テクニカルリードアウト:3050 アップグレード
『TRO:3050アップグレード』は、旧版の『TRO:3050』を、3071年末の視点から改訂、増補したものです。元々の著者はコムスターで、ウルフ竜機兵団(ウルフネット)がアップグレード版をまとめました。
そのうちの一部を、テクニカルリードアウト:3050 アップグレード・プレビュー(pdf)より。
そのうちの一部を、テクニカルリードアウト:3050 アップグレード・プレビュー(pdf)より。
- ホーネット (中心領域バトルメック)
- ブラックジャック (中心領域バトルメック)
- アニヒレーター (中心領域バトルメック)
- リョウケン (氏族オムニメック)
- グラディエイター (氏族オムニメック)
- ゼファー (星間連盟車両)
- シャパラル (星間連盟車両)
- カンガ (星間連盟車両)
- サグ (星間連盟バトルメック)
- キングクラブ (星間連盟バトルメック)
- ゼロ (星間連盟気圏戦闘機)
- ゴータ (星間連盟気圏戦闘機)
- ハンマーヘッド (星間連盟気圏戦闘機)
中心領域バトルメック
ホーネット HNT-171 HORNET
重量: 20 トン シャーシ: コリアン・モデルKL-77エンドースティール パワープラント: ヘルメス100 巡航速度: 54 キロメートル/時 最高速度: 86 キロメートル/時 ジャンプジェット: ピットバン LFT-50 ジャンプ能力: 90メートル 装甲板: スターガードCIV・フェロファイバー(CASE付) 武装: ホリー・LRM5ミサイルラック 1門 メインファイア・ポイントディフェンス・アンチミサイルシステム 1門 マーテル中口径レーザー 1門 製造元: カロン兵器工廠 主要工場: タロン(3069年破壊) 通信システム: トリ=ワード・デュプレックス4880 照準・追尾システム: ダルバン・ハイレッツII
概要
都市偵察用に設計されたホーネットは、軽武装であるが、そのサイズの割に比較的装甲が厚い。2760年に登場したホーネットは、星間連盟所属国家の注目をほとんど集めず、二年後に生産が中止された。継承権戦争の混乱の中で失われたのだが、2990年にカロン兵器工廠が青写真を再発見すると、生産が再開された。成功したかについては、またも判断しづらいところであった。このメックは傭兵の手中にもあり、第四次継承権戦争で効果的に使用された。
カロンは復興した技術を取り入れる最初のメックの一機としてホーネットを選んだ。ウェルンケ星系にある厳重なカロンの工場で作られたHNT-171は、3051年に登場した。氏族と戦うためにアップグレードされたバトルメックが必要とされる中で、ホーネットの需要は伸び続けた。その後の3069年、カペラ軍によってタロンの生産ラインは破壊されたのだった。
性能
この新型は、旧型HNT-151の重要な部分をいくつか改良している。エンドースティールの構造、フェロファイバー装甲、細胞式弾薬収納装置(CASE)を組み込んだ171型は生存性を増大させた。これをさらに強化するのが、メインファイア・ポイントディフェンス・アンチミサイルシステムで、敵のミサイルに対する優れた防御が提供され、人気のある機能となった。だが、ジャンプ能力と引き替えに、LRMの弾薬庫を増やすという決定は、芳しい評価を受けなかった。ホーネットに乗るメック戦士の多くは、最軽量級メックであるホーネットに、弾薬をすべて使えるほど長く戦えるチャンスはわずかであると指摘している。それにも関わらず、大容量の弾薬庫は、このメックを優れた襲撃機、偵察機ハンターにした。また、市場に流れている各種の新型LRM弾薬を使用可能である。
このメックに対する最も大きな批判は、原型機にまでさかのぼる、そのずんぐりとした腕である。ホーネットは、手駆動装置、前腕駆動装置を持たないことから、接近戦では貧弱である。
配備
アップグレードされたホーネットの第一陣は、サーナ境界域の消耗した部隊を増強するために送られた。侵攻してくるカペラ軍と直面した第3ケチ戦闘部隊のホーネットはペアを組んで敵のレイヴンを狩った。次に、ケチ戦闘部隊とデネブ軽機兵隊がこのメックを大規模に配備し、ヴァルキリー、ウルフハウンドと組み合わせた。両部隊はホーネットを連邦共和国内戦後の再建プログラムに含めた。
恒星連邦サーナ境界域市民軍連隊は、古びたワスプ、スティンガーをホーネットに少しずつ置き換えている。カペラ境界域市民軍連隊は、ホーネットにスウォーム弾頭、サンダー弾頭を混ぜて搭載し、ワード・オブ・ブレイクによる襲撃を撃退した。サンダー弾による地雷原を素早く展開した市民軍兵は、敵を一ヵ所にまとめ、それからスウォームミサイルを次から次へと放つのである。
旧型のHNT-151には、すぐに傭兵団という買い手がついた。最も有名なのはウルフ竜機兵団である。この一流傭兵隊は自前のアップデートバージョンを就役させたが、使用可能な氏族技術が増えてくるにしたがい、機体を本拠地防衛軍に追いやった。
派生型
元のHNT-151は恒星連邦中の市民軍部隊で使われている。先進技術を使ってないこの機種は、AMSとCASEの代わりに、ジャンプジェット2基と小口径レーザー1門を搭載している。4トンの通常型装甲はやや良い守りを与えるが、LRM弾薬の量は半分のみで、持続性は大幅に減少する。
当初、ウルフ竜機兵団はダヴィオン家より多くのホーネットを展開していた。カロンによる改良後、竜機兵団はHNT-161の生産を委託した。野心的でない161型のアップグレードは、アンチミサイルシステムを外して、原型機の小口径レーザーとジャンプ能力を残している。
著名なメック戦士
ピエト・ニコルス大尉: ウルフ竜機兵団ガンマ連隊の若き中尉であったニコルスは、命令に反し、マーリックの倉庫に計画不足の攻撃を行った。この攻撃は失敗し、支援が来る前に部下のメック戦士のうち二名が戦死したのだった。軍法会議にかけられ、階級を剥奪されたニコルスは、3014年に結成されたナターシャ・ケレンスキー大尉のブラックウィドウ中隊に「志願」させられた。7度負傷する間に、3機のバトルメックを乗り換えたニコルスは、第四次継承権戦争中、ついに不名誉な記録を払拭した。以前の階級を取り戻したピエトは、最初はブラックウィドウ大隊で、次にウルフスパイダー大隊で、約三十年に渡って小さなホーネットのコクピットから1個小隊を指揮した。3060年、前線任務から退いたニコルスは、本拠地防衛軍の中隊指揮を引き受けた。彼はハーレフ(竜機兵団の本拠世界アウトリーチ首都)の市街戦で戦死した。タイガーシャークス傭兵大隊に中隊の陣地を蹂躙されたのである。
タイプ: ホーネット 技術ベース: 中心領域 重量: 20トン 戦闘価値: 535 装備重量 内部中枢: エンドースティール 1 エンジン: 100 3 歩行: 5 走行: 8 ジャンプ: 3 放熱器: 10 0 ジャイロ: 1 操縦機器: 3 装甲板: 62 3.5 内部中枢 装甲 頭部: 3 7 胴中央: 6 8 胴中央(背面): 3 左/右胴: 5 8 左/右胴(背面): 2 左/右腕: 3 6 左/右脚: 4 6 武器・装備 配置 装備欄数 重量 LRM5 右胴 1 2 弾薬(LRM)48 左胴 2 2 AMS 頭部 1 0.5 弾薬(AMS)12 左胴 1 1 CASE 左胴 1 0.5 中口径レーザー 右腕 1 1 ジャンプジェット 胴中央 1 0.5 ジャンプジェット 左胴 1 0.5 ジャンプジェット 右胴 1 0.5
中心領域バトルメック
ブラックジャック BJ-2 BLACKJACK
重量: 45 トン シャーシ: GM BJ-I パワープラント: GM 180 巡航速度: 43 キロメートル/時 最高速度: 64 キロメートル/時 ジャンプジェット: ウィットワース・ジェットリフト ジャンプ能力: 120メートル 装甲板: スターガードII 武装: ディヴァース・オプティクス・サンビーム長射程大口径レーザー 2門 ホバーテック・ストリークSRM-2ポッド 4門 製造元: ゼネラルモータース 主要工場: カシル(3069年破壊) 通信システム: ダルバン・マイクロニクス 照準・追尾システム: ダルバンAQ
概要
星間連盟期、ゼネラルモータースによって開発されたブラックジャックは、暴動鎮圧、火力支援への投入が意図されていた。基本設計に欠陥があり、不安定だとの評価が不可解にもつきまとったこのメックは、すぐに人気を失った。従って、第一次継承権戦争でカシルの生産ラインが破壊されても、悲観した者はほとんどいなかった。
他の国家がこのメックをほとんど放棄した一方で、恒星連邦のテックたちはいじり回し続けた。その過程で、脚部の短さが機動性と安定性を損なっているとのクレームが間違っていることがわかった。スターガードII装甲がもろすぎるとの憂慮は、同じく根拠のないものだった。星間連盟技術が使えるようになると、テックたちはブラックジャックの改装を試みた。これらのテスト機が有望であるとの報告が届くと、ゼネラルモータースは3054年限られた数の生産を再開した。
3069年、ワード・オブ・ブレイクのカシル攻撃後、最終的に生産は止まった。
性能
元々、実験モデルの1機であったBJ-2は、AFFCの標準現地改修、カシルでの生産機の設計原案となった。ワールウィンド・オートキャノンを、ディヴァース・オプティクス・サンビーム長射程大口径レーザーに交換し、射程と引き替えに火力が強化されている。中口径レーザー群は、ホバーテック・ストリークSRM-2ポッド4門と弾薬1トンに交換された。初期のテスト機で深刻な発熱問題が発生した後、放熱器は高性能モデルにアップグレードされた。
メック戦士の多くがブラックジャックをさげすみ続けている現状で、このアップグレードされたメックは、正確な重火力で敵をよく驚かせている。新たな武装の組み合わせは、バトルアーマーにも効果があると証明された。
配備
ダヴィオン、リャオ領域でのみ一般的なブラックジャックは、評価が低い事から恒星連邦では市民軍に追いやられた。第三次継承権戦争末期のコーサ戦後、これは変わり始めた。アップグレード版の登場に伴い、ブラックジャックはアヴァロン装甲機兵隊、デネブ軽装甲機兵隊に配備されつつある。
聖アイヴスは、BJ-3を聖アイヴス装甲機兵隊に大量配備し、また聖アイヴスに駐屯している連邦=共和国の部隊が相当数のBJ-3を受領している。
派生型
