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作成:2006/01/19
更新:2006/01/28

ヘルズホース氏族 Clan Hell's Horses



 歩兵を寵愛する氏族。3060年の大拒絶以降、中心領域に進出し、ダークエイジの時代には広い領土を有しています。
 classicbattletech.comより。





 エデンの劫火から、ジョン・フレッチャーはやってきた。彼は真の戦士にして、機械の指導者でなく、兵士たちの指導者であった。彼の英知は新たな氏族となり、メックの力にさえ挑戦したのである。
――リメンバランス(ヘルズホース氏族)第13章、1節、1行目


ヘルズホース氏族 Clan Hell's Horses

 キルケの砂漠に馬を順応させる試みは、危険な肉食獣を調教するやり方で行われた。スケジュールの最後で、可哀想に思った兵士たちが馬を逃がしてやり、以降、これらの動物はキルケで成長していった。そのねばり強さと純粋な攻撃性を評価されたヘルズホースは理想的な氏族のトーテムとなった。


ヘルズホース統計

政治派閥: 侵攻派
首都: ナイルズ
人口(氏族宙域): 9531万7000人(3060)
人口増加率: 2.1パーセント (71/50)
自給自足率: 93パーセント

指導者:
 氏族長: マラヴァイ・フレッチャー
 副氏族長: ターニャ・ドローレル
 ローアマスター:ヘレナ・フレッチャー
 科学長官:ムハンマド(ケプラー)
 商人代表:ソニア
 技術者長:アマンダ
 先任労働者:ヤン

軍事:
 星団隊: 37
 軍艦: 10

氏族宙域:
 ベアクロウ (30パーセント)
 エデン (31パーセント)
 ホアード (10パーセント)
 キリン (100パーセント)
 ナイルズ (100パーセント)
 ストラト・ドミンゴ (35パーセント)
 ティバー (50パーセント)
 トカーシャ (13パーセント)



「戦士は、戦闘マシーンでなく、ヘルズホースの大黒柱である。他氏族の者たちがバトルメックを究極の兵器と崇拝する一方で、ヘルズホース氏族は、この恐るべき技術の結晶でさえも道具であると見ている。我らはこの哲学を最初の氏族長のころから持ち続けてきた。彼は通常歩兵がバトルメックより遙かに価値があると知っていたのだ。これが他氏族よりバトルメックの少ない理由であり、我らの猛威と勇気が過小評価される原因である。我らはあらゆる挑戦者と戦って生き残り、相手を倒してきた。このような傲慢の愚かさを実証し、そして我らが創設者の英知を証明したのだ」
――ターニャ・ドローレル副氏族長、焼き印の儀式で戦士たちに、3059年


歴史 History

 SLDF第35歩兵師団の指揮官が創設したヘルズホース氏族は、当初から諸兵科連合作戦を信奉していた。この氏族は、エデン解放作戦で支援役を務め、他氏族員より名声を得られなかっただけでなく、比較的被害が少なかった。戦後の時代に、これがヘルズホースのアドバンテージとなった。

 何年にもわたって、この氏族は植民化、拡大、成長に焦点を合わせた。氏族宙域の国境線が拡大していた時期に、ヘルズホースは植民化の成功に不可欠な自由を増大させるという大きなリスクを取った。これは、氏族社会に普遍的な制限に対する表だった反乱を引き起こす可能性がある。このことから他氏族は探査と植民を厳密にコントロールした。だが、緻密な計画によるものか、幸運によるものか、ホースは大きな事件を起こさず済んだのである。

 政治に無関心な彼らは、目立たないままであり続け、資源か新技術のためだけに他氏族とやりあった。多くの場合、ヘルズホースは交渉を行った――最も有名なのは、ウルフ氏族とのエレメンタルスーツの取引だろう。これによって、今日まで2つの氏族は関係を築き上げたのだった。

 ヘルズホースと他氏族の関係に変化が訪れたのは、ホースがエレメンタルのフェノタイプを作る遺伝強化技術を開発したときのことだった。この革新で、他氏族はホースを再評価するしかなくなった。技術と遺伝子を巡る一連の神判が続いた。ファイアマンドリルのスマイス=ジュエル族による不誠実な強襲では、ペイン族が思いがけぬ陽動を務める一方で、スマイス=ジュエル軍が目標を奪取した。非氏族的な戦術に愛想を尽かしたホースは、マンドリルに対する破滅の神判を呼びかけたが、拒否された。直後、コヨーテ氏族と同盟を結び、2872年、罪深い親類族を攻撃した。この作戦行動は、他氏族からの尊敬をもたらし、氏族間協調の有効性を見せつけたのである。

