リコニション・ガイド: イルクラン RECOGNITION GUIDE: ILCLAN
"RECOGNITION GUIDE"シリーズは、バトルテック世界の兵器を紹介するテクニカルリードアウトの後継商品です。" RG:ilClan"はシーフォックス氏族が編纂し、大氏族誕生の3150年に出版されたという体裁を取っています。
そのうち一部を、DriveThruRPGのプレビューから紹介します。
そのうち一部を、DriveThruRPGのプレビューから紹介します。
グリフィン GRIFFIN
プリミティブの最初期、マッキーが戦争の様相を変えてから、わずか25年後に登場したグリフィンは、いまだ現役にあるなかで最古のバトルメックである。〈戦い〉の時代、継承権戦争から、聖戦の恐怖、こんにちの熾烈な戦闘を通して、紛争のあるところにグリフィンはいた。
大王家の軍でメックの数が膨れ上がっても、グリフィンは適応を続け、中型火力支援という役割を見事に果たした。星間連盟が数万機製造し、ワード・オブ・ブレイクや氏族のような分派も数世紀にわたってこの由緒正しいメックを名簿に加えている。技術の変化に取り残されぬため、常にアップデートされてきたグリフィンは、この先数世紀も活躍することになりそうだ。
性能
グリフィンの初期型は、登場から600年経っても限定的な生産が続いており、頑丈さの証となっている。このモデルはグリフィンのあるべき姿のテンプレートとなっている……強力なPPCと長距離ミサイルランチャーの組み合わせである。他の伝説的なバトルメックと同じく、時折、型破りな派生型が登場するが、現代の人気があるモデルの大半は古典的な武装のパターンを踏襲している。
自由世界同盟で製造されている-3Nは、古典的なグリフィンを踏襲し、ほぼすべての要素が改良されている……装甲を増やし、誘爆から身を守り、ミサイルランチャーの精度を上げ、PPCを長射程にしている。エンジンを強化するという誘惑をはねのけて、シャーシ中枢の強度には妥協していない。-3Nの前進を止めるには、バラバラにせねばならないことがよくあるのだ。
ウルフ帝国で多用されているモデル(単純にグリフィンC)は、改修型の改修型という珍しい存在である。旧式のグリフィンで一般的な改修型から作られたC型は、31世紀の最前線で評価の高いシャーシとなっている。地上速度を向上させ、通常型のグリフィンのジャンプ範囲をほとんど倍にして、氏族スペックの武装に載せ替えることで、C型は中心領域型と同等の頑丈さを持ち合わせていないが、軽量級メック並のスピードでいつも敵を驚かせている。量産に入るくらいに人気を博し、氏族製であるにも関わらず、我らの貿易船のおかげで中心領域中に広まっている。
戦史
継承権戦争末期のこと、恐るべき海賊団ブレード・オブ・デスの1個小隊が、軌道に上がった降下船に置き去りにされ、マーリックの世界ヘイゼルディーンに足止めされるという憤怒と無力が混ざった状況に陥った。ブレード(おんぼろのグリフィン3機と古びたスパイダー1機)は降伏を潔しとせず、街から街へと虐殺を続けた。ジャンプジェットの機動性を使って、バンドは常に地元貴族の哨戒を交わし、巨大な水力発電ダムに穴を開けて、数百キロメートルの村と農地を水浸しにしてから地下に逃れた。
第二次連合=ドミニオン戦争の初期、第2ヴェガ軍団はオレステスに降下し、オーディン製造所を破壊しようと目論んだ。続く包囲戦で、ベガ軍団が持っていた多数のグリフィンが輝いた。6日に及ぶ残虐な戦闘で、グリフィンは間接砲の砲撃に加勢して、工場敷地からの出撃を粉砕する助けとなり、敷地内になだれ込むというヴェガ軍団の儚い望みの中核となりさえした。その立派なバトルフィストで近くの砲台の砲身をもぎ取り、砲撃で壊された城壁を蹴り倒して進み、ドミニオンの至近距離からの集中射撃のみがグリフィンを後退させたのだった。
派生型
31世紀半ばから後半にかけての主柱だった -3M と 1DS グリフィンは大量生産され、現代でも時折見かけられる。-3MはXLエンジンを使って重量を節約し、LRMランチャーを二倍の大きさにして、ERPPCにアップグレードしている。自由世界同盟、傭兵団、カペラ大連邦国、連邦=共和国でよく見られるタイプだった。-1DSはライラ共和国中で広く配備されていたのみならず、ドラコ連合の隊列でも相当数実戦配備してるのが見られた。-3Mに似ているこの機種は、ERPPCではなく大口径パルスレーザーを使っている。最終的に両派生型の多くが氏族軍によってグリフィンC標準型に改造された。
星間連盟末期に登場した GRF-2N は星間連盟防衛軍の最精鋭部隊のみが使える「ロイヤル」メックであった。ケレンスキーのエグゾダスと星間連盟崩壊の間に、-2Nは中心領域の戦場から急速に姿を消し、聖戦期にニューダラス・メモリーコアが発掘されたおかげで復活した。-2Nは主砲をERPPCにアップグレードしているが、LRMランチャーをSRMランチャー2門に交換することで、長距離打撃力を減らしている……追加されたECMスートによって、最上級の電子戦機となった。少数の原型機は氏族の二線級部隊にいまだ存在している。
グリフィン GRF-3N GRIFFIN
重量: 55 トン シャーシ: アースワークスGRF・エンドースティール パワープラント: コアテック275 巡航速度: 54 キロメートル/時 最高速度: 86 キロメートル/時 ジャンプジェット: ローリング55 ジャンプ能力: 150メートル 装甲板: ヴァリアント・チェインメイル・フェロファイバー(CASE付属) 武装: フシゴン・ロングトゥース長射程PPC 1門 デルタダートII・エンハンスドLRM10ランチャー 1門 製造元: アースワークス-FWL, Inc 主要工場: ティバー 通信システム: ネイル6000 照準・追尾システム: オクタゴン・タートラックシステムC、アルテミスIV FCS付属
技術ベース: 中心領域 重量: 55トン 役割: スナイパー 戦闘価値: 1560 装備重量 内部中枢: エンドースティール 3 エンジン: 275 15.5 歩行: 5 走行: 8 ジャンプ: 5 放熱器: 11[22] 1 ジャイロ: 3 操縦機器: 3 装甲板(フェロ): 179 10 内部中枢 装甲 頭部: 3 9 胴中央: 18 27 胴中央(背面): 7 左/右胴: 13 20 左/右胴(背面): 6 左/右腕: 9 18 左/右脚: 13 24 武器・装備 配置 装備欄数 重量 ER PPC 右腕 3 7 エンハンスドLRM10 右胴 4 6 アルテミスIV FCS 右胴 1 1 弾薬(NLRM)24 左胴 2 2 CASE II 左胴 1 1 2 ジャンプジェット 右胴 2 1 ジャンプジェット 胴中央 1 .5 2 ジャンプジェット 左胴 2 1 付記: 以下の機種別特徴を持つ。 バトルフィスト、投棄可能な武器(PPC) 頑丈(1)、ユビキタス
グリフィンC GRIFFIN C
重量: 55 トン シャーシ: アースワークスGRF・エンドースティール パワープラント: VOX330XL 巡航速度: 64 キロメートル/時 最高速度: 97 キロメートル/時 ジャンプジェット: ローリング65+ ジャンプ能力: 270メートル 装甲板: スターシールドA(CASE付属) 武装: タイプ22 長射程PPC(氏族) 1門 タイプX-S ストリークLRM10ランチャー 1門 製造元: アースワークス-FWL, Inc 主要工場: キーストン 通信システム: ネイル6000 照準・追尾システム: RCAインスタトラック・マークXI
技術ベース: 混成中心領域 重量: 55トン 役割: スナイパー 戦闘価値: 2131 装備重量 内部中枢: エンドースティール 3 エンジン: 330XL 12.5 歩行: 6 走行: 9 ジャンプ: 9 放熱器: 11[22] 1 ジャイロ: 4 操縦機器: 3 装甲板: 168 10.5 内部中枢 装甲 頭部: 3 9 胴中央: 18 25 胴中央(背面): 8 左/右胴: 13 19 左/右胴(背面): 5 左/右腕: 9 16 左/右脚: 13 23 武器・装備 配置 装備欄数 重量 ER PPC(C) 右腕 3 6 ストリークLRM10(C) 右胴 2 5 弾薬(ストリーク)12 左胴 1 1 CASE(C) 左胴 0 0 強化ジャンプジェット 右脚 2 1 3 強化ジャンプジェット 右胴 6 3 強化ジャンプジェット 胴中央 2 1 3 強化ジャンプジェット 左胴 6 3 強化ジャンプジェット 左脚 2 1 付記: 以下の機種別特徴を持つ。 バトルフィスト、投棄可能な武器(PPC)、ユビキタス
著名なメックとメック戦士
"少将"トリスタン・キシマンダー: ヘイゼルディーンに多大な恐怖をもたらしたブレード・オブ・デス小隊のリーダー、自称キシマンダー少将の旧式グリフィンは、世代から世代へと伝えられてきた〈戦い〉の時代の生き残りである。このメックは焼夷弾頭を満載しており、テロ戦役において恐るべき効果を発揮する。6000名の殺人で有罪となり、ヘイゼルディーンの貴族が猛獣を放ってキシマンダーの全身を引き裂いたが、この見世物は伝説をより強固なものにしただけだった。
ミハエル・ハイネル: ハイネルはグリフィンを整備し、動かしていたが、本職は工学であった。サングラモア卒業後、ハイネルは慣習的にスカイア特戦隊で勤務し、それからフリーランサーとして固定防衛網の強化を求める各惑星政府に雇われた。元帝国の世界でキャッスルブライアンの廃墟をいくつか研究することで、ハイネルはバトルメック規模の要塞の専門家となり、その知識を連邦=共和国の数十の惑星にもたらした。3050年代、氏族前線のすべてで彼の需要は増大し、このとき初めてドラコ連合に入国した(グリフィンには乗っていなかった)。彼が最後に目撃されたのはオレステスで、コムガードのミラボーグ要塞建設を手伝っていた。