聖アイヴスで生産されているBJ-3は、AC/2をセレスアームズのスマッシャーPPCに交換し、中口径レーザーをそのまま使っている。放熱器の1基が取り外されているのだが、残った10基はアップグレードされている。このバージョンの生産は最近中止された。聖アイヴスの生産ラインが、BJ-O ブラックジャック・オムニメックを生産するために、オーバーホールされたからだ。
恒星連邦で製造されているもう1機、BJ-4は、連邦=共和国内戦の最中に生産開始された。ライトクラス5オートキャノン2門を搭載し、CASEが各胴の弾薬40発を護っている。腕に搭載された2門の長射程中口径レーザーが、オートキャノンの横に位置し、4門の武器すべてが左胴の洗練されたターゲティングコンピューターに直結している。新型180ライトエンジンがこのメックを動かし、またライトフェロファイバー装甲は重量増加なしに同レベルの防御力を提供する。
著名なメック戦士
マイケル・ウブドゥ中佐: NAISの一候補生に過ぎなかったウブドゥは、第三次継承権戦争、コーサVIIの戦いで英雄となり、第8デネブ軽装甲機兵隊RCTの小隊長に任命された。第8に仕え続けた彼は昇進していき、ジェイドファルコンとのブルーホール防衛戦でイェルヴァイス大佐が戦死した際に、とうとうメック連隊の副指揮官となった。
中傷されてきたブラックジャックの偉大なる支持者、ウブドゥは、コーサVIIの勝利以降、「アロー」を操縦してきた。新技術で改装したウブドゥとブラックジャックは、ブルーホール戦において、ヘッドハンター任務に来たエレメンタル数個ポイントを近寄らせなかった。
メック戦士・ジョン・ホープウェル: 第8シルティス機兵連隊の元メック戦士ホープウェルは、カペラ大連邦国に対する計画不足の攻勢に参加した際、末期呼吸器疾患をわずらった。医療難民で溢れた降下船で旅したホープウェルは、デビッド・マッキノン中尉指揮下のアヴァロン装甲機兵隊1個小隊と共に、ベイドで立ち往生してしまった。3070年の後半に、ワード・オブ・ブレイクの襲撃隊が攻撃を仕掛けてきた際、マッキノンは動ける者たち(ホープウェルもその中にいた)を結集し、装甲機兵隊に同行させた。ブレイク軍の側面を叩いたこの半中隊は、大打撃を与え、襲撃隊を降下船に押し返した。
アップグレードされたブラックジャックを駆る、いまだ優秀な戦士(咳き込んでない時)のホープウェルは、マッキノンの護衛役を引き受けた。彼らのガタガタの部隊は、カペラ境界域でブレイク派と戦い続けている。
タイプ: ブラックジャック 技術ベース: 中心領域 重量: 45トン 戦闘価値: 1148 装備重量 内部中枢: 4.5 エンジン: 180 7 歩行: 4 走行: 6 ジャンプ: 4 放熱器: 11[22] 1 ジャイロ: 2 操縦機器: 3 装甲板: 136 8.5 内部中枢 装甲 頭部: 3 9 胴中央: 14 18 胴中央(背面): 9 左/右胴: 11 15 左/右胴(背面): 6 左/右腕: 7 12 左/右脚: 11 17 武器・装備 配置 装備欄数 重量 ER大口径レーザー 右腕 2 5 ER大口径レーザー 左腕 2 5 2 ストリークSRM2 右胴 2 3 弾薬(ストリーク)50 左胴 1 1 2 ストリークSRM2 左胴 2 3 ジャンプジェット 右脚 2 1 ジャンプジェット 左脚 2 1
中心領域バトルメック
アニヒレーター ANH-2A ANNIHILATOR
重量: 100 トン シャーシ: スターリーグMN-01 パワープラント: ニッサン200 巡航速度: 21 キロメートル/時 最高速度: 32 キロメートル/時 ジャンプジェット: なし ジャンプ能力: なし 装甲板: スターシールド・スペシャル-b(CASE付) 武装: ミドロンエクセルLB-10Xオートキャノン 4門 マグナ400P中口径パルスレーザー 4門 製造元: アークロイヤル・メックワークス 主要工場: アークロイヤル 通信システム: ガレットT19-G 照準・追尾システム: ワセット・アグレッサー・タイプ5
概要
壊滅的打撃を受けたウルフ竜機兵団に残された数少ない秘密のひとつ、アニヒレーターは、ワード・オブ・ブレイクによるアウトリーチ殲滅で、ゆっくりと消えていくと考えられていた。従って、グレイスランドの戦いで新型が登場すると、驚きによって迎えられたのである。
ケルハウンド、(放浪)ウルフ、竜機兵団が緊密な関係にあることから、これらの入手困難な強襲級バトルメックの多くは交換されていった。元々は竜機兵団専用機(どこかにしまい込んで隠していたようだ)だったアニヒレーターは、連邦共和国内戦の間に三つの傭兵隊すべてに現れ始めた。第二星間連盟が崩壊する前、ケルハウンドの技術者たちはアニヒレーターをテスト用の機体にして、新たに入手したライトオートキャノン技術の実験を行った。コンパクトエンジン、コンパクトジャイロと組み合わせられた、アニヒレーターのフレームはLACで一杯になり、恐るべき車両、歩兵キラーが現れた。
竜機兵団の生き残りがアークロイヤルに移動した時、彼らは破壊されたコンピュータネットワークからデータの一部を持ってきた。アニヒレーター原型機のデータを入手した、アークロイヤル・メックワークスは、重PPCを導入して首尾良く機体の強化に成功し、氏族の二線級マシンの多くに匹敵するメックとしたのである。
性能
いまだ多数が生産されているANH-2Aアニヒレーターはその恐ろしい名前に恥じぬ存在である。4門のLB-10Xと同数のパルスレーザーは、接近戦でこの機種をすさまじい相手とする。しかし、弾薬が乏しいことから長い戦闘において積極的なパイロットは不利を被ってしまいがちである。そのコンパクトなフレームと修理しやすい部品はこの機種を信頼できるものとし、稼働してない時間を最小限としたのである。
アニヒレーターにライラの新型コンパクトエンジン、ジャイロを組み合わせると、修理しやすさを損なうことなく、胴に大きなスペースを生み出すことが出来る。新型のANH-3Aは、デモリッシャーII小隊にとって真の恐怖であり、重装甲のカナズチアーマー分隊にとってさえ恐ろしい悪夢なのである。
伝えられるところによると、(放浪)ウルフの飛び地領土を訪れたヘルズホース商人は目撃した新型の双方に感銘を受けたという。チャッターウェブの噂では、メック販売に関する複数階級の取引がなされたかもしれず、将来的には新型の共同開発が行われる可能性さえあるという。いずれにせよ、放浪ウルフは同盟への依存を弱め、影響力を拡大し続けているように見える。
配備
旧式のANH-1Aアニヒレーターは傭兵部隊のなかでいまだに見られるが、明らかに珍しい存在である。最も一般的なアニヒレーターは2A型である。ケルハウンドと放浪ウルフはすぐ生産分を非ブレイク派のバイヤーに売り出している。3Aと4Aは放浪ウルフと竜機兵団でのみ使われている――なぜハウンドが新型を配備していないかは現時点では不明である。
派生型
原型機の1Aより多い装甲、ライトオートキャノン8門、長射程中口径レーザー4門を積んでいるANH-3Aは、ほとんどの強襲級メックに対する恐怖である。数秒で100トン戦車すら引き裂く本機は、ライラ、竜機兵団、氏族の協力の優れた見本である。ANH-4A(2門の重量級PPC、2門のLB-10X、2門のライトオートキャノン搭載)もまたそのような称賛に値する。充分な弾薬、コンパクトジャイロ、重装甲を持つこの機種は、ヘルズホース商人の目にとまっている。
著名なメック戦士
ステファニー"卑怯なベイビー"ピーターソン: ワード・オブ・ブレイク侵攻の際、ソラリスVIIにいたピーターソンは失機者となりエリック・グレイのソラリス郷土防衛同盟(SHDL)に加わった……初期の戦闘で彼女のアニヒレーターは破壊されたのである。その後すぐに彼女はSHDL内のスパイを暴き、グレイや他の抵抗軍リーダーにかけられた罠を逆に利用した。それ以来、彼女は若々しい外見とひたむきな集中力を使って、情報収集任務を成功させている。
ブル・レッドモンド上級曹長: エギュベルの寄せ集め的な市民軍を指揮するレッドモンドは部隊に配備されたアニヒレーター2機を新品同様の状態に保っている。これら2機がこの星系にある唯一のバトルメックなので、彼の仕事の大部分はメックとともに惑星中の各勤務地を移動し、「信任任務」と呼んでいるものを実行することにある。いくつかの理由から、エギュベルの記章を付けた2機の強襲メックは大衆を落ち着かせる役に立っている……特にメディアで悪いニュースが増えている時には。レッドモンドの最も大きな悩みは、市民軍のホバークラフト隊と鈍足なベヒモスの歩調を合わせることを除けば、6ヶ月後に引退することになっているパートナーの代わりになるメック戦士を捜すことである。
タイプ: アニヒレーター 技術ベース: 中心領域 重量: 100トン 戦闘価値: 1595 装備重量 内部中枢: 10 エンジン: 200 8.5 歩行: 2 走行: 3 ジャンプ: 0 放熱器: 17 7 ジャイロ: 2 操縦機器: 3 装甲板: 200 12.5 内部中枢 装甲 頭部: 3 9 胴中央: 31 25 胴中央(背面): 10 左/右胴: 21 21 左/右胴(背面): 9 左/右腕: 17 24 左/右脚: 21 24 武器・装備 配置 装備欄数 重量 LB 10-X 右腕 6 11 LB 10-X 左腕 6 11 LB 10-X 右胴 6 11 LB 10-X 左胴 6 11 弾薬(LB-X)20 右胴 2 2 CASE 右胴 1 .5 弾薬(LB-X)20 左胴 2 2 CASE 左胴 1 .5 中口径パルスレーザー 左腕 1 2 中口径パルスレーザー 右腕 1 2 中口径パルスレーザー 胴中央 2 4
氏族オムニメック
リョウケン Ryoken
重量: 55 トン シャーシ: モデルMHO-7Eエンドースティール パワープラント: 核融合330エクストラライト 巡航速度: 64 キロメートル/時 最高速度: 97 キロメートル/時 ジャンプジェット: なし ジャンプ能力: なし 装甲板: コンパウンドH17//2・フェロファイバー 武装: 空きポッドスペース23トン 製造元: 各種 主要工場: 各種 通信システム: GBXシリーズ・インテグレーテッド 照準・追尾システム: トカーシャB4-T&T
概要
