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作成:2005/08/17
更新:2005/08/30

深辺境 The Deep Periphery



 ライラ共和国から遙か北西、氏族宙域から南西に存在する深辺境2ヶ国、ハンザ同盟とヌエバ・カスティーリャの紹介です。




深辺境 Deep Periphery

 それを信じようとしない者にとって、辺境とは宇宙のゴミである。辺境の向こうには何もない宇宙が広がっているだけと考えている。氏族が深辺境の要塞からやってきたというのに、既知宇宙の果ては空っぽだという考えは、中心領域人の心に根深く残っている。そういう人たちは、毒蛇アマリスが軍隊を訓練するのに、遠く離れた領域を使ったことを忘れている。我ら、無知から解き放たれた者は、真実を心にとめている。

 深辺境は大勢の植民者の故郷である。原始的な農業植民地もあるが、他は、例え技術が発達してなくても、機械を使って快適に働いている。こういう開拓居留地の多くには数百人しか住んでいないか、ひとつの世界に制限されている。だが、原始的な国家がわずかに存在し、中心領域の自由ラサルハグ共和国(占領中)や聖アイヴス協定よりも大きいこともあるのだ。ほとんどの国は我らの計画の邪魔にはならないし、運動を進める役にも立たない。だが、例外もある。とくにふたつの地域(皮肉にも氏族本拠地に近い)には、チャンスと危険の両方が同程度にある。

 ハンザ同盟は深辺境に商売の手を伸ばしており、その影響力は氏族宇宙から中心領域にまで及ぶ。軍事力は弱いが、ハンザのネットワークは――彼らの世界は商品と情報の取引所となっている――かなりの利益になりうる。「星図がない地域」の知識などはその一例である。

 ヌエバ・カスティーリャとして知られる星団は、一見して価値がないように思えるかもしれない。ふたつの集団(カスティリア人とウマイヤ人)の戦争サイクルに巻き込まれているこの永続的な戦争地帯は、最大の傭兵隊雇用者である。両者のあいだには根深い憎しみが存在するが、ハンザが武器、情報、傭兵をコントロールし、紛争を長引かせるのに一役買っていることは明らかである。ここに学ぶべき教訓が多くある。





ハンザ同盟 Hanseatic League

歴史 History

 ハンザ同盟は、29世紀の後半に、ライラ同盟から亡命した人々によって創設された。彼らは、エリザベス・シュタイナー国家主席が施行した緊急軍事命令から逃れようとしたのだった。ドイツの伝統に固執した移住者たちは、新世界をブレーメンと名付け、自宅の建設に着手した。数十年以内に、その影響力は300光年内の1ダースの世界に広がっていった。彼らは急使とメッセンジャーの役目を果たし、バラバラの世界の唯一の通信手段となったのだった。商人たちの力は増していき、2891年、公式に協定を結び、古代地球の商人協定にちなんでハンザ同盟と名付けた。

 初期に同盟は経済的問題を扱った。だが、2920年までに、商人統治評議会が、ハンザ領域内の「独立した」植民地の多くに、政策を押しつけるようになった。植民地のいくつかがハンザの影響力をはねのけようとしたとき、評議会は「秩序維持」とハンザの利益を守るために、警備隊の結成を許可したのだった。初期には辺境国家から雇った傭兵が使われていた(中心領域には秘密にした)。31世紀の中ごろ、同盟は中心領域から装備を持ってきて、自分たちの軍隊を創設した。さらにハンザの商人たちは、生産レベルこそ高くなかったものの、近代兵器の設計図を入手した。車両と戦闘機の生産設備は継承国家に匹敵するものがあり、かなりの通常部隊を展開することができた。

 当初、中心領域にとってハンザは噂の種であった。だが、ここ50年、中心領域と辺境の冒険好きな商人たちが、彼らを捜し出した。よそ者を追い出そうとするハンザの加盟者もいた。貿易と通信の独占を維持できなくなる、つまりは2ダースの同盟世界の支配を失うのではないかと異議を唱えたのだ。この戦略は実行不可能だとすぐに判明した。

 3011年、評議会は3つの世界(リューベック、ベルゲン、ブリュージュ)を、誰でも入れる、開かれた世界に指定した。他の世界に行こうとすると、軍隊と直面することになる。数年で、開かれた世界は活動拠点となり、コアワード地方の、商品・情報交換所となった。訪問者は、数十年前まで、中心領域人と辺境の商人、それに傭兵を探しに来るヌエバ・カスティーリャの代理人がほとんどだった。氏族侵攻がこれを変えた。

