indexに戻る
作成:2003/11/07
更新:2010/06/10

ノースウィンド・ハイランダーズ Northwind Highlanders



 クラシックバトルテック、メックウォリアーシリーズの双方に登場する部隊。その歴史は深く、現代の英国陸軍にハイランダーズ大隊とブラックウォッチ大隊が存在します。また、ハイランダー、ブラックウォッチの名を持った強襲級バトルメックも有名です。





 中心領域住民の多くにとって、ノースウィンド・ハイランダーズとは、現代に出現した古きスコットランド連隊である。この見方には間違いがあるが、人類が初めて他の星に到達してから数世紀が過ぎ去り、真実はしばしば時間の闇のなかに消えてしまっている。現在のハイランダー連隊を理解するためには、彼らの始まりを知らねばならない。



古代の起源 Ancient Origins

 最初のスコットランド連隊は17世紀ごろに姿を現し始めた。部隊を指揮するに足る力を持った王族、男爵・伯爵が、外国と戦うためか、故郷を防衛するために立ち上げたのだ。次の2世紀で、多数のスコットランド連隊が作られた。軍備拡大が進められたこの時期に、現代のノースウィンド・ハイランダーズの先駆者が立ち上げられた。第78(ハイランド)歩兵連隊、第78歩兵(ハイランド)連隊、第79歩兵連隊(キャメロン志願兵隊)、第75歩兵連隊(アバークロンビー)、第100歩兵(ハイランド)連隊(ゴードンハイランダーズ)である。これら5個連隊は18世紀後半の16年以内につくらた。他のスコットランド連隊のように、彼らは人類が宇宙に歩を刻む以前の地球の歴史の困難な時期に行われたほぼすべての戦争で働いた。

 人類が月を歩き、世界が単一の通信ネットワークで接続されると、20世紀の初期に猛威を振るった国際戦争はなりを潜めていった。従って、地球上の国家は軍事力を削減し始めた。1994年、残った二つのハイランド連隊――第78(ハイランド)連隊と第79連隊から作られたクイーンズ・オウン・ハイランダーズ(シーフォース&キャメロン)と、第75連隊、第100(ハイランド)連隊から作られたゴードン・ハイランダーズ――は、ハイランダーズ(シーフォース、キャメロン&ゴードン)にまとめられた。世界政府がひとつの中央権力に集まっていくなかで、このほろ苦い合流は、ハイランド連隊の伝統がさらに分裂し、歴史がさらに合併するか、失われ、忘れ去られる時代が始まったことを意味していた。

 2014年、第二次ソヴィエト内戦後、アメリカ合衆国は地球最強の国家になって敵がいなくなった。英国の首相が「西側諸国の新たな同盟」を呼びかけたとき、西側諸国間同盟は生まれた。新たな政府が最初に行った行動のひとつは、西側諸国間同盟装甲軍(WAAF)を作ったことだ。その軍隊は以前の多国籍軍とは違っていた。WAAFは単一の軍事組織の下にある単一の軍事組織と見なされ、すべての所属国家で生産された武器と装備で統一していた。その時代は比較的平和で、新西側同盟とWAAFをさらに支持する努力が払われたので、各構成国家の保有軍は縮小し続けた。2086年までに、地球人口の80パーセント以上が西側諸国間同盟の傘下に入り、その名称は地球同盟に変更された。その同じ年、この数十年続いてきた世界規模の軍縮は、ほぼ完璧なものとなった。WAAFは現実的に全地球の軍隊となったのだ。すべてのスコットランド連隊は、ロイヤルブラックウォッチとハイランダーズを除いて解散し、生き残った2個連隊もかろうじて戦闘ができるパレード部隊以上のものではなかったのである。

 翌年は平和と大いなる科学的達成があった。しかしながら、地球の統合政府による「世界の平和」の感覚は、人々がかつて国家に対して感じていた誇りに取って代わるまで発展することはなく、無関心が世間に浸透した。不満が大きくなりつつあった。特に小さな所属国家は、同盟内のもっと大きな強大な国家によって影が薄くなるのを感じたものだった。デイモス計画(2108年、地球星系からタウケチ星系へのハイパースペースジャンプの最初の成功で頂点に達した最高機密)の開始で、この緊張関係は悪化していった。デイモス基金が必要とする資源と紙幣のほとんどは、より小さく貧しい所属国家から引き出された。彼らには応じるしかなかったのである。デイモス計画の成功により、結局、これらの国々の不満は少なくとも緩和された。宇宙への扉が開かれたのだ。植民地が雑草のように生い茂り、同盟内のあまり幸福でない市民たちに、彼らが「地球同盟の束縛」と考えるものから解放されるチャンスを与えた。

 未知の宇宙への拡大は次の世紀を通して続いた。23世紀の開始まで、人類は他の惑星に500以上の植民地を建設していた。人類はさらに多くの、さらに地球から遠い我が家を求め、地球同盟はそれらすべてを管理するのが難しくなっていた。ひとつの惑星を統治するのと同じやり方で、植民地を統治しようと言う試みは、結局、災害を引き起こした。デネボラ植民地が地球からの独立を宣言したとき、煮えたぎっていた同盟への不満が爆発したのである。2236年のことであった。地球同盟は海兵隊を送ることで反応し、不意打ちを受け、敗北を被ったのである。デネボラ反乱軍の予期せぬ勝利は、新たな政党による同盟政府の奪取に帰結した。彼らは植民地の何をも欲せず、地球から30光年以上離れていた植民居留地とのつながりをすべて切断した。

 続いて地球同盟内で起こった厳しい制限の制定と変更は、後に最初の脱出(エクソダス)と呼ばれたものを促進させた。数百万の同盟市民が、輝ける未来を新たな世界で見つけるために生まれた惑星から脱出したのである。脱出の時代のあいだ、スチュアート氏族――王族の血統を引く氏族で、その功績がスコットランドの歴史に密接に絡んでいる――は、新しい惑星で新たな生活を始めることを決めた。ハイランダーズ連隊――小規模なパレード中隊、スコットランド国が感情的な理由から解散を拒否したもの――は、スチュアート氏族に同行した。すべてのスコットランド連隊は祖国の指導者たちに裏切られた……そう感じていたハイランダーズは、新たな生活を始め、かつての栄光を取り戻すこともまた望んでいた。スチュアート氏族は新たに発見された世界(祖先が住んでいたスコットランドに似ていた)の権利を買い取り、そこをノースウィンドと名付けた。