ほっそりとしていて、機動性があり、汎用性のあるストームクロウ(氏族侵攻時にDCMSの兵士によってリョウケンと命名された)は、氏族によって生産された最初のオムニメックの一機だと長年考えられていた。ところが、最近のデータ(特にヘルズホース氏族の旧式コルヴィスの発見)によると、開発されたのは最初のオムニから約50年後とされているのだ。実際、一部の記録は、リョウケンの登場が、いわゆる「オムニ=コルヴィス」のプロトタイプが実戦投入された、悪名高いホース=ゴーストベアのトカーシャ争奪戦の時であるとしている。
性能
軽量化技術を最大限に盛り込んだリョウケンは、すばらしい移動速度とその重量の限界に近い装甲を持っている。20トン以上のポッドスペースを持っていることから、ほとんどの仕様が優秀な装甲と速度を活かす武装とし、決闘機、ハンターキラー機としての能力を最大限にしている。当初の5種類の仕様のうち、Dだけがミサイル支援を主眼とし、レーザー、オートキャノンの混合である他の基本仕様、A仕様、C仕様とは異なっている。
新しい武装のE(コヨーテや他の守護派氏族に好まれている)は、つい最近開発された柔軟性の高い火力支援を持つATMシステムを搭載し、一方でHはヘビーレーザーの破壊力を見せつける。ジェイドファルコンで最初に見られたF仕様は、新型のプラズマキャノン、対人ガウス兵器を搭載し、対車両、対歩兵任務を果たす。そして、ヘルズホースの新型G仕様は強力なハイパーアサルトガウスを搭載し、5門の中口径レーザーがバックアップする。このコンビネーションは、ホースが中心領域に帰還して以来、ウルフ氏族を相手に何度も真価を発揮した。
配備
2921年、ゴーストベアのトカーシャメックワークスが陥落したことにより、リョウケンのプロトタイプが他氏族に広まったようである。奇妙なことに、スノウレイヴンが、航空宇宙部隊に偏っているにもかかわらず、2930年までにいわゆる「第二世代オムニ」の最終バージョンを実戦配備した。彼らはゴーストベアとの取引で技術仕様書とパーツを入手したのである。それ以来、確かな実績により、リョウケンは全氏族軍に広まり、氏族本拠世界中に多数の工場が造られた。
著名なメック戦士
スターコーネル(ローアマスター)・テムチン・アミロウ:ローアマスター、ホースウォッチ(諜報部)長官の座につく直前にブラッドネームを得たスターコーネル・テムチン・アミロウは、文字通り鋼鉄の腕を持つ(弾圧的な)マラヴァイ・フレッチャー氏族長の統治下において、リスターであると考えられていた。彼の政治信条は秘密のままにされていたが、フレッチャーによる戦役に身を捧げたというのに、ジェームス・コブ氏族長の台頭後にローアマスターの地位を保っていることについて多くが疑問に思っている。彼のリョウケン(漆黒に塗装され、左の前腕部に燃える金の「1」が描かれている)は、3068年、ホースがウルフ氏族に襲いかかって以来、数多の守備隊戦士や辺境の海賊にとって、最後の光景になっているのである。
タイプ: ストームクロウ 中心領域名: リョウケン 技術ベース: 氏族オムニメック 重量: 55トン 戦闘価値: 2073 装備重量 内部中枢: 3 エンジン: 330 XL 12.5 歩行: 6 走行: 9 ジャンプ: 0 放熱器: 10[20] 0 ジャイロ: 4 操縦機器: 3 装甲板: 182 9.5 内部中枢 装甲 頭部: 3 9 胴中央: 18 25 胴中央(背面): 10 左/右胴: 13 17 左/右胴(背面): 9 左/右腕: 9 18 左/右脚: 13 25 重量・スペース配置 場所 固定装備 残りスペース 頭 なし 1 胴中央 1 エンドースティール 0 1 フェロファイバー 右胴 2 XLエンジン 6 1 エンドースティール 3 フェロファイバー 左胴 2 エンジン 6 1 エンドースティール 3 フェロファイバー 右腕 なし 8 左腕 なし 8 右脚 2 エンドースティール 0 左脚 2 エンドースティール 0 武器・装備 配置 装備欄数 重量 基本仕様 ER大口径レーザー 右腕 1 4 ER中口径レーザー 右腕 1 1 3 高性能放熱器 右腕 6 3 3 高性能放熱器 右胴 6 3 ER大口径レーザー 左腕 1 4 ER中口径レーザー 左腕 1 1 3 高性能放熱器 左腕 6 3 3 高性能放熱器 左胴 6 3 ER中口径レーザー 頭部 1 1 A仕様 LRM20 右腕 4 5 弾薬(LRM)12 右腕 2 2 ストリークSRM6 右胴 2 3 弾薬(ストリーク)15 右胴 1 1 4 中口径パルスレーザー 左腕 4 8 ストリークSRM6 左胴 2 3 弾薬(ストリーク)15 左胴 1 1 バトルバリュー:2,319 B仕様 6 ER中口径レーザー 右腕 6 6 3 高性能放熱器 右胴 6 3 ウルトラAC20 左腕 8 12 弾薬(ウルトラ)10 左胴 2 2 バトルバリュー:2,281 C仕様 大口径パルスレーザー 右腕 2 6 中口径パルスレーザー 右腕 1 2 LB 10-X AC 左腕 5 10 弾薬(LB-X)30 左腕 3 3 中口径パルスレーザー 左胴 1 2 バトルバリュー:1,881 D仕様 LRM20 右腕 4 5 弾薬(LRM)18 右腕 3 3 ナークミサイルビーコン 右胴 1 2 LRM20 左腕 4 5 弾薬(LRM)18 左腕 3 3 2 SRM2 左胴 2 1 弾薬(SRM)100 左胴 2 2 バトルバリュー:1,863 E仕様 ATM9 右腕 4 5 弾薬(ATM)21 右腕 3 3 ER中口径レーザー 右腕 1 1 2 ER小口径レーザー 右胴 2 1 高性能放熱器 右胴 2 1 ATM9 左腕 4 5 弾薬(ATM)21 左腕 3 3 ER中口径レーザー 左腕 1 1 2 ER小口径レーザー 左胴 2 1 高性能放熱器 左胴 2 1 アクティブプローブ 頭部 1 1 バトルバリュー:2,113 F仕様 プラズマキャノン 右腕 1 3 弾薬(プラズマ)30 右腕 3 3 2 APガウスライフル 右腕 2 1 弾薬(APガウス)40 右腕 1 1 2 ER中口径レーザー 右胴 2 2 ER小口径レーザー 右胴 1 .5 高性能放熱器 右胴 2 1 プラズマキャノン 左腕 1 3 弾薬(プラズマ)30 左腕 3 3 2 APガウスライフル 左腕 2 1 弾薬(APガウス)40 左腕 1 1 2 ER中口径レーザー 左胴 2 2 ER小口径レーザー 左胴 1 .5 高性能放熱器 左胴 2 1 バトルバリュー:2,227 G仕様 5 ER中口径レーザー 右胴 5 5 3 高性能放熱器 右胴 6 3 HAG 20 左腕 6 10 弾薬(HAG)12 左腕 2 2 3 高性能放熱器 左胴 6 3 バトルバリュー:2,152 H仕様 重大口径レーザー 右腕 3 4 ER中口径レーザー 右腕 1 1 3 高性能放熱器 右腕 6 3 3 高性能放熱器 右胴 6 3 重大口径レーザー 左腕 3 4 ER中口径レーザー 左腕 1 1 3 高性能放熱器 左腕 6 3 3 高性能放熱器 左胴 6 3 ER中口径レーザー 頭部 1 1 バトルバリュー:2,061
氏族オムニメック
グラディエイター Gladiator
重量: 95 トン シャーシ: クランシリーズ・アサルトSXE パワープラント: 380ヘビーフォースXL 巡航速度: 43 キロメートル/時 最高速度: 64 キロメートル/時、86 キロメートル/時(MASC使用時) ジャンプジェット: プライツォークWM10 ジャンプ能力: 120メートル 装甲板: アルカディア・コンパウンド・デルタVII・フェロファイバー 武装: 空きポッドスペース26.5トン 製造元: アルシャイン・バトルワークス 主要工場: アルシャイン 通信システム: ダッシュ2・オプティマ 照準・追尾システム: ハーコン=モリスLAP
概要
バーロック氏族との忘れ去られし神判で、ゴーストベア氏族は95トンのエクシキューショナー(中心領域名グラディエイター)開発計画を獲得し、科学者がこれにいくつかの変更を付け加えた。当初の構想では、バーロックの機種とコディアック(当時開発中)を合体させ、氏族のトーテムを取り入れた、ベアの力のシンボルとなるような1機のオムニメックを作り上げることになっていた。
残念ながら、コディアックの構造的欠陥により、MASC回路を組み込むのは不可能であった――20回の試験のうち18回が失敗した。だが、氏族の科学者たちは、グラディエイターを廃棄せず、2機の強襲級メック――1機は強力なオムニメック、もう1機はベアの戦士の精神を象徴する二線級機――を設計するだけの蓄積が得られたと進言した。
氏族評議会の承認が得られると、グラディエイターの開発は素早く進められ、3年以内に第一号機がアルカディアの工場から登場したのだった。
性能
他の氏族製強襲級マシンにくらべて、ややパワー不足なグラディエイターは、その速度(最高90km近く)とバランスによって、ゴーストベア戦士たちの支持を得ている。4基のプライツォーク・ジャンプジェットが、機動性にさらなる優位を与え、これはグラディエイターの最初の所有の神判で示された。この機体を得るのを熱望していたヘルズホースのスターキャプテン・レジナルド・アミロは、ウォッチの事前説明を軽視しており、スターコマンダー・ゴーマン・ベッカーのグラディエイターが背後にジャンプしてくると仰天した。アミロのマッドキャットはグラディエイターの一斉射で沈黙したのだった。
グラディエイターの初期仕様の大半は現役である。もっともDバージョンは教習用を除いて廃れたようだ。新型の2タイプ(K型とP型)は、強力なHAG兵器とレーザー群を装備し、若い戦士たちの間で人気となった。この需要に応えるためゴーストベアはダイアモンドシャークの商人からHAGを得る交渉を急いでいる。
配備
配備からの数十年、ゴーストベアの戦士は所有の神判で一度も負けなかった。これはグラディエイター自体を目標とした神判も含む。彼ら戦士たちがどの兵器よりも格段の結びつきを持ったために、他氏族は容赦なくこの機体を得ようとした。スモークジャガー氏族がようやく神判で1個星団隊分のマシンを勝ち取った直後から、全氏族がグラディエイターを入手できるようになった。だが、ほとんどの氏族は、この強襲級の能力を完全に利用できてはいない(ジャガー、バーロックはよく知られた例外である)。ゴーストベアだけが、大量の生産、配備を行っている氏族として知られている。
著名なメック戦士