 以前は孤立主義で、密かに同盟と取り引きするだけだった氏族の商人が、3050年代、大々的に貿易世界に現れた。氏族はハンザ人の渡航制限をほとんど気にかけなかった。幸い、氏族は同盟の広大な後方世界にさして興味を持たず、基本的な商品を取り引きするに留めた。だが、氏族は、同盟内と他の深辺境の両方で、同盟の治安維持行動に対して氏族的なやり方――暴力――で応じた。3055年に起きた事件が好例である。このとき、ハンザの商船長がチェインレイン・アイルズの近くで、ダイアモンドシャーク氏族商人階級の航宙艦一隻を追い払おうとした。航宙艦が「飛んでいって」ほくそ笑んでいるうちに、ダイアモンドシャークの戦艦が1隻、星系内に現れ、氏族流の自由貿易を実行した……航宙艦2隻とその降下船が破壊され、残りの数隻も相当なダメージを受けたのである。賢明にも、ハンザ艦隊の新指揮官は撤退を命じた。前任者は作戦中に死亡していたのである。以降、ハンザ=氏族の交流は冷めたものとなった。といっても交易の妨げにはならなかった。だが、現在の拡大政策を、リムワードとアンチスピンワードに変えるという「上層部の決定」が生まれたのである。

 この10年で、中心領域の諜報員が商人に化けて多数やってくるようにもなった。当初、彼らは氏族の本拠地を探そうとしていたのだが、最近では氏族宙域のニュースを集めようとしている。工作員の大半は、コムスターの探査局、ライラ情報部、クリタ家のISFに所属している。

 応じて、氏族は多くの情報工作員を派遣し、暗黒階級の工作員を暴き出す――必要によっては抹殺する――任務を与えたのだった。 正統、非正統の辺境、氏族、中心領域がごちゃ混ぜになった結果が、死の鬼ごっこであり、我らのROM諜報員がやられたことも何度かあった。同様に、ハンザの諜報員も、商品と情報の価値を釣り上げるために、各勢力とのゲームを行う。といっても過度の流血を避けるのに多大な努力を払っている。



ハンザ警備隊 The Hanseatic Security Force

 ハンザ軍の主な役割は、同盟の法令を遵守させ、部外者の立ち入りを制限することだ。諸兵科連合部隊であるものの、パトロールの範囲が広大であることと、装備が入手困難なことが、彼らの奮闘を妨げる。ハンザで使われているハードウェアの大半は、3025年代の中心領域の設計だ。といっても、近年、新型デザインが入りつつある。これは中心領域との貿易が増加したのと、中心領域政府が同盟の利用を考えているためである。



組織 Structure

 HSFは、公式には7つの部隊に別れている。戦車・メックの6個地域防衛隊(RDF)と、戦闘機・海兵・数少ない強襲降下船の船団護送隊だ。各RDFは商人評議会に直接従い、部隊内のメック隊の総督(captain-general)に指揮される。この士官はまた軍の全権を任され、食料と装備の補給に責任を負う。引き替えに、この商人=指揮官は、担当地区の貿易で得られた利益の一部を受け取るのである。この「10分の1税」でかなりの利益を得られるが、不足分もまた捻出せねばならない。時折、ハンザ内の政治的な動きが、RDFをわざと現金不足にし、総督の信用を落とす(それか貧乏にする)ことがあるが、このような危機的政策は同盟の防衛力、ひいては利益を減少させるのである。

 標準的なRDFの配置は、諸兵科連合軍である。たいてい1個メック中隊が1〜2個の歩兵・装甲大隊に支援される。状況によっては、もっと打撃力のある部隊が編成されるかもしれない。だが、これまで同盟はメックを大隊以上の規模で展開したことはない。

 船団護送隊の配備はケースバイケースで扱われる。商人の船1隻が最深部(Deep Dark)を行くときは、1個戦闘機中隊か、もしくは軍用降下船が同行するかもしれない。両航宙艦と降下船には海兵が乗り込む。複数の商人が共に旅するとき、HSFは護衛艦として、軍用航宙艦(戦闘降下船と戦闘機付き)を配備する。これらの部隊は同盟の影響力を表し、仲間に入らない貿易商人を威嚇し、見込み客を怯えさせるのである。