新たな始まり A New Beginning

 新たな植民地を作るにあたって、ノースウィンドで最初の都市をいくつか建設するのに全植民者が必要となった。ハイランダーズ連隊は自発的に解散し、鉱業居留地であるカーニーの街を建設した。植民化を進めるなかでスチュアート氏族に加わる価値があるところを見せるためだった。定住後の数世代がすぎ、ノースウィンドを統治していた主体(氏族の長老)は、この世界に軍隊を作る時期が来たと感じた。2362年、第1カーニーハイランダーズが結成され、続いて2363年に第2、2364年に第3カーニーハイランダーズがそれぞれ結成された。これらの連隊には、数十年前、ノースウィンドに定住したハイランダー連隊の直接の子孫の志願兵が含まれていた。24世紀には、さらに3個連隊が、ノースウィンドの他の地域から集められた。マリオン・ハイランダーズが2369年、マコーミック・ハイランダーズが2377年、スチュアート・ハイランダーズが2380年である。氏族の長老による軍隊を作るという決定は、未来を見据えたものであったことがわかった。これらの部隊のうち新しいものを結成したのと同じ年、のちに戦争の時代と呼ばれる野蛮な衝突の年代が始まったのである。

 6個ハイランダー連隊はすぐに力強く成長し、新たに結成された帝国に雇われることとなった。そういった国々は様々な星系で戦っていた。カペラ大連邦国が、彼らのお得意さまであった。次世紀、各ハイランダー連隊は、異なった百の世界に散在する何ダースにも及ぶ戦場で名をあげた。人類が占拠する宇宙の領土、それは中心領域と呼ばれることになった。しかしながらハイランダーが仲間である氏族人から離れ、他の人々や文化の影響下で多くの時間を費やすと、軍指揮官とノースウィンドの政治的指導者のあいだにひびが入っていった。戦争の時代が徐々に平和に変わっていくと、中心領域は安定化し、星間連盟の誕生に結びついた。人類の偉業の頂点である連盟は、人間の性質をよく表していた。この時代、ノースウィンドは科学者の技術で多大な名声を獲得した。加えて、戦士の多くがノースウィンド連隊をやめ、星間連盟防衛軍に加入した。兵士たちは、不愉快な条件下に置かれがちな傭兵部隊にとどまり続ける必然性を感じていなかった。このとき彼らは、SLDFのような軍隊に、名誉と高貴さを持って仕えることができたのだ。SLDFのなかで、ノースウィンドの名は、優れた戦士の代名詞となり、彼らは連隊、師団、軍団の指揮官に昇進した。



ロイヤルブラックウォッチ連隊 Royal Black Watch Regiment

 イアン・キャメロンが星間連盟の第一君主になったあとで最初に取った行動は、部隊を作ることであった。彼の言葉を借りれば、星間連盟の伝統、心情、魂の理想を具体化したものだ。このことを心にとめて、彼はロイヤルブラックウォッチ(同名の起源となった部隊を中心に作られた)を披露した。何世紀も、キャメロン王家は、ブラックウォッチを存続させ、完全な状態に保ち、隊員を個人的な護衛としてきた。彼ら兵士が持つ伝統とキャメロン家――忠義を誓った存在――への不滅の忠誠心によって、イアン王は新生ブラックウォッチ連隊を創設することにしたのである。

 新たな部隊に関する発表は、ノースウィンドのハイランダー連隊を驚かせはしなかった。彼らは口伝とスコットランドの古い伝統をよく守っており、かつてのロイヤルブラックウォッチと先祖の古い歴史を共有していることを憶えていたのだ。長い間眠っていた記憶が、多くのノースウィンドスコットランド人の胸に蘇り、彼らの多くがSLDFに加入して、ブラックウォッチに仕えた。彼らはすぐにもっとも有名な部隊となった。

 星間連盟の時代を通して、ブラックウォッチ、ノースウィンド連隊は、互いに尊敬を深めていった。分離の数世紀を乗り越え、ノースウィンドハイランダーズの全連隊出身の隊員が、結局、ウォッチに仕えることになった。とくにスチュアート・ハイランダーズは、ブラックウォッチと気心を通じ合わせるようになり、このふたつの連隊は非常に多くの戦士を交換することとなったのである。



困難な時代 Troubled Times

 星間連盟が衰退していた時期、カペラ大連邦国は、ノースウィンドが形式的にカペラ国に加入することを望んで、大使を派遣し、氏族の長老を勧誘した。この会談で、ハイランダー連隊と氏族長老のあいだにヒビが入り、その隙間は数十年間でゆっくりと広がっていった。ハイランダー連隊は、その申し出を、戦士の技術で利益を得る機会と見た。氏族の長老は、それをノースウィンドと独立に対する脅威と見た。スチュアート氏族は分裂し、ハイランダー連隊は傭兵としてリャオ家に仕えることとなった。星間連盟の崩壊がすぐに分裂を決定的なものとした。ノースウィンド(元は地球帝国の一部だった)は、戦火の絶えない世界となり、続く継承権戦争の世紀のあいだ、何度も所有者が変わった。ノースウィンド・ハイランダー連隊はすべて傭兵となり、異なるときに異なる王家に仕えた。

 ハイランダーズが自らに課したノースウィンドからの追放の期間に、全6個連隊はますます伝統に縛られることになった。士官たちは、古い習慣を維持し、最終的にはノースウィンドでスチュアート氏族を再統合するための準備をしていた。すべての連隊は雇用主から雇用主へと渡り歩いたにもかかわらず、すべての世代は故郷に帰る日を夢見ていた。



協定 The Pact

 第一次継承権戦争のあいだ、欲望と復讐心が中心領域王家の指導者たちを前代未聞の野蛮性にまで駆り立てたとき、ノースウィンド・ハイランダーズ内のより抜かれた戦士たちのグループが、消えてしまった星間連盟の高い理想を実現するための協定を結んだ。ハイランダーズの全員が、自身をそういった考えの支持者であると考えていたのだが、数個連隊がそれぞれ星間連盟の色彩を翻すほどに、(特に個人は)星間連盟のもっとも熱狂的な信仰者だったのである。スチュアート・ハイランダーズ出身の全員は、ロイヤルブラックウォッチ連隊と多くの信念と習慣を共有していた。彼らはある種の秘密組織をハイランダーズ内に結成した。自身をブラックウォッチ連隊の隊員と考え、星間連盟が再興したときにブラックウォッチであると申し出て公表する準備をし続けるのである。