スターコマンダー・ゴーマン・ベッカー:22年もの長きに渡って、族長親衛隊(Golden Keshik)に仕えたベッカーは、グラディエイター、その生産施設に押し寄せてきた14の敵氏族に対する18の神判で勝利を記録してきた。ベッカーは19度目の神判でスモークジャガーとの交戦中に、脳動脈瘤で死亡した。ジャガーはこのような恐るべき戦士が病死したと考えるのを拒絶し、遺伝子保管庫に小さな彫像を作る事で、彼の遺産を尊重した。前例のない評価である。
タイプ: エクシキューショナー 中心領域名: グラディエイター 技術ベース: 氏族オムニメック 重量: 95トン 戦闘価値: 2619 装備重量 内部中枢: 9.5 エンジン: 380 XL 20.5 歩行: 4 走行: 6(8) ジャンプ: 4 放熱器: 16[32] 6 ジャイロ: 4 操縦機器: 3 装甲板: 259 13.5 内部中枢 装甲 頭部: 3 9 胴中央: 30 37 胴中央(背面): 9 左/右胴: 20 20 左/右胴(背面): 10 左/右腕: 16 32 左/右脚: 20 40 重量・スペース配置 場所 固定装備 残りスペース 頭 1 フェロファイバー 0 胴中央 2 フェロファイバー 0 右胴 2 XLエンジン 6 1 高性能放熱器 2 フェロファイバー 左胴 2 エンジン 6 4 MASC 右腕 1 フェロファイバー 7 左腕 1 フェロファイバー 7 右脚 2 ジャンプジェットル 0 左脚 2 ジャンプジェットル 0 武器・装備 配置 装備欄数 重量 基本仕様 2 ER大口径レーザー 右腕 2 8 2 高性能放熱器 右胴 4 2 2 マシンガン 右胴 2 .5 弾薬(MG)200 右胴 1 1 ガウスライフル 左腕 6 12 高性能放熱器 左腕 2 1 弾薬(ガウス)16 左胴 2 2 A仕様 4 ER中口径レーザー 右腕 4 4 2 高性能放熱器 右腕 4 2 2 マシンガン 右胴 2 .5 弾薬(MG)200 右胴 1 1 3 大口径パルスレーザー 左腕 6 18 高性能放熱器 左腕 2 1 バトルバリュー:2,953 B仕様 ER PPC 右腕 2 6 3 高性能放熱器 左腕 6 3 アンチミサイルシステム 右胴 1 .5 弾薬(AMS)24 右胴 1 1 ER中口径レーザー 右胴 1 1 ウルトラAC20 左腕 8 12 弾薬(ウルトラ)15 左胴 3 3 バトルバリュー:2,800 C仕様 ウルトラAC20 右腕 8 12 弾薬(ウルトラ)15 右胴 3 3 照準コンピューター 右胴 3 3 LRM20 左腕 4 5 アルテミスIV FCS 左腕 1 1 弾薬(LRM)12 左腕 2 2 ER小口径レーザー 左胴 1 .5 バトルバリュー:2,610 D仕様 大口径パルスレーザー 右腕 2 6 3 中口径パルスレーザー 右腕 3 6 3 小口径パルスレーザー 右腕 3 3 2 小口径パルスレーザー 右胴 2 2 2 高性能放熱器 右胴 4 2 2 SRM6 左腕 2 3 弾薬(SRM)45 左腕 3 3 ER小口径レーザー 左胴 1 .5 2 高性能放熱器 左胴 4 2 バトルバリュー:2,572 E仕様 2 ER大口径レーザー 右腕 2 8 高性能放熱器 右腕 2 1 2 重中口径レーザー 右胴 4 2 重小口径レーザー 右胴 1 .5 2 ATM9 左腕 8 10 弾薬(ATM)35 左胴 5 5 バトルバリュー:2,838 H仕様 重大口径レーザー 右腕 3 4 2 ER中口径レーザー 右胴 2 2 照準コンピューター 右胴 4 4 ウルトラAC20 左腕 8 12 弾薬(ウルトラ)20 左胴 4 4 火炎放射器 左胴 1 .5 バトルバリュー:2,924 K仕様 2 ER大口径レーザー 右腕 2 8 3 ER中口径レーザー 右腕 3 3 軽アクティブプローブ 右胴 1 1 高性能放熱器 右胴 2 1 HAG 20 右腕 6 10 弾薬(HAG)18 右腕 3 3 高性能放熱器 左胴 2 1 バトルバリュー:2,967 P仕様 HAG 30 右腕 8 13 弾薬(HAG)12 右胴 3 3 LRM10 右胴 1 3.5 弾薬(LRM)12 右胴 1 1 プラズマキャノン 左腕 1 3 弾薬(プラズマ) 左腕 1 1 3 重中口径レーザー 左胴 6 3 バトルバリュー:2,898
星間連盟車両
ゼファー ZEPHYR
重量: 40 トン 移動: ホバー パワープラント: GM185 巡航速度: 97 キロメートル/時 最高速度: 151 キロメートル/時 装甲板: CRTフェロファイバー 武装: ボウイ・エレクトロニクス中口径レーザー 3門 ソアSRM6 1門 ボウイ・エレクトロニクス小口径レーザー 1門 製造元: グラマン工業 主要工場: 地球 通信システム: ガーディアンECM システムX 照準・追尾システム: ブンデスバイス目標補足装置
概要
2620年の登場以降、ゼファーは通常、歩兵支援用、即応部隊用の随行ホバー戦車として使われてきたのだが、SLDFはこの車両をシャパラルの支援用戦車として活用した。ガーディアンECMは戦場で成功したと判断されていたので、SLDFはゼファーにこの新装備を搭載するよう、グラマン工業に要求した。
地球の支配権がワード・オブ・ブレイクからコムスターに移った際、グラマンの経営者たちは、生産ラインをアップグレードし、拡大するための莫大な資金を与えられた。由緒ある生産企業に対する最初の注文のひとつは、能力が実証されているゼファーを改造し、改良型C3コンピューターシステムを組み込むことだった。新型が地球保安担当司教にお披露目されると、この企業は地球の工場で生産を続ける大規模な契約を受け取った。地球保安部門からの注文はあまりに大きいものだったので、グラマンは、3066年、ニューアースに新工場を建設し、ワード・オブ・ブレイク市民軍、保護領軍の結成、拡大に絡む需要に応えた。
3071年、グラマン・ニューアース支部の反体制派は、ワードの保護領外での行動に疑問を抱き始めた。ニューアース支部は地球本部での長い「休息」に向かう前に、200両以上の戦車を、保護領の敵にどうにか密輸したのだった。現在、全施設が徹底的な調査が終わるまで、閉鎖されている。
性能
原型型ゼファーの設計は、その主任務――野戦砲、長距離火力支援の護衛戦車――に向いていたのだが、その平均的以上の速度と装甲量が有効活用されていないのではないかと考えられるようになった。何両かが改造された後で(主にWoBのC3i技術を組み込む)、2種の新しい派生型が登場した。両車とも他のC3iネットワークの中で行動可能である。保護領軍で最も一般的ないくつかのレベルIIは、ゼファーと装甲歩兵で構成され、敵のフォーメーションを破る能力を持った、高速打撃即応部隊となる。
配備
ほぼワード・オブ・ブレイク保護領軍、市民軍にのみある新型ゼファーは、激戦の後で捕獲されたものだけが、他の軍で見られる。グラマンの上層部が保護領の反乱軍に対して密輸を行ったにもかかわらず、目撃例は極めて稀である。
最も一般的なのは、旧型の原型機で、コムスター、連合、FRR軍の中で見られる。こういった高度な技術を維持できる傭兵隊もまた、重装甲と高速(ECM装備を迅速に移動できる)を持つ本機を配備する傾向がある。近年、この能力は、ワードの危険で柔軟性のあるC3iネットワークと戦う上で特に重要となっている。
派生型
最初の派生型――早くも3062年には注目されていた――は、ECMとC3iコンピュータシステムの両方を搭載している。この新技術を載せるため、前部のSRM6パックをストリーク2にダウングレードしている。これらの派生型は他のC3i諸兵科連合レベルIIで最もよく見られ、しばしば側面、前衛ユニットとなる。
保護領軍で使われていると噂される、二番目の派生型についてはあまり知られていない。C3iをそのままに、TAG、ECM、SRM、後部レーザーを取り外して、前部に2門のLRMラックを搭載している模様だ。その結果、ゼファーの外観は、ずんぐりとしたものになり、交戦した傭兵隊からは"パグ"と呼ばれている。砲塔には三門目のレーザーがなく、アナリストたちはこのゼファーがERレーザーを搭載しているのではないかとしている。これまでのところ、このバーションはカフ、エプシロン・エリダニ、アウトリーチでのみ目撃されている。
著名な戦車兵
"アロー": 地球解放作戦を生き残ったわずかなゼファーとして記録されているこのホバータンクは、元々、アマリス竜機兵団に配備されていたものだった。ケレンスキー隊に回収(サルベージ)された本機は、SLDFと共に既知宇宙から実際に旅立っていった。この戦車はその後のペンタゴン戦争を生き残り、三つの氏族に使用され、スモークジャガーによってハントレスのブライアンキャッシュに入れられた。ゴリアテスコーピオンが戦利品(isorla)として獲得した本車は、元エリダニ軽機隊の戦車隊がこの氏族に受け入れられた時に、彼らに寄贈された。三人の戦士――ジェンシー、トレボー、カール――と"アロー"は、最近のシャドウでの戦闘でMIA(戦闘中行方不明)になったと報告されており、死んだか、ファイアマンドリルに拘束されたと思われる。
ルドルフ・ブライス: グラマン・ニューアースの元副社長ブライスは、3070年代の初期にオフィスが襲撃された際、ワード・オブ・ブレイクの拘留チームの手をきわどく逃れた。ニューアースにおける企業地下反乱組織の重要な一員だったブライスは、生産されたゼファーの200両以上を、密輸業者や、他のブラックマーケット関係者(保護領とスカイア地方の間で活動する)に引き渡した首謀者である。現在、彼はワード・オブ・ブレイクから指名手配され、首に7500万コムスタービルの懸賞金がかけられている。
タイプ: ゼファー 技術ベース: 中心領域 移動: ホバー 重量: 40トン 戦闘価値: 889 装備重量 内部中枢: 4 エンジン: 185 11.5 タイプ: 核融合 歩行: 9 走行: 14 放熱器: 10 0 操縦装置: 2 浮上装置: 4 砲塔: .5 装甲板: 125 7 装甲値 前面 29 右/左側面 24/24 背面 19 砲塔 29 武器・装備 配置 重量 3 中口径レーザー 砲塔 3 TAG 砲塔 1 SRM6 前面 3 弾薬(SRM)30 胴体 2 小口径レーザー 背面 .5 ガーディアンECM 胴体 1.5
星間連盟車両
シャパラル CHAPARRAL