階級と制服 Ranks and Uniforms

 軍隊はハンザの人生で重要ではない。だが、商人と装甲軍は、緊密な関係を保っており、上層部は重なっている。ハンザの階級構造は、中心領域のものに比べると、いくぶん省略されている。制服は、高い階級でも、低い階級でも、共通したものをつかっている。能力で昇進が決まるのだが、次の階級に上がる士官は、RDFの総督に「身代金」を支払わねばならない。「上流階級の」士官がHSFに入隊するが、軍審議会で無能が明らかになると、数年で軍務を解かれる。



ハンザ警備隊の部隊 The Hanseatic Security Force UNITS

 第1地域防衛隊 1個メック連隊、5個通常連隊/古参兵/熱狂的
 第2地域防衛隊 1個メック連隊、4個通常連隊/一般兵/信頼できる
 第3地域防衛隊 1個メック連隊、4個通常連隊/一般兵/信頼できる
 第4地域防衛隊 1個メック連隊、4個通常連隊/古参兵/信頼できる
 第5地域防衛隊 1個メック連隊、4個通常連隊/新兵/信頼できる
 第6地域防衛隊 1個メック連隊/新兵/信頼できる
 船団護送隊 1個艦隊/古参兵/信頼できる











ヌエバ・カスティーリャ Nueva Castile

歴史 History

 中心領域に広がりつつある封建主義の潮流を避けるため、また既知宇宙をゆっくりと飲み込みつつある戦争の掠奪を避けるため、地球のイベリアの植民者が、2392年に、ヌエバ(ニュー)・カスティーリャを創設した。彼らは、星間連盟の黄金期も、その凋落も、それに続く終末的紛争も知らなかった。その代わりに、技術を控えめに使う牧歌的存在となったのだった。人々は他の世界があると知っていた。わずかな航宙艦が恒星間運行を続け、9つの植民地に商品を輸送したが、「古い宇宙」で何が起きているか知りたがる者は少なかった。時々の飢饉と、現地の肉食獣を除くと、彼らは幸せだった。その幸せは続かなかった。

 2830年、比較的平和な時代が400年以上続いた後、侵攻軍がグラナダ星系に到着し、惑星を強襲した。1隻の航宙艦に積まれた侵攻軍は、異星人に見えるような戦闘マシンを使った。バトルメックである。惑星市民軍に侵攻軍を押し返す力はほとんどなく、20年で世界が次々と陥落していった。2855年までにただ一つの世界アストリアスだけが残され、差し迫った侵攻の脅威にさらされていた。強襲軍は自ら名乗らなかったが、カスティーリャ人は古代の敵になぞらえて、彼らをウマイヤ(Umayyads)と名付けた。この名は的確なもので、数年後に侵攻者たちは自分でそれを使い始めたのだった。

 しばらくのあいだ、ウマイヤの群れを留めるものはなにもないように見えたが、2857年、アストリアスへの降下中に、ウマイヤ上層部が互いに争い始めた。確かな証拠はないが、彼らの指導者が死んだものと思われた。実際、ウマイヤ人自身がヌエバ・カスティーリャに来る前のことをほとんど知らず、もしかしたらデータコアからそういう情報を意図的に削除したのかもしれない。彼らが知るのは本拠地の戦争(中心領域かエクソダス内戦の可能性がある)から逃げてきたことだが、世代を経るに従って噂にすぎなくなっている。驚くべきことに、歴史はウマイヤが無知な分野のひとつなのである。彼らの科学と芸術は高いレベルにあり、戦争に捧げられた彼らの文化は、カスティーリャのものよりはるかに洗練されている。

 ともかく、混乱するウマイヤは反撃を許し、稼働するバトルメック数機を奪われたのだった。5年以内に、メック技術がリバースエンジリアリングされ、最初は内燃機関のものであるが独自のデザインが投入され始めた。カスティーリャ人は、侵略者同士のあいだで継続していた混乱を突いて、ほぼ2世紀にわたって続く奪還戦争を仕掛けたのである。

 戦争の流れは、成功と失敗の繰り返しのなかで、絶えず変わり続けた。だが、数世紀後に、地元民が流れをつかんだのだった(アストリアスではカスティーリャとウマイヤの血が混ざり合っているのだが)。今日、ウマイヤの手にはコルドバとグラナダ、2つの世界しか残されていない。

