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作成:2005/09/14
更新:2005/09/28

弁護士と銃と金 Lawyers, Guns and Money



 公式キャンペーンシナリオpdf)。
 2003年、世界各地のショップで大会が行われ、その結果が、"Field Manual: Mercenaries(Revised)""Field Manual: Update""Mercenaries Supplement" などのサプリメントに反映されました。
 細かい勝利条件等は、pdf を参照してください。




ローンスター大隊 Lone Star Battalion

  第1中隊 1st Company
   指揮小隊 Command Lance, The Colonel's Own
     ロバート・ブラウン大佐 (2/2) WHM-7M ウォーハンマー
     Ranger-Lieutenant Amy Ghastin (/3/3) MAD-5D マローダー
     Ranger-Sergeant Caspar Mayfield (3/2) STK-5S ストーカー
     MechWarrior Patrick Morganthayler (3/3) WVR-7K ウルバリーン
   護衛小隊 Bodyguard Lance, Francisco's Guardians
     Ranger-Lieutenant Churchill Francisco (3/3) CRD-5M クルセイダー
     MechWarrior Hyeoksang Chung (4/3) ARC-4M アーチャー
     MechWarrior Erika Hladki (3/3) WHM-7M ウォーハンマー
     MechWarrior Olaf Mills (3/2) MAD-5S マローダー
   偵察小隊 Recon Lance, Sybil's Pathfinders
     Ranger-Sergeant Sybil Naglfar (3/3) TR-1 レイス
     MechWarrior Hiriam Baranovsky (4/3) ASN-23 アサッシン
     MechWarrior Jesse Hess (4/4) MON-67 マングース
     MechWarrior Clem Roberts (5/4) LCT-1E ローカスト

  第2中隊 2nd Company
   副長小隊 XO Lance, Davis's Law-Dogs
     Ranger-Major Megan Davis (3/2) HCT-5S ハチェットマン
     MechWarrior Alex Popov (3/2) CGR-3K チャージャー
     MechWarrior Charles Taylor (4/3) SNK-1V スネーク
     MechWarrior Kelley McManus (3/3) VND-3L ヴィンディケイター
   強襲小隊 Assault Lance , Vagnozzi's Vanguard
     Ranger-Captain Steve Vagnozzi (3/3) AS7-D アトラス
     MechWarrior Carl Porter (4/3) AWS-8Q オウサム
     MechWarrior Bill Underhill (4/3) BNC-3E バンシー
     MechWarrior Melissa Lopez (2/3) DRG-1N ドラゴン
   打撃小隊 Strike Lance, Jarvis' Jokers
     Ranger-Lieutenant Vernon Jarvis (3/3) HCT-5S ハチェットマン
     MechWarrior Shaunda Berquist (3/3) PXH-3D フェニックスホーク
     MechWarrior Bryan Fochs (3/3) GRF-3M グリフィン
     MechWarrior Jasmine Howell (4/3) WSP-1D ワスプ

  第3中隊 3rd Company
   攻撃小隊 Attack Lance, Yee's Raiders
     Ranger-Lieutenant Andrew Yee (3/3) BJ2-OC ブラックジャック
     MechWarrior Terry Scwartz (3/2) MHL-X1 マーシャル
     MechWarrior Byunghoon Choi (3/3) HEL-3D ヘリオス
     MechWarrior Nicole Papadopoulos (4/3) MLN-1B マーリン
   打撃小隊 Strike Lance, Davis's Desperadoes
     Ranger-Sergeant James Davis (3/3) ASN-21 アサッシン
     MechWarrior Kasha Lowe (4/3) ENF-4R エンフォーサー
     MechWarrior Brian Kolowski (5/4) CLNT-2-3T クリント
     MechWarrior Andrew Thompson (4/3) JR7-D ジェンナー
   追撃小隊 Pursuit Lance, DeGroot's Deputies
     Ranger-Sergeant John DeGroot (3/2) SCP-10 スコーピオン
     MechWarrior Carolyn Hancock (4/3) JR7-K ジェンナー
     MechWarrior Sarah Kimbrough (4/3) RVN-3L レイヴン
     MechWarrior Daniel Ling (3/3) SDR-7M スパイダー





レッドフィールド反逆隊 Redfield's Renegades

  第1中隊 1st Company
   指揮小隊 Command Lance, Redfield's Raiders
     Colonel Sarah Redfield-Barnes (3/2) BLR-3M バトルマスター
     Lieutenant Robert Diaz (4/3) AWS-9M オウサム
     MechWarrior Jeff Bowen (4/3) AXM-1N アックスマン
     MechWarrior Stephanie Amos (3/2) ARC-5R アーチャー
   副長小隊 XO Command Lance, Mustafa's Marauders
     Major Clyde Mustafa (3/3) CP-10-Z サイクロプス
     MechWarrior Nina Reinhart (4/3) ZEU-6S ゼウス
     MechWarrior Shani Rand (2/3) GHR-5H グラスホッパー
     MechWarrior Curtis Jenkins (4/2) HBK-4G ハンチバック
   偵察小隊 Recon Lance, Gessert's Grenadiers
     Sargeant Ann Gessert (3/2) PXH-3K フェニックスホーク
     MechWarrior C.C. DiPonio (4/3) WLF-1 ウルフハウンド
     MechWarrior Rachael Chirenko (4/3) JA-KL-1532 ジャッカル
     MechWarrior Howell Bertsch (3/3) LCT-3M ローカスト

  第2中隊 2nd Company
   警護小隊 Security Lance, DeMarco's Demolishers
     Lieutenant Adolph DeMarco (4/3) OTL-5M オストソル
     MechWarrior Dale Kempher (3/3) GRF-3M グリフィン
     MechWarrior James Hixson (4/3) KW1-LH2 ラインホルダー
     MechWarrior G. Eisenlord (4/3) LNX-9Q リンクス
   火力支援小隊 Fire Support Lance, Miguel's Archers
     Lieutenant Miguel Ramirez (3/4) CPLT-C1 カタパルト
     MechWarrior Andrea Hallock (4/4) WTH-1 ウィットワース
     MechWarrior Adam Fike (4/3) TBT-5N トレビュシェット
     MechWarrior Farid Jajou (4/3) DV-6M デルヴィッシュ
   急襲小隊 Harasser Lance, Hankerd's Hitmen
     Sargeant Kechia Hankerd (3/3) WSP-3M ワスプ
     MechWarrior Mikhail Blodwin (4/3) COM-5S コマンドゥ
     MechWarrior Sunil Chow (3/2) FNHK-9K1A ファルコンホーク
     MechWarrior Robert McCulloch (3/3) PNT-10K パンサー

