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作成:2010/04/23
更新:2010/04/26

ハンプトン・ヘッセン Hampton's Hessens



 ハンプトン・ヘッセンはカペラ所属の傭兵団であると同時に、惑星ニューヘッセンの退役市民軍的な存在です。さほど有名な部隊ではありませんが、全3個連隊とマッカロン装甲機兵団に継ぐ規模を誇っています。
 カペラと恒星連邦の国境に位置する惑星ニューヘッセンは、第四次継承権戦争で恒星連邦領となり、その後、ゲレイロ作戦、聖戦、スフィア共和国成立があっても、支配者が変わることはありませんでした。聖戦後はちょうどスフィア共和国と恒星連邦の国境線上の世界となっています。
 人口20億人超のこの惑星は、伝統的に軍の訓練センター、新兵募集の場であるそうです。




ハンプトン・ヘッセン 3067

 ハンプトン・ヘッセン、またの名を「ザ・ヘッセンズ」はニューヘッセン(かつて「カペラのソラリス」と呼ばれていた)生まれの現役・退役軍人のための社交組織として始まった。時が経るに従い、彼らはこの星系にもっと活発な市民軍が必要だと考え、第1ニューヘッセン・イレギュラーズを立ち上げた。多数の有名な(そして裕福な)軍事一族が、故郷で作られた市民軍を支援したいと熱望したために、イレギュラーズは個人の寄付、半引退した古参兵たちによって拡大し、ついには3個メック連隊の守備隊にまで膨らんだのである。故郷から遠く離れることなくカペラ大連邦国に仕えていたハンプトンヘッセンは勤勉に国を守った……第四次継承権戦争までは。この時、(恒星連邦軍の)ニューアイバーセン追撃隊がヘッセン2個連隊を殲滅し、長年にわたるヘッセンのリーダー、ピーターソン・ハンプトン大佐を殺したのである。

 ニューヘッセンが恒星連邦の統治下に入り、偏執狂のロマーノ・リャオが(故意でも、無能によるものでも)恒星連邦に協力していたと疑った者たちを粛正していったのに伴い、生き残ったヘッセンの指揮官カート・フェスターリングはもうリャオ家に義理立てする必要はないと決断した。短い交渉の後、AFFSは生き残ったヘッセンを傭兵隊として雇用した。長期契約によって故郷を守備するという条件付きである。従って、ニューヘッセン装甲偵察連隊は20年にわたりニューヘッセンと周辺の星系を守った。その後、氏族が侵攻を始めたとの最初の報告が届く数ヶ月に、彼らの契約は期限切れとなった。全滅必至の契約を拒否したニューヘッセン装甲偵察隊は、地元政府との雇用下に入って、経済的な駐屯軍を提供した。古き貴族たちから多額の寄付を受けたヘッセンは戦力を3個大隊から5個大隊にまで拡大した。部隊は3062年までニューヘッセンで平和な時を過ごした。

 勃発した連邦共和国内戦に故郷を巻き込みたくなかったフェスターリング将軍は、ニューヘッセンがどちらにとっても魅力的な目標でなくなることを狙って、部隊をガラテアに移した。また彼はヘッセンを3個連隊に再建し、それが完了したら仕事を受けると発表した。疲弊してない3個連隊を多くの勢力が求め、ヘッセンズを誘うために多量の包括的援助――弾薬、低価格でのメック購入、先進技術含む――をフェスターリング将軍に対し送った。これらの「寄付」により、第2ニューヘッセン・イレギュラーズが完全な戦力に達し、フェスターリングの目標を達成した。彼の言葉通り、傭兵指揮官は全勢力からの契約条件を比較し始めた。


指揮
 カート・フェスターリングはニューヘッセン防衛戦でピーターソン・ハンプトンが戦死して以来、ハンプトン・ヘッセンの管理を任されている。フェスターリング将軍は1個メック連隊を指揮しているだけなのだが、ニューヘッセンの防衛部隊を監督することでその階級を正当化している。装甲偵察隊の指揮はフィリッペ・アシュー大佐に任せている。姉妹連隊が現役復帰したのに伴い、フェスターリング将軍は第1ニューヘッセン・イレギュラーズの指揮を執った。


戦力
 政府との契約によりニューヘッセンの防衛を続けていた間、部隊は再建を行い、5個大隊のうち半分を新部隊とすることで、3054年、姉妹連隊を現役復帰させた。10年にわたり幅広い投資家――カペラ大連邦国、恒星連邦、ワード・オブ・ブレイクなど――から資金を集めたおかげで、3個連隊はついに完全な戦力に達した。もっとも、支援隊はほとんど存在していない。


