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作成:2010/06/03
更新:2010/07/10

ブレイク・ドキュメント The Blake Documents



 "Jihad Secrets: The Blake Documents"は、ドラコ連合の企業家チャンドラセカール・クリタが編纂したという体裁の、聖戦とワード・オブ・ブレイクに関するソースブックです。
 時代設定は3074年前後。内容は聖戦における戦役、各国のニュース、人物、ブレイク軍の解説などですが、それだけにとどまらず、きわめて重要なことが語られています……コムスターの陰謀、ウルバリーン氏族の行方といったバトルテック世界に残された謎のいくつかがついに明かされたのです。これまで不確かであった聖戦とブレイク教団に光を当てた非常に重要な資料と言えるでしょう。
 文中、一部にチャンドラセカール・クリタ(-CK)と部下のピーター・アブダルサーン(-PA)の注釈やメモが入っていることがあります。














人物紹介





アレックス・ケラー Alex Keller

階級/地位:少佐/デビル旅団指揮官
生年月日:3017年(3075年時点で58歳)
所属:傭兵

 アレックス・ケラーについて知られていることはほとんどない。 有名なスタティック・インフィニティ・システムズの会長ルーシャス・マーカス・ケリーの行方不明になった息子であった彼は3019年に企業誘拐と脅迫の犠牲者となった。若きケリーは五年後に救出されたが、そのときまでに母親は死去していた。息子にまとわりつかれるのを嫌ったケリーは少年を孤児院に渡し、そこで彼の名はケラーに変わった。

 だが、ケリーの影響力はアレックスの人生を離れることはなかった。ケリー一族はミレニアム財団創設者の一人であったことから、ルーシャスが彼に与えたネットワークは大きかった。(最近まで)アレックスはそれを知ることはなかったが、ルーシャスは若きアレックスの進路と選択に深く関わっていたのである。

 両者のうちどちらも公式に関係を認めたことはない。実際、ふたりが最も接近したのは、ペシュトで開催されたインターステラー・エクスペディションズのミネソタトライブ・シンポジウムに出席した時のことのである。彼らは同じ建物内にいたのだが、会うことも話すこともなかった――余人の知るところでは。

 ケラーがどうやって旧式の連合製バトルメック(プロトタイプGLD-1Rグラディエイター)を回収し得たかは謎である。出所は不明だが、ケラーはスターコープス社に一年間以上マシンを貸し出し、技術者たちが研究できるようにした。この企業は生産ラインを作る(地元とライラ地方のパーツを使った)のに十分な情報を集めたのみならず、ケラーのバトルメックを新技術でアップグレードした。

 ケラーの過去について語るものは、彼の部下たちであっても、ベールに覆われた敵意にさらされる。ケラーは洗練された社交性を欠いているが、指揮官として非常に有能なのである。旅団の戦士たちの中で指揮官を悪く言うものはいない。

 旅団は3073年にアークトゥルスで攻撃を受け、重い損害を出したのだが、ケラーは十分な物資と装備を確保するのに成功し――まさしく我らのネットワークの外で――最大戦力近くにまで再建した。この「なぞめいたネットワーク」の利用は興味を引かれる。これはケラーがSISといくらかのコンタクトをとってることを示唆しているのだ(装備の大半はSISとその子会社のものである)。さらに重要なことに、ケラー少佐はこのような言いがかりを否定せず、無視するのみである。

 ケラーと彼の部隊に待ち受けているものがなにか、今はまだわからないが、オデッサでの彼らの作戦行動はHTE帝国(ハチマンタロー社)内での彼らの地位に影響することは確かである。





ジョセリン"ジョーイ"ミリアナ・ニコル JoCelyn “Joey ” Myrianna Nichole

階級/地位:少佐/バトルコープス軍団指揮官
生年月日:3038年(3075年時点で37歳)
所属:傭兵

 部隊間の統合がなされていないことからアークトゥルスで合同軍がひどい戦果をしか残せなかった(ペリフェリースターガードの壊滅を招いた)可能性に応じ、我らの軍事分析部門は「多様性の統合」を成功させた部隊の調査をひたむきに行った。多数の傭兵部隊が我らの下についている現状において、我々は恒星連邦のRCTやコムガード師団のような伝統的な指揮系統以外のものに目を向けざるを得ず、そのほかの「不正規な」組織を調べ上げた。答えのひとつは、諸兵科連合傭兵部隊、バトルコープス指揮官、ジョーイ・ニコル大佐にあるかもしれない。

 国家と国家が内部と外部から互いに引き裂きあっていたそのとき、ニコルは個人主義的な理想主義者たちによる完全にバラバラの集団を、予測不能で敵を驚かせる鍛えられた戦闘部隊にした。MRBCのプロフィールが示すように、これは各部分を内包して全体を作るために、ニコルが各戦士の文化、信条、政治さえも抑え、融合した結果である。彼女は「多様性による強み」というアプローチを目指した最初の傭兵リーダーではないのだが、ニコルのアプローチは驚くほどうまくいっている。

 典型的な妥協しないタイプの傭兵指揮官ではないニコルは、スカートタイプの作業着を嗜好し、バトルメックの塗装に至るまでピンク色を好む。このことから、彼女は達人的なメック戦士にしてリーダーでなく、連隊の事務担当者と間違えられがちである。だが、直接顔を合わせると、彼女は自信と権威を発散する……これによって数十年のキャリアを持つ古参兵さえも、限界を超えてがんばらせることが出来るのである。彼女の真の強みの一つはもしかしたら「弱者に対する大げさな」理想主義と捉えられがちなものかもしれない。信念のためにはすすんで危険に飛び込む――ほとんど熱狂的なまでの「市民第一」主義など――彼女はバトルコープスに戦闘部隊というよりは星間赤十字に近い正直と思いやりの評判を与えている。

 コムスターとワード・オブ・ブレイクの両方に家族のいるニコルは教団分離の際にどちらかを選ぶのを拒否し、父の足跡をたどって傭兵となった。連邦共和国戦争で部隊がほぼ殲滅されながらも生き残った後、彼女はガラテアにおもむき、眩惑し、命令し、おだて、交渉し、六ヶ月の短期間でバトルコープスを作り上げた。3年間の揺るぎない信条と成功により部隊は諸兵科連合連隊となり、アルラ・アウストラリスでのワード・オブ・ブレイクとの紛争がもたらされた。アウストラリスでニコルの信念はワードと衝突したが、他の傭兵隊は魂を売り渡し、ニコルはコープスを率いてアウストラリスから脱した――彼女自身の生命が犠牲となるところだった。

 それ以来、彼女はバトルコープスを率いて、ワードに対する十字軍を行い、「市民第一」のドクトリンをかたくなに守っている。AMCの一員としてアリス・ルーセ=マーリックに仕えたニコルとバトルコープスは、その大きさに比して重要度の高いワードの指名手配となったのだった。

 ニコルのやり方は、リーダーが強く、決断力に溢れ、部下たちを奮い起こすほどに高潔で、次の小切手以上の明白な目標を示せるのなら、多様性が長所となり得ることを証明したかのように見える。これはなぜストーン合同軍が今日までこれほど多くの成功を収めているかの理由になっているかもしれない。





マルセル・ウェブ Marcel Webb

階級/地位:少佐/スターシーズ指揮官
生年月日:3041年(3075年時点で34歳)
所属:傭兵

 なぞめいた過去を持つもう一人の戦士、マルセル・ウェブは少なくとも神秘性をあおっていることを認めている。正体を特定するような証拠を見つけだした者はいるのだが、その情報はごくわずかな人々にだけ制限されている。ウェブはその名前が本当の名前でないことを率直に何度か認めているが、それについて一度も詳しく言及したことはなく、連合での暗い過去を示唆している――これはアークトゥルスでのスターシーズ内の悲惨な事件後に認めたもうひとつのものである。

 しかし、彼が率直に人格上の欠点を認めている一方で、彼を長年にわたって観察している者は、ウェブが職務上非常に有能であるとしている。珍しい歩兵のみの部隊で、アークトゥルスその他の場所でチャンドラセカール・クリタの支援、保安部隊となっている傭兵隊、スターシーズの事実上の指揮官であるウェブは、一人で新隊員の入隊許可を決断する。隊員の大半が(全員でないにせよ)元諜報秘密工作員であることを考えると、ウェブ自身が元スパイ兵士であるとするのは当然だろう。彼はこれについて否定していない。

 ウェブはシーズと彼自身に関わる噂、誇張を無視し、部隊全体が持つ神秘的な雰囲気を作り出している。彼らはバトルアーマーを用いた作戦(宇宙船乗り込み、ハイジャック含む)にきわめて習熟しており、保安部隊として使われた際も文句を言うことはない。しかしながら、シーズ内部の裏切りが部隊を窮地に陥れ、彼らの雇用継続を望んでいるのは特定の雇い主のみである[もちろん、私たちのことである。-PA]。裏切りが起きたのは3073年で、これは特にウェブに打撃を与えた。彼自身が裏切り者を一人ずつ処刑したと考えられている。

 ライデンアーマースーツで戦場の真の恐怖となっているウェブはほとんど熱狂的なまでの傾倒と柔軟性で部下たちを訓練し続けている。シーズの各隊員は、予期せぬ状況に対応するため、少なくとも二種類のバトルスーツに熟練している。この終わることのない訓練と部隊の万能性に対する傾倒は、高い敬意を払われるDEST指揮官のトレードマークである。

