indexに戻る
作成:2008/08/19
更新:2008/10/26

テクニカルリードアウト:3026(R)



 継承権戦争時代の旧式車両を掲載した『TRO3026』の改訂版。
 「失われた機体」の項目から、気圏戦闘機、降下船などをテクニカルリードアウト3026 Revised プレビューより。

















気圏戦闘機


デスストーカー F-77 DEATHSTALKER


重量: 80 トン
フレーム: F-77/X
パワープラント: VOX 240a
装甲板: スタースラブ・ライト/2
武装:
 インペレーターX・オートキャノン10 1門
 ヘリオンaIII 長距離射程大口径レーザー 4門
 ヘリオンbII 中口径レーザー 2門
製造元: アンドゥリエン・エアロテック(FWDI)
 主要工場: アンドゥリエン
通信システム: テレスター F-61
照準・追尾システム: シンコムVAX




概要
 その設計者や軍の専門家からは、先見の明のあるコンセプトだと見なされていたのだが、F-77デスストーカーはおそらく数年先を行きすぎていた。最新鋭の攻撃戦闘機を求めるマーリック家に応えて、2744年に登場した、アンドゥリエン・エアロテックのデスストーカーは、星間連盟防衛軍が配備している最高の機体と競うべく設計されていた。残念ながら、翼のデザインが革命的だったことに加え、お偉方の頭が硬く、試験中に衆目監視の中でプロトタイプの一機が墜落したことから、この革命的な航空機は死産となってしまった。



能力
 F-77デスストーカーは従来のセオリーを覆す、実験的なコンセプトから始まった。デスストーカーの主翼は、機体の後部から前方に向かっており、機首、機体中央から後方に行く形とはなっていない。外見の通りに異端なこのデザインは、独創的と言い難く、各種の古い航空機に基づいている――そのうちのいくつかは20世紀の地球までさかのぼる。だが、この特殊な翼のデザインは、空気抵抗を作り出すよりもむしろ、適切に活用された場合には、飛行姿勢を安定させるだけではなく、軽量で薄い素材を使用できることに、アンドゥリエン・エアロテック(自由世界防衛産業の一部門)のエンジニアは気がついた。「発想の転換」の最上例として、アンドゥリエン・エアロテックはこの非正統的な計画を動かし、2744年、デスストーカーをデビューさせた。

 航空優勢確保を意図されたデスストーカーは、機首に強力なインペレーターX・重オートキャノンを搭載し、両翼のヘリオン長距離射程大口径レーザー2門がバックアップする。25基の倍力冷却器が全武装の一斉射撃を可能とする。もっとも、パイロットたちは、VOX240a核融合エンジンに気を払い続ける。そうだとしても翼に積まれた2門の中口径レーザーは、熱が下がった際に確かな頼みの綱となる。この武装と分厚い装甲の組み合わせは、デスストーカーを恐るべきものとした。

 残念ながら、デスストーカーの速度は、SLDF、加盟国で使われている同クラスの戦闘機に比べると、相手にならないくらい遅かった。トライアル飛行中、テストパイロットは繰り返し、背後を取られ、敵戦闘機に「撃墜」された。といっても、「死」と同数の「撃墜」をF-77はどうにか達成したのである。だが、機体のデザインにさらなる欠陥があった――主に翼と機体の重量バランスから来るものである。このアンバランスは、大勢の見込み顧客を前にしたデモンストレーション飛行中に破滅的であると明らかになった。突然、プロトタイプの主翼が脱落し、燃えながらクラッシュしたのである。これが永久的にデスストーカーを地上につなぎ止め、大規模な再設計が最終的にF-90スティングレイの生産に結びつくことになったのである。



配備
 自由世界防衛産業はF-77を20機だけ生産し、1機も実戦には参加していない。その登場から数世紀を経て、4機――今日では同盟中の航空博物館に飾られている――を除いて、全機が処分された。





タイプ: F-77 デスストーカー
技術ベース: 中心領域
重量: 80トン
戦闘価値: 1603

                            装備重量
エンジン:        240              11.5
  安全噴射:         5
  最大噴射:         8
中枢強度:          8              
放熱器:          25 [50]           15
燃料:           400              5
操縦機器:                        3
装甲板:          168             10.5

        装甲
機首:       55
左/右翼:    41/41
後面:       31

武器・弾薬       配置 重量 熱 近 中 遠 超遠
オートキャノン/10    機首   12    3  10  10   -   -
弾薬(AC)10        -     1
2 ER大口径レーザー   右翼   10   24   8   8   8   -
2 ER大口径レーザー   左翼   10   24   8   8   8   -
中口径レーザー     右翼    1    3   5   -   -   -
中口径レーザー     左翼    1    3   5   -   -   -












降下船


マナティー MANATEE

 バトルメックの発明によって、戦争の様相は永遠の変化を遂げた。しかしながら、この新兵器が実力を発揮するのは、戦場にたどり着けた場合である。この時、軍の立案計画担当者を制限していたのは、どれだけのバトルメックを生産出来るかではなく、どのようにメックをジャンプポイントから地表まで輸送するかにあったのだ。彼らは専用の船を持ってなかったので、輸送手段が本当になにもなかった。これはまず取り組まねばならない問題だった。

 地球帝国海軍省は輸送船をメックの運び屋に改装するというアイディアを思いついた。彼らはコンパクトで頑強なマナティーを選んだ。この船は元々、居住に適してない大気の惑星に降下を行うよう設計されていた。言うまでもなく、メック隊を目標に送り込む地上部隊の需要にも適合していた。