支援
 急激に成長したハンプトン・ヘッセンは、必要な整備の70パーセントに見合う技術支援を得ている。だが、彼らの輸送力は大幅に不足しており、一度に約40パーセントの輸送が可能なのみである。




ニューヘッセン装甲偵察隊 NEW HESSEN ARMORED SCOUTS

 3054年の終わりまで、ニューヘッセン装甲偵察隊はハンプトン・ヘッセン最後の残存戦力で、分割されることなく任務についていた。こうなった理由が、単に第四次継承権戦争に参加しなかったことであったから、部隊の士気はその後数年間悪化することになった。

 それにも関わらず、偵察隊は、連邦共和国の契約が期限切れとなるまでの20年間、故郷の惑星と周辺の星系を、海賊、大連邦国によるたまの襲撃から守った。当時、無敵であった氏族と戦うのを拒否したヘッセンは故郷を守り続けた。だが、比較的安全な地域にいたことにより、部隊の経験評価は、技能の衰えと長期の隊員交代により、落ち始めた。それでも、多数の有名なニューヘッセン軍人一族とのつながりのおかげで、偵察隊には氏族前線から経験豊富なメック戦士が殺到した。その多くは、かつて祖父が所属していた著名な部隊に加わりたがったのである。連隊は5個大隊にまで膨らみ、3054年、フェスターリング将軍は部隊を2個連隊に分けることを決めた。

 ゲレイロ作戦の余波と、共和国のライラ側の離脱によって、新たな経験ある兵士の流入が発生し、アシュー大佐は装甲偵察隊を最大戦力に復帰させることができ、一方で、フェスターリングは第1イレギュラーズに注視した。現在、部隊はガラテアにおり、フェスターリングが契約を選ぶのを待っている。各組織からの支援に感謝しているのだが、部隊は作戦行動していないことをじれったく思うようになっている。

竜機兵団評価値: C

士官
 フィリッペ・アシュー大佐は3030年以来、見事に装甲偵察隊を率いており、この数ヶ月は引退する機会をうかがっている。フェスターリング将軍を憂慮させているのは、アシュー大佐がまだ有望な後継者を育てていないということである。

 カレン・ディロン少佐は偵察隊の士官たちの中では比較的若い方である。32歳のディロンはほとんどが50代の集団に混ざっており、しばしば場違いであると感じている。

戦術
 他の部隊が偵察小隊を重要と思われる地点の斥候に使うところ、ニューヘッセン装甲偵察隊は最初の機動中に全1個中隊を使って、敵と遭遇した時に数的、火力的優勢を保てるようにする。この中隊はよく分散し、複数の方向から敵を悩ませることがある。

ニューヘッセン装甲偵察隊
連隊/エリート/信頼できる
指揮官/第1大隊:フィリッペ・アシュー大佐
副指揮官/第2大隊:ジョン・ジェイムソン少佐
第3大隊:カレン・ディロン少佐
 装甲偵察隊は全員が古びたメックと共に退役した老兵、古参兵で構成される。これにより、部隊はエリートと評価されるのみならず、1/3が改良技術を搭載している。その大半が中軽量メックで、高速重量機に支援される。

ニューヘッセン・スターバッカニア
2個航空大隊/エリート/信頼できる
指揮官:メリッサ・ブルーダー大佐
副指揮官:ロブ・ジプクリート少佐
 数を増やす代わりに、スターバッカニアは技術の質的向上に集中した。2個大隊は完全にアップグレードされ、3番目の大隊の追加を目指している。




第1ヘッセン・イレギュラーズ FIRST NEW HESSEN IRREGULARS

 3054年後半に現役復帰した第1イレギュラーズは、ニューヘッセンのよい時代が戻るはじまりとして賞賛された。連邦共和国内戦からこの世界を守るために、すぐさま出ていく必要があったにもかかわらず、惑星の民衆たちのほとんどは連隊の再生を喜んだのである。

 装甲偵察隊と同じく、第1イレギュラーズは氏族前線、内戦の両方から戻ってきた多数の人員によって利益を得た。その大半が人材不足の装甲偵察隊に回った一方で、第1イレギュラーズの隊列を埋めた者たちも多かった。これにより、この比較的新しい部隊は、平均以上の経験評価を得ることとなり、将来の雇用主向けに傭兵旅団全体の評価を上げたのである。

 第1イレギュラーズが最大戦力に達すると、フェスターリング将軍は三番目の連隊が完成したら雇用されることになるだろうと発表した。殺到した援助の大半は三番目の連隊に投資されたが、かなりの部分が第1連隊に割かれた。これは部隊の士気をあげた。第1イレギュラーズは部隊全体での戦闘経験を欠いているのだが、どのような挑戦にでも望むことができるという自信を持っており、またガラテアの演習場での多数の演習によりこれは証明されている。