 現在、ウェブと彼の部隊は我が海軍の保安を担当しているが、近い将来、不特定の指揮官への「貸し出し」が考えられている――保安を担当し続けるだけでなく、諜報リソースとして使われる可能性がある。





ロス・マッキノン Ross McKinnon

階級/地位:大尉/フォックスティース指揮官
生年月日:3015年(3075年時点で59歳)
所属:恒星連邦

 ロス・マッキノンはロス・セラン(母親の旧姓)としてニューアヴァロンにある名門のアルビオン軍養成校に入学し、有名な父方の名字なしで成功するチャンスをつかんだ。彼は優等で卒業し、フォックスティース偵察小隊に加わった。その前に、叔父であるマーク・マッキノンが自由ラサルハグ共和国で無法者サムライとの交戦で死亡していた。この悲劇は彼に連合への怒りを燃え上がらせた。

 マッキノンは3039年戦争で活躍し、小隊指揮官の座にのぼった。イアン・マッキノン(彼の父)が引退した時、彼はロスがフォックスティースの指揮をとるように取りはからった。父よりも政治的だった若きマッキノンは、キャサリン・シュタイナー=ダヴィオンの乱行に対して行動をとるよう第7南十字星部隊を扇動した。

 正しいことに身を投じる――それがルールブックを放り投げることになったとしても――ことは、まず最初に我々の目を引いた。この性質は、高速打撃の戦闘スタイルと革新的戦術と組み合わされ、我々の要求に理想的なものとなったのである。(聖戦の初期にAFFSはフォックスティースを襲撃隊として使い、素早く部隊を出し入れして最大限の打撃を与えた)

 彼をリクルートする最初の試みは失敗した。その理由は恒星連邦に対する彼の揺るぎない忠誠心と、連合のすべてに対する憎しみである。彼は生き残るために恒星連邦と連合が戦う必要があると理解するのを拒絶した。我々はより劇的なデモンストレーションを行うと決定した。3069年12月、マッキノン襲撃隊がアルゴルの弾薬工場と弾薬庫への攻撃を命令された時、我らはエラ・グリゴーリエフ率いるクリタ部隊を派遣した。

 グリゴーリエフはフォックスティースを放棄された捕虜収容所に誘導した。そこは食肉処理場で、ブレイク派の残酷性を表すモニュメントであった。死体は乾燥し、一部は動物に食われていた。すべてがAFFSの制服を着ていた。マッキノンにとってこれはショックであった。彼は名誉と技量をもってブレイク派と戦っていたのだが、はじめて彼らの本性を知ったのである。このとき、グリゴーリエフは連合とともに戦うよう再考を促した。異議を唱えたにもかかわらず、彼女は自分の身を犠牲にして追撃するワード・オブ・ブレイク軍を足止めし、ロスを逃がしたのである。

 ロス・マッキノンとフォックスティースはエンジェルレクイエム作戦に加わった。

 まもなく60歳の誕生日を迎えるが、ロス・マッキノンはいまだフォックスティースを指揮している。それどころか、彼の戦術眼は成長しており、ブラックナイトのコクピットを守り続ける以上のものがあるのである。おそらく最も重要なのは、元敵とともに戦うことで国家に貢献するという道を彼が見つけたことである。もし恒星連邦がワード・オブ・ブレイクとの戦闘で全力を尽くしたいのなら、フォックスティースとそのリーダーは最高の例となるかもしれない。





ステイシー・チャーチ Stacy Church

階級/地位:大尉/ブラックウィドウ中隊指揮官
生年月日:3036年(3075年時点で39歳)
所属:傭兵

 3039年戦争は多くの孤児たちを残した。この中には3歳のステイシーという名でのみ知られている少女がいた。デルタ臨時連隊の歩兵によってカフの大聖堂跡で発見され、この兵士がステイシー・チャーチとあだ名を付けた。部隊に受け入れられた彼女は竜機兵団のシブコのひとつに身を置いた。いまだ両親を失った精神的動揺にあった彼女は、竜機兵団の戦士の感覚を完全に好んで受け入れ、戦争のすべての要素に没頭した。クラスをトップで卒業した彼女はその才能と同じくその態度によってスパイダーウェブ大隊という珍しい地位を得た。あるカメラマンが彼女の筋肉質な腕についてコメントしたところ、あごを砕かれたのである(そしてチャーチは配属前に中尉に降格した)。

 チャーチの初陣はタフなものであった。スパイダーウェブは中心領域で最高峰の部隊と対面するものだが、彼女は竜機兵団の仲間たちと対面せねばならなかったのである。内戦が竜機兵団を二つに割ると、彼女は大隊の多数と同じくジェイム・ウルフを支持する側についた。多数の戦闘に関わった彼女のハイライトはケレンスキー・ハイトの町の外で発生した。工業地区の近くで彼女は反乱軍のグラディエイターに遭遇した。右にフェイントをかけた彼女は3門のパルスレーザーにまっすぐつっこんだ。ロキの脆弱な装甲はすぐに何カ所か撃ち抜かれたが、コンピュータに支援された最初の一撃は敵マシンの左胴を痛めつけた。傷ついた強襲級メックはジャンプジェットで逃げようとしたが、チャーチは製錬工場にのぼり、エンジンのシールドが壊れ、シャットダウンするまでグラディエイターをPPCで狙撃し続けたのだ。

 竜機兵団内戦が終わった時、チャーチは生き残ったがロキはそうならなかった。新しいマッドキャットで成功を収めた後、ホールで指導力を発揮した彼女はブラックウィドウ三連星隊の大尉に昇進した。当初、自ら戦闘に関わりたがったために、彼女の指導力は損なわれてしまった。しかしながら、ジョン・クレイヴェルがブラックウィドウから直々に学んだ知恵を授け、戦場の指揮のこつを教え込んだのである。ブロードソード軍団がスパイダーウェブの大部分を切り伏せた時、この訓練が力を発揮した。傷ついた彼女の三連星隊にとどめを刺したこの待ち伏せを、チャーチは一人だけ生き残り、数時間後に救出されるまでメックの死骸の中に残された。

 マッドキャットを失ったにもかかわらず、チャーチは残ることを求めたが、メーヴ・ウルフはアークロイヤルへの撤退を命じた。そこで彼女は新しい部隊と新しい任務を与えられたのである――悪名高きブラックウィドウ中隊を再生させ、アウトリーチ破壊後、実戦に戻る最初の竜機兵団部隊とするのである。ケルハウンドから寄贈された試験用ゼウスXに乗るチャーチは戦場の恐怖となった。試験用装備により彼女は半ダースのブレイク派を倒すあいだ、PPCによる砲撃を交わし続け、オパクス・ヴェナトーリとの遭遇さえも生き延びたのである。





賞金稼ぎ Bounty Hunter

階級/地位:賞金稼ぎ
生年月日:不明
所属:傭兵

 秘密、金、嘘、ミスディレクション、神話に包まれた陰謀である賞金稼ぎは、今日の中心領域で最も知られているがほとんど知られていない人物の一人である。しかしながら、賞金稼ぎを覆い隠す秘密主義は、彼の技量と能力を損なわせてはいない。彼(彼女!)は引き受けた仕事のすべてで常に成功してきた。

 賞金稼ぎのペルソナが同一人物でないという話は広く受け入れられている。我々は賞金稼ぎが必要なそのとき自ら選んだ後継者にその目立つグリーンのボディアーマーを譲ると信じている。現在の賞金稼ぎが3051年から3062年の間に雲隠れしていた人物と同じであるかどうかはとるに足らないことである。仕事を成功し続けていることが証拠としては十分である。

 各企業、個人は、秘密の捕獲任務、著名企業経営者暗殺のためにますます賞金稼ぎを雇うようになった。3066年から3068年にかけて、賞金稼ぎは14の企業契約を完了させた。ブレイク派によるアウトリーチ破壊の際のブラックウェル・コーポレーション重役救出、シーアンのセレス金属(ヴィクトリア)CEO暗殺などである。

 しかしながら、聖戦は賞金稼ぎにも打撃を与えた。目立つことからブレイク派は彼の活動に対する興味を抱き、未確認の報告によると、彼はこの五年でチームのうち半数を失ったという。ROMは一行にスパイを潜り込ませようとしているが失敗している。しかしながら、頻繁に試みていることから、賞金稼ぎはきわめて注意深くなっている。従って、彼はしばらくのあいだ失ったチームメンバーを補充できずにいる。これが最近、いくつかの契約を断っていることの理由の一部になっているかもしれない。しかしながら、チームが定数でないことは、彼の職務遂行を妨害していない。実際、彼のビジネスコストはいつでも高いもので、クライアントは主要惑星と貴族の上位1パーセントに限定されている。





ディヴィッド・リーア David Lear

階級/地位:キタリー抵抗軍共同指揮官
生年月日:3052年(3075年時点で23歳)
所属:カペラ大連邦国

 氏族侵攻の際にカイ・アラード=リャオ公爵と関係を持ったディアドラ・リーア博士は、オデルへと帰還するために第10ライラ防衛軍の医療支援チームを辞した。生まれた息子の父親はディヴィッド・ジュエル(ジェイドファルコンとの戦闘で死んだメック戦士)であるとして命名を行ったディアドラ・リーアは真の父親について隠そうとした。3056年までカイ・アラード=リャオが息子の存在を知ることはなかったのだった。ディヴィッドの母親は中心領域を支配する荒々しい軍事主義から息子を守ろうとした。アラード=リャオ公爵がディヴィッドを息子として認めたあとでさえも、この若者は父の軍事的な足跡をたどるそぶりを見せなかった。最高の教師を与えられたディヴィッドはきわめて天才的な学徒であることを証明してみせた。3069年、わずか16歳にして、彼は名門シーアン大学に入学し、歴史と政治を学んだ。

