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作成:2004/02/13
更新:2009/02/27

ケルハウンド The Kell Hounds



 中心領域で一、二を争うエリート部隊であると同時に、世界設定上、歴史上、大きな意義を持つ傭兵団です。





 3010年、モーガン・ケルとパトリック・ケルが、新傭兵連隊を作るため、ガラテアに到着した。ナーゲルリンク士官学校で訓練を積み、6年の兵役を終えたこの二人の兄弟が持っている長所は、貴族である従兄弟ルフォン公爵(ライラ国家代表の亡き夫)から受け取った莫大な寄付にあったろう。当然、ケル兄弟は、最初、惑星住人の嘲笑と妬みを引き起こした。甘やかされた金持ちの子供が傭兵ごっこをすると、彼らは見ていたのだ。

 しかしながらケル兄弟は、一流技術者の支援基盤を作るプロジェクトを開始して、ただの道楽者ではないと証明してみせたのだった。その行動は多くの熟練した傭兵たちの気を引いた。すぐに兄弟は、苦労して入隊申請書を熟読し、身分を照会し、メック戦士、歩兵、気圏戦闘機パイロットの候補生たちをテストしたのだった。

 新たに誕生したケルハウンドが動き始めると、陰口の声は小さくなっていった。批判する者たちを驚かせたことに、ハウンドは他のより経験豊かな部隊が行うような複雑な戦闘計画を常に実行した。そして、3013年にマローリー・ワールドで戦われた、ヨリナガ・クリタとその有名な第2〈光の剣〉連隊、他2個メック連隊、10個非メック連隊との長期戦役後には、彼らが精鋭部隊だということを疑う者はほとんどいなくなったのである。

 だが、その戦役のあと、モーガン・ケルは不可解にも連隊を解体し、1個混成大隊だけを弟に託し、本人は何の説明もなくメック戦士を辞めてしまったのだった。モーガンは11年後に帰ってきた。それはヨリナガ・クリタが、傭兵としてライラ次期国家主席を守ったパトリック・ケルを、殺したときのことだった。弟の死後、モーガンはハウンドの指揮を再び握り、11年前に追い出した全員を呼び戻した。第四次継承権戦争中、ケルハウンドは再びヨリナガ・クリタの連隊と遭遇し、二度彼らを撃破し、ヨリナガ・クリタを殺してパトリック・ケルの死の復讐を果たしたのだった。

 ハウンドはその後も手に負えない傭兵隊であり続けた。カトリーナ・シュタイナーの死後(3040年)、モーガンは部隊を2個連隊に拡大した。故国家主席が明らかにその目的のため残してくれた遺産を使ったのだった。氏族来襲の際、ケルハウンド連隊は二度の大勝利を助けた。最初はトワイクロスで。ハウンドはジェイドファルコンの手から惑星解放を助けたのである。二度目はルシエンだった。ウルフ竜機兵団と肩を並べて戦い、侵攻軍をドラコ連合首都から追い出した。

 ケルハウンドは最近、ライラ−ジェイドファルコン国境の大部分を守るために、アークロイヤル防衛戦線と呼ばれるものを作り上げた。公式に独立の宣言はなされず、またモーガン・ケルはこの行動について公式コメントを発表しなかったが、カトリーナ・シュタイナー=ダヴィオンはその地域の防衛を担ってくれたことに感謝の意を公表したのだった。しかしながら、防衛戦線を維持することで、ケルハウンドは単一の連隊として再び契約することができなくなってしまっている。



指揮

 ケルハウンドは可能なときはたいてい戦略、戦術指揮権を確保する。ルシエン防衛戦の間、ハウンドは戦略指揮権と戦術指揮権の一部を手放した……戦術指揮権はウルフ竜機兵団のジェイム・ウルフと、セオドア・クリタ(この時は軍事の管領)にのみゆだねられたのだが。また、ケルハウンドは、無用な危機を招くような配置に対する拒否権を保持する。

 引退したにせよ、そうでないにせよ、モーガン・ケルが最高司令官だとケルハウンドの全隊員が認識しており、ケルが生きている限り幹部士官が大佐の階級を得ることはないだろう。代わりに、ハウンドには3名の中佐がいる。部隊司令官ダン・アラード、第1連隊司令官アキラ・ブラーヘ、第2連隊司令官スコット・ブラッドレーである。