 星間連盟の純粋な理想に対する信仰から生まれたこの組織は、そのつきまとう秘密によって覆い隠された。協定に参加した隊員は、豚に真珠を与えるよりも、その存在を知る同調者のみと秘密を共有することを望んだ。この要望に添って、新たな隊員は、現在の隊員が受け入れることを許可した候補者だけが、選ばれ、入団した。選ばれた候補者は、ブラックウォッチの信頼を裏切らないことを確認するために、徹底的な調査を受けた。誓約が行われた過去から現在までの数世紀を通して、秘密のブラックウォッチは、一度に1ダース以上の隊員がいたことがなかった。ハイランダー連隊の上級士官のほとんどはウォッチの存在を知っていたのだが、隊員になることはほとんどなかった。



暗き時間 The Darkest Hour

 第二次継承権戦争のあいだ、ハイランダーズが夢に見ていた故郷への帰還が不可能となった。2841年、ノースウィンドにスチュアート・ハイランダーズと第3カーニーハイランダーズしか存在しないのを見つけた恒星連邦が、惑星に対し猛烈な強襲をしかけたのである。ハイランダーズは故郷を守るために最後の一兵まで戦ったのだが、多勢に無勢、惑星は素早くAFFSの手に落ちたのである。

 惑星の陥落と、展開していた2個ハイランダー連隊が完全に破壊されたことで、ハイランダーズが自らに課していた追放は、本物の追放(亡命、流浪)となったのである。AFFSの兵士が惑星の住民を酷使しているというカペラが誇張した報告との組み合わせにより、残ったハイランダーズとダヴィオン家のほぼ200年に渡って続く対立の口火が切られた。加えて、これは何世紀も周知にはならなかったのだが、ブラックウォッチの秘密隊員は、ノースウィンドが陥落したときの作戦で殺されていた。スチュアートハイランダーズのブラックウォッチ隊員のひとりが、第2カーニーハイランダーズに移っていたという事実がなければ、ウォッチは存在を終えていたかもしれない。そのときから、ウォッチの生存を確実なものとするために、隊員たちは残った全4個連隊に広げられた。

 もはや故郷と結びつかなくなったハイランダーズは、第二次継承権戦争の残りと第三次継承権のあいだ、コムスターを通してノースウィンドの親戚たちと連絡を取り合った。リャオ家の指導者たちは、いつの日かノースウィンドを奪還する約束を時々したが、ついにその日は来なかった。



帰還 Homecoming

 第四次継承権戦争が始まるまでに、残ったハイランダー4個連隊の隊員の多くは、リャオによるいっこうに果たされない約束に完全な幻滅を感じていた。連隊はこれからどうするかについて激しい議論を行った。(カペラ)大連邦国に仕え続けるべきとした者がいた一方で、他の者たちは恒星連邦と極秘の交渉を始めるべきだと信じていた。

 第四次継承権戦争の開始は、論議を一時的に沈黙させた。圧倒的なAFFSに対し、ハイランダーズはニンポーとジョナサンで誇り高く立ち向かい、戦場での技量を再び実証した。しかしながらカペラ軍からの補給と支援は、遅れて届くようになり、まったく統制が取れてなかった。ハイランダーはこれまでよりも雇用者への怒りをかき立てることとなった。

 ハイランダーズの最長老フィオナ・チャッタン大佐は、ノースウィンドにいた長老を通して、3028年の11月にAFFSと接触を図った。ハンス・ダヴィオン国王はすぐに反応し、長老たちと秘密の会合を持つために、アーダン・ソーテック少将(彼が信頼しているアドバイザー)をノースウィンドに送り込んだ。長老たちは、戦場にいるハイランダー指揮官への通常の日報のなかに暗号化されたメッセージを隠していることを報告した。話し合いの結果が、ノースウィンド合意(3028年12月13日から効果が発揮される)である。ノースウィンド合意の下で、ノースウィンド・ハイランダーズの4個連隊はカペラ大連邦国への忠義を放棄し、ハンス・ダヴィオン国王と恒星連邦への忠誠を誓い、恒星連邦装甲軍に傭兵として加入することになった。その際に、独特の権利が認められた。そのうち最も重要なものは、連隊がスチュアート氏族のメンバーのみによって構成され、本拠地から遠く離れた地点に配置されないことが保証された点である。

 ハイスパイア、ニンポー、ジョナサン、エルジンで、ハイランダーズは静かに帰還の準備を始めた。ハイランダーズが家族と一族を連れてノースウィンド星系に出現すると、この世界で行われていた戦争はすぐに終わった。惑星にいたダヴィオンの守備隊はクリタ軍の攻撃に激しく押されていたのだが、ハイランダーズ4個連隊の到着によって、天秤はダヴィオン家のほうに劇的に傾いたのだ。

 戦闘が終わったとき、ノースウィンド市民は、散り散りになっていた家族が再統合したことに喜んだ。もっとも人々の心を動かした出来事は、フィオナ・チャッタン大佐とハイランダー連隊各指揮官が、連隊のクレイモア(スコットランドのブロードソード)を運び、ノースウィンド城のグランドホールに入ったことだ。彼らは巨大な壁に備え付けられたさやのところまで行き、第3カーニー、スチュアート・ハイランダーズのクレイモアを2本持った。指揮官たちがさやの前に立つと、チャッタン大佐は高らかに連隊の名を読み上げ、その指揮官は剣を納めていった。ハイランダーズはとうとう帰ってきたのだ。



中間期 Intervening Years

 第四次継承権戦争後と、次の数十年間、AFFSは独立の言葉を守り、ハイランダーズ連隊をノースウィンドから引き離すような命令を下さなかった。ノースウィンド合意によって彼らは幾分自由に行動していたが、惑星ノースウィンドの位置が恒星連邦――ライラ共和国と合併し巨大な連邦=共和国になろうとしていた――の気を引いた。地球回廊の中心深く、ライラ共和国と恒星連邦をつなぐ中心領域の要所に位置していたノースウィンドは、守備4個連隊に理想的だった。彼らは、ノースウィンドと回廊内の近隣惑星を、征服者から守ることができたのだ。これらの惑星がなかったら、連邦=共和国は存在が危うかっただろう。この区域にハイランダーズがいたことが、ダヴィオン家の目標達成に役だったのである。連邦=共和国がドラコ連合を攻撃して、ダヴィオン家長年の敵の膝を屈しようと望んでいた3039年戦争のあいだも、連隊はノースウィンドにとどまった。連合軍が脆弱な回廊に逆襲をかけたときなど、ハイランダーズがノースウィンドに残ったほうが共和国にとって有益だとAFFC(連邦=共和国正規軍)は判断したのである。