 ディヴィッド・リーアの学問人生は3070年に突如として終わった……ワード・オブ・ブレイクが彼の乗る航宙艦を捕らえたのである。マッキンリーランチ(ワードが「再教育収容所」に変換した野生生物保護区域)に収容された彼は記憶喪失の捕虜と友人になった。衛兵たちがデヴリン・ストーンと呼んでいた男である。リーアは彼の正体を取り戻すのを助けると誓った。二人はすぐに脱走し、地元の抵抗運動家たちとコンタクトをとった。マッキンリーに戻った彼らは他の捕虜たちを解放し、キタリーをワード・オブ・ブレイクの支配から解放し始めた。[悲劇的にも、ストーンの正体を示したかもしれない記録はこの戦闘で破壊された。-PA]

 ディヴィッドは聖アイヴスに戻らず、キタリーに残ることを選んだ。戦い向きではないのだが、彼の教育と組織力は半独立したキタリー宙域を立ち上げ、ブレイクから解放した他の世界にまで拡大する役に立った。アラード=リャオ公爵の息子であるディヴィッドの政治コネクションは、3073年、ストーンと軍司教ヴィクター・シュタイナー=ダヴィオンの会談を仲介した際に有用と判明したのである。

 現時点でディヴィッド・リーアのモチベーションは不明瞭なままである。ブレイク派の攻撃の前に、彼は軍事、政治権力にまったく関心を抱いていなかった。現在、彼がデヴリン・ストーンの政策にどれほどの影響を与えているかは不明である。公的には、彼は友人の信頼する友人であり腹心である。しかし、彼は単なる忠実な支持者なのだろうか? もしくは、ディヴィッド・リーアは狡猾にも表看板を用意し、玉座のうしろから操っているのだろうか?





ウォルフガング・ハンセン Wolfgang Hansen

階級/地位:大佐/ハンセン荒くれ機兵団指揮官
生年月日:3013年(3075年時点で62歳)
所属:傭兵

 影響力を持ったマーリック士官、ゲルハルト・ハンセン将軍の息子、ウォルフガング・ハンセンはわずか一歳の時に血塗られたマーリック内戦で一族が一掃された。アントン・マーリックへの支援が失敗に終わった後、ハンセン将軍(アトレウス竜機兵団指揮官)は数個連隊の中核とともに自由世界同盟から逃げ出した。亡命したこれらの部隊はハンセン荒くれ機兵団として再編された。過去を忘れるのも恥じるのも認められなかったウォルフガングは、その後部隊の指揮をとった時に、荒くれ機兵団における同盟の影響の多くをそのまま維持した。

 グレイソン・カーライルやケルのような有名傭兵指揮官と同じ評判を得ることはなかったのだが、ハンセンの能力と細部への注意は、20年間、彼らが現実的に実戦参加していなかった間、荒くれ機兵団を最高の状態を保ったのである。そのことと、きわめてよく訓練された通常支援のおかげで、荒くれ機兵団はブルドッグ作戦中、最初の氏族に対する戦闘で超一流の戦果を残したのである。

 悲劇がハンセンと部隊をおそったのは3067年である。このときタウラスの襲撃隊が荒くれ機兵団の扶養家族と歩兵支援が駐屯していたブロムヘッドを攻撃したのである。歩兵隊が襲撃隊に決まりの悪い敗北を与えた後で(荒くれ機兵団の残りの部隊はパンプールにいた)、怒り狂ったタウラス人は荒くれ機兵団の基地を蹂躙した。扶養家族を戦闘員と間違えたタウラス軍は全員を殺した――これはハンセンの部隊にショックを与え、消えることのない狂戦士の精神状態においやったのである。

 いわゆるブロムヘッドの虐殺で妻と子供たち数人を失ったハンセン自身は、怒りの1グラムさえも失うのを拒絶した。もう陽気で気楽な指揮官ではなくなった彼は血に飢え、煮えたぎった人物となり、復讐への渇望について質問した者に怒りを向ける傾向がある。

 しばらくの間、彼はこれらの衝動を行動に移せなかったのだが、雇い主である恒星連邦はダヴィオン宙域に侵攻したタウラス軍に対しハンセンを解き放ち、荒くれ機兵団はそれ以来、侵攻軍をあらゆる方向から攻撃するのに全力を投じた。ハンセン自身は、「あの野獣どもが害した罪なき恒星連邦市民1名に対し10名のタウラス人を殺す」と誓い、そのやり方と彼の正気に関する議論を残している。





アポリオン Apollyon

階級/地位:マネイ・ドミニ司教/第52シャドウ師団指揮官
生年月日:不明
所属:ワード・オブ・ブレイク

 アポリオンの名で知られている男の出身と本名は不明のままである。年齢でさえ推測するしかない(40代中頃と思われる)。我らがこの男について知っていることは、大部分が憶測だらけで不完全な報告(ほとんどが未確認)から来ているのだが、ひとつ確実なことがある。アポリオンはマネイ・ドミニを指揮しているのみならず、本人が実際にマネイ・ドミニなのである。

 様々な断片からアナリストたちが認識する限り、アポリオンは最初に作られたマネイ・ドミニである可能性がある。彼の地位と階級――しばしば「マスターに選ばれし者」と言われる――は、彼がワードのまだ見ぬ指導者にいくらか近い存在なのをほのめかしており、その神にも似た畏怖とドミニの仲間たちでさえもそう考えているように見えるのは、彼が本当にマスターと話しているか、あるいは共同で創造を行ったことを暗示している。アポリオンはすべてのマネイ・ドミニの生死を決めるスイッチを持ち、マスターに代わっていわゆる「上昇した」ドミニの命名を行っていると噂されているが、これはサイボーグの仲間たちによる英雄崇拝の一部にも見える。[面白い事実。アポリオンは「子供たち」に対し、ルシファー、サタンの名前を使わないと誓っているが、理由については触れられていない。-PA]

 さらに面白いのは、より信頼できる報告によると、アポリオンはかつてジャーディン(ワード・オブ・ブレイクのファイブワールドのひとつ)を統治し、聖戦の直前にこの世界を発見したとされる元IEのエージェント、ブルックリン・スティーブンスを自ら追跡したとされていることだ。ジャーディンについて過去時制で触れられる――アポリオン自身がそうしているされている――ことはこの世界がどうしたことか失われたのを示しており、新たな故郷となったギブソンの住人に対し激しい軽蔑を向けていることの説明になっているかもしれない。ここから導き出される結論は、アポリオンがこの失われた世界の出身者であり、それまでの王家、氏族、コムスター軍、特殊部隊出身とする報告は間違いということだ。

 疑いようもなく狂信的で、間違いなく正気でないが、アポリオンの行動原理は――彼らの中では――気高いものである。逆説的に聞こえるかもしれないが、この男は一般に想像されるような悪徳は持っていない。彼はその高い地位にもかかわらず権力を追い求めず、近年の戦役は血塗られた恐ろしいものであったが、行き当たりばったりではなかった……攻撃を受けた各目標は、どのような軍事作戦から見ても正統な目標だった。彼は欲望や権力欲に動かされているわけではなく、修行僧のように厳格な生活を送っている――報告を信じることが出来るなら――そして、ことあるごとに「悪は肉に宿る」と発言している[従って、肉体を切り落とせば、悪を切り落とせるのだろう。-PA]。もし彼が(ドラコ)連合で生まれていたとしたら、彼を何をおいても主君の意志に従う最も忠誠あついサムライにたとえることが出来るかもしれないが、非人道的な命令を受け入れなくて済むかもしれない武士道の教えは持っていない。[正直にいこう、友よ。DCMSと同じだと言ってる者たちがまだいるのだ。-PA]

 アポリオンはキャリアを通じて大勢の弟子を作り、最近ではオパクス・ヴェナトーリのベリス司教を弟子にした。他のドミニと同じように機械強化されてない者たちを軽蔑している――「生身」と読んでいる――ことは、周囲に非サイバーのアドバイザーを置いていないことを示唆しており、彼がキャメロン・サン=ジャメ司教(同じマスターに狂信的な忠誠を捧げていると思われる仲間)を軽蔑していることの説明になるかもしれない。

 あまり重要でない脚注。ドミニはどうやら神聖な儀式で使われるらしいアポリオンの名が出てくる聖歌を持っている。ギリシャ語のようだが翻訳すると、「アポリオン、傷跡を持ったプリンス、マスターに三度祝福されしもの、一体化した四肢、我らは貴方を求める」となる。奇妙なことに、この聖歌はドミニの最も私的な儀式でのみ使われるのだが、ギリシャ語のアルファベットでつづられている。我々は重要な意味があるのではないかと疑っているが、それがなにかまだわかっていない。[興味深い。おそらく暗号であろうか? -PA]