  第3中隊 3rd Company
   鎮圧小隊 Supression Lance, The Great Wall of Chou
     Captain Shu-shint Chou (3/3) GLT-5M ギロチン
     MechWarrior Kenneth McIntyre (4/3) TMP-3M テンペスト
     MechWarrior Douglas Wesolek (3/2) GOL-3M ゴリアテ
     MechWarrior Larry Doyle (3/3) LGB-7Q ロングボウ
   掃討小隊 Sweep Lance, Foster's Strikers
     Sargeant Linda Foster (4/3) TDR-7M サンダーボルト
     MechWarrior Josiah Miller (4/3) SHD-5M シャドウホーク
     MechWarrior Solomon Gayle (4/3) RFL-5M ライフルマン
     MechWarrior Ernie Fowlks (3/3) WVR-7D ウルバリーン
   追撃小隊 Pursuit Lance, Folker's Jagers
     Sargeant Elijah Folker (4/3) TLN-5W タロン
     MechWarrior Pris Daigoji (4/3) SPR-5F スペクター
     MechWarrior Kimball Jones (5/4) HSR-400-D ハッサー
     MechWarrior Briseno Sundell (5/4) SDR-8M スパイダー










シナリオ1:あやまち SCENARIO 1:THE MISTAKE



To: "ピエール・ベントン公爵"
From: "アナニヤ S. ランド"
Date: 3067/05/25
Subject: シェイマス山脈 ―― 5月20日〜21日, 3067年


ベントン公爵

 ミズ・デボラ・ミネニュー(エプシロン市図書館の歴史書保管係、継承権戦争前時代担当)と話しあった後で、最近起きた事件を解明するかもしれない音声記録に出くわしました。以下のようなものです。


SLSアンティータム・クリーク、軌道近辺
エプシロン・エリダニ、2767年3月11日


第83バトルメック師団第2大隊:レッドバード1、レッドバード1、こちらリッパー6
SLDF第5軍航空管制官、SLSアンティータム・クリーク:リッパー6、こちらレッド1。どうぞ
リッパー6:レッドバート1、救援艇を求む
レッドバート1:リッパー6、状況は?
リッパー6:あー……、我らは共和国軍に囲まれています。防衛境界線を構築しましたが、長く持ちこたえられそうにありません。奴らの数が多すぎます
レッドバート1:リッパー6、落ち着くように。現状を報告せよ。助けられるかもしれない
リッパー6:あー……、無理です、レッドバード1、リッパー6は事実上、全滅です
レッドバート1:わかった、詳しい状況を完全に報告せよ
リッパー6:イエスサー、こちらには19機が残っています。すべてがダメージを受けています。7名が負傷、9名が戦死。第5軍司令部とのコンタクトを失いました。救援艇が必要です、いま必要なんです
レッドバート1:リッパー、現在位置は?
リッパー6:レッドバード1、現在の位置は座標44-62です
レッドバート1:リッパー、救援艇の降下地点を確保して、搭乗のあいだ戦線を守れるか?
リッパー6:わかりません、サー。やつらは本当に押しまくっています。ここにいたら壊滅することになるでしょう
レッドバート1:わかった、リッパー。しんがりを出して離れろ。全力で座標55-62に迎え。そこで指示を待て
リッパー6:レッドバード1、座標55-62が脱出ポイントですか? そこに我らの船が来るんですか?
レッドバート1:リッパー、さっさと行け! 行けばどうにかなる! 共和国軍が追ってこないのを確認せよ
リッパー6:了解、レッドバード1。移動します


 ミズ・ミネニューによると、アマリスのクーデター後にすぐ起きた戦いの混乱のさなか、帝国内に残っていた多くのSLDF部隊が不意を打たれました。素早くまとまった抵抗を組織できなかったこれらの部隊は、辺境世界共和国軍によって少しずつすりつぶされていきました。エプシロン・エリダニほど混乱した場所は他にはありませんでした――SLDF第5軍の司令部があったのです。エプシロン・エリダニは辺境での戦いから隔絶されており、こんな重要な帝国の世界で戦争が始まるとは誰も夢にも思っていませんでした。キャッスルブライアン、各種補給庫のあったエプシロン・エリダニは、アマリス軍の重要目標となりました。

 SLDFの時代は過ぎ去り、残された記録はせいぜいが不正確なものです。ですが、これだけはわかります。2767年の3月11日、SLDFの第83バトルメック師団第2大隊が、潰走の危機に瀕しておりました。部隊は脱出を要求し、補給庫への道を急ぎました。包囲された部隊を拾うため、コロッサス級降下船が派遣されたのです。再突入の直前、コロッサスが最後の軌道に乗ったとき、高速液体燃料ポンプのひとつが最悪の事故を起こしました。技術者キャンダス・ヨハンソンから話を聞いたところ、ポンプが飛び散って、燃料タンクに穴を開けたなら、エンジンルーム全体が液体で汚染されるということでした。降下船は、シェイマス山脈の砂漠にあったSLDF補給庫に軟着陸し、最近までそこにあったように思えます。

 降下船の船員がどうなったかについては、記録が見つかりませんでした。壊れた船の近くにいたということはなさそうですが、エプシロン・エリダニを離れたかどうかの記録はありません。ミズ・ミネニューが何も見つけられないなら、戦死したと考えるのが適当でしょう。

 図書館の記録によると、サントス氏の祖父が例の文章の再調査を行ったようです。サントス氏自身も行いました(元の文章は、件の貯蔵庫の位置を明らかにしておらず、手がかりがあるだけなのですが)。しかし確かな証拠と第83隊が最後にいた場所から、明らかにサントス氏は四半世紀以上前にその場所を見つけだしたはずです。

 私は直接、警護ロボットの頭部を見ました。アウトバック・ラウンジにあったものです。クレッスリー・ウォーワークスはこのロステックのかけらと引き替えに、かなりの額を支払いました。閣下からの干渉はないと保証したあとで、ニコラス・クレッスリーは、技術者と私に前述のロボットの再調査を許可してくれました。デ・ハビランド氏がロボットの信憑性を確認しました――余談として、もしクレッスリーが電子部品をリバースエンジニアリング(解析)できたら、もっと強力なラインホルダー・バトルメックを生産できそうです。エリダニのテックはNAISのテックではないので、ウォーワークスの大株主が希望的観測をしていたかどうかは断言できません。ですが、サントス氏が第83隊の痕跡を見つけたのは事実かもしれず、また不幸な出来事が5月20日に起きたのです。

 サントス氏と会う約束をしています。彼はなんらかの理由でエプシロン・エリダニを離れたがっているように見えます。取材後、さらに話を聞く必要があるならサントス氏を「引き留め」いたします。

