indexに戻る
作成:2009/11/17
更新:2009/11/27

リトルリチャード機甲旅団 Little Richard's Panzer Brigade



 トラブルメーカーとして有名な札付きの傭兵部隊、リトルリチャード機甲旅団です。ハチェットマンがタウラス連合に流出する原因になった部隊でもありますが(TRO3050に記述有り)、これは古いソースブックのミスを修正するための後付け的な設定のようです。
 部隊の評判はよくありませんが、古参兵のメック連隊、装甲連隊、航空大隊、歩兵支援部隊ともなれば、侮ることのできない戦力を持っていると言えるでしょう。





リトルリチャード機甲旅団 3059 Little Richard's Panzer Brigade

 リトルリチャード機甲旅団は長く色とりどりの歴史を持つ。部隊の前身は機甲旅団、第二次継承権戦争で成功を収めたダヴィオン家の正規メック連隊であった。第三次継承権戦争の初頭、部隊の指揮官、デコード大佐が麻薬の取引に関わっていることが判明した。旅団の副指揮官が尋問を受け、デコードと組織への関与が疑われていた他の隊員を部隊から追い出した。彼はそれから部隊に配備されていた降下船を除隊ボーナスとして徴用し、旅団を恒星連邦から脱出させた。

 その後の50年間、機甲旅団はリャオ家、マーリック家、クリタ家のために働いた。その間、この部隊は不快で無愛想なトラブルメーカーとしての評判を得た。これは、リチャード“ビッグダディ”ホイットマンが旅団の指揮を執り、ライラ共和国の首都ターカッドの駐屯契約を引き受けてから変わり始めた。ターカッドでホイットマンは若きメリッサ・シュタイナーに夢中になり、旅団の評価を高めるべく努力を始めた。シュタイナー家が共和国を半永久的な故郷とするようなオファーを出してくることを望んだのである。

 しかし、メリッサ・シュタイナーとダヴィオン家の婚約の発表は、傭兵隊の希望をうち砕き、契約期限が終わるやいなや、旅団はリャオ家と契約を結んだ。カペラ大連邦国への移動中にホイットマンは心臓麻痺で死に、息子のリチャード"シュガーベイビー"ホイットマンが旅団の指揮を引き継いだ。残念ながら、ホイットマンジュニアは父のような尊敬を得ることはできず、数個中隊が機甲旅団を離れ、自分たちの部隊を作った。

 指揮官の交代と兵士の流出は、大連邦国と旅団の間で摩擦を引き起こしたが、カペラ首相は古参傭兵隊の価値をよく認識していた。機甲旅団は25年以上カペラに残り、主にカノープス統一政体沿いの国境守備隊となった。


司令部
 リチャード"シュガーベイビー"ホイットマン大佐は部下たち(彼と父を比べ続けている)から名声を得ようと尽力している。最近、ホイットマンはカペラの戦略長官タロン・ザーンを説得し、実戦が見込まれる大連邦国とサーナ至高国が争ってる領域の近くへの移動を求めた。この成功は部下からの多大な好意をもたらした。


現有戦力と組織
 リチャード"シュガーベイビー"ホイットマンの死後、機甲旅団は骨格だけの連隊に再組織した。20年かけて、旅団の各大隊は傘下の部隊を再建し、戦闘機隊に6機編成の航空隊と指揮小隊を追加した。

 現在、機甲旅団は重量級を平均とする120機のバトルメックを持つ。旅団の戦闘機は平均で中量級、装甲隊は重量級、軽量級の両方を持つ。過去10年間で、旅団は小規模なVTOL分遣隊、間接砲、偵察専門の歩兵隊を得ている。

 カペラ大連邦国の国境沿いに長年駐屯していた機甲旅団は、ほとんどアップグレード装備を受け取っていない。アップグレード率は20%とされるが、彼らはすぐにも優先度が高くなることを期待している。


支援
 旅団は現在、40パーセントの技術支援を供給している。だが、活動的な位置に移動したのに伴い、旅団の指導者たちは技術支援員の増加を計画している。

 部隊は航宙艦を欠いているが、メック、装甲車、戦闘機を輸送するのに充分な降下船を持っている。だが、降下船は旅団の新たな歩兵部隊を収容することが出来ない。降下船艦隊には、レパードCV1隻、オーバーロード2隻がある。




リトルリチャード機甲旅団 Little Richard's Panzer Brigade

 3030年代に行われたアンドゥリエンとカノープス軍の侵攻は除いて、契約期間中、機甲旅団の作戦区域は比較的平穏であった。この地域は辺境でよくある海賊の活動の被害に遭わず、また軍事戦略的目標になることもなかった。このような平穏にもかかわらず、機甲旅団は厳しい訓練と許可されたわずかな襲撃のおかげで、古参兵の称号をなんとか維持している。最近、サーナ至高国に移動となった彼らはすぐ実戦に加わるものと見られる。