 3050年まで、ハイランダーズの平和な守備任務は、わずかな変化があっただけだった(第1カーニーハイランダーズが惑星イラーイに配備された)。氏族の侵攻初期でさえも、ハイランダーズの日々の作戦を変えることはなかった。AFFCは大量の兵員を氏族前線に移動させ始めたのだが、ハイランダーズはノースウィンドに残り続けた。最初に、この政策を批判する人々はこう考えた。30年の守備任務がハイランダーズを弱め、それが故に氏族と戦う任務を与えられないのだと。しかしながら、他の者たちはこう指摘した。氏族は連邦=共和国とドラコ連合双方の敵であるが、数世紀に渡る戦役と両継承国家が関わった残虐行為を、数ヶ月でぬぐいさることはできず、地球回廊は連邦=共和国の生存に取っていまだ死活的であると。他の部隊が新たな共通の敵に立ち向かっていたあいだ、ハイランダーズは、あり得る連合の強襲から、この重要な宇宙の一帯をまだ守り続ける必要があった。



難題 Trouble Brewing

 ツカイード停戦のあと、連邦=共和国は、氏族の国境線を守備する質の高い部隊が足りないことに気がついた。AFFCのほとんどのエリート部隊は、氏族と戦って破壊されていた。3053年までに、他の代案を見つけられなかったAFFC最高司令部は、最終的にノースウィンド・ハイランダーズに頼ることとなった。氏族国境線への配置は短期間――連邦=共和国が前線部隊を編成する時間を稼ぐまでの間――であると保証された、ハイランダー4個連隊のうち3個連隊が、彼らの故郷から遠く離れた地へ向かう命令を受けた。

 ハイランダーズはいまだエリート戦闘部隊だったのだが、30年にわたる平和な守備任務が、彼らの研ぎ澄まされた感覚を鈍らせていた。三年にわたって、氏族の先進技術と戦場での勇敢さについて、価値ある知識が蓄えられてきたのだが、氏族と中心領域の差が、ハイランダーズを不意打ちしたのである。氏族国境線での守備任務の初期、3個連隊のすべてが強烈な襲撃で、重大な損失を出した。スターリング機兵連隊は特に壊滅的な被害を受けた。3054年の中ごろまでに、氏族の襲撃は、部隊を1個大隊規模にまで減らしていた。

 しかしながら、典型的なハイランダーの我慢強さがこの試練の時に見られた。新人メック戦士がノースウィンド軍士官学校から継続的に殺到し、消耗した序列をすぐに埋め合わせ始めた。ハイランダーズは、他の部隊が氏族を撃破した戦術を学び始め、わずかな損害でさらなる襲撃を撃退することができた。

 3056年、ダヴィオン家はハイランダーズに、ぼろぼろになったグレイデス軍団の救援を命令した。彼らは惑星グレンガリーにて、スカイア反乱軍を鎮圧していた。小規模な掃討作戦であるべきものは、大規模な災害に代わった。ハイランダーズは反乱を抑えるのに成功したが、人員と装備が高価な代償となった。連邦=共和国は補充用のパーツと装備を申し出たが、価格は相場の三倍だった。ハイランダーズは自由世界同盟からもっと安いパーツを輸入することとなった。

 3057年までに、ハイランダーズ3個連隊は氏族国境に居続け、ダヴィオンによるノースウィンドへ「すぐ」戻すとの保証を、もはや信用してなかった。さらにAFFCの連絡士官は、ハイランダーズが望むと望まないにかかわらず、連邦=共和国装甲軍の一部であると説明するのに骨を折った。さらに悪いことに、連隊は、グレンガリーのあとで広範囲な修理のために、連邦=共和国が約束していた払い戻しを受け取っていなかった。これらの出来事は単独では連隊に問題を引き起こさなかったろうが、三つが一団でやってきたことで、ハイランダーズは雇用者のダヴィオンへの強い不満を抱いたのである。



悲願の独立 Independance At Last

 3057年の後半、自由世界同盟とカペラ大連邦国が、第四次継承権戦争で失われた世界を取り戻すため、連邦=共和国に対する戦争を開始した。その攻撃は両軍の途方もない夢を超えるほどに成功した。世界は次々と侵略者の手へ落ちていった。キャサリン・シュタイナー=ダヴィオン――連邦=共和国の統治者ヴィクター・シュタイナー=ダヴィオン国王の妹――は、ライラ(共和国の半分)を紛争から撤退させ、兄の王国から脱退し、ライラ同盟を結成した。この混沌(カオス)の時代、ウィリアム・マクロード(マクロード連隊指揮官)と活動中のノースウィンド・ハイランダーズ全連隊の上級大佐は、故郷へ戻るようノースウィンド兵に命令を出した。最近ダヴィオン家から受けた命令にうんざりしていたハイランダーズは、マクロードの命令を喜んで受け入れた。ダヴィオン連絡士官は、AFFC最高司令部からの陣地を維持せよとの直接命令を厚かましくも無視されて、激怒した。しかしながら、領事防衛軍(ノースウィンド合意に従って、ノースウィンドに駐留していた)のドリュー・カッテリ大佐は、この契約破棄を利用するために、第3王室親衛隊の指揮官とともに秘密裏に動いていた。彼の陰謀によって、ヴィクター国王は、ノースウィンドに唯一いたマクロード連隊を破壊するため、軌道上で待機していた第3親衛隊RCTを呼び出さざるを得なくなった

 このとき、リャオ家デスコマンドのローレン・ジェフレイ少佐がノースウィンドに到着した。ハイランダーズの子孫であったジェフレイは、カペラ首相サン=ツー・リャオの秘密作戦についていた。彼に与えられた目的は、連邦=共和国からハイランダーズを奪い、もしできるなら彼らを破壊することであった。マクロード大佐からの容認をすぐ受けたジェフレイは、ハイランダーズがノースウィンドで第3王宮親衛隊RCTと衝突したときに、ハイランダーズの側に立って戦うために戦場に現れた。

 しかしながら、前雇用者と戦うというハイランダーズの決断は、問題を起こした。マクロード連隊の大部分は、かつて忠誠を誓った王家に刃向かうことは、信頼への裏切りであると感じていた。マクロード連隊の残りが連邦=共和国軍と戦場でぶつかったとき、彼らはかつての仲間(ダヴィオン家に忠誠を誓い続けていた)とも面した。数で劣り、一度は戦友だった者たちに銃を向けるのをいやがったマクロード連隊の兵士たちは、自分たちが非常に押し込まれていることに気がついた。