敬具
調査官長 アナニヤ S. ランド


ASL:時間をとってくださって、ありがとうございます。サントスさん。
GS:ジョージと呼んでくれ。
ASL:わかりました、ジョージ。あなたが見つけたロボットについて教えてくれませんか? 
GS:ああ、俺は祖父のやり方で山を探してきた。一箇所からスタートして、螺旋状にまわっていくんだ。
ASL:効率的ではありませんね。
GS:そうでもない。見つけるのに27年かかった。祖父の15年は除いてだ。
ASL:星間連盟の貯蔵庫ですか?
GS:捜し物は最後の場所で見つかるものだ。結局、切り立った崖のなかで発見した。携帯スキャナを持っていたんだ。何年か前に大規模な鉱床を見つけていたんだが、スキャナーをオフにしていて何も見つからなかった。まったく幸運だった。もしあんたが渓谷内の特定の場所にいなかったら、そういう風に歩いただろう。そのとき、俺はドアを見つけるまで二週間歩いただけだった。
ASL:それは警護ボットと降下船を見つけたときのことですか?
GS:その通り。探してなかったし、ライトも他の装備も持ってなかった。基地の全体は、ジープのギアに入り込むような微細なチリで覆われていた。従って、一日か二日、探索したあとで、ロボットの頭を証拠として持って、街に戻ったのだ。
ASL:なぜアウトバック・ラウンジに行ったのですか? 誰かに盗まれるのを心配しなかったのですか? また、もっと悪いことが起きるのではないかと?
GS:ハハ、うろたえていたのかもしれないな。プロスパリティ・ステーションは近場にある唯一の町だった。二日かけて都市に戻るつもりだったから、燃料と水を補給することにしたんだ。水なしで砂漠には行きたくないだろう? それに、ちょっとお祝いしたかったのを認めよう。
ASL:兵士たちにからかわれ始めたときですか?
GS:そのときだ。俺がドアから入って、右に行くと、みなが老いぼれの「シャンパン・ジョージ」と憎まれ口を叩き始めた。フィルでさえもそうした。
ASL:フィル?
GS:フィル・ウェイド。バーのオーナーだ。奴はもっと分別があると思っていた。元々は発掘者だったんだ。奴が得たものを見ろよ。誰もいないところにあるバー1軒だぞ!
ASL:メック戦士たちはどうしてましたか?
GS:いつも通り。喧嘩、現地妻、うっぷんをはらしたでかぶつ。
ASL:レッドフィールド反逆隊とローンスター大隊の両方の兵士がいたのですか?
GS:1500キロ以内には他のバーがないからな。一休みするときにはアウトバックに行くしかないだろう。
ASL:そしてあなたは警護ボットを見せたのですか?
GS:いや、その前に5杯は飲んでいた。連中に、誰が狂っているのか、誰が金持ちになろうとしているかを教えてやろうとしたんだ。いい判断ではなかったな。
ASL:そうは思いません。
GS:ロステックのかけらを見た連中は、バーを出た。兵士たちがホバージープに走り、指揮官に連絡しようとしているのを聞いた。残りは知ってるだろう。だから話を聞きに来たんだ。
ASL:傭兵たちがあなたの発見したものを盗んだことに腹が立ちませんか?
GS:ランドさん、見てくれ、俺は70歳だ。公爵より金持ちになるのは素晴らしいかもしれないが、老クレッスリーが余生の面倒を見てくれることになった。傭兵がしたことは気に入らんが、奴らは星間連盟貯蔵庫の上で死ぬまで殴り合った。ああ、はたしてそれが割にあったのか計算したよ。

インタビューの写し 3067年5月25日
――ジョージ"シャンパン・ジョージ"サントス



攻撃側
 攻撃側はレッドフィールド反逆隊の分隊です。

  レッドフィールド反逆隊
   副長小隊 XO Command Lance, Mustafa's Marauders
    Major Clyde Mustafa (操縦 3, 砲術 3), サイクロプス CP-10-Z
    MechWarrior Nina Reinhart (操縦 4, 砲術 3), ゼウス ZEU-6S
    MechWarrior Shani Rand (操縦 2, 砲術 3), グラスホッパー GHR-5H
    MechWarrior Curtis Jenkins (操縦 4, 砲術 2), ハンチバック HBK-4G

   火力小隊 Fire Support Lance, Miguel's Archers
    Lieutenant Miguel Ramirez (操縦 4, 砲術 3), カタパルト CPLT-C1
    MechWarrior Andrea Hallock (操縦 4, 砲術 4), ウィットワース WTH-1
    MechWarrior Adam Fike (操縦 4, 砲術 3), トレビュシェット TBT-5N
    MechWarrior Farid Jajou (操縦 4, 砲術 3), デルヴィッシュ DV-6M


防御側
 防御側はローンスター大隊の分隊です。

  ローンスター大隊
   強襲小隊 Assault Lance, Vagnozzi's Vanguard
    Ranger-Captain Steve Vagnozzi (操縦 3, 砲術 3), アトラス AS7-D
    MechWarrior Carl Porter (操縦 4, 砲術 3), オウサム AWS-8Q
    MechWarrior Bill Underhill (操縦 4, 砲術 3), バンシー BNC-3E
    MechWarrior Melissa Lopez (操縦 2, 砲術 3), ドラゴン DRG-1N

   打撃大隊 Strike Lance, Davis's Desperadoes
    Deputy James Davis (操縦 3, 砲術 3), アサッシン ASN-21
    MechWarrior Kasha Lowe (操縦 4, 砲術 3), エンフォーサー ENF-4R
    MechWarrior Brian Kolowski (操縦 5, 砲術 4), クリント CLNT-2-3T
    MechWarrior Andrew Thompson (操縦 4, 砲術 3), ジェンナー JR7-D


開始時ダメージ Starting Damage

 ローンスターのアサッシンは、胴中央に20点、左胴背面に4点のダメージを受けている状態でゲームを始める。メック戦士は、スタート時点でダメージ1点を負っている。
 反逆隊のハンチバックは、センサーに1回命中(致命的命中覧2)、AC/20の弾薬9発(致命的命中覧1)からゲームを開始する。





3067年5月20日 ―― 0435時
場所:エプシロン・エリダニ


「諸君、移動だ。ローンスターがもう見えておかしくない」ミラー大尉が言った。「散開せよ。捜索範囲は広く、時間がない。ジェンキンス、もっと前に出ろ。10クリックだ。磁気スキャナから目を離すな。貯蔵庫はこの方向にあるはずだ」
 メック戦士ジェンキンスの耳に雑音が届いたのは、ハンチバックをゆっくり左に向け、岩を肩で押したときのことだった。フォーメーションに沿って歩いていた彼のメックが、赤褐色の珪素の粉じんを巻き上げたのだ。ぼやけたスポットライトが吸い込まれ、2、3秒揺れた。ジェンキンスは目を細めて、フェロガラスのキャノピーの向こうにかかるもやを見た。それから口を開く。
「もう一度お願いします、アルファ。10クリックは過ぎました」ジェンキンスは身を乗り出して、第2モニターを叩いた。さしあたり雑音は消えたようだった。
「気をつけろ、ジェンキンス。私が言ったのは10……」。ひどい雑音がスピーカーに戻り、金切り声を浴びせた。
「ああ、そのまま続けてください。ことが終わったら、最初にあんたを殺しに行く」
「もう一度……ベータフォー……」ジェンキンス機のコクピット内で、スピーカーが悲鳴を上げて、それから切断された。
「壊れた!」彼は叫んだ。身体を伸ばして、レシーバーを叩く。一度、二度、それからスピーカーが復旧する。彼は拳を口に入れ、血を味わう。
「ベータフォー、警戒せよ」
 ジェンキンスはちょうどアサッシンが闇夜から突進してくるのを見た。
「なんだ!?」叫び、コントロールを戻す。
 操縦装置をひねって後退し、右に進んだとき、雷鳴が耳のすぐ近くを打った。小さいバトルメックが前進をやめるのを、スローモーションでジェンキンズは見た。吐き出されたクラス20トモヅルのパワーによるものだった。爆発が40トンメックの胸をなめ、コクピットを叩いた。アサッシンは震えて、後方に倒れた。
「ああ……、やっちまった……」
 彼はつぶやいた。
 背後でスピーカーが叫んだ。「殺しやがった!」。それから彼のハンチバックはレーザーとミサイルの衝撃に釘付けにされた。