ハインリッヒ・フォン・クエステンベルク大尉: 仲間たちから愛されるつきあいのいい男、ハインリッヒはライラ防衛軍に割り振られた独立偵察中隊を指揮していた。彼のグリフィンは、ジェイドファルコンとスティールヴァイパーの共同占領域にいた氏族部隊の間で頭痛の種となり、彼の部隊が目撃されたら大規模な襲撃があると学ばれるようになった。AFFCの記録によると、彼の中隊が目撃されたのは、任務の1/6のみであった。ハインリッヒの中隊がもたらした情報は、3050年代、数十の襲撃成功に寄与したことになる。戦場の外では、際限なく長たらしい戦争の話をすることで知られ、部下たちからは「うめき屋」と呼ばれていた。
ダニエル・デレイ大尉: デレイ大尉は古き良き「昔気質」のメック戦士であった。3060年代、彼は恒星連邦装甲機兵団で祖父から受け継いだ旧式のグリフィンを操縦していた。ローテクの奇妙な乗り物であるためよくからかわれていたデレイは、古いグリフィンを駆って次々に勝利を重ね、技量こそが戦士を作ることを証明してみせた。内戦と聖戦の後、戦争に疲れ果てたデレイ大尉は、退役してメックとともに故郷へと戻り、デヴリン・ストーン償還プログラムの恒星連邦版に抵抗した。現在、デレイのグリフォンがどこにあるかは不明である。
ヨシ"ダイダロス"エムズ中尉: 連邦共和国内戦は数多の市民の魂を試した。第3ライラ防衛軍は名目上カトリーナを支持していたが、ダイダロス・エムズは部隊内と部隊外の平和を守るのにベストを尽くそうとした。アダム・シュタイナーがオーダシティ作戦に第3防衛軍を選ぶと、エムズは兄弟と呼べない敵にGRF-1DSを使えることに安堵した。グラウスで、彼は二度ファルコンの砲撃を引き付けて、小隊仲間を守り、感状を受け取った。若い戦士を守ろうとする行動はダイダロスにとって珍しいことではない。おそらくは数年前に唯一の子を失ったことの結果である。
メック戦士アリシャイ・グラス: ライラの謎であるメック戦士グラスは普通の兵士より多く部隊とメックを乗り換えており、たくさんの疑問を産んでいる。聖戦の暗い時期、彼女はスカイア防衛軍でグリフィンに乗ってFMLWジェレミー・ブレックの逆襲と戦い、それから姿を消して、地球侵攻時に再びロバート・ケルスワ=シュタイナーの個人部隊に加わった。その間に彼女の右半身はサイバネティクスに入れ替わっており、暇ではなかったことが示唆されるが、聖戦で配置の記録はすべて失われている。彼女は地球解放を生き延びたリストに入っているが、その後LAAFの名簿から恒常的に消え失せ、どうなったか不明である。
メック戦士ヤン(ミュラー): 元エニウェア市民軍のヤンは氏族侵攻の初期に第8ファルコン正規隊のスターコマンダー・デニスのボンズマンとなった。デニスは、ヤンのテックとしての神がかった腕前と、名前の発音(正しくはヨーン)を間違えた誰かに対する短気さに留意して、彼を近くに置き続けた。数年間テックとして勤めた後、ヤンは戦士階級に入る試験を受けるのに充分なほどの敬意を勝ち取った。フリーボーンとしてオムニメックを操縦することはなかったが、ヤンはエニウェアで失ったマシンの代わりに星間連盟時代のGRF-2Nグリフィンを与えられた。ヤンは聖戦を通してジェイドファルコン氏族で戦い、技術者階級に再びテストダウンして、新世代のファルコン型バトルメックを設計する手助けをした。
メック戦士ナサニエル・カーソン: カーソンは中心領域における恋愛と貴族との結婚のちょっとした欠点を象徴している。エムリスIVにいる妻の一族は、立派な血筋を持たず、養成校での訓練も受けてない彼を受け入れず、それを隠そうともしなかった。ナサニエルは自分の価値を証明するため、回収されたグリフィンで傭兵としての人生に身を転じた。道徳を重視するカーソンはそれほど良心的でない指揮官たちとよくぶつかり、傭兵業界のブラックリストに入れられた。最終的に彼は、価値観を歓迎する第1マーリック・プロテクターズに身を落ち着けた。3120年代に引退するまで彼は妻となかなか会えなかったが、ついに求めていた一族からの敬意を勝ち取り、子孫はエムリスIVの爵位を持っている。
メック戦士エロフソン: ウルフ帝国の年老いたメック戦士、エロフソンは氏族の全戦士にとっての悪夢に直面していた――ソラーマの地位に降格したのである。いかなる犠牲を払おうともこのような恥ずべき最期を避けると誓ったエロフソンは、共和国がフォートレスのウォールを落とし、氏族宙域に攻め込んできた際に望みを果たした。キャスターで、第328ウルフ強襲星団隊は第15ハスタティの予期せぬ一撃を浴びてよろめき、脱出して共和国による攻撃の一報を持ち出す時間を稼ぐため1個三連星隊があとに残った。ほぼ壊れたグリフィンを駆るエロフソンは、ハスタティの指揮官に全速力の突撃を仕掛け、氏族技術の素晴らしいスピードを最大限に活かした。ジャンプジェットの安全装置を解除し、衝突の瞬間に吹かして最大スロットで衝突したエロフソンと敵は近くの斜面に消滅した。次々と誘爆するその光景は、両者が終わったことを伝えたのだった。
オストスカウト OSTSCOUT
星間連盟の特殊バトルメックの中で、オストスカウトは最も成功し、長く使われた1機となった。生まれ持った耐久性と、実戦に晒すには貴重過ぎる電子装備の組み合わせで、多くのオストスカウトが最高の状態で継承権戦争を生き延びた。メック戦士たちはオストスカウトと修理不能の電子装備を守るために、必要ならば戦友を犠牲にするよう命令される。オストスカウトと姉妹機のオストロック、オストソルは、継承権戦争の頑丈でどこにでもあるマスコットとなり、工場が破壊されてからしばらく経っても、多数が生き残ったが、たいていは部品をバラバラに組み合わせたものだった。古い言い伝え曰く、オストメックは死なず、ただ形を変えるのみである。
性能
地球でクルップがフェニックス仕様を生産しているにもかかわらず、近年、コング・インターステラー・コーポレーションとロビンソン・スタンダード・バトルワークスが(アップグレードしながらも)元のスペックのオストスカウトを復活させている。ロビンソンのモデルはオストソルと部品を共通化させると同時に、電子装備一式を現代の基準にまでアップグレードしている。コング社は我が氏族と同盟して、ステルス技術と氏族兵器を新型オストスカウトに搭載している。長らくロステックと考えられてきたオストスカウトのマイアマー強化型センサーアレイと磁気流体力学アナライザーはセンサー技術の頂点のままであり、バレット4000通信システムは性能が高すぎて死者とも通信できるとまで言われている。誇張されてるのは事実である。
戦史
その性質上、オストスカウトの戦史は遭遇した敵から勇敢なる逃走を遂げたという話がずらっと並んでいる。実際、マシンを守るために味方を見捨てる勇気というのは、理解しづらいものである。オストスカウトのパイロットたちが戦友たちと有意義で深い関係を持つことは稀である。このような議論の余地のある関係は、2994年、イゴール・ミンスキーのダヴィオン近衛隊からの脱走につながった。17年間逃走を続けたミンスキーは最終的にヘンドリック・グリムIII世に仕え、オベロン防衛軍の有効性を目に見えて向上させた。彼の死後も、オストスカウトはオベロン連邦に残り、息子のクラウスが操縦した。ブラックキャニオンでオベロン防衛軍とウルフ氏族が初の交戦をした折、クラウスは名誉ある戦闘を求める氏族戦士に大部分無視されることで戦場を脱するのに成功した。これが中心領域のオストスカウトと氏族の最初の遭遇だったと信じられている。クラウスが収集したデータはオベロンVIを離れても貴重なものとなった。
オストスカウトは常にドラコ連合に珍重されており、占領地のロビンソンで復活した要因でもある。連合占領下のロビンソン・スタンダード・バトルワークスで生産された最初のオストスカウトは、第7〈光の剣〉連隊に進呈され、ロビンソンでの抵抗活動を根絶するのに使われた。エルプティオ作戦で共和国装甲軍が1インチずつロビンソンを進む中、新型オストスカウトは戦火の試練を浴びた。惑星知事アダム・オガタの警備に当てられた1機のオストスカウトは、フィデス防衛隊のヘッドハンティングチーム複数を探り当てるのに成功した。彼らはオストスカウトの優れたセンサーに直面すると、攻撃を諦めたのだった。
ケレンスキーの氏族も、クロンダイク作戦の時期にオストスカウトを使用していた。支援機に分類されたこれらのマシンはニコラスの800人に使われなかったが、第2梯団の兵士たちは初期に氏族が占領した土地を任された。オストスカウト2機が盗賊の襲撃(ダグダでドラサの丘陵からバーロックの補給を狙っていた)を根絶やしにする任務を与えられた。オストスカウトのパイロットたちは、不可解にも数週間何もできなかった……目標を捕まえることができず、物理的な航跡を追うこともできなかったのだ。入念なトラップにより、ようやく獲物を拝むことができた。それはオストスカウトよりさらに珍しいメック、星間連盟製のヘッジホッグであった。この超高速な三脚メックは、自前の先進的なセンサーと通信システムを使って、一歩先を保ち続けた。これが最後のチャンスであると知っていたオストスカウトは、ジャンプジェットを使って小型の盗賊機を囲い込み、ついには2対1の殴り合いで粉砕した。その残骸はバーロックの中心的な飛び地領で展示されていたが、リーヴィング戦争時にスターアダーが一掃した。
派生型
オストスカウトは長らく派生型がないことで知られていた。3050年代で一般的な戦地改修型は、唯一の装備を目標補足装置に載せ替えているが、人気がないと証明されている。3060年代にオストスカウトはプロジェクト・フェニックスでイメージを一新した。残念ながら、大型の兵器を載せたことで、パイロットたちがかつてよりも交戦するようになったことから、損害が大きくなる結果となった。ジェイドファルコン氏族は3060年代にこのシャーシをアップグレードする実験を行ったが、高価な失敗となった。
オストスカウト OTT-8J OSTSCOUT