 しかし彼らは、故郷ノースウィンドとスコットランドの祖先の伝統のために戦い、敗北を認めなかった。マクロード連隊は、どうにか戦いを引き延ばし、スターリング機兵連隊が援軍にやってくるまで持ちこたえ続けた。連合したハイランダー部隊は、連邦=共和国軍をなんとか撃破し、ノースウィンドから追い返した。ローレン・ジェフレイ少佐のサン=ツー・リャオに対する任務は完了した。それはジェフレイが新たな故郷を見つける過程でもあった。



新たな時代 A New Era

 いかなる権力からも独立したことを宣言したハイランダー連隊は、再建を始め、また新たな雇用主を捜し始めた。予想もしなかった展開で、ハイランダーズはドラコ連合との契約を結んだ。オミ・クリタ(連合大統領の娘で、一族の名誉の守護者)が、ノースウィンドに到着し、ハイランダーズに契約を申し出た。数百年前にDCMSが奪ったハイランダーの軍旗を携えてやってきた彼女は、平和の贈り物として、また敬意の現れとして、それをハイランダーに差し出した。相互不信の日々が終わる助けになるのを期待していた。

 契約によると、ハイランダー連隊はウェイサイドV(深辺境の世界)にまで赴き、スモークジャガー氏族の臨時守備星団隊(PGC)の手から惑星を奪取することになっていた。ウェイサイドVはスモークジャガー氏族の大規模な補給貯蔵庫で、ジャガー本拠地と中心領域のあいだを通る補給線の、最後の停留地点のひとつであった。スターリング機兵連隊は契約を受け、ただちに深辺境へ出発した。

 ウェイサイドVに辿り着いた際、ハイランダーズは惑星を防衛しているのが、予期していた小規模なPGCでなく、完全な前線氏族銀河隊であるのを発見した。そこが深辺境であったために、機兵連隊は援軍を要請することができなかった。使命を投げ出すのを嫌ったハイランダーズは、惑星に降下し、計画を練り始めた。ローレン・ジェフレイ少佐――アンドレア・スターリング大佐から指揮官の座を与えられていた――は、使命達成を約束する計画を策謀し、再び、自身の価値を証明した。

 この計画は、スモークジャガーの兵に化け、ノヴァキャットの選び抜いた目標を攻撃し、ノヴァキャットがウェイサイドVにあるスモークジャガー基地へ逆襲を仕掛けるよう刺激するというものであった。この作戦はうまくいき、ジェフレイと部下たちは、ノヴァキャットを追ってウェイサイドVに到着した。スモークジャガーとノヴァキャットは互いに攻撃を始めた。一方、打ちのめされ、追い払われた機兵連隊は傍観していた。

 任務を完全に達成した機兵連隊は、ノースウィンドへと戻っていった。同じ時、氏族の長老は、他のハイランダー連隊と5つ目の連隊を作ることで合意した。ノースウィンド軽機兵隊である。この部隊は対氏族戦術に特化する予定で、将来氏族と戦う際、ハイランダーズに有利さを与えるだろう。満場一致の投票によって、ローレン・ジェフレイ(今は中佐になっていた)が、新連隊の指揮官に選ばれた。ウェイサイドV戦役で回収された大量の氏族技術を使って、新連隊はほとんどすべてが氏族の技術を装備することとなった。残った氏族の資源は他の4個部隊に公平に分配された。ウェイサイドVで受けた損害を回復するため、機兵連隊には特に分配された。この先進技術の流入によって、ノースウィンドハイランダーズは、中心領域でもっともアップグレードされた傭兵部隊のひとつとなった。



新たな希望 A New Hope

 ヴィクター・シュタイナー=ダヴィオン国王が、3058年6月、ホイッティングで、ジェイドファルコン氏族にヘジラ(撤退)を申し出たとき、彼は中心領域の全王家と新たな合意を結べるし、結ぶべきだと認識した。妹のカトリーナがホイッティング会議の主催者であったのだが、それはヴィクターの展望――中心領域の脅威である氏族を殲滅するために彼らの本拠地に戦闘を仕掛け、この任務を成し遂げるために新たな星間連盟を結成する――だった。3058年の9月ターカッドにて政治、軍事指導者が集まることとなった。氏族に誤解しがたいメッセージを送るための計画を、軍のアドバイザーたちが作っていたあいだ、政治指導者たちは、新星間連盟の目的と範囲を討議して解決した。

 会議の終盤近くに、戦司教フォヒトがエクソダスロードを携え到着した。それは数百年前にケレンスキーが作り上げた道で、氏族の本拠地に通じていた。予期せぬ情報を得た軍部は、すぐにギアをシフトし、第二の強襲を計画した。そのうちのひとつはスモークジャガー氏族の本拠地ハントレスを狙っていた。3058年10月、中心領域王家の指導者たちが星間連盟憲章にサインしたとき、彼らは星間連盟の軍もまた再建した。スモークジャガー氏族の軍隊と政治的影響を完全に破壊する責務を負った新星間連盟防衛軍が、集結を始めた。



ブラックウォッチ再生 The Black Watch Reborn

 新たな星間連盟が結成され、新たな第一君主が選ばれたとの報を聞いたとき、ブラックウォッチの隊員は、最初、その重大な出来事が達成されたのを信じようとしなかった。しかしながら、この身震いするようなニュースが確認されるとすぐに、ウォッチは何をすべきかで分裂した。ある勢力は、中隊の歴史的な役割の通り、すぐ第一君主サン=ツー・リャオのところに護衛として馳せ参じるべきだと要求した。ふたつめの勢力は、現在のブラックウォッチの真価を判断する材料を第一君主は持ってないと主張した。ニール・キャンベル大尉(ブラックウォッチの現在のリーダー)は、新星間連盟のもとに姿を現し、任務を再開するよう要請する前に、自らの価値を実証すべきだと考えていた。

 キャンベルはすぐ、ブラックウォッチの隊員に彼の計画を受け入れるよう説得した。それは、マクロード連隊に加わり、氏族の本拠地を攻撃するサーペント機動部隊に加わるというものだった。ブラックウォッチはいま、スモークジャガーの世界ハントレスに向かう途上にある。彼らは氏族を倒し、第一君主の護衛としての価値を実証することが有望である。



未来へ To The Future

 歴史上――惑星が植民化された23世紀から現在にかけて――初めて、ノースウィンドは、独立した世界となった。加えて、ハイランダー連隊はより尊敬されたことがなく、より雇用される機会があった。マクロード連隊とロイヤルブラックウォッチ中隊はサーペント作戦――中心領域によるスモークジャガー本拠地ハントレスに対する秘密強襲作戦に加わり、またノースウィンド軽機兵隊とスターリング機兵連隊は星間連盟によるスモークジャガー占領域への強襲に参加した。ノースウィンドハイランダーズ全5個連隊の未来は輝かしいものに見える。来るべき戦いで生き残るのに必要な力を、伝説的なスコットランドのねばり強さが彼らに与えるか、時がたてばわかるだろう。