 幸いにも、カスティーリャは不和にさいなまれ、征服が困難になっていた。カスティーリャ内の対立は、残った2つの世界の解放を妨げ、大胆なウマイヤの部隊はカスティーリャ人が保有する7つの世界への襲撃を再開できたのである(アストリアス、レオン、カスティーリャ、アラゴン、ナヴァール、バレンシア、ガリチア)。実際、第4旅団が最近コルドバで行った強襲は、壊滅的敗走に変わるところだった。ルキウス・ポーレンは猛烈に(だが自殺的に)部隊を率いて逆襲を行い、味方が退却するのに充分なだけウマイヤを足止めしたのだった。

 ハンザ同盟との出会いで、両陣営は「現代的な」戦争マシン(第三次継承権戦争の終了時に匹敵するもの)を投入できるようになった。引き替えに、ハンザには独占貿易権を与えた。ハンザは戦争当事者に傭兵の契約を仲介もした。これら部隊はハンザの影響圏内と、中心領域からさえも連れてこられた。戦争を終わらせる決定力になるだろうということで、両陣営は傭兵たちを歓迎した。ハンザ絡みでない部外者は同盟の手によって妨害される。ハンザ同盟は、カスティーリャとウマイヤが「内乱を解決」できるように部外者に警告するのである。だが、ハンザ人の干渉さえなければ、紛争はとっくの昔に終わっていたとの証拠があるのだ。ある面では、ハンザの戦争を操作するやり口は、裏切り者が首位者になる前の我が結社のものに似ている。無用な不和を煽って、単一の勢力が支配できないようにするのである。



ウマイヤ・カリフ国の構造、階級、制服 Umayyad Caliphate Structure, Rank and Uniforms

 ウマイヤは封建制度を使用しており、軍の指揮権と貴族の位は密接に結びついている。カスティーリャ人と違って、ウマイヤは民主主義の信奉者である。だが軍の入隊資格は、最初の侵攻軍に血筋をさかのぼれる者だけに制限されているのだ。ウマイヤ軍は能力主義で、Safiya(最下級の兵士)でさえも、戦場で指導者として充分な勇気を示せれば、指揮系統を駆け上っていき、atabegs(最高司令官、摂政)になることができる。命令系統は、貴族と戦士、両方の役割を反映したものとなっている。上級指揮官――最高司令官とカリフ――が装甲軍を指揮するのに加えて、政治的権力を握る。



カスティーリャ公国の構造、階級、制服 Castilian Principalities Structure, Rank and Uniforms

 カスティーリャ人は侵攻後にすぐ戦争のやり方を学び、強力な軍隊を作り上げ、ウマイヤの制度と技術を数多くコピーした。侵略者のように、カスティーリャ人は生まれに基づくものではあるが、封建システムを使っている。士官はその階級に生まれ、貴族はカスティーリャ部隊の命令系統を支配する。これには利点(兵士の忠誠心)と欠点(指揮官のあいだの対立)の両方がある。

 最も力を持つ武王が、カスティーリャを支配する。形式上の確認ではあるが、同僚(王子、Principe)たちに指名される。国王は終身制で、絶対的な権力を持つ。国王に疑問を挟む者は処刑される。国王は各部隊に公国の富を分配する。従って彼の機嫌を取るのは軍隊をスムーズに動かすのに重要なことだ。カスティーリャ人の貴族にとって、地位争いは人生の中心であり、暗殺は一般的な習慣である。



ウマイヤの部隊 UMAYYAD UNITS

 第1軍団 5個諸兵科連合連隊/古参兵/熱狂的
 第2軍団 3個諸兵科連合連隊/古参兵/熱狂的
 第3軍団 3個諸兵科連合連隊/一般兵/信頼出来る



カスティーリャの部隊 CASTILIAN UNITS

 第1旅団 6個諸兵科連合連隊/一般兵/熱狂的
 第2旅団 6個諸兵科連合連隊/古参兵/信頼出来る
 第3旅団 6個諸兵科連合連隊/一般兵/信頼出来る
 第4旅団 6個諸兵科連合連隊/新兵/信頼出来る








深辺境 3067年

マスターへ

 深辺境国家に関する貴方の懸念は、あいかわらず正しいと証明されました。我らの工作員が、ハンザとカスティーリャ内で精力的に働き、「第三段階」のための計画を進めようとしております。同盟は喜んで売り手となりました。我らの目的には気づいていないのですが、期間内に注文したシステムを完成させました。

 彼らに秘密を知られるのを防ぎました。彼らの小惑星採掘技術はとくにエリニュエスで重要な役割を果たすに足りています。ムンド・ヌーブラでテストも行いました(このような遠い星図にない宇宙に行くのは費用がかかりましたが、その価値はありました)。