竜機兵団評価値: C

戦術
 第1ヘッセン・イレギュラーズは予測の付かない行動で敵のバランスを崩し続けるのを好む。守備隊をできるだけ分散させるため、重要でないように見える目標、防備の薄い目標を攻撃し、それから重要な目標に集団での決定的な攻撃を仕掛け、敵が再結集する前に一撃ですべてを落とすのである。

第1ヘッセン・イレギュラーズ
連隊/古参兵/熱狂的
指揮官/第1大隊:カート・フェスターリング将軍
副指揮官/第2大隊:ロバート・スマイス少佐
第3大隊:ジョナサン・キャリー少佐
 第1イレギュラーズは3個連隊のうち最も重量のある連隊である。2個強襲メック中隊、4個重中隊、残りは中軽量級が半分ずつである。連隊の約半数がアップグレード技術を利用している。

第128ニューヘッセンUDR
連隊/一般兵/熱狂的
指揮官/第1大隊:マレー・ウィリアム大佐
副指揮官/第2大隊:ジャック・ダーガン少佐
第3大隊:ウィリアム・ペロー少佐
 第128ニューヘッセン都市防衛連隊(UDR)は全旅団に装甲支援を提供するためにフェスターリング将軍が考えた部隊である。大半が重戦車で構成されるこの連隊はイレギュラーズに確固としたアンカーを提供する。




第2ヘッセン・イレギュラーズ SECOND NEW HESSEN IRREGULARS

 公式には3066年後半に再結成された第2ヘッセン・イレギュラーズは、結成から100パーセントの戦力に達したとされるまで最短の記録を持っている。いまだ支援部隊、適切な訓練、輸送を欠いているのだが、連隊は108機のバトルメックとパイロットを持っている。部隊にとって会計上の負担は大きなものだったが、大小あわせて各勢力から受け取った援助によって、不可能ではなかったのである。

 第2イレギュラーズはヘッセン連隊の中で最も多くの先進技術を持っているが、単にそれはフェスターリング将軍が寄付と援助物資をこの駆け出しの部隊に投資したからである。第2イレギュラーズのメック戦士のうち、他部隊から来た1/3だけが実戦に参加した経験を持つ。残りは、ニューヘッセンの裕福な一族の領土に点在する各小養成校から募兵された。

 第2イレギュラーズは実射シミュレーション以外での戦いを経験していない。これらの演習で特筆すべき技量と能力を見せているが、実戦経験皆無なことにより一般兵の経験評価を得られていない。

竜機兵団評価値: C

士官
 パット"トン"ハンプトン大佐はハンプトン・ヘッセンの前指揮官、パターソン・ハンプトン大佐の孫にあたる。部隊の指揮をとるのに充分な年ではなかったハンプトン少佐(当時)は、本体から分離した最初の志願者たちを率い、ヘッセン第3連隊の中核を形成した。いずれ全部隊を率いることになるというおのれの責任と運命をよくわかってるパットはその日のために努力を続けている。

戦術
 第2イレギュラーズは好みの戦術を開発するほど長く存在していない。ハンプトン大佐は市街戦戦術を磨こうとしているが、長く遠い過程であると判明している。

支援
 連隊は日々必要な整備の大半を満たしているが、輸送用の降下船を1機たりとも持っていない。フェスターリング将軍(ガラテアで新連隊を作るために多額の資金を費やした)は、第2に輸送を供給するか、あるいは少なくとも補償する契約にサインすると発言している。

第2ヘッセン・イレギュラーズ
連隊/新兵/信頼できる
指揮官/第1大隊:パット"トン"ハンプトン大佐
副指揮官/第2大隊:トム・マーダル少佐
第3大隊:ポール・バックウォルド少佐
 第2イレギュラーズは重量級、軽量級メックを混成して使用し、若干の中量級を持つ。連隊のおよそ2/3がアップグレードされており、その多くは武装の強化にあてられている。