重量: 50 トン 移動: 無限軌道 パワープラント: ニッサン200 巡航速度: 43 キロメートル/時 最高速度: 64 キロメートル/時 装甲板: スタースラブ/1 武装: サファイア中口径レーザー 2門 シュライクSRM-6ミサイルパック 1門 AILアローIVランチャー 1門 製造元: グラマン工業 主要工場: 地球 通信システム: トランスコム12 照準・追尾システム: トランスコムWDS40A
概要
27世紀、戦術家、戦略家たちは、前線の歩兵、軽装甲車に効果的な火力支援を行うアローIV地対地ミサイル搭載用の高速な車体を求めていた。兵器メーカー同士の競争は熾烈なものとなったが、充分な装甲と速度の両方が要求されたことによって、妥協(もしくは画期的な考え)が必要になったのである。2609年、グラマン工業が50トンのシャパラルで契約を勝ち取った。この車両は革新的な設計のポッドにアローIVシステムを搭載していた。このポッドと比較的繊細なアローIVランチャーが、車高の低い車体に載せられ、180度の射角を生み出す。射撃しないとき、ポッドは車体に収納され、装甲の厚いシャパラルを流線型の低い(撃ちづらい)形状とする。あるライバル社はこの姿をゴキブリに例えた。シャパラルの第一次生産は2611年に完了した。
性能
シャパラルの中核はもちろんアローIVランチャーである。アローIVの射程はロングトム、サンパー、スナイパーよりはるかに短いので、シャパラルは効果的な支援を行うため目標エリアに相当接近せねばならない――これはなぜ速度と装甲が生存に重要かを表している。アローIVは様々な弾薬を発射可能であるが、そのすべてがシャパラル向けではない。CASEを使ってない(シャパラルで唯一の深刻な欠点)のを考慮に入れ、戦車兵たちは悪名高いインフェルノIV弾頭をほとんど使わない。シャパラルのアローIVは通常、地域飽和ミサイルを発射する。このミサイルは指定されたエリアに正確で破滅的な火力を集中させることが可能だ。また、誘導式ミサイルを搭載し、TAGチームと連携して活動するのも一般的である。
シャパラルは直接敵と交戦するようには設計されていない。実際、設計者たちは直接的な攻撃からは逃げるのを想定している。その結果、防衛用の接近戦兵器はこの50トン戦車の側面と背面をカバーしており、装甲の大部分は背面を守る。
2門のサファイア中口径レーザーが車体の両側面に搭載される。背面を守るのはシュライク6連SRMランチャーである。これは側面を守るのにも充分な射角がある。
配備
継承権戦争の間にアローIVが失われたことで(そしてコムスターが地球の軍需品の輸出を規制したことで)、シャパラルの経歴は終わりをつげた。これが変わったのは3053年、フォヒトが地球の国境を開放して、地球の近代的な工場群の生産物を中心領域に見せた時のことである。ワード・オブ・ブレイクの地球占領後に再び扉を閉ざされたのだが、シャパラルは中心領域、辺境のすべての軍隊で見ることが出来、多くの大規模な傭兵団でも使われている。
派生型
シャパラルは改造せずそのまま使えることで高い評価を得ている。よって広く使われている派生型はほとんどない。シュライクは最高の状態を保つのに高価な整備が必要となることから、資金不足の部隊がSRM-6をSRM-4に交換して、余ったスペースを追加の弾薬、対人マシンガンに使うのは珍しいことではない。また未確認の報告によると、サファイアの代わりにER中口径レーザーを載せたシャパラルがあるという。
著名な戦車兵
"ベータ中隊、ベータ小隊": 3057年のリャオ=マーリック攻勢の間、リトルリチャード機甲旅団は、タウラス連合の意志をテストするために、無認可の強行偵察を行った。テストの目標となったのは連合奇襲部隊である――この選択はデータ上、意味を持つものであった。奇襲部隊はリチャードより小規模で、大半が軽量級バトルメックからなる。さらに重要なのは、長い歴史を持つにもかかわらず、奇襲部隊の現世代がどれくらい戦えるのかほとんどわかっていなかったことである。実際のところ、彼らはよく戦い、リチャード機甲旅団を押しとどめた。マルコム・パウエル少佐が機甲旅団の重、強襲級メックの半個中隊を奇襲部隊の側面に派遣した時、ローラ・ガネッシュ中尉(奇襲部隊第15装甲機兵隊指揮官)は、べーカー中隊に無防備な側面を守るよう命じた。アルファ小隊、ガンマ小隊(主にマンティコア、プレインズマン)が機甲旅団のメックを直接攻撃している間、ベータ小隊は火力支援を行うべく小高いところに陣を取った。マンティコア、プレインズマンはしぶとく戦ったのだが、機甲旅団の強襲メックに圧倒され、十数分の間に50パーセントの損害を被った。奇襲部隊のバトルメックが駆けつけるまでに、べーカー小隊の正確な飽和弾幕が機甲旅団を足止めしたのだった。
タイプ: シャパラル 技術ベース: 中心領域 移動: 無限軌道 重量: 50トン 戦闘価値: N/A 装備重量 内部中枢: 5 エンジン: 200 13 タイプ: 核融合 歩行: 4 走行: 6 放熱器: 10 0 操縦装置: 2.5 浮上装置: 0 補助動力: 0 砲塔: 0 装甲板: 88 5.5 装甲値 前面 16 右/左側面 18/18 背面 36 武器・装備 配置 重量 中口径レーザー 右面 1 中口径レーザー 左面 1 SRM6 背面 3 弾薬(SRM)15 胴体 1 アローIV 前面 15 弾薬(アローIV)15 胴体 3
星間連盟車両
カンガ KANGA
重量: 50 トン 移動: ホバー パワープラント: ヤンセン165内燃 巡航速度: 86 キロメートル/時 最高速度: 129 キロメートル/時 ジャンプジェット: ミッチェルJB・スラストボトルス ジャンプ能力: 180メートル 装甲板: デュロレックス・スタンダード 武装: ロンワース・タイプV・オートキャノン 1門 ジェネラル・データテック・ヴァーティカル・ラウンチ・LRM-10システム 1門 ジェネラル・データテック・ヴァーティカル・ラウンチ・SRM-4システム 1門 トリアックス・マシンガン 1門 製造元: ミッチェル・ビークル 主要工場: グラハムIV(2767年破壊) 通信システム: ストーニーAIX 照準・追尾システム: AL2200 トラックナビ・AIシステム
概要
2650年代半ば、SLDFのアルバレス"バズ"ミッチェル将軍のユニークなコンセプトによって生まれたカンガは、バトルメックとは対照的に機動力の制限された現代の戦闘車両に対する有望な解答であった。この複雑で高価な解決手段(継承権戦争中に消え失せたもの)は、皮肉にもカンガをSLDF戦車部門の強力な道具としたが、高度な技術が不足するようになると兵器としての運命を終えたのだった。
性能
カンガの根底にある考え方は単純である――高速なホバー戦車の車体にジャンプジェットを取り付ける――のだが、プロトタイプ数両が派手な失敗をしたことにより、バランスと航法の問題が当初考えられていたよりはるかに難しいことが判明した。これに気づいたミッチェル・ビークル(ミッチェル将軍の従姉妹、ラモン・ミッチェルが運営するグラハムIV本社の企業)は、ニラサキ・コンピュータ社の高度なコンピューター技術に目を向けた。ニラサキ側の回答は、AL2200 トラックナビ・AIコンピューター、慣性誘導と改造型ジャイロスコープを搭載し、航法機器と強化型目標追尾装置を取り入れた人工知能システムだった。
これまでの操縦、追尾システムよりはるかに洗練されており、直感的に操作できるAL2200は、ぬきんでた軍事センサー能力を持つのみならず、カンガのジャンプ軌道を安定させるのを助けた。操縦手と一緒に働くことを念頭においたAL2200は、どのような地形、天候、重力でもスキャンし、認識し、適応することができた――一定の範囲内で。カンガに搭載されたJBスラストボトルス6基の推力を完全にコントロールするその能力は、砲火の中でさえも短い飛行を安定させ、エアスカートを引き裂くような「バウンド」にすることなく適正な噴射量を調節することが出来るのである。
AL2200はミサイル、オートキャノンの追尾システムとして、戦闘中に複雑なジャンプを実行してる時にでも、敵を照準することも出来る。AL2200の性能は理論上、砲塔にも対応できるが、低い車高を保つために砲塔は取り付けられていない。しかしながら、伝えられるところによれば、KGA-3Xという名の派生型でそれを実験したという。
配備
第四次継承権戦争の前、中心領域には約50両のカンガが残っていた。そのほとんどがコムガードに配備されており、3052年の分裂のあと、ワード・オブ・ブレイクに渡った。氏族が持つ限られた貯蔵品は現在でもモスボールされたままのようで、ごくわずかなヘルズホースの技術者がこのコンセプトを現代に蘇らせることに興味を持っている。中心領域に残っていたカンガは各種の戦闘で失われたと考えられている。最後の車両群は連邦共和国戦争の戦闘と、聖戦初期のコムスターによる壊滅的な被害をもたらしたケースホワイト作戦の中で破壊されたとされている。
派生型
工場で生産された派生型が実戦配備されたことはないが、星間連盟が崩壊しAL2200システムに必要な部品が緩やかに失われていった数十年のうちに数多くのワンオフ車が登場した。第一次、第二次継承権戦争を通して、ミッチェル・ビークル社製のカンガは急減していった。ある車両はジャンプ能力を失い、ある車体はエアスカートに損傷を負い、単なる「ジャンプ戦車」となった。
ヘルズホース氏族は改良型のカンガを生産しようとして、その結果ヘパイストス・オムニ車が生まれたのだが、ジャンプ能力については、法外に高価なAIシステムが必要なことから放棄している。しかしながら、地面効果翼機の技術を使った新たな概念によって、カンガの代替品を作ろうとしているとの噂は多い。
著名な戦車兵
リチャード・マクガイバース侍祭: 連邦共和国内戦時にコムガードから離脱した、俗称「国王の臣下たち(プリンスズメン)」の一部、ロイヤル・サブジェクトのカンガ指揮官であったマクガイバース侍祭は、3064年のハーフウェイの戦闘で、最後の完全なレベルII分のホバージャンプ戦車隊を率いた。キャサリン支持派の市民軍と熾烈な戦いを繰り広げていた間、マクガイバースのカンガ「イモータル・ホッパー」は、エアスカートへの命中で移動不能となる前に、3両の撃墜とファルコナー撃墜のアシストを記録した。カトリーナ派部隊への最後の勇敢な行動として、マクガイバース(戦車兵4名の中で最後の生存者)は、傷ついたカンガで最後の飛び降り攻撃を行い、大昔の車両と引き替えに、市民軍のコマンドゥを始末したのだった。