アヴィトゥ Avitue

階級/地位:スペクター司教/第44シャドウ師団指揮官
生年月日:不明(3075年で30代の外観である)
所属:ワード・オブ・ブレイク

 自らをアヴィトゥと呼ぶマネイ・ドミニ工作員について、わずかに知られていることは、自己矛盾と欺瞞工作の組み合わせである。彼女はマスターの選ばれたサイボーグ戦士のひとりだが、若い美人と表現されるべき女性である。彼女が最初に姿を現したのはニューアヴァロンだった。彼女はワード・オブ・ブレイクに熱狂的な忠誠を誓っているが、ニューアヴァロンに来て最初に行ったのは、ブレイク派の指揮官を殺すことだった。彼女は配下の部隊に対し、残忍な統制を続けた――しかし事実上の次席指揮官であったジェフリー・ザッカーの背信行為を許しているのである。彼女はジャクソン・ダヴィオン元帥を殺したのだが――ニューアヴァロンは彼女の指からこぼれ落ちていったようだ。

 驚くべきは、彼女がジャクソン・ダヴィオンとの最後の戦いの後に死んだと報告されていたことだ……

 だが、彼女は生きていた。

 我らがアヴィトゥに関して知っていることの大半は、ニューアヴァロンでの戦いで戦場から得られたもの、そしてブレイク派の捕虜への尋問で得られたDMI、MIIOの諜報情報である。言うまでもなく、このどちらもまったく信用がおけないものだ。必然的に、我らが描くアヴィトゥの全体像は、憶測と推論によってくみ上げられたものである。

 アヴィトゥの人生の初期については何も知られていない。MIIOは我らにひとつの名前をくれた――メアリー・デュラント――が、生まれた惑星など、子ども時代のことはなにひとつ暴いていない。

 だが、現在の名前についてはわかることがある。アヴィトゥとは、アダムの最初の妻であり、すべての悪魔の母となったリリスの別名である。あらゆる点で彼女はその説明を満たしている。

 いくつかの報告によると、第44シャドウ師団、アヴィトゥ・アヴェンジング・エンジェルスが最初に姿を現したのは、3072年前半のユンナーである。第44の一部は他の場所にいたかもしれないが、アヴィトゥの部隊がよく知られるようになったのは、間違いなく第三次ニューアヴァロン戦で見せた役割においてだろう。

 彼女がエリート等級のメック戦士である(神秘的な優美さを持つ、改造型グリムリーパーに乗っている)ことは明白だが、他のマネイ・ドミニのメック戦士たちが使っている神経直結インタフェース(VDNI)を持っていないようだ。実際、マネイ・ドミニ担当の優秀なアナリストたちは、彼女が"ゴースト"、あるいは潜入の専門家としてドミニのキャリアを始めたのではないかと示唆し始めている。

 ニューアヴァロン戦役で、アヴィトゥはいくつかの目を見張る実績を残した。ダヴィオンが隠していたコリアン工場とリージョネア・プログラムを発見し、ダヴィオン重近衛隊とダヴィオン強襲近衛隊を痛めつけ、フォックスズ・デン(最高司令部)を奪取したのである――ジャクソン・ダヴィオンを殺したことに関しては言うまでもない。だが、ここまでしても、アヴィトゥはニューアヴァロンを確保することは出来なかった。

 そうだとしても、アヴィトゥ司教を過小評価するのは大きな間違いだろう。他のブレイク派・ドミニのように、彼女は熱狂的で無情である。他のブレイク派と違って、彼女は戦術的天才であり、枠にはまらない考え方をする能力を持つ。彼女は人間の本性を深く理解しており、痛みと恐怖をメスとして敵を切り刻むことができる。彼女はねばり強く目標を追求し、動揺することがない。ワード・オブ・ブレイクの勝利のためなら喜んですべてを犠牲にする――自分自身でさえも。

 これら推測のなかで、明白なことはひとつである。生きていようと、死んでいようと、アヴィトゥは手強い敵であるということだ。










ワード・オブ・ブレイク保護領


シャドウ師団 Shadow Division

 いわゆるシャドウ師団はワード・オブ・ブレイクの超エリート部隊であるようで、その登場は我ら各国情報部と同じく、一般のブレイク信徒にとっても衝撃的であった。これまでにない規模のサイバネティクス強化がなされた、最も熱狂的な兵士で構成される、これらの師団(全13個)は、ワードの軍指導部からさえも隠された施設と訓練場からあらわれたのかもしれない。このことは、シャドウの兵士たちが非強化兵に対しほとんどよそ者であるかのような態度を取り(常人を「生身ども(frails)」と呼ぶ)、通常のブレイク派の命令系統から外れているようなことの説明になっている。

 彼ら自身による布告と、大々的な研究から、我らの分析担当者はこれらの部隊が氏族と対決して皆殺しにするために作られ、訓練され、装備されたことを確認した。彼らの能力拡大装置の大部分は、遺伝子的に強化された氏族戦士を負かすためのものなのである。聖戦で視点が変わったことにより、これらの戦力は大王家に向けられることになった。

 シャドウ師団の大半は、現在、敵の士気を低下させ、恐怖を与えることを狙って、目標と防衛部隊を叩く襲撃部隊として活動している。だが、一部は数年に渡って彼ら自身の目標地点を守っている。


 第40シャドウ師団(サリエル征服隊――正確な編成不明): サリエル征服隊は、他のブレイク部隊による数ヶ月の電撃的な襲撃でヘスペラスIIの防衛力が弱められた後、この惑星を獲得した。得たものが重要だったためそこに残った第40は、ディファイアンスの工場で生産される交換用マシンと兵器のパイプとなった。3073年5月、この部隊の大部分がヘスペラスを離れ、我らのアークトゥルスでの作戦に対する襲撃の急先鋒となった。バーブラックコブラ傭兵部隊と、ワード・オブ・ブレイク市民軍の大きな部分(第2師団の分隊と思われる)の支援を受けたこの部隊は大打撃を与えたが、自身もかなりの損害を出した。だが、この損害は第40が突如として撤退し、数ヶ月姿をくらまし[ガブリエルに補給に向かったのだろうか? -PA]、8月後半ヘスペラスに戻ったことの説明にはなっていないのである。

 3073年9月、第40師団の分隊が短期間アポリオン・チョーズン(第52師団)に加わり、カレドニアの第22スカイア防衛軍を殲滅したが、3074年の11月にデヴリン・ストーン合同軍がヘスペラスを強襲した時には、帰還し完全な戦力に戻っていた。詳細は不明なのだが、少なくとも3個レベルIIIがこの戦いを生きのこったとされている。しかし、彼らが通常WoBMと共にヘスペラスを去ったのか、この重要な工場惑星に残っているのかは不明なままである。


 第41シャドウ師団(ウリエル・ブラインディングファイア――正確な編成不明): 3071年、第41師団はカノープスIVに到着し、首都クリムゾン全域に火をかけ、1年にわたるワードとカノープス派の戦いを終わらせた。それ以来、彼らはカノープス抵抗軍を抹殺し、1〜2個レベルIIIで統一政体の世界、ベース、リンデンマール、メグレス、アドハールウィン、ボーガンズリフトを襲撃した――基地に残していった戦力は不明であるが、敵を根絶し殲滅するために同じ放火戦術をしばしば使用した。

 3073年6月、驚異的だが壊滅したと伝えられていた「エボン・マジェストレイト(カノープス統一政体特殊部隊)」率いるカノープス=カペラ合同タスクフォースがついにブラインディングファイアを自由世界同盟の世界アスプロピルゴスまで追跡した。残虐な戦いの中で、サイバー化した戦士たちが互いに交戦し、第41は事実上歩兵支援のすべてと基地を失い、同盟宙域の奥深くに撤退せざるを得なかった[カペラ製の特別に作られた化学兵器、埋め込み式マイアマーを燃やす「触媒」弾頭のようなものが限られた数使われたと我々は見ている。カペラはこれを共有したがってないようだ。-PA]。いまだマネイ・ドミニの工作員がカノープス宙域で野放しになっているとの噂は根強いが、我々は現時点で第41師団の生きのこった3個レベルIIIの大半がギブソンに帰還したかもしれないと信じている。


 第42シャドウ師団(ベリアル・エンジェルス・オブ・カオス――正確な編成不明): 3071年、第42師団はルシエンとぺシュトの占領・戦闘を支援する部隊として登場した。3072年、この師団の一部はイレースでノヴァキャット氏族の防衛網を突破しようとしたが、ノヴァキャットの見張りの警告のせいで迎撃され打撃を受けた。ルシエンから撤退した後、彼らはノヴァキャットの断固たる逆襲を受け流し、酷い損害を受けたが、残った氏族兵を殲滅するために戦術核兵器を使用し、最終的に勝利した。

 遺憾なことに、我らのメディアと諜報報告はキャットの能力を過大評価していた。それは主として軌道上の作戦行動に制限されていたのである。それにも関わらず、3074年、ゴーストベア軍が突如としてルシエンを強襲し、2個銀河隊以上でブレイク派を引き裂いた時、第42師団はいまだ修理の最中であった。第42師団は核兵器の使用なしで3個星団隊分以上を片づけたが(5個星団隊近くとも概算されるが未確認である)、最終的にベアの猛攻の前に屈した。現時点で、第42の生存者はいないと考えられる。