ハンプトン・ヘッセン 3071

 連邦共和国内戦を避けるためガラテアに逃げた数年後、資金が不足したことから、ハンプトン・ヘッセンのカート・フェスターリング将軍はLAAFと契約し、第1ニューヘッセン・イレギュラーズをソーリンの駐屯任務につけた。不幸なことに、聖戦が勃発する数ヶ月前に配置に付いたイレギュラーズの存在は、3068年、狂信者たちの注意を引いてしまった。大規模な奇襲と戦術核の嵐によって、連隊は壊滅し、被害者の中にはフェスターリング将軍も含まれていたのである。この残虐な強襲により第2イレギュラーズの指揮官だったパット・ハンプトンはガラテアの残ったヘッセンをまとめて、集めることができた補給物資と共に故郷へと戻る長い旅についた。ガラテア暴動の再発を恐れた多数の民間人といくつかの小傭兵部隊が、安全と思われる世界への同行をハンプトン現将軍に嘆願した。市民と潜在的な同盟軍を見捨てたくなかったハンプトンは受諾した。多数の難民を連れたヘッセンの航宙艦は残念ながら、全員を一度に運ぶだけのドッキング能力がなかった。話し合いの結果、彼らは軍用船の半分を各星系にジャンプさせ、ジャンプポイントを確保した後で補給を集めに惑星へと向かい、その間、航宙艦が再充電し、残りの船を拾い上げるために戻っていくことを決めた。ほぼすべての世界で損害が出たことにより過剰人員の問題は減少した――反乱を起こした降下船の一隻は離れていった。だが、ヘッセンがホール星系にたどり着いた時、接近してくるブレイク派迎撃中隊を見てパニックを起こした旅団航宙艦長の一人が、艦隊の残りを見捨てた。

 ヘッセンの長き旅のもっとも血塗られた瞬間は、保護領の星系、ニューカントンで発生した。聖戦の前の段階ですでにワードのものとなっていたこの星系には、最も早い段階で発見された再教育キャンプのひとつがあった。ベレンソンでの犠牲の多い作戦(一部ブレイク兵の離脱により損害は軽減された)の後で物資を切望していたハンプトン将軍は不承不承、部下たちに惑星降下を命じた。地元の抵抗軍(あるいは取り残された者たち)は素早くヘッセンにコンタクトを取り、奪取した物資の一部と引き替えに情報と地形の誘導を提供すると持ちかけた。だが脱出の際に戦闘は悲惨なものとなった。保護領軍が待ち伏せによって数個中隊分のゲリラとヘッセンのメックを本体から切り離したのである。この時点で文字通り弾薬切れとなったハンプトンは輸送船に逃げるように命じ、1個大隊分の部下たちを見捨てた。

 数週間後、ついにヘッセンがニューヘッセンに到着すると、彼らは故郷が無事であるのを見た。地元の軍事的な政権が戒厳令を宣言し、住人によるきわめて強力な守備隊を立ち上げていたのである。故郷が安全であることに安心したハンプトンは生き残った難民たちを降下させ、傭兵たちに急いで再補給を命令し「部下たちを家に戻す」意志があることを宣言した。一兵たりとも――ヘッセンも難民も――ハンプトンの志願兵招集を拒否しなかったのである。

 部隊史上、最も大胆な機動のひとつとして、ヘッセンはニューカントンから二時間のパイレーツポイントにジャンプし、全バトルメックをブレイク守備隊と再教育キャンプの上に戦闘降下させた。これは都市内に素早く防衛境界線を構築するためである。落ちていく金属の真ん中で両陣営が猛烈な砲火を交えていたその時、ヘッセンの戦闘機が再教育キャンプの壁に穴をあけ、砲座を破壊した。これによって囚人たちは脱出することができた。降下船の周囲に充分な防衛境界線を確保できなかったハンプトンは、都市外への着陸を命じ、戦闘退却を率いた。残忍な接近戦の中で、逃げる囚人を保護領市民軍の砲撃から守るため、ヘッセンのメックはビルを倒壊させ、自動車を投げ、機体の核融合炉を自爆させすらした。ヘッセンが故郷に向けて発つまでに、彼らは1個大隊分を犠牲としたが、失われた2個中隊と数百名の難民を救出したのである。

竜機兵団評価値: C

ニューヘッセン装甲偵察隊
 第四次継承権戦争以来、重要な戦闘に参加していないにもかかわらず、装甲偵察隊の年老いた戦士たちはこの数年間の血と汗と涙によってエリートの称号を得ている。その大半は引退する年齢を過ぎており、一部はシェルショックにかかっている(特にニューカントンのブレイク再教育キャンプで生き残った者は)。ヘッセンが熟練したパイロットを死活的に必要としていることで、彼らは名簿に載り続けているのである。

第2ヘッセン・イレギュラーズ
 故郷への旅に出た時は新兵であると評価されていたのだが、第2イレギュラーズの残った大隊は戦争の炎の中で古参兵にまで鍛えられた。ニューカントンの救出の際に障害を負ったパット・ハンプトン将軍は、第2の指揮を副指揮官のマーダル大佐に任せた。ブレイク派の報復がそう遠くないうちにあると考えている将軍は、現在、バトルメック連隊の再建とニューヘッセンの要塞化を監督している。




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