重量: 35 トン シャーシ: ケル/S パワープラント: GM280XL 巡航速度: 86 キロメートル/時 最高速度: 129 キロメートル/時 ジャンプジェット: ロビンソン=リバティーモデル12 ジャンプ能力: 240メートル 装甲板: スターガード・フェロファイバー 武装: マーテルX・中口径Xパルスレーザー 1門 製造元: ロビンソン・スタンダード・バトルワークス 主要工場: ロビンソン 通信システム: バレット4000(エンジェルECMスーツ付属) 照準・追尾システム: TRSS.2L3(ブラッドハウンド・アクティブプローブ付属)
タイプ: オストスカウト 技術ベース: 中心領域 重量: 35トン 役割: 偵察 戦闘価値: 894 装備重量 内部中枢: 3.5 エンジン: 280XL 8 歩行: 8 走行: 12 ジャンプ: 8 放熱器: 10[20] 0 ジャイロ(コンパクト): 1.5 操縦機器: 3 装甲板(フェロ): 107 6 内部中枢 装甲 頭部: 3 9 胴中央: 23 16 胴中央(背面): 6 左/右胴: 16 13 左/右胴(背面): 3 左/右腕: 12 9 左/右脚: 16 13 武器・装備 配置 装備欄数 重量 ブラッドハウンド・アクティブプローブ 右胴 3 2 中口径Xパルスレーザー 胴中央 1 2 エンジェルECMスート 胴中央 2 2 4 ジャンプジェット 右胴 4 2 4 ジャンプジェット 左胴 4 2 付記: 以下の機種別特徴を持つ。 改良型通信機、改良型センサー 細い/低い輪郭、頑丈(1)
オストスカウト OTT-12R OSTSCOUT
重量: 35 トン シャーシ: ケル/S パワープラント: VOX280ライト 巡航速度: 86 キロメートル/時 最高速度: 129 キロメートル/時 ジャンプジェット: ローリングス45 ジャンプ能力: 240メートル 装甲板: スターシールド・ウルトラテック・ステルス 武装: シリーズ7K・長射程大口径レーザー 1門 製造元: コング・インターステラー・コーポレーション 主要工場: コンノート 通信システム: バレット4000(エンジェルECMスーツ付属) 照準・追尾システム: TRSS.2L3
タイプ: オストスカウト 技術ベース: 混成中心領域 重量: 35トン 役割: 偵察 戦闘価値: 1209 装備重量 内部中枢: エンドーコンポジット 3 エンジン: 280ライト 12 歩行: 8 走行: 12 ジャンプ: 8 放熱器: 10[20] 0 ジャイロ: 1.5 操縦機器: 3 装甲板(フェロ): 72 4.5 内部中枢 装甲 頭部: 3 6 胴中央: 23 12 胴中央(背面): 4 左/右胴: 16 9 左/右胴(背面): 2 左/右腕: 12 6 左/右脚: 16 8 武器・装備 配置 装備欄数 重量 ガーディアンECMスート 右胴 2 1.5 ER大口径レーザー 胴中央 1 4 4 ジャンプジェット 右胴 4 2 4 ジャンプジェット 左胴 4 2 付記: 以下の機種別特徴を持つ。 改良型通信機、改良型センサー 細い/低い輪郭、頑丈(1)
著名なメックとメック戦士
メック戦士ジェリー・ホーカー: 3016年、ダイアモンドシャーク氏族からアブタカとして捕らえられたジェリー・ホーカーは、ウルフ氏族に馴染むことがなかった。派閥が分極化する時代に、はっきりとした侵攻派でも守護派でもなかった彼は、守備部隊で腐っていたが、運命がケルリン・ワード氏族長と新しい機会をもたらした。ウルフ竜機兵団が最後の補給移動で氏族宙域に戻った際、ホーカーはジェイム・ウルフと面会し、ワード氏族長は喜んで竜機兵団入りする権利を与えた。ホーカーは竜機兵団として活躍し、ついに家族を見つけた。その才能から、ウルフはホーカーに貴重なオストスカウトを与え、ホーカーはそれを受け入れた。彼は聖地におけるブラッドネーム持ち戦士であり、重要なのはそれだけだった。ジェリー・ホーカーは多くの戦友たちと同じようにミザリーで死に、誇り高く不屈の最期を迎えたのだった。
デラー・ラングドン大尉: ダヴィオンのMI3部門に長く勤務した工作員、ラングドンは第三次継承権戦争が終わる前の時期に、いくつかの世界でクリタ軍の移動を監視していた。彼が集めた情報は3022年のガルターIII奪還に重要な役割を果たした。極秘に活動するため、また敵を脅かすため、ラングドンはメックを改造してオストソルのような外見に変えた。この偽装は、コムスターすら騙すの成功して、有名なテクニカルリードアウトに間違いが生まれたのである。ラングドンと彼のメックは、氏族侵攻の直前、3049年に辺境での任務中に行方不明となったが、侵攻氏族に捕らえられたか殺されたかは記録されていない。
イゴール&クラウス・ミンスキー: ダヴィオン近衛隊から逃げ出した後、イゴールはオベロンでヘンドリック・グリムその人を私的に護衛し、イアン、ハンス・ダヴィオンが送り込んだ賞金稼ぎを巧みに逃れた。3035年、彼は盗んだオストスカウトを義理の息子クラウスに譲渡し、そのクラウスはオベロン防衛軍に入って中心領域でグリムの襲撃部隊のために偵察を行うというそれほど私的でない役割を果たした。ウルフ氏族がオベロンVIを攻撃した際、クラウスは地下に潜って、オベロン防衛軍の敗北がはっきりするまでの数週間、侵略者の情報を集め続けた。クラウスはメックを隠し、惑星を脱出して、集めたウルフ氏族の情報をハンス・ダヴィオンに届けようとしたが、何かを発信する前にトロンハイムでゴーストベアに殺された。彼のオストスカウトはまだオベロンVIに隠されたままであると思われる。
メック戦士テッレリーゼ: あらゆる面で風采の上がらない戦士、テッレリーゼのキャリアは早くから低迷し、ハントレスのソラーマ歩兵部隊に降格されるに至った。ここで彼女は飲酒と悪癖という内面の敵とぶつかり、ふたりの子供を出産すると仲間のソラーマからすらも嘲笑された。ロッソー・ハウエルが中心領域で鹵獲した装備を使ってウォッチメン銀河隊を結成すると、テッレリーゼはメックに再び乗る権利をかけて激しく戦った……たとえそれが卑しいオストスカウトであったとしても。3060年、彼女はノースウィンド・ハイランダーズを相手に責務を果たし、パーン・シティ外部のプロトメック工場をかけた戦いでハイランダーズのメック3機を破壊した。それからコクピットで戦士としての死を得たのだった。
レム・ピュレリフ: レムは継承権戦争の末期にすべてのライラ歩兵の夢を叶えた……撃墜されたオストスカウトを手に入れ、軍のエリート入りしたのである。彼の中隊は、命中弾でセンサーが無効化されたオストスカウトを待ち伏せし、最初にコクピットに入ったレムが抵抗を排除してメックを我が物とした。残念ながら、電子装備にダメージを受けていたことから、ヘルム・コアのノウハウが広まって修理可能になるまで、第10ライラ正規隊での駐屯任務に追いやられた。連邦共和国内戦で待ちに待った実戦の機会が来るとこれまでの苦労は報われ、キャバノーIIで見事な活躍を見せた。3063年、レムは第10ライラ正規隊"スティンギング・バーフライ"を名誉除隊し、最近結成された第1キャバノーイレギュラーズの志願した若い歩兵にメックを贈与した。
グレッグ・ブッシュロー侍祭: ワード・オブ・ブレイク第3師団の兵士、ブッシュローはプロジェクト・フェニックスの派生型が登場したときに、星間連盟時代のオストスカウトを手放すのを拒否したことで知られている。このメックはツカイードとオデッセウス作戦を生き延びたことから、幸運の証だと信じたのである。良心的兵役拒否者となった聖戦でも、オストスカウトは彼に幸運をもたらした。ワードは悪役かもしれないとの態度は部隊内の多くに感染したが、離脱させるほどのものではなかった。ゴーストベアがディーロンで第3師団を粉砕した際の死者にブシュローは含まれておらず、部隊の残りとともに辺境に逃げたと考えられてる。
マイケル・マカルパイン: 3061年、マカルパインは有望な志望者数名を負かして、ケルハウンドに入隊した。他人を必要としない無口な男である彼の一匹狼的な性格は、中隊の仲間から疑われるようになった……特に過去にコムスターとの関係があったことが判明した際には。ダン・アラードとアキラ・ブラヘに二心はないと確信させたものの、周囲の疑念が完全に消え去ることはなかった。ワード・オブ・ブレイクが聖戦を始めると、疑念はさらに深まったものの、マカルパインは戦争が終わるまでケルハウンドにとどまった。忠誠心への懸念をついに払拭したのは、3078年8月、地球のカイロでのことだった。彼のオストスカウトから送られてくる戦術データはブレイクの罠を逃れてケルハウンドを救う貴重な要素となったが、マカルパインはハウンドの戦列に戻らず、その運命は定かではない。
ブリットニー・ヘイル: ヘイルはメック戦士に分類されない珍しいバトルメックのパイロットである。彼女の情熱は戦争ではなくレースにあり、オストスカウトは常に最速マシンなのだ。3090年、ノイジエルのメックレースサーキットにやってきたヘイルは、コースいくつかで新レコードを叩き出し、数多のステイブルの目を引いた。レースの観客が倍増すると、ヘイルは雇用の契約を左右できるようになり、ついには自分のステイブルを作るところまで出世した。彼女の重改造されたオストスカウトは現在でもまだ走っており、半ダースのコースでレコードを維持している。
ケルヴィン・ハウ: 一族代々ダヴィオン軽近衛隊に仕えてきたケルヴィンは、小さなエレメンタルによく間違われる巨漢である。新型オストスカウトのような小型メックに巨体を押し込む手際は、ジョークの種になっているが、彼はまったく気にしていない。コクピットの外では幾分威張り散らし大言壮語する節があるが、メックの中では地形にかかわらず草の根をかき分けて敵を探す比類なき才を持っている。彼は仲間と敵が殴り合うところを見ながら撤退するのにちょっとした喜びを見出している。ハウの態度は当然ながら近衛隊にふさわしいものではないが、一族の家名と偵察兵として他の追随を許さない腕前を持つことから、在籍し続けることは間違いない。