 * * *

「ファイア・スリー、砂嵐に近すぎる。結集せよ」アラネタ大尉が言った。「一同、フォーメーションを固めろ。家にいるようなものだ。好きなときに休んでいい」
「ええ、ええ。聞きました」メック戦士トンプソンが言う。
「静かにしろ。このパトロールで損害を出したくない……そこを動くな……ストライク・ワン。おまえのちょうど東からシグナルをキャッチした。ストライク・フォー、行って調べろ」
「わかりました、ボス。ストライク・ワン、行きます」アサッシンとジェンナーが、メック8機のV型フォーメーションから離れ、弱いシグナルに向かっていった。シグナルはだんだん強くなってきた。ローンスターのメック2機は、急いで砂漠を横切り、小さな砂の雲を離れた。それは砂漠に降り注ぐ。
「どうした、ストライク・ワン、ポンコツがトラブルか?」トンプソンは友人をなじった。返答に、デイヴィスはアサッシンを前のめりにした。彼は神経ヘルメットを信頼していた。40トンバトルメックが転ばないよう、ジャイロに信号に送ってくれるはずだ。次第に彼はジェンナーに追いつき、追い抜いた。
「おい、その手品のやり方を今度教えてくれよ」ジェンナーのパイロットが言う。
「才能さ、ベイビー。結婚したら、パトロールのあいまに2、3分余計な時間があるのがどういうことか、わかるようになるさ」
 トンプソンは笑う。2機のメックが夜をわけて進む。同時に、コクピットの磁気センサーが鳴り始める。
「探知(コンタクト)」ディビスは言った。「50トン機。ハンチバックに思える」多分、反逆隊のまぬけ野郎だ。彼は、アウトバックでのチェルとのことを思い出した。気どったメック乗りがチェルを誘ったとき、デイヴィスはそいつに飛びかかった――股間に膝を叩き込んだのだ。あの晩の喧嘩は大変だった。アサッシンの速度を早足程度に緩め、通信チャンネルを開く。
「所属不明のハンチバック、所属を名乗ってください。立ち入り禁止区画に入っています。オーバー」。アサッシンが砂丘のあいだを通ったとき、彼はハンチバックと対面した。デイヴィスに叫ぶ時間はなかった。マンモス・オートキャノンが火を噴き、煙を上げ、胴とコクピットの装甲を貫いた。
「なんてこった」トンプソンは言った。アサッシンはちょうどあおむけに倒れるところだった。目を見開いて、トンプソンは友人の死を見守った。そのあいだ、ハンチバックは運命の瞬間から目を背けていた。
「ストライク・ワン。こちらXOワン、聞こえるか? なにがあった」アラネタ大尉が尋ねる。
 トンプソンの胸に冷たい針が突き刺さり、それから熱くなってくる。身体の中からうなり声が漏れる。無線の広域帯チャンネルに叫ぶ。
「殺しやがった!」操縦桿を握りしめ、彼はアルファストライクトリガーを叩き、50トンメックに向けジャンプする。




状況

シェイマス山脈
エプシロン・エリダニ、カオス境界域

3067年5月20日

 近くに居すぎた2つの傭兵隊は、戦う必要がなかったというのに、対立関係が戦闘開始に結びついてしまった。最初、バーの数キロメートル内で始まった戦いは、広い戦場にまで広がっていった。両パトロール隊がそろそろと近づいていき、どちらが先に引くかを試そうとしたのである。

 反逆隊が星間連盟貯蔵庫を発見したあとで、レッドフィールド大佐バーンズはメック小隊を派遣し、ロステックを探させた。資金不足と貧弱な整備が被害をもたらした。ハンチバックはセンサー装備が故障しており、近づいてきた反逆隊のメック戦士2人に所属を送信できなかったのである。

 驚いたメック戦士はパニックに陥った。アサッシンが闇から現れ、射界に入ってきたのである。不慮のオートキャノン発射で、ローンスターのアサッシンは倒され、パイロットに重傷を負わせた。

 ハンチバックのパイロットがあやまちを認め、戦場から後退する前に、ジェンナーのメック戦士がすでに戦友の復讐を始めていた。

 シェイマス山脈の戦いは、偶然によって始まったのだが、やがて、失われた財宝を探す2個傭兵隊の生存戦争となったのである。

――ヴォーン・ワイリー教授著『あやまち、人とメック――エプシロン・エリダニの戦い』(エリダニ大学、歴史学部3067年)より抜粋





To: "ピエール・ベントン公爵"
From: "アナニヤ S. ランド"
Date: 3067/05/25
Subject: シェイマス山脈 ―― 5月20日〜21日, 3067年


*** Error 557: 送信割り込み メッセージ切断 ***

パイロットたちは移動したかもしれませんが、メックはまだそこにありました。私の目にはそれらが炎上する砲弾のように見えましたが、背格好が少し違いました。デ・ハビランドはアサッシンが鍵だと言いました。胴にいくらかダメージがあるのとコクピットが破壊されているのを除いては、他の機体よりダメージがありません。奇妙なことに、このような熾烈な戦いであったのに、他のレーザーによるダメージも、ミサイルによるダメージもなかったのです。撃墜で装甲に少し傷がついていただけでした。しかし、それはそれとします。巨石に倒れかかるハンチバックは、PPCの砲撃、レーザー、ミサイルで引き裂かれているように見えました。このマシンは地獄に直面し、パイロットが脱出する前に倒れました。我らはパイロットが残っているのを発見しました。彼は座席にいるとき、踏みつけにされたのでしょう。メックから脱出し、座席から出られなかったか、着地したときに意識がなかったと、デ・ハビランドは考えています。外傷が多すぎて検屍できないため、我らは推測するしかありません。時間と巻き尺があれば、足跡を計測し、どのメックがパイロットを踏んだかわかると彼は言いました。パイロットの死は、確かではありませんが、戦争犯罪のようです。我らには戦場を徹底調査する時間がありません。よって、即座の科学捜査チーム派遣を推挙いたします。反逆隊とローンスターの戦いからすでに三日が経過しています。回収が行われ、砂嵐が証拠を消す前に、当地の調査を終えねばなりません。