 2921年、ゴーストベアに対するトカーシャ争奪戦は手に負えないところまで拡大した。この苦々しい戦闘には、異例に大規模な軍隊が関わった。両陣営が完全な1個銀河隊を投入したのである。ヘルズホースは戦闘を通じて優位を保っていた。その後、ベアの氏族長キルバーン・ヨルゲンソンが戦死して、ベアが逆上した。狂ったベアは、ホース部隊を殲滅し、退却に追い込んだ。以降、両氏族は確執を深めている――ホースはトカーシャの生産施設を失ったため、ベアは氏族長が死んだためだった。

 31世紀の前半、ホースは政治的中立から、明白な侵攻派に鞍替えした。中心領域侵攻軍に加わるための所有の神判に、熱意を持って参加したが、その地位を勝ち取るのに失敗した。この失敗で氏族内の多数が怒り狂い、ツカイード後、侵攻を再開する動議を支援している。

 ヘルズホース氏族はストラナメクティでの侵攻を守る大拒絶で戦い、自由ラサルハグ第3竜機兵団に容易く倒されたことに肝を冷やした。数ヶ月後、そのフラストレーションを、ゴーストベアからベアクロウの資産を奪うことと、トカーシャの旧領土を取り返すことにぶつけた。

 ヘルズホース氏族の未来は輝かしいものに見える。最近、ウルフ氏族から中心領域の世界3つを受け取ったのである。この実質的な占領域に植民できるかは不明なままである。


社会 Society

 ヘルズホースは誰もが居場所を持つべきだと考えている。各階級は互いに協力し、たいていが良い関係を楽しんでいる。戦士階級が支配しているが、市民階級の意見に耳を傾ける。だが、比較的、積極性に欠けていたことと、政治活動への不参加が、最近の所有の神判でゴーストベアの資産を得るまで、評価を低いままにしていたのである。しかしながら、得たものがあったにも関わらず、ヘルズホースは指導者というより明らかに追随者であった。多くの問題において、彼らはまだ「兄弟」であるウルフ氏族に従う。またフレッチャー氏族長が精神的に不安定であるとの噂は、彼らの主張を助けない。

 ヘルズホースは、不名誉と考える陣営からボンズマンを取らない。盗賊やファイアマンドリル氏族(ペイン族除く)などである。継続中のゴーストベア氏族との確執が原因で、ベアのボンズマンを取らないということはない。人間トロフィーと見なしているのである。このような囚人の多くは屈辱を受け、虐待されるが、スモークジャガーの囚人虐待ほどではない。ゴーストベアは報復を始めており、従って、両者が衝突する場合、慈悲は望めない。

 技術のもたらす利益を尊重すると同時に、ホースはそれを最終手段であると見なしている。特に、戦士たちが負傷して引退するしかないときなど、新技術は有益である。マラヴァイ・フレッチャーはサイバネティクスの強固な支持者である。不安定な氏族長の身体の半分がサイバネティックパーツに変わっているとの話を信じるのなら、これは不思議ではないだろう。

 政治的にヘルズホースはややおかしい。この氏族は守護派ということになっているが、他の侵攻派氏族との摩擦を避けるために、フレッチャー族長はすべての上級職に侵攻派がつくのを保証している。一般にホースは中心領域のことを、貸しを返すべき失われた大儀と見ている。征服、支配すべき領土としてではない。

 独特な儀式に見られるように、名誉と伝統がこの氏族を結びつける。もっとも有名なのは焼き印の儀式である。戦士たちはチームを組んで、キルケのヘルズホースを狩り出し、捕らえて、焼き印を押す。このときチームメンバーをひとりも失わなかった者たちは、権威あるマーク・オブ・ザ・ホースを与えられる。


軍事 Military

 ヘルズホースは歩兵と車両を寵愛しており、メック、戦闘機を支援戦力としている点で、通常の氏族ドクトリンとは反対である。この戦闘哲学はしばしば柔軟性を制限し、最終的に、大拒絶での零落の原因となった。だが、これらの欠点はさておき、ホースは通常軍への集中を、ほとんど不利にしていないように見える。理由の一つは氏族軍の規模である。本拠氏族にしては異例に大きいのだ。ホースは失敗した戦士に二度目の所有の神判を許すことによって、歴史上、軍隊を強化してきた。ある戦士が補助階級の資格を得られなければ、下位の補助階級につくための二度目の神判を試みてもいい。たとえば、メック戦士は車両乗員に、エレメンタルは一般歩兵に、気圏航空パイロットは艦船員にといった具合である。