 計画は、星間連盟評議会の前に終わりそうにはありませんが、その名にふさわしい成果を確実に残せそうです。唯一、期待外れとなったのが、いわゆるウマイヤの調査です。彼らの起源は、おそらく我らが望むものでないでしょうが、時が来たら明らかとなるでしょう。とくに現在のような、我らが結社の介入で星団に不自然な平和があるようなときには。

 ブレイクの名において

 キャメロン・サン=ジャメ、軍司教



ハンザ同盟

 ハンザは、典型的な実利主義であるヌエバ・カスティーリャへの試みを失敗させた。内紛への関わりを隠したまま、彼らは激しさを増すカスティーリャ軍とウマイヤ軍の戦いを利用しようとした……両陣営に装備を売るよう公に取り決めたのだ。軍事主義もまた強まっている。この18ヶ月で、船団護送隊は、新しい戦闘機、空母、攻撃艦で、相当に増強された。この拡大はやめさせる理由がないと考える。彼らがダイアモンドシャークとぶつかりたいなら、なぜ止める必要があるのだろうか? 結局、あの商業氏族の補給線は著しく長く、その遮断は我らの興味の的となっている。

 準備の一環として、商人評議会は、アルバート・スノウをHSFのトップに任命した。この人事は総帥たちの賛同を得られなかったが、ヨナス・ワーの異動が示すとおり、新司令官は意に介していない。

 スノウの旧部隊RDF1は、HSFの構想の中央に陣取っており、所属する兵士たちは精力的に訓練と演習を行い、同盟内で入手できる最良の装備で武装し直している。RDF2は同じく激しく訓練しており、パラノイアのブルームは、自分の担当地域に強襲があると思いこんでいる。RDF3の準備態勢はそれほど狂ったものではないが、完璧でないわけでもない。ヒコック総督(元傭兵)を自身の代理人として任命することによって、スノウは評議会の望みを妨げた。しかし、傭兵時代の戦闘記録への異議に対して、ほとんど反論を用意していない。RDF4は対海賊作戦を続けており、同盟内の出来事にはほとんど影響されない。しかしRDF5は、指揮官が評議会と対立して免職されたあとで、一連の変化があった。エロイーズ・グラディ総督は政治的なお飾りに過ぎず、部隊を真に管理しているのは元スモークジャガーのエーメ少佐である。RDF6はおそらく最も活発な訓練体勢にあり、多数の傭兵を受け入れ、部隊の有効性を相当に高めている。現在の船団護送隊については、HSFに関する最新のレポートと類似点がほとんどない。かつては広範囲に散らばっていた護衛艦群は、小規模だが有効な襲撃部隊の集団と化している。



ヌエバ・カスティーリャ

 部外者が数世紀に渡って争いに干渉していた事実が発覚し、ヌエバ・カスティーリャの世界に、以前は不可能だったある程度の平和がもたらされた。カスティーリャ公国もウマイヤ・カリフ国も互いに信用していないが、外部の人間に操作されていたという共通点があることに気がついた。両陣営とも、帝国主義者(2世紀も戦争の奴隷にした)にどう復讐するのが最も良いか、我らが〈結社〉にアドバイスを求めている。もちろん、ヨセフ・ノイエ国王と、カリフ・リゼ・バリルの二人は、ライラ同盟に操られていたと――大使司教ギリックの仲裁のおかげで――信じている。

 第1ウマイヤ軍団にはカスティーリャ市民を長いあいだペテンにかけていた相手への復讐を求める新兵が溢れ、フォークナー司令官は流入した大勢の兵士を軍に統合しようと奮闘した。第2ウマイヤ軍団(この部隊もまたここ数ヶ月でやや拡大している)は、公国との休戦に最も声高に反対している。敵に再編成する時間を与えるだけだとしている。第3軍団はカスティーリャ市民を操っていた者たちへの報復をほとんど考えていない。といっても、パルマー司令官がグラナダに平和を樹立したことには、一時的にでも感謝をしている。

 現在、第1カスティーリャ旅団は、第4旅団と新装備と新兵の取り合いをしており、部隊の再編が妨げられている。休戦があったにもかかわらず、第2旅団はウマイヤ兵を襲撃している(されている)。といっても、公然とした戦争というより、名誉ある決闘の形をとっている。第3旅団は内部闘争と数多くの政治問題でバラバラになったままであり、ノイエ国王は部隊の完全な解散と、他の3旅団への兵の配分を考えている。




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