 ところで、市民軍のVTOL機を貸して頂き、まことにありがとうございました。この件を調査するのに大いに役立ちました。パイロットたちは非常に親切で、彼らのプロ根性は称賛されるべきです。

敬具
調査官長 アナニヤ S. ランド








シナリオ2:状況、進行す SCENARIO 2: A DEVELOPING SITUATION


攻撃側
 攻撃側はレッドフィールド反逆隊の分隊です。

  レッドフィールド反逆隊
   指揮小隊 Command Lance, Redfield's Raiders
    Colonel Sarah Redfield-Barnes (操縦 3, 砲術 2), バトルマスター BLR-3M
    Lieutenant Robert Diaz (操縦 4, 砲術 3), オウサム AWS-9M
    MechWarrior Jeff Bowen (操縦 4, 砲術 3), アックスマン AXM-1N
    MechWarrior Stephanie Amos (操縦 3, 砲術 2), アーチャー ARC-5R

   偵察小隊 Recon Lance, Gessert's Grenadiers
    Sergeant Ann Gessert (操縦 3, 砲術 2), フェニックスホーク PXH-3K
    MechWarrior C.C. DiPonio (操縦 4, 砲術 3), ウルフハウンド WLF-1
    MechWarrior Rachael Chirenko (操縦 4, 砲術 3), ジャッカル JA-KL-1532
    MechWarrior Howell Bertsch (操縦 3, 砲術 3), ローカスト LCT-3M


防御側
 防御側はローンスター大隊の分隊です。

  ローンスター大隊
   指揮小隊 Command Lance, The Colonel's Own
    ロバート・ブラウン大佐 (操縦 2, 砲術 2), ウォーハンマー WHM-7M
    Ranger-Lieutenant Amy Ghastin (操縦 3, 砲術 3), マローダー MAD-5D
    Ranger-Sergeant Caspar Mayfield (操縦 3, 砲術 2), ストーカー STK-5S
    MechWarrior Patrick Morganthayler (操縦 3, 砲術 3), ウルバリーン WVR-7K

   打撃小隊 Strike Lance, Jarvis' Jokers
    Ranger-Lieutenant Vernon Jarvis (操縦 3, 砲術 3), ハチェットマン HCT-5S
    MechWarrior Shaunda Berquist (操縦 3, 砲術 3), フェニックスホーク PXH-3D
    MechWarrior Bryan Fochs (操縦 3, 砲術 3), グリフィン GRF-3M
    MechWarrior Jasmine Howell (操縦 4, 砲術 3), ワスプ WSP-1D




3067年5月20日 ―― 0545時
場所:エプシロン・エリダニ


XO:ブラウン大佐、プロスパリティ・ステーションのレンジャー・ジョーンズからの通信です。お耳に入れたほうがいいかと
CB:つなげ……
DJ:大佐、なにが起こっているのですか? なぜメックを出したのですか?
CB:反逆隊が、我らのパトロール隊を攻撃したのだ
DJ:なんですって! やつらは出し抜くつもりです
CB:どういう意味だ?
DJ:シェイマス山脈には星間連盟の貯蔵庫があるのです
CB:なに? 連中は噂に基づいて我らを攻撃したというのか?
DJ:噂ではありません、サー……
CB:時間がない。レンジャー、基地に戻り、避難を手伝え。2個重小隊がある。連中を支えきれないなら、民間人を安全なところに移したい
DJ:サー、聞いてください。アウトバックで、発掘屋が、我らに星間連盟の警護ボットを見せたのです。本物なんです、サー!
CB:信じないよ、レンジャー。だが、その男がおまえたちを騙したのなら、反逆隊もそうできたことだろう。副長、全中隊につなげ
XO:イエス・サー
CB:オーケー、みな聞くように。反逆隊はふたつの思い違いをしている。ひとつ、シェイマス山脈にロステックがある。ふたつ、それを海賊行為の口実として使えると考えている
XO:見てください、大佐、連中が来ました。2機のメック――強襲級とその後ろにもう2個小隊。IFFによると反逆隊です。待ってください、レッドフィールド大佐自身が突撃を率いているようです。ご命令を、サー?
CB:わかった。あの野郎どもが戦いたいというなら、やってやろうじゃないか。レッドフィールド大佐を倒した者には、わたしの懐から1000コムスタービル出そう



その後 AFTERMATH

To: "ピエール・ベントン公爵"
From: "アナニヤ S. ランド"
Date: 3067/05/26
Subject: シェイマス山脈 ―― 5月20日〜21日, 3067年


ベントン公爵

 無線の書き起こしによりますと、ローンスター大隊の基地内で戦いが起きたようです。反逆隊のハンチバックが最初に撃ったように見える一方で――おそらくアサッシンのパイロットと口論があったのでしょう――サラ・レッドフィールド=バーンズ大佐にかかった賞金が、証拠をいくぶん信頼できないものにしています。といっても、学位を持つ弁護士なら、ブラウン大佐の行動が、反逆隊の以前の行動に基づく、自衛と民間人を守るものだったと論じることでしょう。ローンスター基地での戦闘後、非戦闘員の多くが殺され、行方不明になったことが、反逆隊の立場を悪いものにしています。調べれば調べるほど、悪いことばかりがわかります。

敬具
調査官長 アナニヤ S. ランド



状況

シェイマス山脈
エプシロン・エリダニ、カオス境界域

3067年5月20日

 偶発的な発砲が起き、両軍のあいだで戦闘が起きたことを聞いたとき、サラ・レッドフィールド=バーンズ大佐には、状況が手に負えなくなるまで時間がないことがわかっていた。

 ローンスター大隊基地にコンタクトを取ろうとしたのだが、これは無視された。ローンスターは援軍を送ろうとしていたのだ。

 ロステック発見という作り話に関する背信行為が、不当な攻撃に結びついたと信じていたブラウン大佐は、足の速い偵察小隊を援軍に送り込み、他の2個パトロール隊を基地に呼び戻した。大佐は、基地と人員が、反逆隊の次の目標となると推測した。反逆隊の基地から、2個メック小隊が向かってくるのを見ても、驚きはしなかった。

 厚顔無恥にも、ローンスターと非戦闘員に対してそのような危険なそぶりをしたことに怒ったブラウン大佐は、公然とレッドフィールド大佐の首に1000コムスタービルの懸賞金をかけた。

 反逆隊が到着し、対話を試みたとき、集団での攻撃に襲われた。前方から8機、背後から16機のバトルメックが迫る中で、レッドフィールド=バーンズ大佐は、これまでのキャリアでもっとも難しい選択に迫られた。彼女は救援のため古びたユニオン級降下船を、ローンスター基地の向こうにある塩の平原に呼び出した。それからローンスター基地を通って、無事、脱出したのだった。ローンスターは怒りと義務に引き裂かれた。自身の生命とメックを犠牲にした一方で、民間人を撤退させるため、反逆隊を食い止めたのだった。