 ホースはまたいくつかの階級を作り出した(他氏族は同じ階級の中でも、上級、下級の扱いとしている)。ノヴァコマンダーは、2個星隊、1個新星隊、1個二連星隊の指揮官を意味し、スターコマンダーとスターキャプテンの中間にあたる。ノヴァキャプテンは、4個星隊、2個新星隊、2個二連星隊の指揮官を意味し、スターキャプテンとスターコーネルの中間にあたる。


仲間と敵 Allies and Enemies

 トカーシャの戦い以降、ヘルズホースはゴーストベアを憎んでいる。ベアはこの憎しみを充分に返した。ホースは彼らが中心領域に移住すると聞いて怒り狂った。ベアほどではないが、ホースはファイアマンドリルを嫌っている。といっても、スマイス=ジュエル族の滅亡で遺恨はせき止められ、従ってそれほど重要でなくなっている。ファイアマンドリルで唯一名誉あるペイン族は、いやいや尊敬している。

 ウルフ氏族の分裂は、彼らを伝統的な同盟者と考えていたホースを困惑させた。守護派寄りの士官たちは新生侵攻派ウルフとの関係を助けようとしなかったが、この2氏族は政治的違いがあったにもかかわらず、最近、共同でホアードに軍事作戦を行った。加えて、ヘルズホースは中心領域の世界3個に対するウルフの反応を待っているところだ。正式に同盟は結んでいないのだが、ホースはコヨーテ、スティールヴァイパー、スノウレイヴン、ジェイドファルコンに敬意を払っている。幾年にもわたって、称賛すべき特質と能力を示してきたと信じている。


保有領土 Possessions

世界:8(氏族宙域8、共有6、独占2)

 ホース軍はここ数ヶ月で良い戦果を見せた。ジェイドファルコン、アイスヘリオンと戦い、2921年にゴーストベア相手に失った資産いくらかを取り戻した。また、ベアの首都ベアクロウの一部をなんとか奪取し、同世界にあったノヴァキャットの飛び地領土を得た。彼らはスノウレイヴンとの大規模な戦いに備えていた(ベアが世界の大部分を彼らに与えていた)のだが、両者は最小限の戦いを行うことで妥協した。キリンでは、スモークジャガーの弱点を突いて、この植民世界を独占し、半世紀前の地位を回復した。

 ウルフとの契約下で働いた第12機械化星団隊は、元ノヴァキャットの世界ホアードを攻撃した。そもそもはウルフの中心領域再侵攻を助ける予定だったこの部隊は、ウルフのため惑星に足場を築いた。しかしながら、ヴラッド・ワード氏族長は戦役で得たものの半数をホースに与えねばならなかった。両氏族は現在惑星の約10%を支配しており、戦いはまだ続いている。また、中心領域の元ウルフ世界、エンガディン、スタンザッハ、フォアアールベルグを現在保有している。




人物 Personalities

マラヴァイ・フレッチャー Malavai Fletcher
氏族長、ヘルズホース氏族

 目立って背が高く、黒目で、頭皮にあざのあるマラヴァイ・フレッチャーは、バトルアーマーの中にいるときも外にいるときも、仲間に恐怖と畏怖を与える。ナイルズでゴーストベアに殺されかけたマラヴァイは、全身に凄まじい傷を負った。右腕、右脚、頭蓋骨の40パーセントは、金属とマイアマーに交換されており、エイリアンのような恐ろしい風貌である。マラヴァイは、この不吉な外見にふさわしく、部下をしばしば怒鳴り散らす。彼には感情を抑えるべきときがわかっているが、これまでの負傷と63歳の年齢が彼の精神を不安定にしているのでないかと言う者もいる。ライアー・セイドマンが死んで以来(マラヴァイも同じ戦いで大けがを負った)、12年間、ヘルズホースを率いている。熱烈な侵攻派の一人であるマラヴァイは、自身の影響力を行使し、穏健な守護派だったヘルズホースを、自分の哲学に沿うよう動かした。マラヴァイは力強く、短気で、自分の考えが正しいと完全に信じている。長年の敵であるゴーストベアが侵攻軍になったことに怒りを感じている。この強力な氏族を声高に非難しない、唯一の理由は、もっと重要な問題、氏族を成長させ続けることと、新たな侵攻に加わることがあるからだ。そのため、本拠残留氏族が侵攻に参加するという、アサ・タニー族長(アイクヘリオン)の提案を真っ先に支持した。タニーの計画が破滅的であったと気づいたとき、彼は収穫の神判での無意味な損失を回避しようと動き、ウルフ氏族とのユニークな同盟を結んだ。この計画で完全な1個星団隊を、フレッチャーへの忠誠を保ったまま、ウルフ氏族に加えることとなった。