 第43シャドウ師団(ハボリュム軍団――正確な編成不明): 3072年、第43シャドウ師団はアークロイヤルを狙った大規模な強襲の先陣としてあらわれ、第2、第37WoBM師団の支援を受けていた。戦艦による支援を受けていたにも関わらず、攻撃軍は数個レベルII以上を惑星上に降下させることができず、タスクフォースを構成する全部隊が大打撃を受け撤退した。 [この攻撃自体が陽動であり、アークロイヤルの同盟活動を阻害するため工作員を送り込むためのものだったという証拠が出ているが、その可能性はせいぜいが不明瞭である]

 3074年、ハボリュム軍団は戻ってきた――この時はラドスタットに。未確認の傭兵隊と組んだブレイク派はゴーストベアが大規模な攻撃の準備を行っているのを知った。だが、ベアが攻撃を仕掛けた時、第43はすぐに支援傭兵隊を犠牲にして、ラドスタットの首都に数発の中性子爆弾を投下し、同時に惑星の水源に有毒の生物兵器を放った。[昨年、この化学兵器は水中の食物連鎖の半分を絶命の危機に追いやっただけではなく、150万人のラサルハグ人と氏族人を消し去ったという――惑星人口の約17パーセントである。 -PA]。少なくとも2個完全星団隊からなるベアの強襲を生きのこったのはわずか1個レベルIIIであった。かれらの所在は現時点で不明であるが、彼らのラドスタットでの行動がゴーストベア氏族の怒りに火を付けた可能性がある。


 第44シャドウ師団(アヴィトゥ・アヴェンジング・エンジェルス――正確な編成不明): エンジェルスの最初の目立った作戦行動は――我々がこれまでにそう決定できたのは――3072年前半のヨナー征服であるが、この部隊の一部(指導者アヴィトゥ含む)は3068年以来中心領域で目撃されており、オパクス・ヴェナトーリのような独立特殊部隊の作戦に同行することが多かった。

 3072年後半、第44は恒星連邦の主星を甚大な被害、大規模破壊兵器なしで確保する命令を受けニューアヴァロンに送られた。[ケンタレス効果を引き起こしてしまうのを嫌ったのかもしれないが、他の王家に残忍な扱いをする一方でそれを心配する理由は定かでない。あるいはおそらくワードの上層部が恒星連邦に一定レベルの共感を抱いているのかもしれない。 -PA]。3073年までに、第31、第36師団の生き残りと組んだ第44は第三次ニューアヴァロン争奪戦で辛勝し、最高司令官ジャクソン・ダヴィオンを殺し、ダヴィオン山の司令本部とアヴァロンシティの廃墟を確保した。だが、形勢は不安定なもので、同盟軍が兵士を揃えた時に、ワードは3074年までに全師団を呼び戻した。

 興味深いことに、情報によるとアヴィトゥとエンジェルスは第三次戦で大打撃を受け、昨年、ニューアヴァロンのブレイク軍を統制していたのは第36の指揮官ジェフリー・ザッカーだったという。しかしながら、ブレイク派が出発したとき、アヴィトゥ隊はダヴィオン山を離脱した最後の部隊となり司令部の一部か全体を崩壊させた。


 第45シャドウ師団(アリオッチ・アヴェンジャーズ――正確な編成不明): 3070年に第28WoBMと共にバックミンスターにあらわれた時はツンリダ・テラーの名で知られていた第45は、ウルフ竜機兵団デルタ連隊との戦いで指揮官とその名を失った。激しい戦いの中で、ブレイク派は竜機兵団に重い損害を与えたが、自身も戦艦支援を含む甚大な犠牲出した。ツンリダが死ぬと、第45は第28師団の指揮官、デーヴ・ボーマン司教の命令で撤退した。

 師団の指揮権はアリオッチ司教の手に落ち、アリオッチ・アヴェンジャーズとして再建された。3072年、第45はふたたび第28WoBMと共にベンジャミンを征服し、同年11月にはDCMSによる惑星奪還を阻止するのに成功した(このときWoBMの支援はなくなっていたというのに)。だが、数ヶ月後、この師団がDCMSの攻撃からほとんど回復していなかったその時、ノヴァキャット氏族がベンジャミンに1個銀河隊を落とし、突然の不可解な電撃戦を仕掛けたのである。大虐殺を逃れ得たのはわずか1個レベルIIIのみだったと報告されているが、アヴェンジャーズ――もしくは同じ記章を使う他のシャドウ部隊――が再登場したかは未確認のままである。


 第46シャドウ師団(アイポス・ライオンズ・オブ・ディスティニー――正確な編成不明): この師団は明らかにしばしのあいだ把握されずにいたのだが、最初の確認された攻撃は、3072年の12月、この部隊の1個レベルIIIがフィルグローブの大規模な修理補給所にいた恒星連邦の保安部隊を圧倒したことである。目標のみに注視したライオンズはその目標――補給庫自体――の破壊が確認されるまで直接防衛部隊と向き合うことなく、それからAFFS部隊を猛烈に攻撃し、整然と退却した。

 それ以来、この部隊は目撃(または報告)されておらず、我らの諜報部は襲撃部隊(自分たちの記章だけでなく偽の記章も使う)ではないかと分類している。恒星連邦地区を専門しているかもしれないこれらの戦力は、昨年のタウラスによるものと思われていたタイゲタ、ホブソン、ブルセット、ハイルライトの襲撃を行った可能性がある。


 第47シャドウ師団(アザゼル・ウォッチャーズ――正確な編成不明): 第47が最初に確認された戦闘は、3072年の10月、ガラテアに対する断固たる破壊的な強襲の主力になったときのことだった。第11WoBMと、傭兵隊のバラード装甲機兵団、グレイゴーストの支援を受けたウォッチャーズはガラテアシティへの派手な――INNの映像が事実なら自殺的に見える――戦闘降下を行った。

 1年をこの惑星で費やし、最初の侵攻を逃れワードの政策に乗り損ねた傭兵隊を狩り倒した後、第47は移動した。戦場での回収のおかげで戦力は最大であった。しかしながら、カースファイアン、コリダンV、ドロミニIV、コンスタンス、ライド、ウヌクアルハイへの散発的な襲撃(いずれも昨年報告されたもの)はさておき、この師団はガラテア以降、活動が見られていない。[閣下、ご承知の通り、我が軍の作戦中、第47はオデッサ、ガブリエルに姿を現しました。しかしながら、彼らの戦闘に関する分析と配置の予想は未決定です。-PA]


 第48シャドウ師団(リンモン・ラヴィジャーズ――正確な編成不明): 3071年8月、小惑星がカペラの世界ネクロモを直撃した。その威力は核兵器数百個分に相当するものだった。カペラ政府はネクロモが沈黙していることに気づいたが、大連邦国のHPG通信が完全に崩壊していた上に、ブレイク派が一週間前にこの惑星を略奪していたので、数ヶ月間原因を特定することができなかった。[アーカブ、シノノイ、タウルスの件を考えると、もちろんこれが不幸な偶然の一致とは考えられない。 -PA]

 その強襲の中心は、これまで知られていなかった第48シャドウ師団だったとされる。彼らの航空宇宙戦力は造船所の防衛網を無効化するのを助け、カペラの戦艦〈サンダーマン・リース〉〈アンフイ〉の撃沈を支援した(その代わり、ワードは戦艦一隻を失ったかもしれない)。地上では、ラヴィジャーズはすぐにシン軍団と郷土防衛軍――両部隊はいまだ至高の正義作戦の損害を回復しているところだった――を発見、殲滅し、回収と占領にはほんとど時間をかけず、最初の小惑星が惑星に衝突し、大都市を壊滅させるわずか数日前に出発した。

 情報筋によると、第48師団は3072年半ばにボラを襲撃し、CCAFの防衛隊と取り急ぎ交戦した後で撤退したかもしれないという。それ以来、彼らは昨年のサイツァン、スーク、オールドケンタッキーなど大連邦国コアワード前線での一連の襲撃に関わった可能性がある。


 第49シャドウ師団(ダンタリオン・ダージ――正確な編成不明): 第49師団――当時の名はナーマー・ナイトウォーカーズだった――が「公式に」姿を現したのは、3072年の6月6日、部隊がレグルスシティに急襲降下したときのことである。第1レグルス軽機兵隊を抹殺し、首都を猛火にさらしたこの強襲は、師団の指揮官、ナーマー司教という潜入工作の達人による1年の努力の総決算だった。ソーニャ・アモーラの身分で数年活動していたナーマーは、地元の有名な社交家としてレグルス国王カーク・キャメロン=ジョーンズの信頼(と心)を勝ち取り、彼の国家を内側から破壊した。だが、ナイトウォーカーズがレグルスを攻撃したのは、これが最初ではなかった。実際のところ、この部隊は、3071年の5月、マーリック共和国の記章をつけて第2レグルス軽機兵隊を壊滅させたのである。

 レグルスを徹底的に破壊した後で、第49はギブソンに戻り、3073年の前半、ナーマーはどうやら(そして不可解にも)指揮権を副指揮官のダンタリオン司教に譲ったようだ。その結果として部隊名は変更された。ギブソンに残ったダージは、この年の後半、アポリオン・チョーズンとともにレグルスによる早まった報復攻撃を防ぎ、それから3074年、イリアンの反乱と戦うのを支援するため移動した。