アルカディア・ゼム: ゼムはスピリットキャットに受け入れられ、第1保護領ガーディアンで勤務している。氏族の伝統に従わない彼女は名字を捨てるのを拒否し、数多の不服の神判でこの決断を守らねばならなかった。ゼムは隠されたものを見つける不思議な才能を持っており、コング社の新型オストスカウトに最適な人材となった。3149年、カペラは珍しくウルフ帝国に調査襲撃を行い、ついでに保護領の世界エンジェルIIも叩いた。ゼムのオストスカウトは待ち伏せを仕掛けるカペラのバトルアーマーを見つけた出したのみならず、安全なところまでジャンプして長距離火力を提供した。彼女はこの戦いで3機の撃墜を記録し、すぐにもスターコマンダーの地位を求めるだろう。
ヒエロファルコン HIEROFALCON
重量: 45 トン シャーシ: JF4ライト・エンドースティール パワープラント: ライトフォース270XL 巡航速度: 64 キロメートル/時 最高速度: 97 キロメートル/時 ジャンプジェット: なし ジャンプ能力: なし 装甲板: コンパウンド・JF・フェロファイバー(CASE付属) 武装: ポッドスペース19トン 製造元: CJFファクトリーゾーン4 主要工場: アリーナ 通信システム: JFインテグレーテッド 照準・追尾システム: シリーズJFVIIインテグレーテッド
過去数十年分のバトルメックの設計をもとに作られたこのジェイドファルコンの新世代オムニメックは、戦場と苛立つ技術者のガントリーから苦労して得た教訓を数多く組み込んでいる。もっと大型のいとこである、ジェイドフェニックスと同じように、ヒエロファルコンはファルコン氏族軍で標準型バトルメックを補完するか、あるいは取って代わる用意が出来ている。
性能
ジェイドファルコンのドクトリンは常に機動戦を好むので、パーシャルウィングがジェイドファルコン装備の象徴となるのは驚くべきことではない。ファルコンはその名の通り空に舞い上がり、戦場中で敵に死の雨を降らせるのである。ヒエロファルコンは最長のジャンプ距離を持つバトルメックの1機である。強化ジャンプジェットを装備したメックのなかでもとりわけ目を引くものだ。オムニメックにとって、この機動性は単純に高地を取れる以上の戦術的アドバンテージをもたらす。エレメンタルたちは脆弱なホバークラフトやVTOLの腹に収まることなく、ヒエロファルコンに乗って陣地につくことができる。ジェドファルコンの新星隊は特に危険な存在となるのである。
戦史
ファルコンとヘルズホース氏族の同盟が崩壊したあと、両者の国境は襲撃で騒がしくなった。3149年、ハイペリオンでの小競り合いの中、第1ファルコン猟兵隊のスターコマンダー・ミッコンは、ホースの1個新星隊(バリウス・オムニメックと支援するブラーク・バトルアーマー)と接敵し、この敵部隊に「地獄から来た過去最悪の憎悪」とあだ名を付けた。スピードのあるブラークがミッコンの部隊の背後に回り込むと、彼はベータ仕様のヒエロファルコン2機にインフェルノ弾頭に切り替えて、ホースを地獄に送り込むよう命令した。数秒で戦場は業火の悪夢と化して、ブラークは溶解してスラグになるか、ファルコンの重量があるメックの砲口に追い立てられた。最終的に数で劣るファルコンは逃げ出したものの、ヒエロファルコンは敗北を再戦のチャンスに変える戦果を残したのである。
3150年末、リギル・ケンタウルスを奪うことで、ジェイドファルコンはどの氏族よりも母なる地球に近づいた。ファルコンの戦士たちが自制心をかなぐり捨てて聖戦以来見てないような流血を求めると、惑星上にいた共和国の防衛部隊とウルフ氏族軍は凍りついた。共和国のバトルメックはカーマイケル要塞(ワード・オブ・ブレイクの城塞で、聖戦後に再建された)の城壁上60メートルに立って、侵略者に砲撃の雨を振らせた。ファルコンの間接砲は強化フェロクリートの城壁を叩いたが、強襲は望み薄のように見えた……メック戦士ジェイナがエレメンタルの一団をヒエロファルコンに乗せて、強化ジャンプジェットで城壁の上まで飛び上がるまでは。ヒエロファルコンが施設の奥深くまでジャンプすると、守る第4フィデスは驚きすぎて撃つことができなかった。エレメンタルをおろしたジェイナは対人兵装を使って目につくすべてを吹き飛ばし、共和国のアーチャーが彼女の虐殺を終わらせた。損害は取り返しのつかないものだった。激しい抵抗にもかかわらず、エレメンタルのチームは要塞の司令部への道を切り開き、幕僚全員を殺戮した。逃げられるフィデスは1時間以内に脱出し、ジェイドファルコンを地球の玄関に明け渡したのだった。
著名なメックとメック戦士
メック戦士イリアーナ: よく知らない状況に首を突っ込む厚かましい戦士、イリアーナはそれにも関わらず、上官たちからちょっとした敬意を勝ち取っている。ヒエロファルコンがあると聞き及ぶと、彼女はスペックを見すらする前に、操縦する権利を挑戦した。過去には大胆さが犠牲をもたらしたこともあった……ゾーリンの戦いで右目を失ったように。彼女はアイパッチが気に入ってるとして、目の再生もサイバー義眼も断った。目を失っても戦闘能力に影響してないので、手術の決断を遅らせるのを許可されている。
メック戦士ジェーレ: ジェーレのコデックスには多くの矛盾がある。ブラッドハウスにはヘイゼン、プライド、マルサスが並べられており、ダイアナ・プライドやマルヴィナ・ヘイゼンその人など複数の遺伝的両親が載っている。通常なら極めて稚拙な偽造の結果だが、彼のトゥルーボーンとしての立場とシブコでの育ちは確認済みである。彼のヒエロファルコンはベータ銀河隊司令官ローレン・イカザから詳細不明の仕事の対価として与えられたものである。模範的な戦士なのだが、疑念の雲に取り囲まれていることから昇進の機会はほとんどない。この状況に彼はただ肩をすくめるのみである。
ヒエロファルコン HIEROFALCON
技術ベース: 氏族(先進) 重量: 45トン 役割: ストライカー 戦闘価値: 1878 装備重量 内部中枢: エンドースティール 3.5 エンジン: 270XL 7.5 歩行: 6 走行: 9 ジャンプ: 0* 放熱器: 10[20]* 0 ジャイロ: 3 操縦機器: 3 装甲板(フェロ): 144 7.5 内部中枢 装甲 頭部: 3 8 胴中央: 14 21 胴中央(背面): 7 左/右胴: 11 15 左/右胴(背面): 7 左/右腕: 7 14 左/右脚: 11 18 重量・スペース配置 場所 固定装備 残りスペース 頭 1 フェロファイバー 0 胴中央 1 フェロファイバー 1 右胴 2 XLエンジン 6 3 パーシャルウィング 1 フェロファイバー 左胴 2 XLエンジン 6 3 パーシャルウィング 1 フェロファイバー 右腕 4 フェロファイバー 4 左腕 6 エンドースティール 2 右脚 なし 2 左脚 なし 2 付記: パーシャルウィングはジャンプMP+2 通常の大気で発熱-3 固定装備 配置 装備欄数 重量 パーシャルウィング 右胴/左胴 3/3 2.5 武器・装備 配置 装備欄数 重量 基本仕様 HAG 20 右腕 6 10 弾薬(HAG)12 右胴 2 2 TAG 胴中央 1 1 ECMスート 左胴 1 1 2 強化重中口径レーザー 左腕 4 2 2 ジャンプジェット 右脚 2 1 ジャンプジェット 右胴 1 .5 ジャンプジェット 左胴 1 .5 2 ジャンプジェット 左脚 2 1
シャドウキャットIII SHADOW CAT III
重量: 45 トン シャーシ: タイプ79-45・エンドースティール パワープラント: RFUM270XL 巡航速度: 64 キロメートル/時 最高速度: 97 キロメートル/時(MASC時 129 キロメートル/時) ジャンプジェット: なし ジャンプ能力: なし 装甲板: コンパウンド・H17・フェロファイバー(CASE付属) 武装: ポッドスペース19トン 製造元: バーセラ・ベータ 主要工場: イレース 通信システム: サイファー・コムコン・SCU-9 照準・追尾システム: ビルド4 CAT TTS
第二次連合=ドミニオン戦争の後、ノヴァキャット氏族はかつての残骸でしかないものになっていた。かろうじて可動するバーセラLAWのシャドウキャット生産ラインが、イレースに残された唯一の生産設備であった。シャドウキャットは一世紀にわたり氏族で活躍したが、氏族の力と精神を再建するにはもっと一般的なマシンが必要だとアヤックス・ドラモンド氏族長は認識していた。
性能
10年前に登場したジェイドファルコン氏族のソアIIを参考にして、ノヴァキャットの科学者たちは元のシャドウキャットの固定ジャンプジェットを外し、貴重な重量を稼いだ。重量の大半はポッドスペースに回され、残りは氏族の貴重なオムニメックと戦士を安全に帰すため装甲を最大限にするのに使われた。ウェポンポッドはできる限り実用的なものにしたが、シャーシはノヴァキャットを思わせるネコ科の形にするのに特別な注意が払われている。この外見は氏族の戦士たちにも大好評で、未来の計画にも引き継がれることとなった。
戦史
産業基盤が破壊され、支配者であるドラコ連合から厳しく制限されるという圧力の下、ノヴァキャットが損耗した氏族軍を再建しようと足掻く中で、シャドウキャットIIIは有名になった。新型バトルメックが必要だったにもかかわらず、分かたれた同胞への意思表示として、シャドウキャット数機がスフィア共和国内のノヴァキャット飛び地領へと向かった。神判で人気のあるシャドウキャットIIIは、ドラコ連合/ノヴァキャットが共同戦役で共和国に攻め込むまで本物の戦闘に参加したことがなかった。