ターニャ・ドローレル Tanya DeLaurel
副氏族長、ヘルズホース氏族

 驚くべき戦術眼を持つが故にフレッチャー氏族長から個人的に選ばれたターニャ・ドローレル副氏族長は、元アルファ銀河隊指揮官であった。メック戦士にしては背が高く、黒いロングヘアで、突き刺すようなグレイの瞳のターニャは、ナイルズ防衛戦で航空優勢の下、戦果をあげた。常に冷静な彼女は、深刻なかんしゃく持ちのマラヴァイの安全弁となっており、少なくともウルフとの取引の一部に責を負っている。彼女の政治的見解は明らかにされていない。侵攻派寄りであるが、立場を明言していない。熱心な侵攻派を副氏族長の地位につけず、彼女を選んだことで、フレッチャー氏族長はあらゆる意見を受け付けるという知性を見せたのである。


ジェームス・コブ James Cobb
スターコーネル、ヘルズホース氏族

 アルファ銀河隊、第11機械化機兵隊(ブラックホース星団隊)指揮官、スターコーネル・コブは40年以上の立派な戦績を持つエレメンタルである。ブロンドの髪、アイスブルーの瞳、非の打ち所のない筋肉質な体つきは、古代地球のアーリア人戦士の理想型である。彼は、ヘルズホース最高部隊指揮官の座を、完全に実力と決断力(真の戦士の証)を持ってして手に入れた。マーク・オブ・ザ・ホースを勝ち取った者として、ジェームズ・コブは仲間から無類の尊敬を受けたが、ヘルズホースの兵士に求められる謙遜を抱き続けている。スターコーネルは守護派的視点を隠しているのが知られているが、氏族内の多くの者はいつか彼が氏族長としてホースを率いると信じている。







3067年アップデート

To: ターニャ・ドローレル, 副氏族長
From: ラモン・アミロ, スターコーネル
Re: ヘルズホース氏族作戦準備報告書

準氏族長へ

 指示通り、ジェームズ・コブがホースの陣頭指揮をとるようになってから2年分の、我が氏族と我が軍に関する簡潔な報告をまとめました。マラヴァイ・フレッチャーの狂気によって被った損害を回復する作業が進んでいることに、あなたは満足なさると信じております――といっても、あなたのおっしゃる通り、我らが群れはさらに進んでいくべきなのですが。ゴーストベア氏族との確執を終えるというコブ氏族長の宣言は、戦士たちの歓心を買っておりませんが(特に中心領域で屈辱的敗北を被ってからは)、上手くいくとは限らない彼の見解を私は信じています。それが正しいか知るために、トカーシャ・メックワークスにある私の部屋の窓と、頭上にたなびく旗を見張っていくつもりです。

いつもあなたとともに

――スターコーネル・ラモン・アミロ
ヘルズホース・ウォッチ、トカーシャ領、3067年9月1日


概要 OVERVIEW

 創設されて以来、そして黄金世紀を通してさえも、我らがホースは他者より弱い支援氏族に過ぎないと見られていた。それはただ、我らが軍事力を、彼らが使ってる道具よりも、歩兵に集中させていることを理由としている。我らは目立つことがなかったので、通常歩兵が現実的に他の兵器より有用で、我らの生殖手順が正しいとわかり、我らが生きる道の英知が判明するまでは、我らにほとんど注意は払われなかった。この違いによって、我らは最終的にウルフのエレメンタルバトルアーマーを勝ち取り、また卑怯な行為によって我らから力を奪おうとしたスマイス=ジュエル族(ファイアマンドリル氏族)のローアマスターに死をもたらしたのだった。