ノースウィンド・ハイランダーズ 3067 NORTHWIND HIGHLANDERS: A SCOTTISH LEGACY

 ノースウィンド・ハイランダーズは古代地球の17世紀前後にあらわれた第1スコットランド連隊に起源をさかのぼることが出来る。次の二世紀の軍備増強の間に、現在のノースウィンド・ハイランダーズの先駆者となる部隊が立ち上げられた。だが、20世紀の後半、地球の国家が軍備を縮小し始めると、スコットランド連隊の大半は退役、合併した。2086年の地球同盟創設までに、ロイヤル・ブラックウォッチとハイランダーズ(シーフォース、ゴードン、キャメロン)だけが残り、彼らはパレード部隊に過ぎなくなっていた。

 22世紀の中頃、スチュアート氏族は地球同盟と腐敗した政権から離れ、新たな人生を始める決断を下した。スチュアート氏族に同行したのは、スコットランド連隊最後の生き残りであった。

 2362年、ノースウィンドの氏族長老たちは最初の数個連隊を立ち上げた。第1カーニーハイランダーズである。第1連隊を作った志願兵たちの大半は、惑星に降り立った元の連隊の子孫であり、数世紀をさかのぼる血統と伝統を結びつけたのだった。その後の数世紀、ハイランダーズは名声を得て、ねばり強い名誉ある戦士であるとの評価を確立した。連隊が惑星外で活動する時間が増えるとともに、彼らと氏族の長老たちとの亀裂は大きくなりつつあった。最終的に、星間連盟が終わりにさしかかっていたころ、ハイランダーズは大連邦国の傭兵契約を受けた。

 継承権戦争の間、彼らの評判はさらに高まり、恐怖と敬意を同程度得たのだった。2841年、ダヴィオン家がノースウィンドを占領し、スチュアート・ハイランダーズと第3カーニー・ハイランダーズを殲滅した。この悲劇は弱い部隊なら壊滅打撃を受けたかもしれないが、ハイランダーズはいつの日かノースウィンドに帰還すると決意を固めただけだった。

 その日は第四次継承権戦争にやってきた。ハイランダーズはリャオ家から離れ、ダヴィオン家に戻り、亡命から帰還出来たのである。次の20年間、ケレンスキーの子らが帰還するまで、ハイランダーズはほんとど実戦に関わらなかった。ジェイドファルコン国境で、何度かの作戦を行ったハイランダーズ連隊はあやうく大打撃を受けるところだったが、氏族人たちにすべての中心領域部隊(特に傭兵隊)が簡単に片づけられるわけではないことを見せつけたのである。

 ハイランダーズの新章は3057年に開けた。リャオ、マーリック家が連邦共和国サーナ境界域への強襲を仕掛けると、マクロード上級大佐代理は雇用主から離れる運命的な決断を下し――野心家の高官たちが混沌とした状況を利用して自らの目的を追求したために亀裂が生じた――全ハイランダーズ連隊に帰還を命じた。第3王宮親衛隊はこれを止めようとして失敗した。

 誕生して初めて真に独立したハイランダーズ連隊は自分たちの道を進み始めた。特にウルフ竜機兵団の傭兵同盟軍に加入する最近の決断など、長老たちとの間でかなりの摩擦があったのだが。

 現在、全ハイランダー連隊はノースウィンドに引き返している最中である――ほとんど使われることのない契約条項が使われた――その理由は、氏族の長老たち4名が連続して事故死し、選挙のために連隊がいなければならなかったからである。

指揮と戦力
 何世紀にもわたって一部の一族が権力と影響力をふるってきたのだが――上手く隠されているが階級と血統の問題はいまだ現実的なものである――どのような血縁を持とうとも、ハイランダー連隊の指揮を保証されることはない。だが、大隊以上の部隊を指揮したいなら、スチュアート氏族と共に惑星に降り立ったハイランダー連隊隊員の家系でなければならない。かつては氏族の長老たち――最も重要な氏族の年長者たちで作られるノースウィンドの統治機関――が各連隊の指揮官を任命していたが、長年の亡命によりその特権は廃された。しかしながら、長老たちはいまだ指揮官を支持、更迭するためにかなりの圧力をかけることができる。

 ハイランダーズは現在、5個強化連隊と、1個独立指揮隊(第1カーニーに所属)を展開している。他の傭兵隊と違って、ハイランダーズは中隊レベルで完結しているのだが、メックが主力である。

 各連隊は、航空大隊を統合した指揮中隊を持ち、各大隊には1個指揮小隊がある。

支援
 ハイランダーズは戦闘と同じく、装備の品質をも誇っている。そのため、各連隊は超一流の技術チームによる100%以上の支援を持つ。

 各ハイランダー連隊は輸送船を部隊内に統合し、全旅団を輸送するに充分な降下船、航宙艦を持つ。





第1カーニーハイランダーズ FIRST KEARNY HIGHLANDERS: TRADITION’S WEIGHT

 2362年に創設された第1カーニーハイランダーズの歴史は、途切れることなく約700年にも及んでいる。そこからさらに古代地球のハイランダーたちが立ち上げた第1スコットランド連隊まで700年間さかのぼることができる。このような伝統と優秀さの歴史を持つ第1は中心領域がハイランダーズに期待するものの縮図である。

 彼らの最初の作戦行動のひとつは、惑星ロペスでの第2オリエント軽機兵隊を相手にしてのものだった。PPC搭載のマンティコアの予期せぬ登場で戦局は大きく傾き、第1は大打撃を受けた。その後、彼らは軽機兵隊の補給庫に勇敢な襲撃を仕掛け、全滅を逃れることができたのである。

 3008年、第1はニューアラゴンで著名なウルフ竜機兵団と戦った。彼らは第2カーニーと共にしぶとく戦い、竜機兵団のゼータ大隊に数少ない土を付けた――最終的にカペラの防衛隊はダヴィオンの断固たる強襲に耐えきれず、ニューアラゴンは陥落した。

 第四次継承権戦争で第1は(ドラコ)連合軍からノースウィンドを解放し、その後数十年にわたって比較的平和な時期が続いた。しかしながら、ツカイードの停戦後、第1とその他の2個ハイランダー連隊はジェイドファルコン国境に移動し、数年間襲撃を繰り返して損害を受けた。