カタナ・トーマークとの交渉の一環として、アルファ銀河隊はパイクIVに降り立った。バッチェルへの返答がないと、ノヴァキャット軍は何が待ち構えてるかも知らず守備部隊へと向かい始めた。アルファによる主攻勢の前衛を努めたシャドウキャットIII星隊とアップグレードされたサンダーバード・バトルアーマーはすぐ近くで多数のエンジンが始動したのを感知した。強化陣地から2個小隊のマンティコアII戦車が砲撃を開始すると、シャドウキャットIIIは最初の待ち伏せを逃れた――一部の兵士たちは不幸にも増設装甲になってしまったが。不規則に速度を変えるシャドウキャットIIIは難しいターゲットとなり、ノヴァキャットの側は腕に搭載された兵器をすべて使って応じた。距離を詰めると、サンダーバードが降りて、オートキャノンを争いに投じた。小競り合いで氏族はシャドウキャットIII1機とバトルアーマー2個ポイントを失ったが、共和国の戦車は焼け焦げたスクラップにすぎないものとなった。
ノヴァキャット殲滅のあと、DCMSはシャドウキャットIIIとノヴァキャット機の大半を登用した。我が氏族は氏族技術の装備・機種すべての生産と整備を手伝っている。代金に加えて、生産されたものを入手出来るからだ。シャドウキャットIIIは我らの戦士の間でニッチとなっているが、ラサルハグ・ドミニオンの興味は極めて限られたものである。ジェイドファルコンはノヴァキャット製であることから忌避している。
著名なメックとメック戦士
スターキャプテン・マット・ロッセイ: ノヴァキャット氏族の戦士たちは「ヴィジョン」で知られており、マット・ロッセイもまた例外ではない。ロッセイは氏族で一般的なヴィジョンクエストの手法を取ることはなく、戦闘の中で神秘的な導きを得たとしている――戦場での成功にヴィジョンが役立ってるとロッセイは主張する。それが事実なのかはったりなのかにかかわらず、ロッセイは疑いようもなくシャドウキャットIIIの操縦が巧みである。彼は「セイバートゥース」のコクピットからタウ銀河隊の普通ではない混成二連星隊を率いて、共和国のほぼ放棄されていた共和国の世界を進撃した。オムニメック、バトルアーマー、戦闘車両の組み合わせは、残ったRAF部隊の防衛に対して極めて効果的であった。
スターコマンダー・ドット"パッチ"ノストラ: ドット・ノストラの鷹揚とした態度は、寛容なノヴァキャットの中でも目立つものであった。そういう気質と、比類なき軍事的な技量が組み合わって、ドットはノヴァキャットとドラコ連合の関係におけるユニークな実験の理想的な候補となった。ジャカリ・ノストラ氏族長は直々に彼女を選んで氏族とDCMSの戦力を同数にした部隊に加えた。型破りな嗜好の証左として、彼女はボンズマンを解放し、小隊員として戦士階級に加えて監督する。ノヴァキャットの戦士2人がバトルメック小隊の半分を構成し、ノストラはドラコ連合側の同輩と指揮権を共有する。この混成部隊は共和国侵略で効果的と証明され、関与した者たちの間で敬意と本物の友情が育まれた。悲しむべきことながら、この関係は続かなかった……ノヴァキャット氏族の反乱で、戦友たちの間に生まれた好意は粉砕されてしまったのである。ドットと随行者はイレース管区に戻り、氏族最期の戦いに参加した。ノヴァキャットの遺伝子貯蔵庫を守り、核爆発の中で死んだのだった。
シャドウキャットIII SHADOW CAT III
技術ベース: 氏族 重量: 45トン 役割: ストライカー 戦闘価値: 2021 装備重量 内部中枢: エンドースティール 2.5 エンジン: 270XL 7.5 歩行: 6 走行: 9(12) ジャンプ: 0 放熱器: 10[20] 0 ジャイロ: 3 操縦機器: 3 装甲板(フェロ): 153 8 内部中枢 装甲 頭部: 3 9 胴中央: 14 22 胴中央(背面): 6 左/右胴: 11 18 左/右胴(背面): 4 左/右腕: 7 14 左/右脚: 11 22 重量・スペース配置 場所 固定装備 残りスペース 頭 1 エンドースティール 0 胴中央 1 フェロファイバー 0 右胴 2 XLエンジン 6 4 フェロファイバー 左胴 2 XLエンジン 7 3 フェロファイバー 右腕 3 エンドースティール 5 左腕 3 エンドースティール 5 右脚 なし 2 左脚 なし 2 付記: 以下の機種別特徴を持つ。 幅の狭い/低い輪郭 固定装備 配置 装備欄数 重量 MASC 胴中央 2 2 武器・装備 配置 装備欄数 重量 基本仕様 2 中口径パルスレーザー 右腕 2 4 弾薬(ガウス)24 左胴 3 3 ガウスライフル 左腕 6 12
ワスプ WASP
最初のマッキーがヤキマの試験場を闊歩してからわずか30年後に登場したワスプは、量産型最速のバトルメックとして広く喧伝されて登場し、その後も時の試練に耐えてきた。星間連盟時代から始まり、残虐な粉砕機と化した継承権戦争、それ以降まで、ワスプは競争力を維持するためにち絶えず進化を続けてきた。生産が用意であることと、広く普及していることも、少なからずその助けとなった。
前世紀に作られた派生型の一部は「クラシック」な形状を変更しているが、中心領域のワスプ生産の50%近くを誇る自由世界同盟の工場ではほとんど外見を変えていない。ウルフ帝国がカリダサを征服して、ワスプの生産を増やしたおかげで、ローカストやスティンガーでさえもワスプより数でまさることはなくなった。
星間連盟が生産した他の軽メックは、もっと速いか、火力があるのだが、キャメロンたちは量より質をとることはなく、ワスプは目玉が飛び出るほどの数が生産された。大量生産から110年後、ワスプが「真上からの飛び降り」をした際に脚部が切断される傾向にあるとSLDFは気がついた。大量配備されていることから、ワスプを退役させたらSLDFのメック軍に大きな穴が空いてしまう。星間連盟は大急ぎで全ワスプを単分子応力抵抗関節バーに換装し、完了までに30年もの時間をかけた。現代でさえも、放置された僻地でSLDF兵站局の手を免れた旧式モデルが発見されることがある。
性能
ゼネラルメカニクスがワスプを設計した際、彼らが注力したのは、低コストで、維持が簡単で、使い捨ての機種を生産することだった(兵站システム上、SLDFはワスプをバトルメックというより"弾薬機"に分類していると主張したが、まったく事実ではない)。システムは、頑丈で単純、交換容易であることを念頭に設計されている。同じく武装を再補給せずに火力提供できるようにしてある。過去650年で、戦闘中に弾薬が尽きた回数よりも、弾薬爆発で破壊されたワスプのほうが多かった。
イリアン・バトルメック・アンリミテッドは長年、自由世界向けに――ひいては中心領域全体に――ワスプの大多数を生産してきた。3051年に WSP-3M をロールアウトして以降、イリアンには生産ラインを変更する理由がほとんどなく、3060年代後半の再設計に参加しなかった。すべてが変わったのは、聖戦時に自由世界同盟が崩壊し、スフィア共和国が創設されてからである。バトルメックの需要が急落すると、株主たちの圧力でIBUは行動せざるを得なかった。WSP-5A ワスプは速度と機動性を増した一方で、オリジナルに近い武装構成を維持している。売上はこの改良が正しかったことを示している。
ワスプの腕搭載レーザーは長らく「主砲」であった。ウルフ帝国のエンジニアたちは、過剰を嫌う実直さを持っているので、ワスプCの右腕にマンモス・シリーズ6bレーザーをねじ込むことができた。これはGMの最初の設計の柔軟性の証明となっている。ワスプCは二倍の大きさのメックから逃れるのが難しいので、追加の火力は重宝される。
戦史
その大きさと役割から、ワスプは戦闘で目立ったり、決定的な活躍をすることはめったにない。だが、メーサー・ラヴァニオン大尉のワスプとスティンガーをまとめて運用する実験は伝説となっている。……戦術を提唱してから3023年にマッキノン奇襲部隊の手で死ぬまで、4年で3回の実戦しか経験していないというのにだ。
ラヴァニオンの二度目の戦闘(3022年)は彼の戦術が純粋に表現された。彼の理論をテストするために、ドラコ連合は1個大隊分のワスプをかき集め、数機のスティンガーと混ぜ合わせた。バトルメックを所有することがかなりの社会資本の蓄積を意味していたこの時代に、35人もの訓練されたメック戦士がラヴァニオンの計画に参加したことは、DCMS上層部の支援があったことの証拠になっている。すべてが裏目に出た。ラヴァニオンは直々に、極寒の荒れ地を降下地点に選んだ。ここでなら、軽量メックがダヴィオンの防衛部隊に容易く機動で上回ることができるだろうからだ。実際には、凍りつくような気温が、耐用年数を超えて長年修理を繰り返してきた軽量級メック(継承権戦争期にはよくあること)に損害を与え、遮蔽がなかったことでダヴィオンのメック戦士たちは評判の悪いブラックジャックのオートキャノンを最大限に活用することができた。大型のメックには打撃力不足のオートキャノンであったとしても、クリタのワスプとスティンガーは遥か射程の遠くから装甲を貫通されて、パイロットたちを落ち着かなくさせた。接近すると、大量の中口径レーザーに直面し、損害は跳ね上がった。ゼネラルモーター社はブラックジャックの更新キャンペーン用に、ガンカメラ映像を使って成功を収めた。この広告キャンペーンは、ハンス・ダヴィオン国王に強い影響を与え、人気のないブラックジャックの開発契約が長く続くのを確実にしたとされる。
ワスプが輝いた瞬間は、新型ワスプCを装備するウルフ帝国のシータ銀河隊の支隊が、ライラ共和国を襲撃し、カレドニアで優秀な第8ドネガル防衛軍を叩いたときに発生した。この襲撃は技量よりも熱狂とともに開始され、ライラ部隊は足止め攻撃を実施し、ウルフ襲撃部隊を降下船から切り離すことができた。だが、この偵察星隊はワスプCの腕に搭載されたレーザーの恐るべき火力を使って、降下船とのあいだに立ちふさがるドネガル防衛軍の軽部隊を切り開いた。ウルフ軍の損害は大きかったが、ワスプCのパイロットたちは栄光ある死を迎え、帝国内での機体の立ち位置を高めたのだった。
派生型
高速な-5Aの影に隠れているが、IBUの WSP-3M は頑丈で信頼性の高い設計として残っている。イリアンはもう生産していないのだが、既存の機種を買い戻して修理調整し、最高級の WSP-5A を買う余裕のないユーザー向けに再販売している。