――ヴォーン・ワイリー教授著『あやまち、人とメック――エプシロン・エリダニの戦い』(エリダニ大学、歴史学部3067年)より抜粋









シナリオ3:脱出の代償 SCENARIO 3: PAYBACK'S A MEDEVAC




状況

シェイマス山脈
エプシロン・エリダニ、カオス境界域

3067年5月20日

 ローンスター隊が廃墟と化した基地にたどり着くと、メーガン・デイヴィス少佐は激高した。反逆隊の背信行為で夫が殺されただけでなく、基地に隠れた家族までもが攻撃を受けたのである。ブラウン大佐は、ウォーハンマーの残骸から離れていた。戦いを乗り切り、携帯無線で部下たちに命令を下していた。大佐の副官として、デイヴィス少佐は2個小隊の指揮をとり、パトロール(万一の不意打ちに備えるもの)を口実として敵を探しに出かけた。獲物を見つけるまでに、反逆隊のメック隊に情報が入った。レッドフィールド=バーンズ大佐が誤解を解こうとしたとき、ローンスターが彼女を殺そうとしたというものだ。レッドフィールド=バーンズ大佐が負傷するなかで、反逆隊の2個小隊が貯蔵庫を放棄し、近づいてくるローンスターのメックに独自の強襲を行った。ローンスターの指揮系統を潰すことで、この狂気を止めようとしたのである。

――ヴォーン・ワイリー教授著『あやまち、人とメック――エプシロン・エリダニの戦い』(エリダニ大学、歴史学部3067年)より抜粋



攻撃側
 攻撃側はローンスター大隊の分隊です。

  ローンスター大隊
   副長小隊 XO Lance, Davis's Law-Dogs
     Ranger-Major Megan Davis (操縦 3, 砲術 2), ハチェットマン HCT-5S
     MechWarrior Alex Popov (操縦 3, 砲術 2), チャージャー CGR-3K
     MechWarrior Charles Taylor (操縦 4, 砲術 3), スネーク SNK-1V
     MechWarrior Kelley McManus (操縦 3, 砲術 3), ヴィンディケイター VND-3L
   追撃小隊 Pursuit Lance, DeGroot's Deputies
     Ranger-Sergeant John DeGroot (操縦 3, 砲術 2), スコーピオン SCP-10
     MechWarrior Carolyn Hancock (操縦 4, 砲術 3), ジェンナー JR7-K
     MechWarrior Sarah Kimbrough (操縦 4, 砲術 3), レイヴン RVN-3L
     MechWarrior Daniel Ling (操縦 3, 砲術 3), スパイダー SDR-7M


防御側
 防御側はレッドフィールド反逆隊の分隊です。

  レッドフィールド反逆隊
   掃討小隊 Sweep Lance, Foster's Strikers
     Sergeant Linda Foster (操縦 4, 砲術 3), サンダーボルト TDR-7M
     MechWarrior Josiah Miller (操縦 4, 砲術 3), シャドウホーク SHD-5M
     MechWarrior Solomon Gayle (操縦 4, 砲術 3), ライフルマン RFL-5M
     MechWarrior Ernie Fowlks (操縦 3, 砲術 3), ウルバリーン WVR-7D
   急襲小隊 Harasser Lance, Hankerd's Hitmen
     Sergeant Kechia Hankerd (操縦 3, 砲術 3), ワスプ WSP-3M
     MechWarrior Mikhail Blodwin (操縦 4, 砲術 3), コマンドゥ COM-5S
     MechWarrior Sunil Chow (操縦 3, 砲術 2), ファルコンホーク FNHK-9K1A
     MechWarrior Robert McCulloch (操縦 3, 砲術 3), パンサー PNT-10K



ASL:続けられますか、メック戦士マクマナス? 公爵の医師を呼んで、肩を見てもらいましょうか?
MwKM:いや、ファントムペイン(幻覚痛)だ。腕はないんだが、まだちょっとひどい痛みがある。大丈夫だ
ASL:わかりました。5月20日の交戦について話してくれるのですね?
MwKM:ああ、俺たちは貯蔵庫を探すのをやめたんだ
ASL:反逆隊を追うのはやめなかったのですか?
MwKM:いや、誤解しないでくれ。俺たちは、旦那とすべてを失ったメーガンに同情してたんだ。デイヴィス軍曹はすごい奴だった……とくに士官じゃない兵士たちにとってはな。一度ならず、俺たちを留置所から出してくれた――といっても、代金を払うために他の仕事をせにゃならんかったが。奴はできるだけメグと一緒にいたがった。別の小隊になってからは、そう長くは一緒にいられなかったんだ
ASL:今回の話に絞ってもらえないでしょうか
MwKM:わかった、わかった。俺たちはパトロールに出た。メグは本当に落ち着いてなかった。言うまでもないが、俺たちはみな、基地に戻って欲しいと願っていた。彼女の腕を信頼はしていたんだが、誤解しないでくれ、デイヴィスが死んですぐあとだったんだ。みな、デ・グルート軍曹が指揮をとるのを期待していたと言っておこう。困ったことにあの人とスコーピオンは、戦いが始まったとき、数クリック後ろにいたんだ
ASL:誰が最初に撃ったのですか?
MwKM:向こうさ。奴らの軽量級が嵐のようにやってきた。戦いが始まり、奴らを押し返そうとした。でもそうはいかなかった
ASL:なぜです?
MwKM:連中のメックの1機が、ワスプと思うが、俺を追い抜いて転んだ。膝の間接がいかれたように見えた。だからそうしてやったんだ。PPCを一発お見舞いして、足がちぎれ飛んだ!
ASL:デイヴィス少佐がワスプのコクピットを蹴ったのはそのときですか?
MwKM:(せきをする)ああ、それは知らない。ワスプを片づけたあとで、デイヴィスはコマンドゥを攻撃して破壊した。彼女は次の目標に取りかかり、気がついたら、LRMが降り注いできた。デ・グルート軍曹はできるだけ早く行くと言っていた。だからいったん引いて、追撃小隊を待ったんだ。俺はそうした
ASL:待ってください、ワスプのことに戻りましょう。バトルメックの頭部は破壊されていました。ホロ映像で見たのです
MwKM:俺が言えるのは、妙なことが戦闘中には起こると言うことだ。たまにメックが他のメック――の残骸につまずくこともある。タウラス連合国でそれがあったのを見たことがある……
ASL:マクマナスさん、医者を呼びましょう