 分割して作戦を行った20年のあいだに、旅団のそれぞれの部隊は専門分野を持つこととなった。共同演習により部隊は崩壊せずにすんだが、各部隊は全面的な統合をする際、困難に直面するだろう。

竜機兵団評価値: B

士官
 レジーナ・ホイットマン少佐は、リチャード・ホイットマン大佐の唯一の子で、機甲旅団の後継者である。彼女は連隊内の多大な支援を受けており、特にマルコム・パウェル中佐、ジョエル・レヴィストン少佐は彼女の気を引こうと張り合っている。彼女は華やかで執念深いことから「ジーラ・クイーン」の名で知られる。彼女は魅力的で、多弁、殺そうとしている相手にも機嫌良く接することが出来る。戦闘中、彼女は戦略の手綱をしっかりと握り、逃げていく敵を執念深く無慈悲に追いかける。

戦術
 機甲旅団は名誉ある行為の範囲ぎりぎりをすり抜けることで知られており、敵に対して慈悲を見せないことをはっきりさせる。この部隊は無条件降伏を求める……敗北した敵メック戦士は、指揮官の気まぐれにより、失機者となるか、身代金と引き替えに雇用主へと戻されるのである。過去、この傭兵隊は、偽りの軍旗から、偽りのIFF応答信号、救援信号まで、あらゆるトリックを使ったことがある。

リトルリチャード機甲旅団
連隊/古参兵/疑問
指揮官/第1大隊:グレゴリー・ミルゼー大佐
副指揮官/第2大隊:マルコム・パウェル中佐
第3大隊:レジーナ・ホイットマン少佐
 第1大隊「リチャード直轄隊」は、大半が中量級、重量級バトルメックからなる。メックには部隊の古い記章が大隊の紋章として描かれている。彼らは開いた地形での戦闘を得意とする。第2大隊「パースウェイダー(有無を言わせぬ者たち)」は、多数の強襲級メックを採用している。記章はシンプルな赤字に金の雷光である。パースウェイダーは市街戦を専門とし、サンダー、スウォームLRM弾頭を思う存分使うことで知られている。第3大隊「レジーナ反逆隊」は軽メックと高速重量機を使う。反逆隊は偵察隊として行動するか、側面機動を行う。歩兵部隊を雇用し始めた最初の部隊でもある。第3大隊は機甲旅団の連隊紋章のみを使う。

航空機甲団
航空大隊/古参兵/疑問
航空隊指揮官:ジョエル・レビトソン少佐
 航空機甲団の戦闘機24機は、中心領域のあらゆる機種――スレイヤー、スティングレイ、チーター、その他の組み合わせである。第1航空中隊は伝統的に第1大隊に配備され、第2航空中隊は第2大隊、第3航空中隊は第3大隊である。3個航空中隊はライオン、アイアンマン、スケアクロウの名前を持つ。各航空隊内の小隊は第1から第4まで数字を振られる。ライオン航空隊は勇敢な(向こう見ずとも言われる)攻撃で特に知られている。

装甲機甲団
連隊/古参兵/疑問
装甲隊指揮官:ブライアン"バズ"コルベット中佐
 この大規模な装甲分遣隊は大隊に分割され、それぞれが独立指揮小隊を持つ。航空機甲団の航空中隊のように、各装甲大隊は伝統的にその専門性に沿ったメック大隊と共に活動する。

地上機甲団
5個中隊/一般兵/疑問
歩兵隊指揮官:アンジェラ・マリーノ少佐
 VTOLパイロットのアンジェラ・マリーノ少佐が、書類上、機甲旅団の歩兵指揮官なのだが、実際のところ、各地上機甲団中隊は特定のメック大隊と共に独自に活動する。
 第1中隊はレジーナ反逆隊に所属するVTOL部隊である。第2中隊もまたVTOL部隊であるが、都市での飛行を練習し、第2大隊に所属する。第3中隊は間接砲部隊でリチャード直轄隊と共に活動する。第4、第5中隊は偵察に特化したジャンプ兵である。両隊は伝統的に第3大隊と共にするが、第5中隊は近年第2大隊と一緒に行動している。









リトルリチャード機甲旅団 3067 LITTLE RICHARD’S PANZER BRIGADE: A FALLEN LEGACY

 機甲旅団が衰退を始めたのは、かつて狂信的だったこの傭兵隊がライラ共和国を離れた時、つまりハンス・ダヴィオンがメリッサ・シュタイナー(国家主席の指名後継者)との婚約を発表した時であると、歴史家の多くが指摘している。だが、旅団の真の凋落は、連邦共和国内戦(運命的な同盟の必然的な結末)の後半に起きたのだった。その時、カペラとの契約下にあった旅団は、混乱を利用しようと、カオス境界域の惑星ジェノアに無許可の攻撃を仕掛けた。機甲旅団は軍隊を使って容易にジェノアの支配権をカペラに取り込めると信じていたが、カペラ傭兵の侵攻を押しとどめるためにジョージ・ハセク公爵が動くことは想定していなかった。彼は第12ヴェガ特戦隊ベータ連隊を送り込んだ。