 原型のマナティーは1000トンの積荷を運ぶ能力を持っていた。この船の貨物ベイは仕切がなく、同じデッキに位置している。これがメックに対する作業を容易なものとし、移動中にバトルメックを固定しておく巨大なメック作業塔を設置するのが可能となっている。ベイは再設計され、メックベイはそれぞれ独自のベイドアを持たされた。それからこの船は、メックのスペアパーツ、補給物資用のスペースを稼ぐために、エネルギー兵器で武装した。

 マナティーの最初の実戦投入は、2449年のケンタレスで、ダヴィオン軍に対するものだった。帝国のメックはダヴィオンの支配を狙って戦うアヴァロン装甲機兵隊と衝突した。緒戦は、メック技術がその真価を発揮し、装甲機兵隊が劣勢であった。だが、戦いが進むにつれ、輸送船が軽武装、軽装甲に過ぎるのが明らかとなった。装甲機兵隊はこれを利用し、降下船の数隻をうち倒していった。この欠点が元で、マナティーの使用は中断されたが、後に星間連盟で使われることになるコンフェデレートの着想が生まれたのである。


マナティー級降下船

タイプ:軍用楕円型
使用:メック輸送船
技術:中心領域
登場:2449年
重量:1900トン
戦闘価値:2508

大きさ
 全長:37メートル
 全幅:35メートル
 全高:31メートル

燃料:135トン(5400)
トン/噴射日:1.84
安全噴射:4
最大噴射:6
放熱器:129
中枢強度:10

装甲
 機首:80
 側面:70
 背面:60

積荷
ベイ1:積荷(332トン) 1扉
ベイ2:メック(1) 1扉
ベイ3:メック(1) 1扉
ベイ4:メック(1) 1扉
ベイ5:メック(1) 1扉

ライフボート:0

脱出ポッド:2

船員:士官2名、兵員2名、火器管制6名、搭乗員6名

弾薬:なし

付記:通常装甲15トン搭載
武器          戦艦用兵器攻撃ダメージ(通常)
側面(発熱)      近   中   遠   超遠  クラス
機首(22点)
 1 大口径レーザー   3(26)  1(8)    -     -    レーザー
  2 中口径レーザー
左前/右前
 1 大口径レーザー   4(41)  1(8)    -     -    レーザー
  2 中口径レーザー
左後/右後
 1 大口径レーザー   4(41)  1(8)    -     -    レーザー
  2 中口径レーザー
船尾
 1 大口径レーザー   3(26)  1(8)    -     -    レーザー
  2 中口径レーザー











航宙艦


エクスプローラ EXPLORER

 現存する最小の航宙艦はスカウト級であるとよく勘違いされるが、勘違いする者たちはちっぽけなエクスプローラ級――ほぼすべての継承国家で長い歴史を誇っている(賞賛されていないにせよ)民間航宙艦を見過ごしている。わずか50000トンで星系内の飛行を小型船に頼るこのエクスプローラは、星間連盟期の最盛期に登場した。降下船が必要とされていない時に、VIPや金持ちの上流階級を運ぶのがその主な役割であった。その絶頂期には、どの国家の大企業や高官たちも、この信頼性の高い船を入手できないことはなかった。だが、時の経過と継承権戦争による破壊は、この船をわずか一握りにまで減らしてしまったのである。今日では、イリアン・テクノロジーズが残ったエクスプローラの最大の所有者である。イリアン社のクリッパートン工場がこの慎ましやかな宇宙船の生産を再開していることを考えれば、これはそう驚くことではない。

 エクスプローラは実のところ、贅沢な旅行用というよりも、実利主義で設計された。豪華であるのと同時に、実用的に作られているのだ。コストを最小化するために出来るだけ小さく作られ、また危険と思われないように武器を積んでいないこの航宙艦は、星系内の移動を四隻のシャトルに頼り、通常は降下船ドッキングカラーに使われる重量を節約し、その分を貨物スペースと客室にあてている。80メートルの重力デッキは、船員と乗客に自宅のようなやすらぎを与え、また特定の惑星と同じように回転を調整することが可能で、違った世界に行く大いなる助けとなる。さらに、この船は数多くの完全な自動化システムを搭載し、長い航海の中で火急の時には最小限の人員でも操作可能である。実際、イリアン・テクノロジーズは、不景気な時期に、たった4人の船員を乗せて冒険に送り出すことがあった。

 星間連盟が終焉していく時期に、HPGを搭載した派生型が登場した。この装備の法外なコストは、大企業、大富豪、そして多くの場合は、政府の外交官がまかなった。


エクスプローラ級航宙艦

技術:中心領域
就役:2703年
重量:50000トン
全長:205メートル
セイル直径:740メートル
トン/噴射日:9.77
安定用推力:0.10
セイル強度:3
KFドライブ強度:2
放熱器:79
構造強度:1
戦闘価値:424

装甲
 船首:7
 船首両面:3
 船尾両面:3
 船尾:3

兵器:なし

貨物
 ベイ1:貨物(247トン) 1ドア
 ベイ2:小型船(4) 2ドア

降下船搭載数:0
重力デッキ:1(直径80メートル)
脱出ポッド:3
ライフボート:0
船員:航海士1名、乗組員8名

追記:一等船室5、二等船室5。通常装甲27トン。




indexに戻る
inserted by FC2 system