 第50シャドウ師団(エリゴス・ヘルナイト――正確な編成不明): 他のシャドウ師団と同じように、ヘルナイトは聖戦が始まってから数年たつまで姿を現すことがなく、シャドウが中心領域との戦争に関わる意図がなかった――氏族と戦うために作られ準備していたとされる――との説に説得力を与えている。それにもかかわらず、第50はソン・ホア、コーンケンへの二重襲撃をやってのけ、奇妙にも両世界の工場に打撃を与えることはなかった。この電撃的攻撃は地元の守備隊を混乱に陥れたが、彼らは装備を奪取し防衛軍を分散させることに注力していたことから、敵に与える損害を事実上最小化した。だが、ヘルナイトが死屍累々の戦闘を避けていると考えた者は、3072年に裏切られることになった。コムスター、ライラ、放浪ウルフの合同軍がドネガルを取り戻すため、第50と死闘を繰り広げたのである。第50の反応は氏族軍とコムガードに力を向けるというもので、ヴィクター・シュタイナー=ダヴィオン軍の両側面に損害の大部分を与えた。これがブレイク派の敗北の原因になったかもしれない……無視されたライラ軍は第18WoBMに集中することが出来たのである。第18が撤退を強いられると、第50の攻撃的な姿勢は防衛的な戦闘しながらの退却に変わり、一日の戦闘後にドネガルを放棄したのだった。

 その日から二週間後、ヘルナイトは再補給のためコベントリに姿を現した。封鎖され、半支配されたこの世界に独自の足場を設けた第50は、コベントリを拠点として、ライラ同盟のグアタビータ、クリジェフツィへの原材料襲撃を仕掛けた。未知の基地[おそらくはガブリエル -PA]に移動したこの師団は3073年にアトコンガ、ニューエクスフォードを襲撃し、LAAF、ケルハウンドと交戦して、大打撃を与え、その後、12月にバウンティフルハーベストで放浪ウルフ氏族軍に手痛い損害を受けた。数ヶ月間どこかに消え失せた後、3074年7月、この師団の一部がライラ=自由世界国境に再登場して戦争で混乱したボランを短期間占領し、その後、ソン・ホア、スタンツイヤ、カーメンツへの大胆な攻撃を仕掛けた。我々はこの師団がいまだ戦力低下しているのでないかと疑っている。ギャラリー襲撃(3074年10月)に関する最新の報告によると、彼らは恐怖戦術に頼るところが大きくなっているのである。


 第51シャドウ師団(アズラエル・テランガード――正確な編成不明): 第51シャドウ師団はワード・オブ・ブレイクがマネイ・ドミニのために作ったエリート部隊の中でもっとも新しいものかもしれないが、皮肉にもこの戦争に最初に参加した部隊となった。コムスターの失敗したケースホワイトに先駆け、地球に送られたのである。アズラエル司教に率いられたテランガードは、地元のWoBMとテラセク(地球保安部隊)からの最小限の支援を受け、北ヨーロッパに上陸したコムガード兵の大部分を残忍に打ち負かしたのだった。この日からテランガードが人類誕生の地を離れることはなかったが、この師団の分隊(たいていは1個レベルII程度)が太陽系の各地に派遣され、タイタン、イオ、マーズ、そしてヴィーナスにさえ何週間も姿を見せるのである。


 第52シャドウ師団(アポリオン・チョーズン――正確な編成不明): ワードの最上級の体現者にして、まだ見ぬマスターの最も敬虔な信徒たちであるアポリオン・チョーズンは、3068年になる前、戦線が始まるほんの数週間前に始動したと思われる。だが、この師団が全容をあらわしたのは、ポール・マーリックによる(その娘、コリンを通した)親ワード政権がギブソンの統治権をマスターとお気に入りのサイボーグ師弟に割譲してからのことである。チョーズンは素早く――残忍に――ギブソンの敵をすべて排除し、この惑星を暗黒世界に変えたのである。現在、惑星の生き残った都市には、巨大な工場と軍事キャンプが点在している。一部の噂によると、これらの基地の目的は、新世代の致死的な――しかし究極的には消耗品の――サイバー兵士を作り出すためのものだという。

 3073年4月、第52は保護領とライラ宙域での血塗られた戦役に着手した。ホールから始めたチョーズンはマーズ胸甲機兵隊(ワード雇用下の傭兵で、執拗に援助と契約条項の再考を求めていた)を皆殺しにし、それから彼らが守ることになっていた都市を破壊した。二ヶ月後、この師団は自由世界同盟のアルファードを叩き、ライジングサン軍団(アリス・ルーセ=マーリックの反乱軍に参加する傭兵隊)の残存勢力を殲滅してから、ギブソンに戻って8月に行われたレグルスの強襲をはねのけた(第49師団の支援を得た)。異常なまでの機動性を示すもうひとつの例として、チョーズンは9月にカレドニアに再び姿を現し――このときは第40シャドウの一部が加わった――第22スカイアがヘスペラスIIを攻撃する前に殲滅した。この戦役は3074年2月のボラン強襲で完了したようだ。打撃を受けているがまだ致死的であったチョーズンはボランの第2ブリオン軍団傭兵連隊を一掃し、惑星首都を略奪して惑星全土と周辺地域を混乱に陥れた。この破壊の嵐の後で、チョーズンはギブソンに戻り、第49シャドウの支援を受けてレグルスの襲撃を防いだ。現時点で、チョーズンはギブソンにおり、6個レベルIIIの最大戦力で活動していると思われる。


 オパクス・ヴェナトーリ(シャドウハンターズ――正確な編成不明): 厳密にはシャドウ師団ではない(名目上第52に所属する)オパクス・ヴェナトーリはワード・オブ・ブレイクのライト・オブ・マンカインドとマネイ・ドミニで作られた独立部隊である。3066年にふたつの異なった部隊として作られた彼らの現在の指揮官は、我らの報告書によると、マネイ・ドミニにしてアポリオン司教に近しいスペクター司教ベリスである。この秘密作戦部隊(いろいろな意味で)は、元カオス境界域におけるウルフネット情報網の破壊、ディーロンでのホヒロ・クリタ卿の身柄確保、デネブ・カイトスのデネブ軽機兵隊殲滅、アポリオンが占領し「変形」させたギブソンの新ギブソン自由同盟セルの血塗られた粛正など、ワードの成功の多くに関わっている。

オパクス・ヴェナトーリの正確な編成は不明であるが、この「シャドウハンターズ」が少なくとも2個レベルIIを持ち、ワード・オブ・ブレイクが配備する最新装備を使っていることが広く受け入れられている。その隊員たちは、ディーロン、ハマル、アケルナル、ソリン、デイトン、リギル・ケンタウルスや他の世界で目撃されている[我らの最新の報告によるとオデッサでも。-PA]。




傭兵支援軍


 聖戦前の10年間、中心領域の各諜報部はワード・オブ・ブレイクが合法的、非合法的に傭兵を多数雇っていたことに注意していた。MRBCを通した合法的雇用から、ダミー企業を上手く使った非MRBCの契約まで、色々な方法で資金を出したワードは数百――数千ではない――の様々な大きさの傭兵部隊を雇った。実際、非常に多くの不正規兵が巧妙な手法で雇われてきたので、ワードの仲介者から資金を得ている部隊が、他のブレイク派の支払いを受けている部隊と戦う例が何度かあったのを我々は調べ上げた。[それらの悪名高い事件は、エプシロンエリダニで起きた、ローンスター連隊とレッドフィールド反逆隊のものが思い出される。-PA]

 戦争の数年前、ブレイク派は多数の傭兵を各種の作戦に投入した。主にカオス境界域とコンパス座連邦で、これらの地域は現在、事実上ワードの保護領となっている。他の部隊はどうやら中心領域中で秘密の作戦に使われたが、またもや右手のやっていることを左手が知らないということになったようだ。

 聖戦が勃発した時、これら兵士の多くはあちこちに動かされ続けたが、重要な部隊はWoBM(ワード・オブ・ブレイク市民軍)が現在活動しているのと同じ地区に回された。通常の市民軍の活動と同じようにブレイク雇用下の傭兵隊は担当地区の目的に添った活動をしている。


保護領地区
 ブレイク保護領地区の傭兵部隊の多数は、守備、暴動鎮圧、訓練任務を行っている――これらはすべて、外部からの攻撃に対する保護領世界の守りを固めるものである。彼らは漠然と二種類に分かれる。保護領国境近くに駐留する部隊と、地球からジャンプ一回のところに駐留する部隊である。

ライラ同盟地区
 保護領地区と違って、外部の地区の部隊は攻撃的な役割、特に目標襲撃、偵察襲撃、ブレイク軍主力による強襲の支援に用いられる。ライラ同盟の部隊はこの典型である。

恒星連邦地区
 ライラ地区のように恒星連邦地区で雇われている傭兵たちは、主に産業と指揮系統を混乱させることを狙った攻勢作戦に重きを置いている。また、ニューアヴァロン戦のような大攻勢の支援にも広範囲に使われている。

カペラ大連邦地区
 他の外部地区軍のように、カペラ地区の傭兵隊は、目標襲撃から偵察襲撃、強襲支援作戦まで、攻撃を任されている。ミスディレクションを狙った作戦も数多く、緊張した恒星連邦国境沿いで騒ぎをあおっている。また部隊の一部は、恒星連邦=カペラ紛争の間、キタリー周辺に作られた小保護領を維持する任務も与えられていた。