 小規模な傭兵部隊とジェノア郷土防衛隊に支援されたベータ連隊は、接触するやいなや旅団を切り裂いた。リチャードは華麗な戦術で戦ったのだが、戦闘で鍛え上げられた古参兵隊の圧倒的優位にはかなわなかった。ベータ連隊の情け容赦ない攻撃によってリトルリチャード機甲旅団は惑星の荒涼とした地表においやられた。機甲旅団の過去を鑑みて、特戦隊はリチャードに慈悲を与えず、特戦隊が上陸してから二週間以内に機甲旅団は降下船への全面撤退を始めた。だが、特戦隊は別の意図を持っていた。旅団の降下地点に押し入った彼らは機甲旅団の降下船2隻を破壊し、装甲、歩兵、残った気圏戦闘機隊を殲滅した。

 旅団はアルボリスに逃れ、そこで雇い主のカペラから援軍を呼ぶことが出来ると考えた。助けを得るという望みは、追撃する特戦隊がパイレーツポイントにあらわれ、惑星降下した時に消え失せた。機甲旅団を完全に葬り去れという命令の下、ベータ連隊はもう一週間の容赦ない攻撃を行い、かつての連隊を誇っていたリチャードをわずか7個小隊分の行動可能なバトルメックにまで減らし、カオス境界域からの撤退を強いた。遠征で得られたものは、支援部隊すべてとメック隊の2/3の損失だけだった。動乱の歴史に伴う悲しき一ページとして、リチャード"シュガーベイビー"ホイットマンが撤退の後、負傷がもとで死んだ。

 ホイットマンの娘、レジーナは崩壊した機甲旅団の指揮を受け継ぎ、プレイオネに戻った。だが、惑星降下の直後、カペラが傭兵たちを非難し、すべての支援を引き上げ、契約を無効にしたのを知ったのである。プレイオネ政府が部隊の代わりを見つけられていないことから、現在、機甲旅団はプレイオネにおり、野営地に隔離されている。

竜機兵団評価値: F

士官
 愛情を込めて「ジーラ・クイーン」と呼ばれるレジーナ・ホイットマン大佐は、洗練された話しぶりで、明るい魅力的な女性である。だが、ジェノアとアルボリスの戦闘で証明されたように、彼女は華やかであるのと同じくらいに致死的なのである。彼女の確たる戦術眼と実戦的なリーダーシップは、生存者たちをまとめるのを助けた。

 かつてリチャードの次席司令官だったマルコム・パウエル少佐は、レジーナの最も忠実な支持者であり、恋人である。彼は部隊の戦略・戦術立案者である。

戦術
 機甲旅団は名誉ある戦闘の縁を通ることで知られている(そして非難されている)。彼らはすべての敵に慈悲を与えず、この事実はジェノアで彼らに跳ね返ってきた。過去、部隊は偽りの記章や偽IFFなど本にある勝つための方策を全て使用してきた。しかしながら、レジーナは部隊を生き残らせるためにはすべてを変えなければいけないことを知っており、雇用主候補にそれを示すため変更を始めている。

支援
 ホイットマン大佐は降下船2隻を除いて、旅団の輸送船を全て売却した。残ったインベーダー級航宙艦は、部隊に必要なパーツ、弾薬を運ぶ、再補給任務に使われている。旅団には100%の技術支援率を保つのに充分な技術者を持っている。

リトルリチャード機甲旅団
大隊/古参兵/疑問
指揮官/アルファ戦闘中隊:レジーナ・ホイットマン少佐
副指揮官/ブラボー強襲中隊:マルコム・パウェル少佐
チャーリー打撃中隊隊:アーリーン・スペンサー大尉
 現在、旅団は戦力不足の大隊である。アルファ中隊は高速中重量級メックを配備し、ブラボーは重強襲機を展開する。チャーリーは軽中量級メックで構成され、その多くはアップグレードされたカペラ製である。









リトルリチャード機甲旅団 3071 Little Richard's Panzer Brigade

 ワード・オブ・ブレイクはプレイオネで機甲旅団による激しい抵抗に遭遇した。彼らは正式な契約なしに戦っていた。不幸なことに、孤立し、弱体化した傭兵隊はブレイク軍に圧倒され、3069年の12月、相次ぐ戦闘の後で最後の一兵までもが殺されたのだった。




indexに戻る
inserted by FC2 system