 3054年、第1はモジョロードの惑星知事の命令を受け、傭兵部隊ドラゴンスレイヤーズが違法に保有していた氏族装備の没収を行った。普段の通りの真剣さで、第1は大規模な夜明けの強襲に着手し、完全にドラゴンスレイヤーズの不意を打った。どちらの部隊も、露骨な契約違反ごときで装備と人員を失うのは気が進まなかったので、ドラゴンスレイヤーズは速やかに降伏した。

 第1カーニー・ハイランダーズは黒字に白のロイヤルスチュアートタータンを使う。

竜機兵団評価値: A+


士官
 若いころから古代の軍事指導者たちに心を奪われてきたエドワード・セン大佐は、このような研究で得た知識を使ってハイランダーズをよくしようとしている。3039年戦争直前のクリタ家軍との交戦で、頑固な第1カーニーは損害にかかわらず後退するのを拒否し、敵のDCMS指揮官の敬意を勝ち取った。DCMSが惑星から脱すると、彼らの指揮官は「山のごとし」と名付けた敵と再戦することを誓った。どんな戦場でも膝を屈しなかった武田信玄(封建時代の日本の武将)の伝説にセンをなぞらえ、最大の賛辞を送ったのである。

戦術
 第1カーニーはどのような戦場でも勝利以外の結末を拒否する。この粘り強さによって彼らは何度も敗北を勝利に変えてきたのだが、たいてい装備と人員に高い犠牲を払ったのだった。

支援
 第1カーニー艦隊(ポール・ドーハン提督指揮)を構成するのは、モノリス級〈スピリット・オブ・エジンバラ〉、スターロード級〈クイーン・アン〉〈クイーン・メアリー〉、インベーダー級〈キング・オウン〉〈ジャコビー〉〈マニームスク〉、スカウト級〈アーガイル〉〈プリンセス・ルイーズ〉である。


連隊指揮中隊
中隊/エリート/熱狂的
副指揮官: ステル・コズィラ中佐
 全指揮中隊は氏族バトルメックで構成される。
 リディア・パターソン大尉に指揮される第1カーニー航空大隊は、全ハイランダー連隊で最精鋭のパイロットたちである。この部隊への配属は「誉れ高き任務」と考えられており、パターソン大尉の転属候補に入るためだけに10年以上の飛行経験が必要とされる。


第1カーニーハイランダーズ
強化連隊/エリート/熱狂的
指揮官: エドワード・セン大佐
クイーンズ・オウン: デビッド・リー・セン少佐
第78ハイランド: ティル・ハニー少佐
ゴードン: イブリン・マークス少佐
 ゴードン大隊の第3中隊だけが車両(全12両)で構成される。連隊の他部分は星間連盟技術で85パーセントのアップグレードがされている。


第1グルカ
大隊/エリート/信頼できる
指揮官: マイケル・マクファーソン中佐
第6中隊: チャールズ・フォード少佐
第7中隊: ロバート・シェイ大尉
第10中隊: ジュリー・スティルス大尉
 第1グルカはノースウィンド・ハイランダーズの特殊部隊である。現代の傭兵特殊部隊で最高の部類に入る――DESTとラビッドフォックスに匹敵する――グルカは慎重に運用され、上級連隊指揮官の裁可が必要とされる。部隊名は、古代地球のグルカ旅団の優れた戦闘能力に敬意を払い、現代の部隊に伝説を作り出すことを欲している。

 補給を待たされることのないグルカはバトルアーマーを導入している最中である。





第2カーニーハイランダーズ SECOND KEARNY HIGHLANDERS: HONOR BOUND

 第2連隊は姉妹連隊に匹敵する歴史と名声を持っている。2368年に作られた第2はロペスとベレンソンでマーリック家と戦い、2761年にはデメテル占領に参加したが、2762年、シェンの暴動に対処するためすぐに撤退した。この中でハイランダーの粘り強さを発揮した第2は、リャオ家との契約を破った傭兵団グラッドストン擲弾兵隊を追いつめ、殲滅するのに次の40年間を費やした。

 それ以来、第2は他の傭兵部隊に対して格別の反感を示している。2802年のクリタ傭兵に対するリンカーン防衛では、このダミアン・デストロイヤーズが再三の降伏を求めたにもかかわらず、第2は一切の情けをかけることを拒否したのである。現在、ハイランダーズが竜機兵団の傭兵同盟軍に関わっていることは、特に第2をいらだたせている――コクランの猛抗議があってもノースウィンドの参加を押しとどめることは出来ず、彼らは関与を拒否している。

 不幸にも、彼らの最も有名な戦闘は敗北に終わった……グレートリーの七面鳥撃ちである。2953年、イングリッド・リャオ首相は、ダヴィオンの世界リーの侵攻を命じた。彼女は敵大王家のアキレス腱を見つけたと信じていた――敵は地上部隊、特にメック部隊に信を置きすぎていたのである。リャオ首相は守る第5ダヴィオン重近衛隊の軽量級スパローホークが、第2カーニーの重量級イーグル、サンダーバードにはかなわないと考えていた。だが、防衛部隊の忍耐と勇敢さにより、リャオ首相の望んだ楽勝は遠いものとなった。数日に渡る戦闘の後、ダヴィオンの戦闘機は侵攻軍を空から追い払った。防衛隊が航空優勢を得ると、ハイランダーズの地上部隊は撤退するしかなかった。

 第2カーニー・ハイランダーズは、スチュアートタータンを使う。赤字に緑の太線と青の細線である。

竜機兵団評価値: A


士官
 ジェームズ・D・コクラン大佐は現在の地位に昇進するために戦った。第1大隊の隊員の多くは、前指揮官が面倒をみていたアンドレア・スターリング少佐(当時)を好んでいた。だが、スターリングは礼儀正しく部隊指揮を辞退し、コクランを支持した。彼は第2連隊に対する忠誠心を抱いていたが、時にそれを見せないことがあり、またちょっとした劣等感を抱いていた。それは、第2がブルドッグ作戦にもウェイサイドでの対スモークジャガー戦にも参加しなかったことで深まった。他の連隊指揮官は見て見ぬふりをしたが、長老たちは彼の解任を扇動し始めている。

戦術
 第2はその士官団、特に指揮官のジェームズ・コクランに身を捧げている。よって、指揮官が死んだ時でさえも、彼を戦場に残していくことはないだろう。

支援
 第2カーニー艦隊(ジャッリーン・フレデリック提督指揮)を構成するのは、スターロード級〈アレクサンドリア〉〈アブキールベイ〉、インベーダー級〈サルタン・オブ・マイソール〉〈コサ〉〈カトル・ブラ〉、マーチャント級〈タリバディ〉〈シーフォース〉〈エラクト〉、スカウト級〈ファジーフェルン〉〈ダルガイ〉である。