タイプ: カンガ 技術ベース: 中心領域 重量: 50トン 戦闘価値: なし 装備重量 内部中枢: 5 エンジン: 165 12 タイプ: ICE 歩行: 8 走行: 12 ジャンプ: 6 放熱器: 0 0 操縦装置: 2.5 浮上装置: 5 補助動力: 0 砲塔: 0 装甲板: 56 3.5 装甲値 前面 20 右/左側面 12/12 背面 12 武器・装備 配置 重量 オートキャノン/5 前面 8 弾薬(AC)20 胴体 1 LRM10 前面 5 弾薬(SRM)25 胴体 1 SRM4 前面 2 弾薬(SRM)25 胴体 1 マシンガン 前面 .5 弾薬(MG)100 胴体 .5 ジャンプジェット 胴体 3
星間連盟バトルメック
サグ THUG THG-11E
重量: 80 トン シャーシ: アースワークスVOL・エンドースティール パワープラント: ピットバン320 巡航速度: 43 キロメートル/時 最高速度: 64 キロメートル/時 ジャンプジェット: なし ジャンプ能力: なし 装甲板: ミッチェル・アーゴン CASE付 武装: ティーガートPPC 2門 バイカルSRM6ミサイルラック 2門 製造元: マルテックス・コーポレーション アースワークス・インコーポレーテッド 主要工場: イラーイ、キーストン 通信システム: コルマックス90 照準・追尾システム: ターハス・アレス5
概要
2572年、星間連盟防衛軍はまだ未来のものであったが、新たに結成された星間連盟は戦争に備えるべきだとわかっていた。同時に、第一君主イアン・キャメロンは、自軍に最先端、最高峰の装備を望んだ。それを考慮に入れて、星間連盟はマルテックス・コーポレーションと契約を交わした。この会社は、人気機種で長期間運用されてきたウォーハンマーの競合機種を作ろうと、すでに動いていた。完成したサグは、後継機にふさわしいのを証明しただけでなく、これまでに生産された中で最も頑丈なバトルメックの1機となっている。
2835年にマルテックスの生産施設は破壊された――マルテックスはライセンス販売会社に落ちぶれた――のだが、この機種は生き残っている。技術の低下で、再設計せざるをえなくなったのだが、アースワークスのサグ(ライセンス取得済み)は、数こそ少ないものの、継承権戦争の戦場で恐るべきものであり続けている。
性能
80トンのサグは、由緒正しいウォーハンマーの長所を際だたせ、同時に欠点を事実上排除している。前任者より10トン重く、エンドースティールを利用しているサグは、浮いた重量分に、最大限の装甲と強力な兵器を積んでいる。マルテックスの技術者たちは、ウォーハンマーによって洗練された、実力証明済みのPPCの搭載を続けた……といってもメック戦士たちが昔からしつこく要求してきたハンド・アクチュエーターが追加されたのだが。さらに、ウォーハンマーの第三の武装が外され、2門目のSRM6発射装置、弾薬を守るCASEが搭載されている。
誹謗する者たち(と競争相手)は、長年にわたって、サグの明らかな弱点を指摘してきた。新型機に比べて与えるダメージが少ない事や、役立たずであることを証明するかもしれない「放熱器過多」の事実である。その一方で、サグのパイロット――あるいは戦った者――は、このような欠点を批判していない。間違いないのは、この500年、サグが信頼のおける"ゾンビメック"として知られていることだ。
配備
その頑丈な作りから、これまで完全に破壊されたサグは比較的少数であった。しかし同時に、継承権戦争で使用されている星間連盟時代のサンプルの大半は、エンドースティールが修理を阻んでいる。コムスターとワード・オブ・ブレイクは大量のサグを配備し、重強襲メック隊の主柱としている。自由世界同盟にもそれなりの数がある。このメックを生産し続けているWoB、アースワークスとつながりがあるからだ。
新生星間連盟の創設後、コムスターは設備再建のためマルテックスに資金提供し、サグの生産が再び可能となった。この生産分は、コムガード、新SLDF、DCMS、AFFSに分配されている。
派生型
サグ-12Eは、マルテックス、アースワークスの製造する新型機と、現地改修型の両方があり、その大半がコムスターに使用され、また少数がワード・オブ・ブレイクにある。PPCをERモデルにアップグレードし、C3iシステムを載せるため、放熱器1基とCASEに守られるSRM弾薬1トン分を除去している。マルテックスでは、C3iと連合の通常型C3モジュール、ガーディアンECMを交換した、12Kも作っている。
ここ数年で、マルテックスはサグのコンセプトを極限まで詰め、ミサイルとERPPCを取り去り、XLエンジンを使って余裕を作り、ここに新型のヘビーPPC3門、パルスレーザー2門(いずれもC3iコンピュータに接続)を搭載している。
アースワークスのTHG-10Eダウングレードモデルは、通常型シャーシと通常型放熱器を使用し、SRM6を2門のSRM4、弾薬1トンと交換している。この機種は装甲をわずかに減らし、またCASEを使っていない。
著名なメック戦士
メック戦士ショーン: ショーンはガラテアで立ち往生した失機者で、聖戦の生み出すヒステリーを場外から眺めていた。そこに運命が見過ごせない機会を運んできた――1機のサグが地面に大の字に倒れ、そのパイロットは突発的なコクピットの破損で死んでいたのである。他の元メック戦士たち3名とともに陰謀をたくらんだ彼は、ぼろぼろになったブレイク派の制服を着込んで、彼らの"死体"をワード・オブ・ブレイクの基地に運んだ。そこで彼らはさらに3機のメックを盗み、逃げる前に基地を破壊したのである。「ザ・デッド」はいまだこの世界に存在し、何とかして名をなそうとする数千の失機者たちのヒーロー(そして目標)となっている。
タイプ: サグ 技術ベース: 中心領域 重量: 80トン 戦闘価値: 1640 装備重量 内部中枢: エンドースティール 4 エンジン: 320 22.5 歩行: 4 走行: 6 ジャンプ: 0 放熱器: 18[36] 8 ジャイロ: 4 操縦機器: 3 装甲板: 247 15.5 内部中枢 装甲 頭部: 3 9 胴中央: 25 34 胴中央(背面): 16 左/右胴: 17 25 左/右胴(背面): 9 左/右腕: 13 26 左/右脚: 17 34 武器・装備 配置 装備欄数 重量 PPC 右腕 3 7 PPC 左腕 3 7 SRM6 右胴 2 3 弾薬(SRM)15 右胴 1 1 CASE 右胴 1 .5 SRM6 左胴 2 3 弾薬(SRM)15 左胴 1 1 CASE 左胴 1 .5
星間連盟バトルメック
キングクラブ KING CRAB KGC-001
重量: 100 トン シャーシ: ホリスマークIII パワープラント: ヴィラー300XL 巡航速度: 32 キロメートル/時 最高速度: 54 キロメートル/時 ジャンプジェット: なし ジャンプ能力: なし 装甲板: アルディスXフェロファイバー(CASE付属) 武装: シンプソンLRM-15 1門 トロネルXIII大口径パルスレーザー 1門 M-7ガウスライフル 2門 ホバーテックストリークSRM-2 2門 製造元: コサーラ造兵工廠、スターコープス工業 主要工場: ノースウィンド(コサーラ)、火星(コサーラ)、ソンホア(スターコープス) 通信システム: ダルバン・コムライン 照準・追尾システム: ダルバンHiRez-B
概要
星間連盟の崩壊直前に登場して以来、戦場の恐怖であったキングクラブは、80トン以下のバトルメックの大半を素早く破壊する能力で広く知られていた。ケレンスキー将軍の命令により、コサーラ造兵工廠の科学者によって設計されたKGC-000は、与えられた役割を果たしていたが、後にディファイアンス工業が作ることになるアトラスのような指揮機からはほど遠いことが証明された。
キングクラブの多く(そして残った-010の全て)はケレンスキーと共にエグゾダスした。後に残された機体は静かにコムスターが回収し、地球でモスボール処理された。氏族到来とツカイードの戦いの後、コムガードの指揮官たちは、インペレーターDオートキャノンの射程では氏族マシンにダメージを与えるほど素早く近づけないことに気が付いた。コムスターとの交渉を持ったコサーラ造兵工廠は派生型-001を生産した。射程の増加は、キングクラブが必要としていたものを取り戻した。成功を喜んだコムスターは一般市場での販売に向けての大量生産を許可し、利益のうちかなりの割合を受け取った。
ワード・オブ・ブレイクがノースウィンド星系を軌道封鎖すると、この惑星でのキングクラブ生産は止まってしまった。各種の諜報報告によると、コサーラの工場はブレイク派に占領されたという。操業停止から数ヶ月後の3069年後半、工場は再開し、新しいキングクラブ派生型が着々と生産され、保護領軍に送られている。
大手の兵器製造業者を奪われた第一司教ドゥはかつての秘密組織としては異例の手法を取った。対企業工作を専門とする小規模な傭兵中隊を雇ったコムスターはコサーラの工場に浸透し、新しい技術プランを盗み去ったのである。コムスターはその後、急拡大しているスターコープス工業におもむき、新型キングクラブKGC-007の生産を持ちかけた。製品ラインナップを増強したがっていたスターコープス社はこれを受け、3071年の後半に最初の-007ができあがる予定である。LAAFとAFFCはすでに生産三回分をすでに購入している。
配備
アトラスほどに普及しているわけではないキングクラブは、それにも関わらず、重強襲隊でよく見られる。ボディの設計は何百年も変更されていないので、一目で見分けるのは難しい。普通、どの派生型と戦っているかは射撃を受けた後でないと分からない。これは理想的とは言えない状況である。
派生型
KGC-010は最近、星間連盟のアーカイブから発見された。コサーラ=マーズ(火星)と帝国の間に最高機密の兵器取引があったようで、010はアトラスすら倒せる能力を持った強力な指揮メックであった。星間連盟製のPPCと2門のLB-10Xクラスターキャノンを搭載したKGC-010は、多くの王家軍戦士にとって恐怖の光景であった。その理由はとりわけフレームが一般的なKGC-000と同じなことにあった。武装自体は強襲級にとって典型的なものであるが、コサーラ=マーズのPPCの納め方は独特なもので、敵パイロットの多くはKGC-010が新型の強力な兵器を載せていると信じたのである。ウルフネットが知る限り、010はもう存在していない。