自由世界同盟地区
 自由世界同盟地区の傭兵たちはあまり攻勢に使われず、防衛的な役割を任されてきた。ワードの同盟に対する戦略は、アトレウスの親ブレイク政権に強く依存し、自由世界の多くを支配下に置いていたため、ここの傭兵たちは、他の任務よりもゲリラ狩りと「平和維持」に時間を割いていた。

ドラコ連合地区
 ドラコ連合地区の傭兵たちは、ライラ、恒星連邦地区と同じように、主に襲撃と強襲支援作戦に力を注いだ。

辺境地区
 正規師団と同じく、傭兵隊も辺境地区であまり姿を見せないように見える。コンパス座連邦、ワードはタウラス連合のような重要な国を外交でつなぎ止めているようなので、この地域での傭兵の活動の大半は、これら同盟国を支援することである。一方、攻勢作戦はカノープス統一政体、マリア帝国のような敵性国家に向けられている。



保護領地区
 ブランク・コヨーテ (ニューホーム [67-68])
 ブロードソード軍団 (アウトリーチ [67-68], 3068年壊滅)
 バー・ブラックコブラ (ブライアント [67], ニューホーム [68], ディーロン [69-72], アークトゥルス [73])
 キャンド・ヒート (サイメ [67-71])
 カーソン反逆隊 (アディックス [68], カフ [71])
 クリントン特戦隊 (ケイド [67-71])
 第51ダークパンツァー・イェーガー (アウトリーチ [67], 3067年壊滅)
 フィスト・オブ・モーカル (テラ・フィルマ [67-71])
 フューリーズ (カポラ [67-71])
 ハンニバル・ハーミット (ケイド [67], ディーロン [68-70])
 ヘビーヘル・レイザーズ (ガラテア [67], ワセット [71], イリアン [72], 3074年反乱)
 シェン・ホットヘッズ (シェン [67-69])
 ガルリ・カスペロフ騎士団 (イングレス [67-68], クエンティン [69-70])
 マーズ胸甲機兵隊 (フレッチャー [67], レッセールス [72*], ガラテア [72], ホール [73], 3073年壊滅)
 モバイルファイア (ニューアース [67-68], インブロスIII [69])
 シモンソン・カットスロート (カフ [67-68], アンカー [69], 聖アイヴス [70])
 ステルシー・タイガース (ホール [67-71])
 タイガーシャークス (アウトリーチ [67-68], 3067年壊滅)
 ワコー特選隊 (アウトリーチ [67-68], 3067年壊滅)
 ワナメーカー・ウィドウメーカーズ (ガラテア [67], エプシロン・エリダニ [68-70], アウトリーチ [71-73])

ライラ同盟地区
 バラード装甲機兵団 (ゾーン・キープ [67], アディックス [69], ガラテア [72])
 グレイゴースト (アンディロン [67], エダシク [68], キャッスルトン [69], ガラテア [72])

恒星連邦地区
 ブロードストリート・バリーズ (フォーマルハウト [68], バサルト [69-71])
 ブロンソン群団 (エプシロン・エリダニ [67], オレステス [68], ティバルト [69-70], ニューアヴァロン [71-73])
 ラフェイエット軍団 (アカマー [68], 不明* [69])

カペラ大連邦地区
 ブラックアンガスボーイズ (チェレンターロ [67], ロイヤルストン/アトラス [69], ベイド [70], キタリー [71-72])
 ドラゴンブレス (キーセン [67], フーチョウ [69], シーアン [70])
 ジェイコブ・ジャガーノート (ブライアント [67], ムフリド [68-70], ブライアント [71], ラバーラ [72])
 オルソン特戦隊 (ヴィクトリア [67-68])

自由世界同盟地区
 スワン機兵隊 (ガリステオ [67-68], ギブソン [71])
 レイモンド装甲機兵隊 (フレッチャー [67-68], ワセット [70-71], 3071年壊滅)
 レッドフィールド反逆隊 (エプシロン・エリダニ [67], イリアン [69])

ドラコ連合地区
 サザンスナイパーズ (ガラテア [67], ルシエン [69-73])

辺境地区
 ローンスター連隊 (エプシロン・エリダニ [67-68], ミスロン [70], プレイアデス/メローペ [71-72])
 プレイ師団 (ニュー・ヴァリス [69-71])
 クイント・オリンピアン・グラウンドパウンダーズ (ディアドリー・デン [67])
 ヴァルガー・バルガーズ (バルタザールIII [67])

*これらの部隊のデータは現時点で未確認である。











鏡の国のアリス





閣下へ

 この女は狂っております。この狂った女の大言壮語はデータパッドの数百電子ページの中に散乱し、おそらく目くらましの中に一握りの真実が混ざっているでしょう。数百名の貴族、軍事指導者に対する彼女の意見、教義、暴言が関係書類のすべてに見受けられます。私は数十機のロステック機種の技術仕様書、工作員の暗号、システムラベルを発見しました。数千のキーワードと名称をつきあわせる方法はないかもしれません……ROMのデータベースが必要です。軍司教は、パードゥと取り巻きたちが逃げる時にばらまいたウィルス「爆弾」にどれが汚染されているのか教えるのはほとんど不可能であると言いました。

 コムスターROMは事実上、盲目で無口となっております。私は彼女のコメントのうち論理的な部分と、彼女の関心を引いたと思われるニュースネットの切り抜きを精選しました。私はこの文章全体の中にコードが埋め込まれているのではないかと疑っています。数千の意味不明な言葉と言語の中にそれが投げ込まれている可能性さえあるのです。アナリストのチームが丸一ヶ月かけて、これらのフレーズから意味のある部分をより分けました。

 少なくともこれは数年前のワードによる「ホワイトアウト」よりは簡単だったのですが、この記録に隠されたさらなる秘密を解くアルゴリズムは、暗号ロックに基づいているかもしれません。誰に聞いても、この巨大な混乱の解読はほとんど進んでいません。以下は私が見つけることが出来たものです、閣下。このうち1/4が事実だとしても、この文章の全体について考えるのはぞっとしません。

――ピーター・アブダルサーン


……秘密の守護者、それが私である。どの世界にも行け、誰のクローゼットでもあけることができる――これは常人を狂わせるのに十分なことである。

 私は影と光の小道を歩いてきた。尊大だろうか? 私はその権利を得たと信じている。15年にわたって、私は老いぼれた愚か者とちびの子分をだまし、コムスターが諜報面でもかつての恐るべきROMの後継者である「新体制」に入ったと思いこませてきた。

 どれだけのガセネタを彼らに売りつけてきたことか。

 すべてが「自慢」され「崇拝」されたフォヒトと操り人形のダヴィオンの鼻先にぶら下げられている……


……あまりに多くの作戦、多くの秘密、多くの手がかり……

……ユニティシティ(地球の星間連盟元首都)のHPGプライムが失われたのは打撃であった。あまりに多くの技術が失われた。ブレイクはテスラプロジェクトの残りを見つけたかどうか言及していないのだが……

……ろくでなしのケレンスキーは単にSLDFと共に宇宙の奥深くに向かったのではない。双子を一緒に連れていったのだ。彼は双子のことを知っていた。ケレンスキーは傀儡として双子を育て、巨大な宇宙軍とともに戻ってくるつもりだったのではないかと私は疑っている(ハントレスからの証拠もそれを支持している)。(ジェローム)ブレイクはこれを知っていた――私は聖なる日誌を読んだことがあるのだ――コムスターはケレンスキーの背信から中心領域を守る一環として作られたのである。

 私はニコラスがベイビーイーターで、エグゾダスのさなかのある夜、双子を夕食に招待したのではないかと長らく疑っている……


……現在でさえも、ユニティシティの発掘は続いている……

……ディーロンは我らが王冠の宝石である。その歴史は隠されたものほど重要ではない。連合はディーロン要塞を占領したかもしれないが、秘密のすべてを発見したわけではないのだ……




カルポフの遺産

 2869年10月15日。

 この日付である。カルポフの後継者を除いてこれを知る者はない。いつの日か私がこれを伝えるべき時が来るだろう。

 一隻の航宙艦が[隠されし世界]を訪れた。ナビゲーターの計算ミスにより、彼らは失われた星間連盟の施設を発見したと信じたのである。我々を救ったのは幸運であった。スキャナーが彼らを捉え、すぐさま地球への警報が発せられた。この船がニューアースに戻ると、船長は下船を禁止し、秘密を守るために我らのオフィスを尋ねた。ROMのエージェントが彼を殺し、食堂での会合中に隔壁の酸素漏れを発生させて乗員全員を殺したと思われる。

 カルポフはファイブが無防備なのを無視することが出来なかった。だが、どこに兵士がいるというのか? 自前の兵士を育てることは出来るが時間がかかってしまう。そして秘密を守り続けるのも難しい。どうすればいいのか? よって彼はとある傭兵団を探し出した。その傭兵たちは王家の政治に憤慨し、別の国に逃れたのにまたもや政治に巻き込まれていた。一年にわたる戦争に釘付けとなった彼らは疲れ果てていた。カルポフはコムスターに化けようとしている者に化けた交渉担当者を送り込んだ。これはすばらしいやり方だ。日常にほとんどとけこんでしまう。彼らに休養することの出来る駐屯契約を提示した三日後、我らの資金は彼らを買い取った。1個連隊分近い装備を与えると、傭兵の半個大隊が各世界に散っていった。そこで彼らは警備を行っただけならず、兵士の訓練を行った。子孫の一部は今日までこれらの世界を守っている。