 嫉妬とよくある国境の問題が、我らをゴーストベアとの紛争に引き込み、つい最近起きた狂った氏族長による災厄的な戦争へのコースが取られたのである。ベアが最も敬愛した氏族長キルバーン・ヨルゲンソンが死んだことと、我らがトカーシャ(最も価値ある所有物だった)を失ったことで、我らが最終的に代償を支払うことになる不和が始まった。マラヴァイ・フレッチャーの台頭で、我らはほとんど壊滅しそうになった。

 所有戦争で、我らには拡大の余地が与えられた。だが、手軽に得るものがあったなかで、我らは、偉大なる父と氏族の創設者が作った最も神聖な原則……どんなに犠牲を払っても民間人の生命を守るというものに反してしまった。さらに、狂った氏族長自ら率いたゴーストベア世界プレドリッツ強襲では、後ろ暗い戦術を使った証拠がある。これには、スパイの使用や、人口密集地帯の意図的な破壊を含んでいる。我らがここ数年行った作戦行動のいくつかは……とくにゴーストベア戦争とホアード強襲は、ウルフ氏族長ヴラッド・ワードと彼の手の者によるものかもしれないが、そう簡単に責任転嫁はできない。マラヴァイの行動で、我らは領土と他氏族からの名声を得たが、我らの名誉はバーゲンのなかで引き裂かれた。下層の者たちまで真実に気づき、嘆き始めている。

 最近、コブ氏族長によって行われた、いくらかの名誉を挽回する努力によって(とくに、最悪の犯罪者たちを追放するかもしれない調査と、トカーシャでの勝利によって)、我らの市民に対する名誉の感覚が回復するのが助けられた。だが、再び名誉を獲得するまで長い道が我らの氏族に立ちはだかっていることを私は心配している。



ヘルズホース氏族軍 HELL'S HORSES TOUMAN

 マラヴァイ氏族長が死に、ゴリアテスコーピオンにトカーシャで勝利して以来、ベアとホースの歴史的な対立は一巡している。我らは各々影響力を持った氏族長を失い、またトカーシャでの中断された開発のシンボルが復活した。だが、ひとつの不和が終わり、ここ数年の災厄を誰が進めていたかが明白になると、我らの怒りは新たな目標に向いた。

 侵攻派とゴーストベアを嫌う者たちが、我らが氏族の上層部を占めているが、群れ全体は徐々に守護派への道に戻りつつある。所有戦闘とゴーストベア戦争での不名誉な行動の結果、我ら全員が恥を感じているなかで、我らは思いがけない味方を得た。元ノヴァキャット領、スモークジャガー領、ゴーストベア領を獲得する際に市民の生命を奪った犯罪者たちの大部分が侵攻派キャンプの出身であることは驚くに当たらない。あなたとコブ氏族長によって始められた調査で、侵攻派の多くが氏族の指導層から追放されることが約束されている。我らが守護派の戦士たちがこれを問題にすることはないだろう。

 話は変わって、最近の戦いで打撃を受けた我が軍は、その力を取り戻しつつある。もう一度、あなたと氏族長の指導のもとで、我らは完全な1個銀河隊を編成した(その一方で1個を解散した)。再奪取したトカーシャメックワークスから溢れてくる新装備は、長らく停滞していた氏族全体が新たな力を手に入れ始めたシンボルとなっている。


海軍戦力 Naval Assets

 ヘルズホース氏族は以下の戦艦を保有している。キャメロン級〈スレイプニール〉、キャラック級〈ゴールデン・クライスデール〉、コングレス級〈ブケファロス〉、ボルガ級〈マウント・オリンパス〉、ローラIII級〈ブラックナイト〉〈レッドナイト〉〈ゴールドナイト〉、ポチョムキン級〈スティール・シールド〉〈アルマゲドン〉〈ブラッドホース〉。


ヘルズ親衛隊 Hell's Keshik

 エレメンタル重アルファ親衛隊(プレドリッツ侵攻でマラヴァイ氏族長に同行した)は、現在、再組織途上で半分の戦力しかない。損失の大半は歩兵隊が被ったものである。この3個三連星隊からなる星団隊を補充するだけの単純な問題なのだが、コブ氏族長は最高の兵士だけを選びたいがために、手を止めている状態である。

 オメガ親衛隊は、比べると、あなた(ドローレル副氏族長)の指揮下で完全な戦力を保っている。トカーシャ飛び地の再獲得の際に最小限の損害を受けただけである。


アルファ銀河隊 Alpha Galaxy (Stampede of Steel)