恒星連邦とライラ共和国が同盟した時期、ライラは WSP-1S でワスプ開発の先頭に立った。この機種は、エネルギー兵器のみを使用し、薄い装甲を強化して、連邦=共和国のスタンダードモデルを目指した。内戦後に両国家は、プロジェクト・フェニックス型を生産している。
ウルフ竜機兵団は、おそらく最も奇妙なワスプを運用している。ダヴィオン家が専用に生産する -3W は、紙のように薄い装甲、多数の小口径レーザーを搭載している。戦闘で繰り返し不利を経験したあと、聖戦の直前にウルフ竜機兵団は進化した WSP-4W に乗り換えた。
ワスプ WSP-5A WASP
重量: 20 トン シャーシ: イリアンシャーシ第四世代クラス20エンドーコンポジット パワープラント: ヘルメス160XL 巡航速度: 86 キロメートル/時 最高速度: 129 キロメートル/時 ジャンプジェット: ローリング52 ジャンプ能力: 240メートル 装甲板: ジョラーサ-328・フェロファイバー(CASEII付属) 武装: マグナMK VI・長射程中口径レーザー 1門 ホリー・ストリークSRM2パック 1門 製造元: イリアン・バトルメック・アンリミテッド 主要工場: シローIII、イリアン 通信システム: イリアンE.A.R. 照準・追尾システム: ワサット・アグレッサー
技術ベース: 中心領域 重量: 20トン 役割: スカウト 戦闘価値: 517 装備重量 内部中枢: エンドーコンポジット 1.5 エンジン: 160XL 3 歩行: 8 走行: 12 ジャンプ: 8 放熱器: 10 0 ジャイロ(XL): 1 操縦機器: 3 装甲板(フェロ): 53 3 内部中枢 装甲 頭部: 3 6 胴中央: 6 7 胴中央(背面): 2 左/右胴: 5 6 左/右胴(背面): 2 左/右腕: 3 5 左/右脚: 4 6 武器・装備 配置 装備欄数 重量 ER中口径レーザー 右腕 1 1 弾薬(ストリーク)50 左胴 1 1 CASE II 左胴 1 1 ストリークSRM2 左脚 1 1.5 ジャンプジェット 右脚 1 .5 3 ジャンプジェット 右胴 3 1.5 3 ジャンプジェット 左胴 3 1.5 ジャンプジェット 左脚 1 .5 付記: 以下の機種別特徴を持つ。 整備が容易、腰の回転が大きい、ユビキタス
ワスプC WASP C
重量: 20 トン シャーシ: イリアンシャーシ第二世代クラス20エンドースティール パワープラント: マグナ120 巡航速度: 64 キロメートル/時 最高速度: 97 キロメートル/時 ジャンプジェット: ローリング52 ジャンプ能力: 180メートル 装甲板: タイプ1・フェロファイバー 武装: シリーズ6b・長射程大口径レーザー(氏族) 1門 パターンJ2・強化単射ストリークSRM2ランチャー 1門 製造元: カリヤマ 主要工場: カリダサ 通信システム: イリアンE.A.R. 照準・追尾システム: ワサット・アグレッサー
技術ベース: 混合中心領域 重量: 20トン 役割: スナイパー 戦闘価値: 755 装備重量 内部中枢: エンドースティール 1 エンジン: 120 4 歩行: 6 走行: 9 ジャンプ: 6 放熱器: 10[20] 0 ジャイロ: 2 操縦機器: 3 装甲板(フェロ、C): 53 2.5 内部中枢 装甲 頭部: 3 4 胴中央: 6 6 胴中央(背面): 4 左/右胴: 5 6 左/右胴(背面): 2 左/右腕: 3 4 左/右脚: 4 5 武器・装備 配置 装備欄数 重量 ER大口径レーザー(C) 右腕 1 4 ストリークSRM2(1-OS,C) 左脚 1 .5 ジャンプジェット 右脚 1 .5 ジャンプジェット 右胴 1 .5 2 ジャンプジェット 胴中央 2 1 ジャンプジェット 左胴 1 .5 ジャンプジェット 左脚 1 .5 付記: 以下の機種別特徴を持つ。 整備が容易、腰の回転が大きい、ユビキタス
著名なメックとメック戦士
メック戦士グルプリート・カプール: カプールはハシド・リコル公爵の悪名高きレッドハンター特殊作戦群でワスプを操縦していた。彼らが専門とするのは、司令部施設に対する浸透指揮官攻撃で、たいていはインフェルノミサイルを使う。リスクの高い仕事にもかかわらず、彼らは3013年にDESTに勧誘されるまで生き延び、それ以降キャリアの記録は入手不明となった。
メック戦士ジョン・マルヴィンソン: 商人階級の両親から生まれたフリーバースの兄弟の一人、ジョン・マルヴィンソンは最初にウルフ竜機兵団の一員としての冒険を選び、それからクランストン・スノードのロステック捜索傭兵団に加わった。彼はヤノス・マーリックとの因縁で不可欠な役割を果たし、3035年に引退するまで、固定防衛を避けられるルートを偵察したのだった。
メーサー・ラヴァニオン大尉: "マッド"メーサー・ラヴァニオンは、どうしようもなく失敗した「群れの突撃」戦術で歴史的な汚名を着せられた。彼は人を惹きつけるカリスマ的な士官で、自説を支持するよう上級士官たちを説得することができた。彼は早逝し、考案したコンセプトは失敗したにもかかわらず、その記憶は生き残った……教え子の一人、マージ・シッパースはDCMS内で昇進を重ね、退役後に小さな記念館を開設し、毎年訪れる数少ない訪問者たちに、メーサー・ラヴァニオンが失敗した戦術家ではなく、愛される家庭人で、磁器製猫像のコレクターで、DCMSボールルームダンス大会で3回優勝したチャンピオンであることを伝えている。
メック戦士ダスティン"レイス"インマン: 氏族侵攻時に、第12スターガードの傭兵だったインマンは、ヴォータンで部隊の壊滅と一族のワスプの喪失を生き延び、商人の降下船に乗って氏族技術レーザーの焦点アレイの一部とともに惑星からの脱出を成し遂げた。連邦=共和国がメックの補充を拒否したあと、彼は部品を自由世界同盟と交換し、生産ラインから出た最初のWSP-3Mの1機を手に入れた。
メック戦士トム"キャップンニップス"ニップル: メック戦士というよりも弁護士である自称"キャップン"トム・ニップルは、小規模な傭兵隊の法律顧問、部隊史家、庶務係を努めている。部隊は契約条項を満たすため、ニップルにかろうじて操縦できるボロボロのワスプを支給し、中隊分のメック戦士を確保した。メック戦士としては優れていないものの、ニップルは粘り強く優秀なネゴシエイターで、氏族侵攻時にジェイドファルコンのエレメンタルが部隊を壊滅させた際に、連邦=共和国に損害を補填させ、本人も新品のWSP-3Wという胡散臭い特典を得たのだった。
メック戦士コナー・グレイソン: 連邦共和国内戦中、コクピット破壊で深い傷を負った元ライラのコマンドー乗り、グレイソンは内戦に嫌悪感を抱いて軍を辞め、傭兵となった。戦争の苦難のなかで年よりも老けたグレイソンは無目的に職場を乗り換え、3066年に第51ダークパンツァーイェーガーズと契約した。3067年、彼はブラックウェル社のCFOを暗殺する攻撃チームの一員となり、ワスプからミサイルの斉射を見舞った。
メック戦士リンダ=リー・ドゥフティ: 魅力的なマルシガマ軍団のパイロットであったドゥフティは、新生スフィア共和国に対する最後の戦いでワスプを操縦していた。SRMの異常な命中で頭部がメックから外れ、重賞を負った彼女は、軍団の生存者の一人となり、カペラの市民権を与えられた。もうバトルメックの操縦はできなかったが、共和国と戦うため大連邦国に犠牲を捧げた有名なシンボルとなり、余生を国家年金で過ごした。
メック戦士チャールズ・グリーリー: エリダニ軽機隊、第71軽機連隊、第11偵察大隊の"スラッシャーズ"中隊に所属していたレグルス生まれのワスプ乗り、チャールズ・グリーリーは3023年に軽機隊に入隊し、見事に勤め上げて歳を重ね、タスクフォース・サーペントに加わって、ハントレスに滞在した。部隊のほぼ全員とともに、グリーリーとワスプはハントレスでゴリアテスコーピオン氏族のアブタカとなった。驚くべきことに、彼と彼のダメージが蓄積しつつあるワスプはリーヴィング戦争を生き延びた。いまだ彼のパーソナルマーキングを付けているワスプは、3090年にエスコーピオン・インペリオで目撃されている。
メック戦士アイギアーン: ライラのマーリック=スチュワート共和国侵略に怒ったアイギアーン・ツェンズレンはシュタイナー家への報復を人生の使命とし、いかなる犠牲も厭わなかった。求めていた機会を彼女にもたらしたのはウルフ帝国だった。かろうじて戦士としてテストをパスしたあと、アイギアーンはシータ銀河隊のワスプCを与えられた。新たな戦友たちとともに彼女はカレドニアでドネガル防衛軍相手に死んだが、そのまえにコマンドー2機とヘルスポーン1機を撃墜し、リメンバランスで短く言及されたのだった。
シーザー・ダヴィオン=グリーン中尉: 国王への継承順がブラックアウトの前には数百位だった、この無名の酒豪中尉(ダヴィオン軽近衛隊所属)は、過去10年間でAFFSの損害が積み重なるたびに、危険なほどの速度で玉座へと近づいている。二桁順位まではまだ先だが、戦死以外の運命を逃れようとするかのように、彼のワスプは激しい戦闘の中で見られることが増えている。
"メックテック"ヴィネッサ・エリンドッティア: 気取った「スコットランド風」アクセントで話すヴィネッサ・エリンドッティアは、機械的な才能を持ってして明らかな奇行を補っている。3年かけて星間連盟時代のワスプの骨格を事実上手作業で再建し、WSP-5A仕様にしたのである。国王が死んで以来、崩壊した軍隊の再建に躍起だった恒星連邦のMIIOが彼女に目をつけ、即座にダヴィオン近衛隊に入れた。
オル・ディーク: 誰も彼の本名と生まれを知らないが、中心領域の法から遥か離れたアンタロスにいるオル・ディークは、厄介な都市国家群を旅する者たちにとって断続的な(そして極めて不規則な)守護天使となっている。彼はタイミングよく駆けつけて奴隷商やろくでなし共を追い散らす不可思議なコツを知っている……アンタロス以外では、ワスプは特記することのない存在だが、アンタロスでは強力な復讐の天使なのである。目撃談によると、彼はエンハンスド・イメージング・インプラントをしている気配があり、どこから来たのかの謎を増している。