 アークロイヤル防衛戦線の創設は、たとえもうケルがバトルメックには乗らないにしても、政治力を手にしていることを示唆している。ケルはターカッドでのホイッティング会議(スモークジャガー氏族への逆襲が立案された)に出席したが、会議への参加に関するそれ以上の情報はない。知られているのは、ケルが聖アイヴス協定のキャンダス・リャオと会うためにターカッドを離れたことである。……伝えられるところによれば、彼は現在ウォーロックの統治者であり、協定の貴族であるという。



戦力と組織

 ケルハウンドは、大隊と連隊に、独立した指揮部隊を使っている。同様に全部隊を統括する1個指揮小隊が存在する。それぞれの連隊は3個バトルメック大隊、1個航空大隊、1個ジャンプ歩兵大隊で編成される。すべての地上軍中隊は、その連隊、大隊、中隊でのポジションを示す名称を持っている。たとえば、第1連隊第3大隊の第2中隊は第132中隊という名称である。歩兵大隊(第5大隊)もそうなっているが、航空中隊は鳥の名前の名称を持つ。

 ルシエンで氏族マシンを回収したことと、フェラン・ケル、アークロイヤルのウルフ氏族との協定によって、ケルハウンドはどの傭兵よりも多くの先進技術を使用している(ウルフ竜機兵団は除く)。現在の技術状態は、バトルメックの60%が氏族の標準で、40%が中心領域の先進技術である。このパーセンテージには、ほぼ2個の完全な氏族オムニメック中隊と1個中心領域設計オムニメックが含まれる。アークロイヤルのウルフ氏族は軍の再建途上にあるので、ケルハウンドは彼らから新しい機体を得られそうにない。ただパーツや技術補助を受けるかもしれない。



技術・輸送支援

 ケル所有のエール・バトルメック社(アークロイヤル)の工場に属している、ケルハウンドの優秀な技術スタッフは、ウルフ竜機兵団に次ぐ支援基地を提供する。ルシエンで得た多量の氏族技術の物資、兵器を使って、ケルハウンドの技術者たちは氏族技術の装置を扱い修理する基本を学んだ。また、フェラン・ケルのウルフ氏族が、ケルハウンドの技術者に、氏族技術とオムニメックの技術をレクチャーしているのではないかと、消息通は見ている。しかしながらハウンドはこういう情報をライラ軍に渡していない。

 ケルハウンドの航宙艦と降下船は、150%の輸送収容能力を持つ。従って、艦船の1/3は同じ時に修理中かもしれない。それでも部隊の人員と装備を運ぶ輸送能力に問題はない。時々、ケルハウンドは余った艦船を貸し出して臨時収入を得る。







ケルハウンド 3067


部隊指揮小隊 UNIT COMMAND LANCE : LETTING SLIP THE DOGS OF WAR

 部隊指揮小隊はけして雇用されず、あるいは契約によって詳細が決められ、よって竜機兵団評価値を受け取ることがない。だが、ケルハウンドはどんな契約でも、指揮小隊を配備する権利を常に持っている。このやり方で、部隊指揮小隊は雇用主の命令系統の外に置かれ、ケルハウンドの指揮は指揮小隊から連隊の上級連隊指揮官へと渡っていくのだ。通常、戦場において指揮小隊は連隊のどちらかに同行する。各連隊が別々の契約を受けた場合は、より挑戦的な契約の方につく。

 ルシエン防衛戦で、部隊指揮小隊は5機編成となった。引退していたモーガン・ケルが戻り、ハウンドの指揮をとったのである。戦闘中のあるときに、ノヴァキャット二連星隊がハウンドの戦線を突破し、第2連隊を分断し始めた。このとき、部隊指揮小隊が割って入り、前進をとどめた――数機のオムニメックを押し返しさえしたのである。第2連隊はそれからモーガンの横に集結し、穴をふさいで、ノヴァキャットを追い払ったのだった。


主要士官
 モーガン・ケルが3055年に三度目の引退をしたあと、ダニエル・W・アラード中佐がケル・ハウンドの指揮権を再び持った。アラードは軽量級バトルメックを好み(完全にアップグレードされたウルフハウンドを操縦する)、より重量のあるバトルメックを手玉に取り、撃破することで有名だ。

 アラードはメーガン・ケル(モーガンの娘)と結婚したが、部隊内の誰もが、実力と実績で指揮官の地位を得たことを疑っていない。

 クラレンス"キャット"ウィルソン軍曹は、ケルハウンドの最先任下士官メック戦士である。軍曹以上への昇進を繰り返し拒否しているが、他の参謀たちのように、任務概況説明、戦略計画会議に参加している。ウィルソンはケルハウンドへの極めて強い忠誠心を抱いており、部隊指揮小隊の一員として、自らに指揮官のボディーガード役を課している。