インタビューの写し 3067年5月29日
――メック戦士、ケリー・マクマナス、ローンスター大隊

 * * *

MwJM:(水の入ったグラスを置いて)レッドフィールド大佐のバトルマスターがやられたとの情報が通信回線に入ってきて、俺は落ち込んだ。問題が解決する前に、人が大勢死ぬだろうことがわかったんだ
ASL:ミラーさん、どうか交戦の話に絞ってください。これはベントン公爵の調査です。メディアのインタビューではありません
MwJM:オーケー、(ため息)ああ、レッドフィールド大佐は大隊を4つに分けた。各部隊ごとに2個小隊だ
ASL:1個小隊を後に残したのですか?
MwJM:そうだ。万一にそなえ、重・強襲級1個小隊を民間人の警護に残そうとした。俺たちは、B中隊の急襲小隊とペアになった。貯蔵庫を探すのに、広い範囲をカバーしたかったんだろう
ASL:ローンスター大隊を探していたのではないですか?
MwJM:公式に? そうじゃなかった。でも、大佐について聞いた後で、うん、全員がローンスターの兵士を探そうとした。あいつらがグリッドに映ると、誰も後に引こうとはしなくなった
ASL:私たちが見たメックには、過度のダメージがありました。地形を考慮すると、長距離の交戦になったのは当然のことでしょう――とくにローンスター軍はあなた方より重量がありましたから
MwJM:ハッ、そうだな、あんたはハチェットマンのことを言ってるんだろ、そうだろう?
ASL:(ページをめくる)メーガン・デイヴィス少佐の? そうです
MwJM:そうか。ハンケルド急襲小隊は移動しようとしていた。あんたも知っての通り、スピードを使って一撃離脱を行ったんだ。そのあいだ俺の小隊は長距離援護射撃した。まさに戦略の教科書通り、古きグレイデスが使ったもんだな。俺らがハチェットマンを見たのはそのときだ。あのイカレた奴は、砲撃を交わそうとせず、ケチアのワスプに突っ込んでいったんだ
ASL:なぜワスプだったのです?
MwJM:彼女のワスプはヴィンディケイターにちょっと近づきすぎて、脚を吹きとばしちまったんだ。脚の装甲はいつも薄かったんだ。内部中枢は修理できなかったし、駆動装置はふらついていた。金が入ったら、全面的に交換しようってことになっていた
ASL:ハチェットマンに戻ってください、軍曹
MwJM:イエスサー、すまない。ああ、ハチェットマンはワスプを踏んで、頭を蹴飛ばした。ケチアは降伏、脱出のチャンスもなかった。ヴィンディケイターは俺たちと同じくらい驚いてたんじゃないかな。なんでかっていうと、奴はその場に立ちつくしたんだ――ああ、俺の掃討小隊がLRMを浴びせ始めるまでな
ASL:なにがハチェットマンに起こりましたか?
MwJM:彼女はボルドウィンのコマンドゥを追いかけた。ハチェットで殴りつけたんだ。ボルドウィンは過剰反応して、岩の影に隠れた。それで終わっちまった。ハチェットマンはジャンプで接近して、ハチェットを振るい始めた。オートキャノンも一緒に使ったと思う。なんでかっていうと、2、3秒後に、ボルドウィンのミサイル弾薬に火が点いて、両機とも爆発したからだ
ASL:ハチェットマンも破壊されたのですか?
MwJM:いいや。あれは恐ろしかった。黒煙越しに俺はメックを見た。片腕がなくて、脚を引きずり、別の目標を探していた。結局、彼女を倒すのに3人でやったんだ。あの自暴自棄なパイロットは、ハチェットマンから脱出するときに、俺のシャドウホークを狙いさえした。ハチェットマンの頭部は胴の装甲に跳ね返って、渓谷の壁にまっすぐ飛び込んで、爆発した
ASL:普通はそんなことをしないでしょう
MwJM:それは知らないが、彼女がなんでそんなことをしたか、正確に理解しているよ
ASL:それは?
MwJM:彼女の旦那が、この混乱の火種になったとわかったんだ。そいつはアサッシンでジェンキンスに突撃していった。ジェンキンスは撃つしかなかったと、そこにいた全員が誓っている。彼女は、関係者全員に罪があると感じたか、たぶん、夫を愛しすぎて一人では生きていけないと思ったんだろうな

インタビューの写し 3067年5月29日
――メック戦士、ジョサイア・ミラー、レッドフィールド反逆隊



その後 AFTERMATH

 メック戦士と話すのはうんざりだ。いつも「要点を得ない話を、要点を得ない話で説明してやろう」だ。彼らには時間の概念がないのか? その質問にはもう答えたではないか! む……9時15分だ。夕食を食べ損ねてしまった。停車して、カーラに花を買っていったほうがいいだろう。少しは機嫌がよくなるかもしれないが、私の説明を聞いてくれるかは望み薄だ。

アナニヤ S. ランドの個人的な日誌、3067年5月29日








シナリオ4:なんのために戦っているんだ? SCENARIO 4: WHAT'RE WE FIGHTIN' FOR?




攻撃側
 攻撃側はローンスター大隊の分隊です。

  ローンスター大隊
   護衛小隊 Bodyguard Lance, Francisco's Guardians
      Ranger-Lieutenant Churchill Francisco (操縦 3, 砲術 3), クルセイダー CRD-5M
      MechWarrior Hyeoksang Chung (操縦 4, 砲術 3), アーチャー ARC-4M
      MechWarrior Erika Hladki (操縦 3, 砲術 3), ウォーハンマー WHM-7M
      MechWarrior Olaf Mills (操縦 3, 砲術 2), マローダー MAD-5S
   攻撃小隊 Attack Lance, Yee's Raiders
      Ranger-Lieutenant Andrew Yee (操縦 3, 砲術 3), ブラックジャック BJ2-OC
      MechWarrior Terry Scwartz (操縦 3, 砲術 2), マーシャル MHL-X1
      MechWarrior Byunghoon Choi (操縦 3, 砲術 3), ヘリオス HEL-3D
      MechWarrior Nicole Papadopoulos (操縦 4, 砲術 3), マーリン MLN-1B


防御側
 防御側はレッドフィールド反逆隊の分隊です。

  レッドフィールド反逆隊
   鎮圧小隊 Supression Lance, The Great Wall of Chou
      Captain Shu-shint Chou (操縦 3, 砲術 3), ギロチン GLT-5M
      MechWarrior Kenneth McIntyre (操縦 4, 砲術 3), テンペスト TMP-3M
      MechWarrior Larry Doyle (操縦 3, 砲術 3), ロングボウ LGB-7Q
      MechWarrior Douglas Wesolek (操縦 3, 砲術 2), ゴリアテ GOL-3M
   警護小隊 Security Lance, DeMarco's Demolishers
      Lieutenant Adolph DeMarco (操縦 4, 砲術 3), オストソル OTL-5M
      MechWarrior Dale Kempher (操縦 3, 砲術 3), グリフィン GRF-3M
      MechWarrior James Hixson (操縦 4, 砲術 3), ラインホルダー KW1-LH2
      MechWarrior G. Eisenlord (操縦 4, 砲術 3), リンクス LNX-9Q