コムスターからの報告によると、ブレイク仕様は2門の重PPC、2門のライトオートキャノン、2門のER中口径レーザー、精密な電子装置を搭載しているという。加えて、この新型KGC-008と戦うパイロットは、ジャンプジェットを装備していることに気をつけねばならない。008を見分けるのは比較的容易である。なぜなら、コサーラがデザインをいくらか変更してごつごつした外観を柔らかく、流線型のシルエットにしたからである。
ダヴィオン、シュタイナー型は2門のロータリーキャノン、2門のライトPPC、恒星連邦の新型プラズマライフル、ストリーク6連1門を載せている。またライラの新型ライトフェロファイバー装甲を搭載し、撃ちあいでの防護力を上げている。両派生型はヴィラー300エンジンとCASEシステムに立ち返り、キングクラブに無比の生存性を与えている。
著名なメック戦士
クリストファー・シュミット司教: ルシエンのROM軍指揮官であるシュミットは新型の008型を致命的なまで効果的に操縦している。O5Pの情報によると、シュミットはルシエンアーマーワークスのメガプレックス内で3基の戦術核を起爆させ、工場を破壊し、約8万人を殺した容疑者である可能性がきわめて高いとされる。第1ゲンヨウシャはシュミット司教とそのレベルIIサークル・オブ・ザ・ホーリーの撃破を優先目標としているが、マネイ・ドミニ兵数名が混じっていることによりその任務の達成は難しいものとなっている。
タイプ: キングクラブ 技術ベース: 中心領域 重量: 100トン 戦闘価値: 2221 装備重量 内部中枢: 10 エンジン: 300XL 9.5 歩行: 3 走行: 5 ジャンプ: 0 放熱器: 13 3 ジャイロ: 3 操縦機器: 3 装甲板: 295 16.5 内部中枢 装甲 頭部: 3 9 胴中央: 31 43 胴中央(背面): 15 左/右胴: 21 30 左/右胴(背面): 10 左/右腕: 17 34 左/右脚: 21 40 武器・装備 配置 装備欄数 重量 ガウスライフル 左腕 7 15 弾薬(ガウス)16 左腕 2 2 ガウスライフル 右腕 7 15 弾薬(ガウス)16 右腕 2 2 LRM15 左胴 3 7 弾薬(LRM)8 左胴 1 1 ストリークSRM2 左胴 1 1.5 弾薬(SRM)50 左胴 1 1 CASE 左胴 1 .5 大口径パルスレーザー 右胴 2 7 ストリークSRM2 右胴 1 1.5 弾薬(SRM)50 右胴 1 1 CASE 右胴 1 .5
星間連盟戦闘機
ゼロ ZRO-114 ZERO
重量: 35 トン フレーム: サローヤン・キャバリエ パワープラント: バンコック140 装甲板: スラブパンツァーV 武装: ホリー10 LRM10 1門 BLWブロウ・マークIII大口径レーザー 1門 BLWブロウ・マークIII中口径レーザー 1門 製造元: ブロウ/フックソン・テクノロジーズ 主要工場: ニューアース(2775年破壊) 通信システム: オービットコム・モデル11 照準・追尾システム: PS/1/12
概要
SLDFが新しい軽戦闘機の仕様書を出した時、航空宇宙企業の多くが、契約の入札を断った。高速な戦闘機に、すべての射程の大火力と平均以上の装甲を搭載するという要求は、どのような設計でも満たせないように思えたのだ。
挑戦に応じた数少ない企業の一社が、ニューアースのブロウ/フックソン・テクノロジーズだった。設計チームは、20ヶ月以内に、コンセプトから飛行できるプロトタイプまでに持っていった。ゼロと名付けられたこの新型戦闘機は、2703年に登場した際に強い印象を与え、SLDFで過去最高の尊敬を集めた軽戦闘機の一機となっていったのである。
性能
SLDFの要求に合わせるため、ブロウ/フックソン・テクノロジーズは、信頼性の高いホリーLRMシステムと、自社のブロウ/フックソン・レーザーシステムを2門を選択した。特筆すべきは、5通りの設定を使用出来るブロウマークIIIである。この設定の幅は、目標の電子機器、追尾機器を混乱させる広域ビーム(ダメージ無し)から、フルパワーの集中ビームまでがある。
ブロウ/フックソンのエンジニアは両翼を直接コクピットの前に配置し、地上攻撃中のパイロットを対空砲火から守った。コクピットの前のエンジンの冷却装置もまた、さらにパイロットを守る。両翼は機体の後方に折り畳み可能である。これは大気中での驚異的なダイブ速度を与える。一方、この翼は広げることも可能で、再突入の際に大気圏で飛び跳ねることが出来る。両方ともゼロのパイロットたちがドッグファイト中に好む戦術である。
この素晴らしい設計の、唯一の深刻な欠点が燃料システムである。機体のあちこちにダメージを受けたら、燃料パイプが切断され、燃料供給の一部が失われてしまうのだ。
配備
最初のゼロは、2703年の後半、第19打撃連隊に配備された。ガッファ・パードゥ将軍の第3RCTの一部となった新型ゼロは、ニューローランド上で砲火の洗礼を浴びた。クーヤン・マイナー市、ヒックストン市への攻撃に応じて、第3は天底のジャンプポイントで、記章を外した戦艦群と遭遇した。数で劣っていたのだが、パードゥ将軍は交戦することを選んだ。主力艦が正体不明の敵艦隊に正面から向かう一方、第3の気圏戦闘機が広範囲の側面機動を実行した。チペワ重戦闘機に支援されたゼロは、敵の後方を抜け、古びたダート級巡洋艦を貫いた。旗艦(と判明)が破壊されたのに伴い、襲撃隊は逃げていった。パードゥ将軍は次に、行き詰まっていた地上軍を支援するため、ゼロを再展開した。二日間の戦闘の間、ゼロは戦闘空中哨戒(CAP)、地上攻撃任務を行った。敵の降伏後、尋問によって戦艦は辺境世界共和国のものであると明らかになった。辺境世界政府は、即座に「裏切り者たち」とのいかなる関係性をも否定した。
ゼロは継承権戦争中に失われてしまったのだが、コムガードの一員として戻ってきた。ほぼ全師団にあるこの機種は、ツカイードでの戦闘で、いまだ有効であると証明された。ここ最近では、コムスターとワード・オブ・ブレイクがカオス境界域での戦闘にこの戦闘機を展開している。ブレイク信徒の第3、第5師団の攻撃を受けた、コムガードの第83師団は、ゼロ戦闘機が前衛部隊になったことによってトールツリーから逃れ得た。氏族もまたゼロを使うが、たいていはソラーマ部隊か特に評判の悪い二線級部隊に回される。
派生型
成功した設計を台無しにするというリスクを望まなかった星間連盟は、ゼロを改造しなかった。コムスターは、その一方で、氏族の高度なオムニ戦闘機に対抗するため、その気圏戦闘機隊をアップグレードせねばならなかった。ZRO-115と称されたこのアップグレードは、LRMランチャーと大口径レーザーを、キンスラフターERPPC1門、ストリークSRM2ランチャー2門と交換した。PPCが余分の熱を発生させるために、放熱器を二倍の効果を持つものに取り替える必要が生じた。このアップグレードはブレイク派の手中にもあることがわかっている。首位者モリがクリタ家の潜入工作員だったと明らかになった時、離脱者の群れが持ち込んだ中にこの機種があったのだ。
著名なパイロット
ブレチェリー・フィンチ准司教: 形式上、コムガード第83師団であるフィンチはトールツリーズの大虐殺を生き残った数少ない一人である。ホワイトサイクロンズの一侍祭だった彼女は、師団の生き残った前衛戦闘機隊の中にいた。部下の戦闘機隊を鼓舞したフィンチは、ブレイク信徒の軌道軍に穴を開け、師団の降下船が逃亡するのを可能とした。彼女の手腕と勇気を評価して、フィンチは昇進し、〈インビジブル・トゥルース〉の前衛戦闘機の指揮を任された。
タイプ: ゼロ 技術ベース: 中心領域 重量: 35トン 戦闘価値: 899 装備重量 エンジン: 140 5 安全噴射: 6 最大噴射: 9 中枢強度: 6 放熱器: 10 0 燃料: 400 5 操縦機器: 3 装甲板: 160 10 装甲 機首: 61 両翼: 28 後面: 43 武器・弾薬 配置 重量 熱 近 中 遠 超遠 LRM 10 機首 5 4 6 6 6 - 弾薬(LRM)10 - 1 大口径レーザー 機首 5 8 8 8 - - 中口径レーザー 機首 1 3 5 - - -
星間連盟戦闘機
ゴータ GTHA-500 GOTHA
重量: 60 トン フレーム: サロヤン2.5 パワープラント: ピットバン180核融合 装甲板: カーボーンデールIV・フェロアルミニウム 武装: スターカッターPPC 1門 アライドテクノロジーズ・モデル2中口径レーザー 4門 ホリーLRM15ミサイルラック 2門 アライドテクノロジーズ・モデル1小口径レーザー 2門 製造元: アライドテクノロジーズ 主要工場: スチュワート 通信システム: コムスタット500ATM 照準・追尾システム: リンゴプラント88マーク2
概要
歴史の中に消えていったNSSOC、ノヴァ・スコードロン・スクール・オブ・コンバット(自由世界同盟のパイロットがSLDFに入る前に受ける「トップガン」プログラム)は、その最盛期には、500名以下の「エリート中のエリート」を排出していた。SLDFが独自のスーパーノヴァ・プログラムを始めた後でさえも、同盟のNSSOC卒業生たちは、第一次、第二次継承権戦争の間、他のいかなるパイロットたちにも勝つことが出来たのである。第二次継承権戦争後に、艦隊戦と航空宇宙戦力が消滅すると、NSSOCは飛行社交クラブと大差ないものとなり、時にはライラの社交界将軍すらしのぐものとなったのである。
2654年、NASI、ニューエイジシステム社(マーリック=スチュワート共和国本社)は54年度のNSSOC卒業生の最優等生をリクルートし、新型中型戦闘機の設計を手伝わせた。元々はSLDF用だったこの戦闘機は、同盟海軍の大黒柱になることもまた想定された。2名のパイロットが事故死した三年の厳しい研究が終わるまでに、NASIはSLDFの上層部に見せるための優れたプロトタイプ3機を完成させた。全3機のプロトタイプはゴータと呼ばれる同一のフレームに基づいていた。