戦術
 アラード中佐は、しばしば古き分断占領戦略を用いる。単独で戦うとき、彼はウルフハウンドの優れたスピードで敵軍をバラバラにし、それから急に引き返して、一度に1機ずつ処理していく。小隊を率いるときは、他のバトルメックの前に出て、小隊員が待ち伏せしているところに敵を誘引するのを好む。そして大隊、連隊を指揮するときは、小部隊を使ってあちこちに敵を分散させることがよくある。よって、ケルハウンドは一度に敵の全部隊と戦わず済むのである。


 ケルハウンド部隊指揮小隊
 小隊/エリート
 指揮官: ダニエル・W・アラード中佐
  アラードと"キャット"ウィルソンは双方とも、中心領域型のバトルメックを諦めていないが、両マシンは氏族技術で完全にアップグレードされている。他の指揮小隊員2名は、氏族オムニメック、グラディエーターとティンバーウルフを操縦している。





第1ケルハウンド連隊 FIRST KELL HOUND REGIMENT: THE WILD HUNTERS

 現存する最も経験豊かな傭兵隊のひとつである第1連隊は、ドラコ連合の第2〈光の剣〉やエリートのゲンヨウシャのような、そうそうたる部隊と戦ってきた。これまでに、イアン・ダヴィオン国王の指揮下に入り、ライラ次期国家主席を救出し、ルシエン防衛戦に参加してきたのである。つい最近では、ブルドッグ作戦で、スモークジャガーの逆襲からペシュトを守り、ジェロニモ確保を助けた。そして連邦=共和国内戦の最終局面、ターカッドの最終強襲にもその姿をあった。この戦いは激しいものだったが、伝説的な技術支援基地の力で、ワイルドハンターズは完全な戦力を上回っている。

 アークロイヤルでの休息期間中、第1連隊は居留している(放浪)ウルフとよく演習を行う。これはアークロイヤル戦闘訓練プログラム(ARCTP)の実戦演習の一部になることもあり、ARCTPの教官たちの多くは、第1連隊の古参兵である。


主要士官
 ヨリナガ・クリタの息子であり、ゲンヨウシャの元隊員である、アキラ・ブラーヘ中佐は、モーガン・ケルが父とゲンヨウシャに敬意と名誉を見せたために、ハウンドに加入した――それはタカシ・クリタ大統領によるヨリナガ・クリタと元所属部隊への扱いに欠けているものとブラーヘは気づいたのだ。

 クリスチアン・ケル少佐(同じくドラコ連合で育っている)は、アキラ・ブラーヘの素晴らしい上級士官である。マーチソンでパトリック・ケルの愛人から生まれた若きケルは、16歳のときに叔父のモーガンを捜しだした。ハウンド入隊を認めたモーガンは、ウルフ竜機兵団による特別な訓練のため、彼をアウトリーチに送ったのである。


戦術
 第1連隊は、敵を混乱させ困らせる複合戦術に特化している。戦闘のさなか、しばしば3個大隊の各指揮小隊は結集して、C3ネットワーク支援付きのオムニメック中隊を作る。他のよく使われる戦術は、複数の側面攻撃部隊を送り込むことである。

 各バトルメック大隊の第3中隊は特定の地形で活動する訓練を特殊な受けている。第113中隊はハウンドの市街戦部隊であり、都市のきつい制限の中で戦うべく、訓練を受け、構成されている。第123中隊は水陸両用部隊で、第133中隊はジャングル戦に特化している。第133隊は4個小隊からなる唯一の中隊で、カモフラージュパターンを使う唯一のハウンド部隊である。


ワイルドハンターズ
強化連隊/エリート/狂信的
指揮官: アキラ・ブラーヘ中佐
副長/第1大隊: クリスチアン・ケル少佐
第2大隊: サラ・オーカセイン少佐
第3大隊: トーマス・ロシュフォール少佐
 ワイルドハンターズは、ルシエンで回収した1個中隊分の氏族製オムニメックを所有している。アキラ・ブラーヘはこれを大隊指揮小隊に分配した。連隊指揮小隊は、氏族製の武器と装備で完全にアップグレードされた中心領域のデザインを使っている。連隊指揮小隊、大隊指揮小隊はまた、2組の別々なC3システムを使用している。

