AC/10          右腕      7      12
中口径レーザー     右腕      1       1
弾薬(AC)10      右腕      1       1
AC/10          左腕      7      12
中口径レーザー     左腕      1       1
弾薬(AC)10      左腕      1       1
SRM6          右胴      2       3
弾薬(SRM)15      右胴      1       1
弾薬(AC)10      左胴      1       1
ジャンプジェット    胴中央      1       1
ジャンプジェット    左脚      1       1
ジャンプジェット    右脚      1       1




indexに戻る
inserted by FC2 system