SLDFは海軍のパトロール機、艦隊防衛機としてゴータを広く利用した。負けじと自由世界同盟海軍もGTHA-100シリーズの延長契約を続け、本機は同盟軍の主力となり、パイロットたちのお気に入りとなったのである。星間連盟崩壊後、NASIは財政的に破綻しかけた……資産とリソースの大部分がSLDFに結びついていたからである。かつての子会社、アライドテクノロジーズがこの企業の支配権分を買収し、完全に再建した。不幸にも、ゴータの生産ラインは、企業内政治のせいで、同盟の契約が終わると止まってしまった。
3019年、アライドが大規模な企業リストラクチャリングの後に生産ラインを再開すると、ゴータは市場に再登場した。数十年にわたってかなりの生産を行った(通常装甲を使っていたが)この企業は、3064年にワード・オブ・ブレイクの代表者と交渉を行い、数百機分のゴータ戦闘機の独占契約を受けた……これらの機体は新造されたセラ級空母の主力戦闘機になるであろうと考えられた。聖戦が始まり、同盟海軍のほとんどが消えた時には、契約はほぼ満了していた。
性能
剛性の高いフレームを中心に作られた各ゴータは、事前に決められた役割に適している。エンジンを燃料タンクの上部から容易に外せることから、どのゴータもあらゆる仕様に変更することが出来る。各エンジンとエネルギー兵器を再調整する必要があるため、仕様変更には平均約二週間の時間がかかる。
配備
FWL気圏戦闘軍でよく見られるゴータは同盟内のどこの国でも最も人気のある中型戦闘機となっている。同盟外にあるゴータの大半は、たいてい戦場での回収品か略奪品である。もっともNASI(後にアライド)は、海外の顧客のために限られた数の生産をしていた。つい最近、アライドはダイアモンドシャーク氏族と思われる代理人からの小規模な注文に応じて、50機のGTHA-600を完成させた。
派生型
最も一般的なゴータは-100シリーズである。エンジンは通常型だが、武装のバラエティが広いことで知られる。-300シリーズは現存する最も重武装な中戦闘機であるが、16トンのフェロアルミニウムはこの機種を大気圏内で扱いづらいものとしている。もっとも人気のある-500は、大型エンジンと、長短射程の兵器の両方を持っている。
新しく登場したのがライト核融合エンジンを搭載した-600である。ドッグファイト、近接支援用に作られた-600はスナブノーズPPCとER中口径レーザーを機種に搭載し、両翼のLRMシステムを4門の6連SRMパックに交換している。放熱器技術のアップグレードは、熱量カーブを下げるのを助けたが、この機体が数分間の激しい戦闘の後で発熱することはいまだ悪名高い。
著名なパイロット
コリーン・マクファーデン大尉: ハイランダーにあるまじき振る舞いをしたとして、第2カーニーハイランダーズから追い出されたコリーンは、作戦可能な状態でアウトリーチに到着した。彼女のよく整備されたGTHA-500ゴータと飛行技術は、いくつかのオファーを呼び寄せ、そのうちひとつはヘルズブラックエースからのものだった。彼女はすぐにこれを受けた。だが、エースが大連邦国との結びつきを強めるにつれ、熱は冷めていった。彼女にとっては虫唾が走るような動きだったのである。ジェイソン・ウィンドゲート少佐という同調者を得て、二人は数年間声高なマイノリティとして過ごした。3069年〜70年のリャオ防衛戦で、コリーンは愛するエースがひどく打ちのめされ、リャオ家にそそのかされるのを見た。リャオは「支援」を通して部隊の支配を固めたのである。何度も激発したにもかかわらず、気が合うパイロットたちの大半が死に、数多くのカペラ人パイロットが流入したことで、コリーンとウィンドゲート少佐(現在中尉、ヘルズブラックエースにあるまじきふるまいをしたとして降格された)は追いつめられた。独立部隊が結成され、コリーンが指揮官となりウィンドゲート中尉が副指揮官になるという噂が出ている。彼らの指揮下に入るのは、エースがCCAFに加入するのに反対した他の者たちである。だが、この独立部隊、マクファーデン・スカイライダーズは、まだ実戦に参加していない。
タイプ: ゴータ 技術ベース: 中心領域 重量: 60トン 戦闘価値: 1454 装備重量 エンジン: 180 7 安全噴射: 5 最大噴射: 8 中枢強度: 5 放熱器: 14 4 燃料: 480 6 操縦機器: 3 装甲板: 232 13 装甲 機首: 76 両翼: 54/54 後面: 48 武器・弾薬 配置 重量 熱 近 中 遠 超遠 PPC 機種 7 10 10 10 - - 2 中口径レーザー 機種 2 3 5 - - - LRM 15 右翼 7 5 9 9 9 - 小口径レーザー 右翼 .5 1 3 - - - LRM 15 左翼 7 5 9 9 9 - 小口径レーザー 左翼 .5 1 3 - - - 弾薬(LRM)8 - 1 2 中口径レーザー 尾翼 2 3 5 - - -
星間連盟戦闘機
ハンマーヘッド HMR-HD HAMMERHEAD
重量: 75 トン フレーム: ロッキードBR65 パワープラント: ピットバンC375 装甲板: ボーイング・Cトラン・フェロアルミニウム 武装: インペレーター・ゼータ20アルファ 1門 製造元: ボーイング・インターステラー 主要工場: 地球 通信システム: ラジター・ファイブロリンク 照準・追尾システム: BANDAR9
概要
星間連盟とその前身である地球帝国の敵は、ハンマーヘッド戦闘機に守られている惑星への攻撃が高くつくものになることを早いうちに学んでいた。地上に基地を持つこれら高火力戦闘機の航空中隊群は激しく上陸を阻止した。ハンマーヘッドの巨大オートキャノンの脅威が制圧されるまで、降下船の大気圏突入が許可されないことがよくある。
ワード・オブ・ブレイクはこの伝統を続けているが、改造によってこの機体を地上発進と同じく空母からの発進でも有効なものとしている。中心領域のパイロットたちは、ハンマーヘッド特有の鼻先の形状を見たら恐怖するようになっている。
性能
このような大型機にしては驚異的なスピードを持つハンマーヘッドは、攻撃用の機体としてよく使われる。厚い装甲により、その強力なインペレーター・ゼータ20キャノンを撃つ前に、敵の防衛線を突破することが可能である。補助兵器がないことは欠点であると考えられているが、指揮官たちは弾薬の尽きたパイロットたちが戻ってこざるを得なくなっていることに気づいている。飛び続けて、不十分な兵器で栄光を狙うようなことがなくなるのだ。
配備
旧星間連盟の時代に人気機種だったのだが、継承権戦争期にはコムスターだけがこの重打撃機をかなりの割合で所有していた。当時、コムガードはほぼすべての師団にこの機体を配備していた。第四次継承権戦争後にコムスター軍の戦力が明らかにされて以降、ハンマーヘッドは増殖した。ブリオン軍団は、コムスターの巨大な倉庫から持ってきた数機を維持していた。ワード・オブ・ブレイクはこの古い機体を続々と増やしつつあり、各師団で使うか、同盟国、傭兵団に販売している。
派生型
二種類の派生機が継承権戦争を生き延びた。一機種目のハンマーヘッドEはゼータ20の射程不足を是正した単純な改造型である。2門のマグナヘルスターPPCがオートキャノンの入っていた機首に納められている。放熱器1基が追加され、合計11基が高性能型に交換されている。この弾薬から解放されたハンマーヘッドの航続距離を伸ばすため、2トン分の燃料が増加されている。この派生機はコムガード航空軍、特に戦艦配備の航空中隊で人気である。
二機種目は中心領域中のワード・オブ・ブレイク航空中隊で見られるものである。モスボールされていたユニティシティ近くのボーイング工場が改装され、再開されたと思われる。E型と同じく高性能放熱器を使っているのだが、ハンマーヘッドFはゼータ20を、インペレーター・コードレッド10-Xオートキャノン、弾薬2トンと交換している。一組のディヴァース・オプティクスER中口径レーザーが両翼の株に取り付けられいてる。これらの兵器がハンマーヘッドの速度、装甲と組み合わされた時、ハンマーヘッドFは優秀な戦闘機となる。
未確認の報告によると、ハンマーヘッド戦闘機で編成された小部隊が巨大なウルトラ20キャノンを積んでいたとのことである。もしこれが本当であれば、この大型兵器を積むために、弾薬1トン分をあきらめたと思われる。噂によると、これらの戦闘機はマーリック共和国で降下船を待ち伏せして破壊したとされているが、その所属は明らかになっていない。
著名なパイロット
グレイス・フォールズ侍祭X: グレイス・フォールズはサーペント機動部隊の一員としてISS〈インビジブルトゥルース〉に乗船した。トラファルガーでのゴーストベアとの交戦中、フォールズ侍祭はハンマーヘッドEを操り、支援するベアの降下船に対する正面強襲を行った。E型は外見にほとんど変化がないので、重オートキャノンでなくPPCの攻撃を受けると降下船の砲撃手は驚いた。PPCがドライブを破壊した結果、ユニオンCが降伏に追い込まれたことが、のちにガンカメラのROMによって確認されている。
聖戦の勃発後、フォールズ侍祭はハンマーヘッドEの独立レベルIIを指揮している。リチウム核融合を装備したマゼランで移動するレパードCVに乗る、フォールン・グレース航空中隊は、星系から星系を飛び回り、ブレイク派の輸送を妨害し、機に応じて攻撃を行っている。ワード・オブ・ブレイクはこの航空中隊に高額の懸賞金をかけ、フォールズ侍祭自身は800万コムスタービルであるとされている。
ジェームズ・オルムステッド准司教: オルムステッド准司教は第23師団で最大の航空隊――3個レベルII――を率いている。彼の部隊は地上支援任務を担当し、多数のハンマーヘッドFが戦闘機よりもメック、車両を狙う。激しいクラスター爆弾攻撃と、レーザーによる地上掃射の組み合わせによって、この機首が横に広い戦闘機は元カオス境界域の戦場で恐ろしい光景となっている。
タイプ: ハンマーヘッド 技術ベース: 中心領域 重量: 75トン 戦闘価値: 1064 装備重量 エンジン: 375 38.5 安全噴射: 7 最大噴射: 11 中枢強度: 7 放熱器: 10 0 燃料: 400 5 操縦機器: 3 装甲板: 206 11.5 装甲 機首: 76 両翼: 50/50 後面: 30 武器・弾薬 配置 重量 熱 近 中 遠 超遠 AC/20 機首 14 7 20 - - - 弾薬(AC)15 - 3
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