バードドッグ
航空大隊/エリート/狂信的
航空大隊指揮官: R.O.B."ロブ" カーク少佐
 バードドッグの戦闘機20機は、2機構成の1個指揮小隊と6機構成の3個中隊(レイヴン、クロウ、ブラックバード)に分けられる。航空機の大半は、アップグレードされた中心領域製である。各中隊の指揮小隊は氏族兵器を誇っている。

ピットブル
大隊/エリート/狂信的
歩兵隊指揮官: ミクラン・フィン少佐
 ピットブルはよく訓練されたジャンプ歩兵大隊である。兵士10名の指揮分隊、ジャンプ兵50名の1個中隊、バトルアーマー兵12名ずつの2個中隊である。バトルスーツの多くは中心領域製のデザインだが、フェランのウルフ氏族から贈られた氏族エレメンタル2個分隊と、ターカッドで捕獲したフェンリル・アーマー1個分隊がある。





第2ケルハウンド連隊 SECOND KELL HOUND REGIMENT: THE SCRAPPING PACK

 モーガン・ケルは、小規模な傭兵部隊群の選ばれた人員から、スクラッピングパックの中核を作った。これら傭兵隊の指揮官は、ケルの最初の引退前(元のケルハウンド連隊が一時的に解散する前)に、ケルハウンドに在籍していたのである。彼らは、ケルハウンドの訓練手法と戦術を部隊に採用しており、よって兵士たちがケルハウンドへ移行するのは容易だった。初年度、第1連隊から各中隊に訓練士官が配属され、中隊指揮官へのアドバイスが行われた。6ヶ月以内に、新ケルハウンド部隊は古参兵と評価され、1年以内にエリートの評価を得たのである。

 第2ケルハウンドはルシエン防衛戦に参加し、ブルドッグ作戦ではヤマロフカを奪取した。最近の連邦=共和国内戦では、第1連隊がターカッドで戦っているあいだに、アークロイヤルを守る本拠地防衛隊となった。


主要士官
 スコット・ブラッドレー中佐の外見、声、振る舞いは、父親の故スコット・ブラッドレー・シニアとよく似ている。老ブラッドレーが引退し、息子が後を継いだとき、公式の記録は混乱した。40歳のブラッドレー(傭兵小僧として成長、訓練した)は、ちょっとした混乱があるのを見て取って、父の下に仕えていた記憶を持つ老兵の信頼と尊敬を勝ち取るのに、それを利用した。ブラッドレーは、第2連隊の戦略・戦術ドクトリンを保ったまま(もうひとつの途切れない指揮継承の一例)であるが、大隊間の友好的な競争関係を煽り、休息期間中に互いを相手にした訓練をする。


戦術
 全第2連隊は夜間機動の訓練をしており、演習のほとんどをそのような環境下で行う。加えて、各大隊の第3中隊は特殊な戦闘環境用の訓練、装備をしている。第213中隊は無重力戦部隊、第223中隊は長距離作戦に特化し、第233中隊は危険な環境のスペシャリストである。


 スクラッピングパック
 強化連隊/エリート/狂信的
 指揮官: スコット・ブラッドレー中佐
 副長/第1大隊(グレイハウンド): ピート・ワトソン少佐
 第2大隊(ウルフハウンド): デビッド・スミス少佐
 第3大隊(ジャンクヤードドッグ): グウィネス・マードック=ウィルソン少佐
  スクラッピング・パックが使用しているのは、中心領域製のアップグレード済みメックと、分配された氏族製オムニメックである。ブラッドレーはオムニメックを1個中隊(第222)にまとめ、大規模な戦闘の際、即応部隊とする。父が天寿をまっとうした後、第2連隊指揮官として、ブラッドレーもまたスクラッピング・パックのアイデンティティを鼓舞している。

レトリバー
航空大隊/古参兵/狂信的
航空大隊指揮官: アダム・フォックス少佐
 かつてはフォックスファイア戦闘隊として知られていたレトリーバーは、ルシエン戦後にケルハウンドに加わった。元ケルハウンドのフォックス少佐がモーガンに雇われ、麾下の部隊を合併させたのである。レトリーバーの3個飛行中隊は、ファルコン航空隊、イーグル航空隊、マーリン航空隊で、フォックス少佐はエリートの指揮航空小隊(2機構成)から率いる。戦闘機は80パーセントが氏族技術でアップグレードされている。