ハンマーヘッド HAMMERHEAD
重量: 45 トン シャーシ: SFAMエンドースティール パワープラント: ファイアフォックス270XL 巡航速度: 64 キロメートル/時 最高速度: 86 キロメートル/時 ジャンプジェット: なし ジャンプ能力: なし 装甲板: ダブルフォージド・ZX20・ハーデンド 武装: シリーズ44h・大口径パルスレーザー 1門 シリーズ2b・中口径パルスレーザー 1門 タイプVI・SRM6ストリークランチャー 1門 製造元: 生産工廠 SFF-IT1 主要工場: イタバイアナ 通信システム: コムセット1 照準・追尾システム: Dtrac Suite 4
外見と哲学で異彩を放つハンマーヘッドは、シーフォックス軍内での運用と輸出で我が氏族の名物となっている。ハンマーヘッドと遭遇したファルコンやウルフからの注文はひっきりなしとなった。ウルフ氏族はこのメックの大きな腕からインスピレーションを得て、アマロックの計画に組み込みさえした……デザインの剽窃に関し、数度の神判が発生した。ウルフは勝ったかもしれないが、シーフォックスには怒りの表現の仕方が他にもある。
性能
未熟なパイロットが動かすバトルメックは、戦闘と同じくらい、立ち上がるのに時間がかかる。揺るぎない安定性を目指して作られているハンマーヘッドは歩く装甲板で倒すことはほとんど不可能である。武装は充分な一方、ハンマーヘッドは格闘にも優れており、倍の大きさのメックの突撃を吸収することができる。敵の陣形を突き崩したり、重メック向けに設定される振動地雷原をすり抜ける、突撃兵として特に成功している。シーフォックス氏族以外のメック戦士たちは各システムの不具合に苦情を出しており、フォックスは各ユーザーの独自ソフトウェアが競合しているのが原因としている。この問題は販売に影響していない。
戦史
シーフォックスは買い手が氏族である限り、ハンマーヘッドを販売している。特にゴーストベアはその弾力性を高く評価し、ドラコ連合との国境線上に多数配備している。3150年、ベアがランブレヒトを奪ったことで、第3アンティン軍団が任地のアスケラから奪還に動いた。第5ベア防衛軍の真上に戦闘降下を実施したアンティン軍団は、敵を分散させ、バラバラに破壊することを望んだ。チャーリー三連星隊のハンマーヘッド・ウルサス星隊は、アンティン軍団のバトルメック中隊に直面して持ちこたえ、倒れることも引き下がることも拒絶し、三連星隊の友軍が側面を打つまでクリタを足止めした。スターキャプテン・ティンタベル・ツェンは、1対1の対決でクリタ大尉のオストソルを粉砕し、タフで小さなメックが称賛される要因となった。損失がハンマーヘッド1機のみだった三連星隊はアンティン軍団の殲滅を支援するために動き、ランブレヒト防衛に貢献した。
我が氏族は不必要な紛争を避けるものだが、メッセージを送らねばならぬときもある。コーリーのカペラ政府は、スケート副氏族長領が貿易関係の樹立を目指していたのに、拒否を繰り返していた。事件が起きたのは3149年のことだった。カペラの気圏戦闘機が、地表に向かっていたミュール降下船2隻に発砲したのだ。怒り狂ったベータ州のギルバート・タスタス准氏族長は宇宙港と周辺を賭けた公式なバッチェルを宣言し、カペラ人はそれを無視した。カペラの戦闘機部隊は、ベータの空母降下船から発進した迎撃機にすぐさま破壊された。カペラ人は倉庫地区に固い防衛を敷いたが、タスタス准氏族長はハンマーヘッド1個星隊を送り込み、このエリアに突進させた。高速で、ほぼ破壊不可能な小型メックは、カペラの防衛をまさにハンマーヘッドのように切り裂き、敵の後方を脅かすために突き進んだ。そのあいだ、もっと重量のあるメック星隊群とバトルアーマーが戦線の穴に殺到した。カペラの防衛は崩壊し、タスタス准氏族長は倉庫を全て空にして、降下船数隻を拿捕し、それから宇宙港をシーフォックスの資産とした。
著名なメックとメック戦士
ヴァレンティン・ロカ大尉: 自由世界人のヴァルは、人類統一の信奉者であり、ケレンスキーが思い描いたもののみならず、人類全体が統一されるコンセプトを信じている。彼はピースメーカーだが、平和を形作る道具として戦争を喜んで使う。自由世界同盟再結成の提唱者として、ヴァルはホームカミング作戦に参加し、それから第2保護領ガーディアンに行って、氏族の戦友たちから敬意を獲得した。彼の強い忠誠心と統一へのビジョンにより、レグルス軍相手にカロネードを失ったあとも、新しいハンマーヘッドを与えられた。もし、大氏族や新たな星間連盟という星屑の夢が出てきたら、ヴァル・ロカは人類統一という理想のためにその才能を貸し与えるだろう。
スターキャプテン・ティンタベル・ツェン: ランブレヒトでの活躍で、英雄にしてリスターと讃えられたティンタベルは、ツェンのブラッドネームの力を借りて、いつの日か氏族長になることを切望している。オムニメックを提案されたのだが、ティンタベルはハンマーヘッドの弾力性がゴーストベアの力と曲げない決意を体現していると信じている。彼女はアルファ州の商人と奇妙な関係にあり、我が氏族のテック数名とメックの整備契約をしており、不具合が起きないことを確実にしている。彼女はすでに一度、スターコーネル・イシス・ベッカー=フローララに第5ベアガードの指揮権を賭けて挑戦しており、素手の神判のあと、恐れ多くも三連星隊の指揮を許されている。ランブレヒトの勝利の後、もう一度挑戦することが予想されている。そのときはメックを使ってのものになるだろう。
ハンマーヘッド HAMMERHEAD
技術ベース: 氏族 重量: 45トン 役割: スカーミッシャー 戦闘価値: 1686 装備重量 内部中枢: エンドースティール 2.5 エンジン: 270XL 7.5 歩行: 6 走行: 8 ジャンプ: 0 放熱器: 10[20] 0 ジャイロ: 3 操縦機器: 3 装甲板(ハーデンド): 120 15 内部中枢 装甲 頭部: 3 9 胴中央: 14 20 胴中央(背面): 5 左/右胴: 11 13 左/右胴(背面): 3 左/右腕: 7 12 左/右脚: 11 15 武器・装備 配置 装備欄数 重量 大口径パルスレーザー 右胴 2 6 AES 右脚 2 1.5 ER中口径レーザー 胴中央 1 1 AES 左脚 2 1.5 ストリークSRM6 左胴 2 3 弾薬(ストリーク)15 左胴 1 1 付記: 以下の機種別特徴を持つ。 バトルフィスト
コンジャラー(ヘルハウンド) CONJURER (HELLHOUND)
重量: 50 トン シャーシ: クルーシスC・エンドースティール パワープラント: ヘルメス300 巡航速度: 64 キロメートル/時 最高速度: 97 キロメートル/時 ジャンプジェット: BMP Mk. XXI ジャンプ能力: 180メートル 装甲板: アルファプレートスペシャル・フェロファイバー 武装: コリブリ・デルタシリーズ・大口径パルスレーザー 1門 シリーズ2b・中口径レーザー 2門 パターンJ2・ストリーク-2・SRMランチャー 2門 製造元: カロン工業 主要工場: サーモポリス 通信システム: ガレットT-11b 照準・追尾システム: シンクトラッカー(39-42071)
グリフィンやシャドウホークと同じく、ウルバリーンは初期の氏族軍にとって重要だったが、コンジャラー(ウルバリーンのアップグレード版)は、名無し氏族によって汚された呼称を使うことはなかった。ウルフ帝国は、ワード氏族長による拡大で、氏族本拠地世界を離れる前の途方もない夢想すら超える生産能力を手に入れた。そこには中心領域で最大のウルバリーン工場が含まれており、すぐにコンジャラー生産用に改装された。
性能
頑丈で、高火力で、俊敏なコンジャラーは、初期氏族の前線部隊で使われていた。オムニメックが登場して二線級の地位に追いやられても、兵站を必要としない点を重視する偵察、特殊作戦部隊の戦士たちのあいだでは人気があった。中心領域侵攻時、大王家の軍隊はこの中量級バトルメックに敬意を払うようになった。
戦史
29世紀前半からコンジャラーは氏族軍の必需品となっている一方、ウルフ帝国の新型は氏族保護領の世界アセルス・アウストラリスへの襲撃で初の実戦を見た。惑星上にいる第1ノヴァキャット正規隊の力を測る目的で行われたこの襲撃は、新しいコンジャラー8の試運転でもあった。各種の鉱物を求めるとしたウルフのバッチェルに対し、保護領の防衛部隊は応じ、2個二連星隊を向かわせた。ウルフ軍はぼろぼろの難民に噛みつき、これを止めるため戦闘が挑戦された。部隊の残りを回収したいノヴァキャット正規隊のスターキャプテン・ヒルケは、ウルフのスターコマンダー・カイルに決闘で決着をつけようと呼びかけた。ヒルケのシャドウキャットとカイルのコンジャラーがにらみ合った。ヒルケのガウスライフルのスラッグは正確に命中し、前進するコンジャラーの装甲を引き裂いた。互いに砲火が交わされた。ガウスライフルの弾薬が減少すると、カイルのストリークミサイルとオートキャノンの弾頭が降り注ぎ、ついにはシャドウキャットの核融合エンジンの遮蔽を貫通した。ウルフは報奨とともに出発し、カイルが砲撃に耐えたことで新型の評判はウルフ帝国の戦士の中で固まったのだった。
派生型
コンジャラー登場以来、数多の派生型が配備されている。有名なのは、ノヴァキャットが聖戦前にイレース管区で再建と新型の両方の実験を行ったものだ。ウルフは古くてシンプルな原型機のレイアウトを選び、ストリークをLRMと交換した。
サーモポリスでは、最初、氏族製の部品が必要な分だけ揃わなかったことから、工員たちはすぐに使える中心領域の物資をつぎはぎした。稼働するマシンをラインから出したがった技術者たちの手によって、ショックウェーブ用のスペアエンジンとオートキャノンがシャーシに載せられた。脆弱なエンジンで浮いた重量は、生産ラインですでに使われていた大型のミサイルラック、パルスレーザー、MASCに回された。この一時しのぎの派生型は人気を博し、コンジャラー8として伝統的な氏族技術モデルとともに生産が続けられた。