Cpl:大尉、敵の反応です、方位1-1-7。ローンスターが来ます。現着予想時刻まで5分
CC:わかった、伍長、戦列を維持しろ。広帯域無線につないでくれ。ローンスターの指揮官と話したい
Cpl:やってます
CC:ミラー軍曹? 部下を貯蔵庫に入れて、守れる陣地を探せ、ドアを破壊しろ。すぐそっちにいく、いま我ら援軍が向かっている最中だ
SM:イエス・サー。お嬢さん方、C4をしまって、俺に続け……
Cpl:通信の準備ができました。オーケーです、サー、どうぞ
CC:ローンスター指揮官へ、私はレッドフィールド反逆隊のシュー=シント・チュー大尉。応答を請う
SLF:こちら、ローンスター大隊、フランシスコ中尉。そちらには渓谷から出る道がありませんな。命乞いですか、大尉どの?
CC:中尉、我らは双方とも、ここで何のために戦っているか知っている。この1日、間違いが両陣営で起きた。誤りを正すチャンスはないだろうか、どうだろう? コムスターかMRBCの調停を入れて、休戦するか、問題解決をできないだろうか?
SLF:それにどんな意味がある? あんたらは俺たちの基地を襲って、民間人を攻撃した。あんたらが全員死ぬまでこれは終わらない
CC:中尉、レッドフィールド=バーンズ大佐が負傷して、ムスタファ少佐は死んだ。戦場にいる反逆隊員のなかでは、わたしがもっとも階級が高い。その立場で、第三者に事件をゆだねるまで、反逆隊の行動を中断する権限がある。話を聞いてくれ。もう誰も死ぬべきじゃないんだ
SLF:レッドフィールド大佐が基地に押し入って、輸送車を撃ちはじめたそのとき、私の子どもたちが基地にいた。子どもたちが生きて脱出できたかはわからない。いったいなにを変えられると言うんだ?
CC:援軍が来ている。君たちが我らに勝てたとしても、残った反逆隊はそうはいかないぞ
SLF:勝てたとしてもだって? うぬぼれやがって……こっちの援軍だってこっちに向かっているんだ。息の根を止めてやる
Cpl:大尉、通信が切れました。待ってください、ミサイルが来ます
CC:わかった。応射せよ

――ローンスター大隊のバトルメックから見つかった記録の写し、3067年5月21日




状況

シェイマス山脈
エプシロン・エリダニ、カオス境界域

3067年5月21日

 シュー=シント・チュー大尉に同行していた偵察歩兵が、星間連盟貯蔵庫を発見した際、両傭兵隊は激しく打ちのめされていた。素早く判断すべきと考えたチュー大尉は、歩兵を送ってローンスターから貯蔵庫を守らせた。また偵察小隊を山の尾根に送って、臨時に無線の中継をさせたのである。反逆隊基地とコンタクトできると固く信じていた彼は、無線で発見を知らせ、援軍を求めた。残念ながら、ローンスターのパトロール隊が、無線通信を傍受した。彼らは独自に行動していたのである。彼らの要求を送信したあとで、ローンスターは貯蔵庫を奪取すべく前進した。そのとき、味方の援軍が山を通って迫っていたのである。

 敵軍が近づいてくると、チュー大尉は両陣営に取り憑いていた狂気に屈するのを拒絶した。自身が見たものに基づき、もし停戦できたなら、両傭兵隊にとって充分な量のロステックがなければならないとわかっていた。反逆隊の上級士官たちが傷つき、行方不明になり、殺されるなかで、大隊の生き残りは彼の両肩にかかっていたのだ。戦闘が避けられるかもしれないと、チュー大尉がフランシスコ中尉に呼びかけたのは称賛に値する。フランシスコが休戦をはねつけると、チューは爆発物で貯蔵庫を隠すよう偵察歩兵隊に命令した。そして反逆隊の援軍が到着するまで、持ちこたえるよう命令したのである。

――ヴォーン・ワイリー教授著『あやまち、人とメック――エプシロン・エリダニの戦い』(エリダニ大学、歴史学部3067年)より抜粋



その後 AFTERMATH

To: "ピエール・ベントン公爵"
From: "アナニヤ S. ランド"
Date: 3067/06/02
Subject: シェイマス山脈 ―― 5月20日〜21日, 3067年


ベントン公爵

 本件を検討しました結果、閣下は、レッドフィールド反逆隊、ローンスター大隊と、雇用主のジェネラル・アトミックス社、ミンロック・マインズ・インターステラー社を告訴すべきと、判断いたしました。両社はシェイマス山脈の採掘権を買っていますが、それは鉱物資源の権利であって、ロステックの権利ではないのです。しかし、星間連盟貯蔵庫の正確な中身がわかっていないように(頭のない警護ボット1機と、戦闘で傷ついた飛べるかわからないコロッサス級降下船を除く)、わたしが法律制度を通しているあいだに、傭兵たちが残骸を持っていってしまい、価値あるものは得られない可能性があります。私は民間の弁護士事務所に報告書をすべて送るつもりです。クレーマー行政官が関係者を法的に追求すると決めたなら、あなたに直接お会いすることとなるでしょう。

 行動に移る前に、2、3の注意点があります。ひとつ、傭兵はずたずたにされましたが、貯蔵庫にどれくらいの価値があったとしても、短期間で完全な戦力に回復しました。彼らに対する法廷闘争は、シェイマス山脈に貯蔵庫が実在し、我らがそれを知っていることを立証するでしょう。最後に、旧星間連盟の基地を探す上で、数百人の鉱山労働者たちが互いに殺しあったことを知っておかねばなりません。(このメッセージに同封した暗号化ファイルを参照してください。故ミネニュー氏の調査による、他の貯蔵庫の予想位置です)

 ふたつ、傭兵と親会社を寛容に扱うのは、エプシロン・エリダニにとって良いことかもしれません。私の理解してるところでは――また聞きの情報であることを心にとめてください――傭兵たちは新たな契約を結んだところです。新しい高性能ポンプを探し、購入し、設置するのと引き替えに、当面のあいだは予備隊としてキープされることになるでしょう。我らが黙って引き下がり、うるさく「分け前」を要求しなければ、鉱山会社は傭兵隊を惑星に置いたままにするかもしれません。しばらくのあいだは、カペラか恒星連邦が、冒険主義を実践する妨げとなるでしょう。

 長い目で見ると、クレッスリー・ウォーワークスは、警護ボットの購入ですでに利益を得ています――クレッスリーは新技術を効果的に利用できるはずです。エプシロンもです。傭兵たちに特例を与えれば、さらなるロステックが入手できるかもしれません。貯蔵庫に何か価値があるものが残っているかはわからないのですが。よって、これ以上この問題を追求しないことをおすすめいたします。この事件は、痛ましいものですが、2つの独立したグループのあいだで起きたものです。したがって、エプシロン・エリダニ市民が死んでいないのなら、エプシロン・エリダニ政府とは無関係です。シェイマス山脈に星間連盟の貯蔵庫があるとの話は、狂った老人が広めた噂にすぎなかったのです。

 私からの勘定明細を同封いたしました。

 当面の計画で、数週間、連絡が取れないかもしれません。帰るまでは滞在するつもりです。

調査官長 アナニヤ S. ランド









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