 おそらくスターコーネル・コブ(当時)の権力基盤を不在中に奪い取ることを望んで、マラヴァイ氏族長はアルファ銀河隊の第21、第22機械化強襲星団隊を中心領域に連れて行き、守護派の第11、第12機械化機兵隊、第30機械化打撃星団隊を残していった。しかしながら、第12隊はウルフとの契約下でホアードの戦いに加わった。この作戦で打撃を受け、数名の士官が調査中であるこの部隊は、正規の5個三連星隊から2個三連星隊が欠けている。コブが指揮していた第11機械化機兵隊は、内部で起きた侵攻派と守護派の神判のせいで1個三連星隊が足りない。


ベータ銀河隊 Beta Galaxy (The Apocalypse)

 2872年のスマイス=ジュエル族殲滅で名高いこの銀河隊は、3065年、トカーシャメックワークスを狙った強襲に参加し、新たな名誉の証を手にした。戦闘中に損傷を負った、ベータの両機械化強襲星団隊と第77機械化機兵隊は、戦力の1/3を失った。損害を埋めるため、全3個星団隊は、トカーシャの再生された施設で生産された最初のオムニメックを受け取りそうである。


ガンマ銀河隊 Gamma Galaxy (The Bloodriders)

 ガンマは、フレッチャー氏族長時代、ヴラッド・ワード氏族長のウルフと短期的な同盟をしていた際に、中心領域の占領軍を務めていた。フレッチャーによるゴーストベアドミニオン侵攻の急先鋒となったガンマは、ゴイト、ケンプテン奪取で、初期の成功を収めたが、戻ってきたゴーストベア軍が兵士たちを叩きつぶし、引き裂かれた残存兵力を押し出した。氏族長昇進に際して、コブはガンマを解散して、アルファ、ベータ銀河隊の損害を埋め、残った兵士たちを新カッパ銀河隊の中核とした。


デルタ銀河隊 Delta Galaxy (The Lightning Riders)

 消滅したスモークジャガー氏族からキリンの残りを確保したあと、デルタ銀河隊はジャガーの主星ハントレスにてプロトメック技術を勝ち取る上で重要な役割を果たした。所有戦争でわずかな損害を負ったデルタは完全な戦力にある。


イプシロン銀河隊 Epsilon Galaxy (The Stonewall Brigade)

 このホース最高の防衛銀河隊は、トカーシャ、キリンなど最近増えた領土の保持を支援するため、薄く引き延ばされている。近隣氏族とのくり返される神判で腕が磨かれ、戦闘での適度な損害だけが報告されている。


ゼータ銀河隊 Zeta Galaxy (Heaven's Wrath)

 ホースのモバイル・ハンターであるゼータ銀河隊は、所有戦争中に即応部隊となり、ホース領を取ろうとするいかなる他氏族とも戦った。ナイルズ、トカーシャ、キリン、ストラト・ドミンゴ、ホアードで多くの作戦に関わったにもかかわらず、ゼータはほとんど損害を被らなかった。


イータ銀河隊 Eta Galaxy (The Shadow Riders)

 ヘルズホースで二番目にひどい規律問題は、近隣氏族との多数の小神判でいくらか見逃された。フレッチャー氏族長と侵攻派の権力がついえたことで、この熱心な守護派銀河隊の信頼性はまた増したように見える。


シータ銀河隊 Theta Galaxy (Hell's Stormtroopers)

 この訓練銀河隊は、新たな兵士たちを任務に送り出すべく、4個三連星隊からなる4番目の星団隊を増設した。ジェイドファルコンを手本としたこれら「子馬」の多くは、氏族のシブコを出たばかりで、実戦で最初の撃墜を記録したら完全な戦士のステータスを得るだろう。


イオタ銀河隊 Iota Galaxy (The Ninth Ring of Hell)

 装備と士気が劣るイオタは、この数年を海賊狩りや、重要な作戦中に銀河隊の支援を臨時に務めたが、栄誉を受けることはなかった。イオタの戦士たちの姿勢は、コブ氏族長が就任してさえもほとんど変わってない。


カッパ銀河隊 Kappa Galaxy (Scarlet Mustangs)

 ホース軍に新設された、臨時にカッパ銀河隊と名付けられたこの部隊は、エリート戦士から利益を得ると同時に、氏族に新たな血を吹き込むだろう新たな前線部隊を作り出す、コブ氏族長の努力のひとつである。ギャラクシーコマンダー・レベッカ・ラセネラに率いられ、戦力が不完全な3個星団隊のカッパは、まだ戦闘で結果を残していない。




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