著名なメックとメック戦士
メック戦士ジョセフ: ジョセフ・ウルフは、フェラン・ケルのウルフ氏族守護派がアークロイヤルに移住する前に生まれた戦士の最後の世代である。戦争階級に加わるというジョセフの願望は、通常であればフリーバースという社会的地位に邪魔されてしまったかもしれないが、放浪ウルフのシブコシステム開発はゆっくりとしたものだったので、下層階級の者たちも氏族に仕える幅広い機会を得ることができた。ジョセフは、最高の配属ではなかったが、オメガ銀河隊第4ウルフ擲弾兵に居場所を見出した。駐屯任務という残念で静かなキャリアは、第50シャドウ師団のバンティフル・ハーヴェスト襲撃で終わった。重い損害を出したものの、第4、第2ウルフ擲弾兵隊は、マネイドミニを惑星から追い出すのに成功した。ジョセフはコンジャラーがダメージで倒れるまでに、プレタ・オムニメック2機と数多のバトルアーマー兵を個人で撃墜したのたのった。
スターコマンダー・カイル: 指揮官としてアセルス・アウストラリスを襲撃したカイルは、あらゆる面で成功した――特に襲撃の真の目的である監視において。このスターコマンダーは、ウルフ氏族ウォッチの一員だったのだ。ウルフ帝国が拡大するに従い、ウォッチの活動もまた長くなる目標リストに対応して拡大した。カイルは伝統的な氏族の攻勢から、より欺瞞的なものに至るまで、すべての戦場で氏族長に見事貢献した。影に潜み、自ら手を汚し、コクピットで腕の立つカイルは、上官から貴重な戦力であるとみなされている。
スターキャプテン・マシュー: ジェイドファルコンウォッチの一員であるマシューは、コンピューターの運用と監視の才能に恵まれており、組織の重要な一部となっている。ヘイゼン氏族長による地球への進撃のあいだ、こういった才能はより重要なものとなった。なぜなら、新たに占領した世界では、異議や反乱の徴候を監視する必要があったからだ。マシュー自身は人類が何世紀にも渡って故郷と呼んできた世界に足を踏み入れるのに興奮し、余った時間を趣味の考古学に費やしている。ライバルたちはコデックスにゴリアテスコーピオンの血が混ざっているに違いないと皮肉を飛ばしている。マシューは不服の神判でコンジャラーのコクピットから批判を黙らせるのを好んでいる。
タイプ: コンジャラー 中心領域名称: ヘルハウンド 技術ベース: 氏族 重量: 50トン 戦闘価値: 1813 装備重量 内部中枢: エンドースティール 2.5 エンジン: 300 19 歩行: 6 走行: 9 ジャンプ: 6 放熱器: 10[20] 0 ジャイロ: 3 操縦機器: 3 装甲板: 163 8.5 内部中枢 装甲 頭部: 3 9 胴中央: 16 26 胴中央(背面): 7 左/右胴: 12 19 左/右胴(背面): 5 左/右腕: 8 14 左/右脚: 12 24 武器・装備 配置 装備欄数 重量 大口径パルスレーザー 右腕 2 6 2 ER中口径レーザー 右胴 2 2 2 ストリークSRM2 左胴 2 2 弾薬(ストリーク)50 左胴 1 1 ジャンプジェット 右胴 2 1 ジャンプジェット 胴中央 2 1 ジャンプジェット 左胴 2 1 付記: 以下の機種別特徴を持つ。 腰の回転が大きい
RWN-01 クリケット RWN-01 CRICKET
重量: 30 トン シャーシ: ニューサマルカンド・クラス22コンポジット パワープラント: GM210XXL 巡航速度: 75 キロメートル/時 最高速度: 118 キロメートル/時、151 キロメートル/時(MASC) ジャンプジェット: イカルス81 ジャンプ能力: 180メートル 装甲板: デュラレックス・バリスティック-リインフォースド 武装: ロードライト4・ライトパーティクルビームウェポン 2門 製造元: ルシエン・アーマーワークス 主要工場: ニューサマルカンド 通信システム: サイファー・コムシス4 照準・追尾システム: ダイナテック990(照準コンピュータ付属)
29世紀後半のドラコ連合において、最も力を持つ人間は、現れては消えていく大統領ではなかったかもしれない。統治者が次々と変わるその影に、蜘蛛ことロウェナ・クリタが潜んでいた。命のやり取りをする長きにわたる〈影の戦争〉で、ロウェナは打ちのめされたが、限界に達することはなかった。100歳を超えてもいまだ政治的な鋭さを持っていた彼女は、もうひとりの大統領とその後継者の打倒を助け、落ち着いた引退生活のなか、111歳で息を引き取った。
ロウェナ・クリタの物語は、技巧と弾力性の感動的なストーリーで、暴力にまさるずる賢さへの賛美であり、ルシエン・アーマーワークスの新型妨害専用バトルメックにふさわしい名前となった。あるいは、ロウェナの主任設計士は、ブラックドラゴンのシンパと疑われて勾留される前にそう残している。大統領から切り離された権力機構を作り上げ、菊の玉座を奪いかけた人物の名前は、突如として危険な臭いがしてきた。このメックは改名されてクリケットとなったが、官僚主義的な惰性で元のモデルナンバーが残った。
性能
クリケットは脆弱な重量軽減技術をできる限りすべて使って作られた。こういった技術は蔑まれがちで、前線に立つ機体としては危険すぎると考えられた。だが、このヒョロヒョロしたクリケットは、敵軍の妨害を意図しており、昔からクリタ人のお気に入りだったスパイダーやヴェノムに習ったものだった。
このメックは繊細な内部機構によって浮いた重量をうまく使っている。MASCの使用時には前任者たちよりもさらに地上速度が速いのみならず、フレームが歪む寸前まで弾道強化型装甲板を組み込んでいる。装甲はヴェノムの1.5倍以上で、スパイダーの2倍である。設計士たちはこの点において細かく刻みすぎたかもしれない……クリケットはハンガークイーンとして知られるようになり、費用のかかるシャーシの作業を頻繁に求められた。エネルギー兵器のみで構成されているにもかかわらず、偵察機やゲリラ機としては不人気と証明されている。その理由は、コクピットが狭苦しくて、長時間入っているといささか疲れてしまうからだ。だが、クリケットのスピードと致命的に命中精度の高い長距離PPCの組み合わせは、DCMSのスカーミッシャーたちのお気に入りである。
戦史
クリケットは、3132年、ブラックアウト後の最初の実戦であるディーロンの混乱した乱戦の中でデビューした。カタナ・トマークのドラゴンズ・フューリーはクリタから公式の支援を受けていなかったが、LAWが援助として(そして貴重な実戦データを得るため)クリケットのプロトタイプ1個小隊を秘密裏に送りこんだ。幸先の良いデビューとはならなかった……プロトタイプは戦場と同じくらいの時間をガントリーで過ごしたのだ。だが、稼働するときには、レッドバーン総統の兵を混乱させる名人であると証明された。ある有名な事例では、クリケットが偶発的に共和国のリージョネアの目の前に着地してしまい、ロータリー・オートキャノンの一斉射を受けたものの機体が揺れたのみで、嘲笑とともにジャンプして去っていった。このような遭遇は、DCMSがこのメックには生産する価値があると確信する助けとなったのだった。
パーシヴァル作戦初期のフランクリンで、第1ダヴィオン近衛隊が駐留する第5ゴースト連隊を攻撃すると、小競り合いによる戦争が勃発した。第5ゴーストは襲撃と戦うために急行したが、近衛隊の前衛であるアントライオンからの激しい砲撃に突っ込んでしまった。部隊の大部分が容赦のない間接砲撃で釘付けにされると、第5ゴーストはクリケットを解き放ち、クリケットはダヴィオンの戦列をすり抜けて、鈍重な支援メックを追い詰めた。アントライオンの装甲を貫通するには武装が弱すぎることに気づいていたクリケットは、敵を防戦一方に追い込むことに主眼をおいた。これでダヴィオンの間接砲撃は止まり、DCMSは移動の自由を取り戻したのである。
著名なメックとメック戦士
アチャラ・アデイェミ大尉: 第5ゴーストではブロンコバスター(荒馬乗り)として知られるアデイェミは、フランクリン戦でクリタの攻撃に参加していた。ダヴィオンの前衛を通過した彼女と仲間のクリケットパイロットたちは近距離で第1近衛隊のアントライオン隊と交戦した。ターゲティング・コンピュータを使って、最低射程の命中精度を補うクリケットは、ブヨのように戦い、ダヴィオンのメックが味方を支援できないようにした。めちゃくちゃな混戦のなかで、アデイェミは1機のアントライオンの真上に跳躍した。アントラインが暴れ回ったにもかかわらず、アデイェミがこの四脚メックの前方マシンガンにしがみつき、命を永らえているのを見ると、仲間たちは恐怖と名誉を混ぜた眼差しを向けた。敵を破壊することはできなかったものの、アデイェミはこの戦いを切り抜けるのに成功した。クリケットの繊細なシャーシは、突然の乗馬で深刻なストレスダメージを負ったが、作業ガントリーの上には逃亡時にアントライオンの頭部からもぎ取ったライトマシンガンが設置されている。
タイプ: クリケット 技術ベース: 中心領域(先進) 重量: 30トン 戦闘価値: 1169 装備重量 内部中枢: コンポジット 1.5 エンジン: 210XXL 3 歩行: 7 走行: 11(14) ジャンプ: 7 放熱器: 10[20] 0 ジャイロ(XL): 1.5 操縦機器: 2 装甲板(強化): 105 9 内部中枢 装甲 頭部: 3 9 胴中央: 10 17 胴中央(背面): 3 左/右胴: 7 11 左/右胴(背面): 3 左/右腕: 5 10 左/右脚: 7 14 武器・装備 配置 装備欄数 重量 ライトPPC 右胴 2 3 MACS 右胴 2 2 照準コンピュータ 頭部 2 2 ライトPPC 左胴 2 3 ジャンプジェット 右脚 1 .5 ジャンプジェット 右胴 2 1 ジャンプジェット 胴中央 1 .5 ジャンプジェット 左胴 2 1 ジャンプジェット 左脚 1 .5 付記: 以下の機種別特徴を持つ。 幅の狭い/低い輪郭、整備が難しい、脆弱な脚部