バッドドッグ
大隊/古参兵/狂信的
歩兵隊指揮官: アマンダ・クーパー少佐
 バッドドッグ・ジャンプ歩兵大隊は、兵士10名の大隊指揮分隊、各50名の3個中隊、バトルスーツ兵12名の1個中隊(中心領域、氏族のエレメンタルアーマーを使う)で構成される。各通常中隊は専門を持っている。第251中隊(パスファインダー)は主として偵察兵である。第252中隊は連隊の保安を専門とし、第253中隊は破壊活動を専門とする。







ケルハウンド 3071

 聖戦が勃発したのに伴い、ケルハウンドは再び歴史の焦点となった。崩壊したウルフ竜機兵団の生き残りに避難所を提供したのが一つ目、そして仲間の傭兵をライラ/ファルコン国境に集結させたのが二つ目である。ライラ同盟最高司令官アダム・シュタイナーや、ファルコンの日和見主義的な侵攻と戦うために残された貧弱なLAAFと緊密に協力しているハウンドは、しかるべき戦闘をこなし、この新たな脅威を食い止めるために、残忍な戦闘の中で深刻な損害を出した。とりわけ最悪だったのは、3069年の6月、ケルハウンド指揮官ダニエル・アラードが、ジェイドファルコンの強襲に対するグレイスランド防衛戦で戦死したことである。

 アラードを失った衝撃は、ケルハウンドの上層部のみでなく、ライラ同盟軍、シュタイナー家にも与えられた。アークロイヤルでは、モーガン・ケル大公が、死んだ義理の息子と、氏族の脅威に対し同盟を守ったすべての死者のために、喪を宣言した。その一方で、アダム・シュタイナー伯爵は、アトコンガで心からの式典を開き、アラードに同盟名誉勲章を与えた。

竜機兵団評価値:A* (両連隊)


第1ケルハウンド連隊 First Kell Hounds Regiment

 3069年6月、第1ケルハウンドがグレイスランドに駐屯していた時、ジェイドファルコン氏族のロー、イオタ、ミュー銀河隊(スターコーネル・タマン・マルサスがまとめて率いていた)が、攻撃を仕掛けてきた。激しい戦いの中で、ハウンドは、第1ファルコン軽装隊、第2ファルコン猟兵隊、第124打撃星団隊に対し数で負けていると気がついた。ゼルブリゲンを放棄したファルコン軍はハウンドのワイルドドッグ大隊と部隊指揮小隊(アラード中佐率いる)を圧倒し、支援が来る前にケルハウンドの指揮官を殺した。第1ハウンド――そして全ケルハウンド――の指揮権は、アキラ・ブラーヘ中佐の手に落ちた。だが、アラードの損失とファルコンの無慈悲な強襲によって、グレイスランドを守りきるのは難しいと明らかになった。

 ばらばらになり、士気低下した第1ハウンドはニューエクスフォードに後退した。第1ハウンド――LAAF、(放浪)ウルフ軍によって強化されている――は、最近のファルコンによる襲撃をどうにか撃退したのだが、アラードの死による心理的衝撃を、この打ちのめされた部隊が克服したのかはまだわかっていない。

第2ケルハウンド連隊 Second Kell Hounds Regiment

 アラードがファルコンの新たな攻撃で死んだのに伴い、第2ハウンドのグレイハウンド、ウルフハウンド大隊は、国境の防衛に立つため、3070年の初頭、エステロスに移動した。この動きで、アークロイヤルの防衛は、ケルハウンド1個大隊、フェラン・ケルの(放浪)ウルフ氏族、壊滅したウルフ竜機兵団の生き残り、多数の小規模な傭兵隊、LAAF兵士たちの手に残された。3071年の初頭、ファルコンの襲撃でいくらかの損害が出たのだが、第2ハウンドは氏族前線で指揮部隊となり続けている。






バトルメック



WLF-1 ウルフハウンド

重量:       35トン
シャーシ:     アークロイヤル KH/3
パワープラント:  GM210
巡航速度:     64 キロメートル/時
最高速度:     95 キロメートル/時
装甲板:      デュラレックス・ミディアム
武装:
 セタンタ重レーザー 1門
 ディファイアンスB3M中口径レーザー 4門
製造元:         ターハス工業
通信システム:      O/P COM-22/H47
照準・追尾システム:   デジタル・スキャンロック347


概要:

 ウルフハウンドは、3028年、傭兵隊ケルハウンドの所属として初めて姿を現した。ライラ共和国でのみ製造されており、この年の前半までは、実験モデルでさえもライセンスされることがなかった。それ以来、モーガン・ケルとターハス工業は、この機体を喜んでウルフ竜機兵団と共有している。コムスターは1機目のウルフハウンドがいつ竜機兵団に来たかを特定できなかった。そしてウルフ大佐がドラコ連合との技術契約条項を破ったかどうかが議論の的となった。