連隊指揮中隊
中隊/エリート/信頼できる
副指揮官: ジェレミア・ジョンソン中佐
 あたかも第1との違いを強調してるかのように、連隊指揮中隊は氏族メックを持たないが、使用機体のすべては中心領域オムニメックである。
 第2航空大隊(カーメラ・バーバラ大尉指揮)は、第1大隊を馬鹿にするかのようにすべて3050年前の機種で構成されている。だが、このことは彼らをほとんど縛っていない。


第2カーニーハイランダーズ
強化連隊/エリート/熱狂的
指揮官: ジェームズ・D・コクラン大佐
アンバクロンビー: エリア・スミス少佐
キャメロニアン: コニー・エヴァンス少佐
第100: ピーター・グリーン少佐
 第100大隊の第2中隊は車両のみで構成される。その他は90パーセントのアップグレード率で、アンバクロンビー大隊は数機の氏族メックを使用している。





マクロード連隊 MACLEOD’S REGIMENT: BAD BOYS





スターリング機兵連隊 STIRLING’S FUSILIERS: NEVER SECOND BEST





ノースウィンド軽機兵隊 NORTHWIND HUSSARS: CLAN’S BANE

 ノースウィンド軽機兵隊は氏族と戦い、撃破するという危急の目的のために作られた。それを念頭に置き、軽機兵隊は単に氏族人と戦うために訓練するのみならず、きわめて効果的なことで知られるデスコマンド(ジェフレイ大佐の出身部隊)の悪名高い心理的恐怖戦術を隊員にたたき込むために訓練した。この戦術は成功を収めたが、軽機兵隊をハイランダー連隊の「黒羊(はぐれ者、厄介者)」としたのである。

 軽機兵隊は、スターリング機兵連隊と共に、ブルドック作戦に参加した。ヴィレントフタの戦いは特に暴力的なものとなり、どちらの陣営も慈悲を与えず、また求めなかった。スモークジャガーは最後の戦士のひとりに及ぶまでが戦死した。比較して、ロックランドの世界では、ハイランダーズは形だけの抵抗を受けただけだった。スモークジャガーの戦士は、この世界から撤退しただけでなく、中心領域全体から退いていったのである。

 現在、星間連盟の雇用下でツカイードに駐屯している軽機兵隊の新第3大隊は、ウルフ氏族への数度の襲撃で重い損害を受け、ウルフスレイヤーズのニックネームを得ている。

 ノースウィンド軽機兵隊はローズハンティングタータンを使っている。青地に太い緑と細い赤である。ジェレミア・ローズが最初に反氏族部隊を作ろうと長老たちに持ちかけ、拒否され、傭兵部隊ブラックソーンを作るために離れていったことを知ったローレン・ジェフレイ大佐は、ローズ氏族にアプローチし、ハンティングタータンを使わせてもらえるように頼んだ。多くを驚かせたことに、ローズ氏族はそれを認めたのである。なぜジェフレイがこの珍しい手法を取ったのか、なぜローズ氏族が認めたかは不明である。

竜機兵団評価値: A-


士官
 第四次継承権戦争の最中に、ハイランダーズが大連邦国を離れダヴィオンの雇用につくと、ローレン・ジェフレイ大佐の祖父と一部の隊員は、リャオ家の信用を裏切るのに気がとがめて、リャオに残った。このような大連邦国への献身により、ジェフレイの父はデスコマンドに入隊し――ジェフレイも同じ道を進むことになったのである。ハイランダーズを連邦共和国から引き離し、滅ぼすチャンスを与えられたジェフレイはこれに飛びついた。だが、ハイランダーズを連邦共和国の雇用から分離させ、独立を助けるのには成功したのだが、最終的に、血統からの呼びかけを無視することはできず、彼はスターリング機兵連隊内でのポストを受けたのである。なぜ、首相がこれを許したのか、ジェフレイに対する報復を行わないのかは不明だ。彼がウェイサイドの作戦でスモークジャガー相手に見せた、鮮やかで型破りな行動は、氏族の長老たちに、ジェフレイが反氏族の新連隊を指揮するにふさわしい人材だと確信させた。だが、この動きは問題を引き起こしたのである……一部の連隊指揮官たちはまだ完全にジェフレイを信頼してはおらず、大佐たちと氏族の長老たちのあいだにさらなる摩擦を作り出している。

戦術
 軽機兵隊は氏族戦術に熟達し、それを彼らに対し使う。通常の中心領域の戦術で戦う完全な能力を持っている一方、彼らは必要なときにはゼルブリゲン(1対1)を使うのにも熟達している。

支援
 軽機兵隊艦隊(ジム・マクファーラン提督指揮)を構成するのは、スターロード級〈スコットランド・フォーエバー〉、インベーダー級〈レディ・オブ・ザ・レイク〉〈トラディション・アンド・オナー〉〈フライト・オブ・イカロス〉、マーチャント級〈ネクロモ〉〈ベラトリックス〉、スカウト級〈ディープハンター〉〈スター・オブ・デビッド〉〈プリンスズ・オウン〉〈ジュニパー〉である。


連隊指揮三連星隊
中隊/エリート/信頼できる
副指揮官: チャールズ・コリンズ中佐
 ブルドック作戦の後、コムスターの第472師団(インベーダー銀河隊)と幾度かの実弾演習を行ったジェフレイは、指揮中隊を1個三連星隊に再組織した。他のハイランダー連隊と違って、指揮三連星隊に氏族メックはないのだが、3個大隊の指揮小隊に配備している。このような再組織を全連隊に広げるかどうかを確認するため、ジェフレイ大佐は現在、三連星隊を評価している。
 サラ・ジョーンズ大尉に指揮される航空大隊は、現地改修型の機体と、連合が星間連盟に供給した新型のオムニ戦闘機を配備している。


ノースウィンド軽機兵隊
強化連隊/エリート/信頼できる
指揮官: ローレン・ジェフレイ大佐
ジェフレイズ・オウン: マイケル・オークリー少佐
ジャガーズ・ベイン: デボラ・マクヴェイン少佐
ウルフ・スレイヤーズ: エズラ・オークリー少佐
 戦闘機大隊を外部に置く軽機兵隊は、メックのみを配備する。10%が氏族技術でアップグレードされ、残りは星間連盟技術で完全にアップグレードされている。軽機兵隊は最近、1個軽大隊を追加した。この部隊の装備の大半は、星間連盟との新しい契約の一部として得たものである。




indexに戻る
inserted by FC2 system