 ウルフハウンドはほとんどの軽量級メックよりも重装甲である。本機はクリタのパンサーに対するライラ側の返答となるべく設計された。ただしカトリーナ・シュタイナーの承認が遅れたことは、第四次継承権戦争でライラ軍を強化する意図がなかったことを示している。設計上、もっとも独創的なのは、エネルギー兵器のみを装備していることだ。軽量で済み、弾薬補給のため基地に戻る必要がある他のメックより戦場に長くとどまれる。

タイプ/モデル: ウルフハウンド WLF-1
重量:      35トン
装備:              重量
内部中枢:    通常型       3.5
エンジン:    210GM       9.0
歩行MP:     6
装甲MP:     9
ジャンプMP:   0
放熱器:     10  通常型    0.0
ジャイロ:             3.0
操縦機器:             3.0
装甲:      120p 通常型   7.5


        内部中枢	装甲
頭部:      3 		 9
胴中央:     11		16
胴中央(背面):           6
左/右胴:    8        11/11 
左/右胴(背面):          5/5
左/右腕:    6        12/12
左/右脚:    8        16/16

武器・装備       配置  弾薬  装備欄数    重量
大口径レーザー     右腕       2        5.0
中口径レーザー     胴中央      1        1.0
中口径レーザー     胴中央(背面)  1        1.0
中口径レーザー     右胴       1        1.0
中口径レーザー     左胴       1        1.0





WLF-2 ウルフハウンド


重量:       35トン
シャーシ:     アークロイヤル KH/3
パワープラント:  GM210
巡航速度:     64 キロメートル/時
最高速度:     95 キロメートル/時
装甲板:      デュラレックス・ミディアム
武装:
 サイクロプスXII長距離射程大口径レーザー 1門
 ディファイアンスB3M中口径レーザー 4門
製造元:         ターハス工業
通信システム:      O/P COM-22/H47
照準・追尾システム:   デジタル・スキャンロック347


概要:

 ケルハウンドとウルフ竜機兵団の双方とも、ウルフハウンドで大成功を収めた。この機体は、シュタイナー宙域で最も尊敬を集めるバトルメック工場で生産されているのだが、第四次継承権戦争終了時まで、ライラ、ダヴィオンの部隊で使用が許されることはなかった。この点から、2傭兵隊がカトリーナ・シュタイナー国家主席のためにフィールドテストをしたと言う者もいる。第四次継承権戦争がウルフハウンドのテストだったとしても、それを堂々とパスしただろう。クリタのパンサー多数を撃破したのだ。

 連邦=共和国はその後、生産の大幅増加を命じた。だが、この6ヶ月間、生産のペースは低下している。技術復興に伴い、ウルフハウンド改良のために設備を更新しているからだ。このメックはディファイアンスB3M中口径レーザーを装備したままだが、セタンタ重レーザーはサイクロプスXII長距離射程大口径レーザーに換装された。

 おそらく、新型WLF-2モデルのもっとも重要な変更点は、高性能放熱器を使っていることだ。軽量級メックが熱を問題とすることはほとんどないが、ウルフハウンドの信頼性はレーザー兵器からもたらされており、それが故に大部分の軽量級メックよりも熱に対して脆弱なのである。星間連盟時代の高性能放熱器がその解決策となった。ウルフハウンドはそれら放熱器を装備する最軽量のメックである。

タイプ/モデル: ウルフハウンド WLF-2
重量:      35トン
装備:              重量
内部中枢:    通常型       3.5
エンジン:    210GM       9.0
歩行MP:     6
装甲MP:     9
ジャンプMP:   0
放熱器:     10(20)       0.0
ジャイロ:             3.0
操縦機器:             3.0
装甲:      120p 通常型   7.5


        内部中枢	装甲
頭部:      3 		 9
胴中央:     11		16
胴中央(背面):           6
左/右胴:    8        11/11 
左/右胴(背面):          5/5
左/右腕:    6        12/12
左/右脚:    8        16/16

武器・装備       配置  弾薬  装備欄数    重量
ER大口径レーザー    右腕       2        5.0
中口径レーザー     胴中央      1        1.0
中口径レーザー     胴中央(背面)  1        1.0
中口径レーザー     右胴       1        1.0
中口径レーザー     左胴       1        1.0




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