 カルポフは、これらの世界を指導するのに最適なのはコムスターの首位者ではないと気づいた。よって彼は後継者に何も語らなかった。

 正確に言うと、デイヴィス・モンロー待祭がコムスターの各施設に物資と食料を配給する消耗材取扱局の運営を任された。ここには隠されし世界も含まれているのである。この部局で私は隠されし世界とその守護者のことを知った。それはクリントン・カットスロートである。


……教えてやった、我らがキュライティス(ヴィクターの工作員、カトリーナによる母親暗殺の証拠を調べていた)を寝返らせたことにダヴィオンは気づいていないと。単純だが致命的。彼のおかげでクインタス(MIIO長官)を拾い上げることができた……

……ホーリーシュラウド(コムスターROMによる技術破壊作戦、略称OHS)は単純で素晴らしい。ROMの伝統の基盤となり、よってすべてのROM司教が独自のOHSを実行に移した。私のものは洗練されていた。馬鹿どもがそれに気づくまで、損害は広範囲にわたり、貴族たちは損害を回復出来ないだろう……

……すべての世界にHPG基地があり、すべてのHPGの地下に世界の概要……

……タンクレッド(サンドヴァル)の薄汚い小さな秘密は守られている。アンジェラ(ハセク)がどうしたものか真実に気づいたようだが……

……我が信徒たちは王家のとるに足らない強欲な政治より高いところにいなければならない。政治は狂人に向いたゲームであり、私は狂ってはいない……

……リチャード・シュタイナーが我らに脅迫されて行動していたことにLICが気づかなかったのは驚きである……

……ジャネット・マーリックは我らが遺伝子プロジェクトの触媒であった。彼女の兄は彼女を二重スパイとして使おうとしたのであるが。バイオテクノロジーは我らが得意とするところなのだが、DNAファイルを更新する必要があったのである……

……政治を操作するために情報を使うのは魅力的であり、たいがいの場合正当化される……

……我らは救世主として現れることが出来る。我らがすべてを支配するまで、勝利は惑星ごとに――それから王家ごとに――やってくるだろう。人類は抵抗しないだろうが、我らが聖なる地球でやったように、再建の支援を我らに助けを請うだろう……

……カーリー・リャオの父親が本当は誰か判明したら、カペラ境界域はどう反応するだろうか? 恒星連邦の貴族階級を崩壊させるというマックスの計画にどれだけ深く関わっているのか知っているだろうか? 彼は我らの助けを借りて、マイケル(ハセク)の大事な部分を得たのである……

……タウラスは我らがトリピッツを除去した理由を知ることはないだろう……

……探査局が首位者タカミによって実行に移されたROMの素晴らしい作戦であることを連合が知ったらどう思うだろうか。コロンバスの再発見でこの計画は割にあう以上のものがあった……

……ケルノフとアジズは結局のところ息子をひとりもうけた。ケルノフは長年の忠誠のあかしとしてこの子供を殺そうとした……

……息子がヘップバーンであることに気づいた時、ダイミョウ・エンドウはどう思うだろうか……

……カトリーナが辺境をうろついているのと、マーリックの貴族たちと会合していることが明らかに……

……ホワイトはこの上ない私の成功である。独自に実行したOHSはさておき。粛正があったにもかかわらず、異端者の船に信奉者を送り込んだのである――ワードがFWLMにやったのと同じくらいうまくいった……









新メック





スタッグ ST-14G Stag

 ヴァルカン・バトルメックを大量に保有するという幸運(あるいは不運)に見舞われたウルバリーン氏族は、新型ヴァルカンを生産することによってバトルメック部隊の拡大を始めた。だが、既存の星間連盟マシンを複製することが、ウルバリーンの未来の計画にそぐわないことが判明すると、マクイヴディ氏族長は旧式機の再設計を求めた。

 最終的にスタッグが誕生した――アクティブプローブを使った偵察も可能なハイテク騎兵メックである。レーザーとSRMのコンビネーションによって、至近距離で大打撃を与え、次にMASCシステムを使って素早く後退し、遮蔽に退避して狙撃を行う。しかしながら、ウルバリーンが近隣氏族から望ましくない注目を集め始めると、最初のスタッグは工場の生産ラインから出るとすぐに戦場へと押し出されたようだ。

 それにも関わらず、この機種は派生型を生み出すに足る活躍をしたとされる――いわゆるスタッグIIである。これはMASCシステムを外して強力なエンジンを積み、プローブと装甲の一部を落として強化ERPPCの試作品を搭載している。また、戦場での耐久性を増すためミサイルはレーザー砲列に交換された。これらのマシンが名無し氏族を襲った運命を生き延びたかは不明である。


タイプ: スタッグ
技術ベース: 中心領域
重量: 45トン
戦闘価値: 1148

                          装備重量
内部中枢:      エンドースティール        2.5
エンジン:         270XL             7.5
    歩行:         6
    走行:        9(12)
    ジャンプ:       0
放熱器:          12[24]            2
ジャイロ:                        3
操縦機器:                        3
装甲板:           153             10


        内部中枢    装甲
頭部:      3         9
胴中央:    14        21
胴中央(背面):           7
左/右胴:    11        16
左/右胴(背面):          6
左/右腕:     7        14
左/右脚:    11        22

武器・装備           配置    装備欄数    重量
ER大口径レーザー        右腕      2       5
SRM4              右胴      1       2
中口径レーザー         左腕      1       1
SRM4              左胴      1       2
弾薬(SRM)50          左胴      2       2
CASE              左胴      1       .5
ビーグル・アクティブ・プローブ 左胴      1      1.5
MASC              胴中央      2       2
中口径レーザー         頭部      1       1






パルヴェライザー PUL-2V Pulverizer

 初期氏族の騒然とした時期を考慮すると、ウルバリーン氏族の指導部は、単なる星間連盟機の改修型では、彼らのアイデンティティと権力基盤を固めるのには適さないことに気がついた。彼らの技術革新は、マーキュリーIIとスタッグの改良で、すでに星間連盟の領域を越えていたのだが、マクイヴディ氏族長はウルバリーン戦士たちが切望していた圧倒的なパワーを持つ完全な新型メックを要求することによって、氏族創世記の「軍拡競争」(見過ごされていたもの)を加速させた。

 最先端の製造技術と星間連盟末期の技法を使ったのみならず、アレクサンドル・ケレンスキーが中心領域を脱出した際にはプロトタイプだった兵器の強化版を使用したパルヴェライザーは、短命に終わったウルバリーン氏族の代表的な指揮メックとなった。長距離火力のために作られたパルヴェライザーは改造型PPCとLRMで遠距離攻撃を行う。同時にECMシステムと大口径レーザーは敵のセンサーを阻害し、慎重な敵を射程に保つ。15トン以上の装甲、CASE、通常核融合エンジンは、パルヴェライザーを初期のより繊細な氏族マシンと比べて、非常に撃墜しにくくしている。これらの優位を持つにも関わらず、他氏族は殲滅に続く神判でこれらウルバリーンの革新技術を捕獲したが、ウルバリーン自身はさらに多くの機体とともに逃げ出したかもしれない。


タイプ: パルヴェライザー
技術ベース: 中心領域
重量: 90トン
戦闘価値: 2068

                          装備重量
内部中枢:      エンドースティール        4.5
エンジン:          360              33
    歩行:         4
    走行:         6
    ジャンプ:       0
放熱器:          15[30]            5
ジャイロ:                        4
操縦機器:                        3
装甲板:           278            15.5


        内部中枢    装甲
頭部:      3         9
胴中央:    29        45
胴中央(背面):          12
左/右胴:    19        30
左/右胴(背面):          8
左/右腕:    15        30
左/右脚:    19        38

武器・装備       配置      装備欄数    重量
大口径レーザー     右腕         2       5
強化ER PPC*       右胴        3       7
大口径レーザー     左腕         2       5
LRM10          左胴        2       5
弾薬(LRM)12      左胴        2       2
CASE          左胴        1       .5
ガーディアンECM    胴中央        2      1.5

*特記: 強化ER PPCは12ポイントのダメージを与える






ラプターII RPT-2X RAPTOR II

 「見えないメック」に関する報告はこれまで幻想として処理されてきたのだが、聖戦が始まってからの数ヶ月、共通のテーマを持った噂の奔流は拒否できないほど首尾一貫しているように見えた。残念ながら、これらの噂はすべて真実であるかのように見える……ワード・オブ・ブレイクが、バトルアーマーでやっているのと同じ手法で、バトルメックを隠匿する能力を持つ新型の「偽装システム」を開発したのである。最新の現地報告は、このいわゆる識別無効化(Void-Signature)システムが、星間連盟の高度な識別消去(Null-Signature)技術と、ワードの擬態装甲の組み合わせであることを、我らの情報源に信じさせた。メックを電子式・赤外センサーから隠すために開発されたこの技術は、人間の目からもユニットを隠すことが出来るのである。

 現在までに確認されている「ステルス・ラプター」の一機種は、ワードの新型、可変速度レーザー(variable-speed lasers)2門、「テーザー」ハープーンランチャー1門を積んでいる。この武装は、ラプターIIが待ち伏せするハンターとして行動すべく設計されていることを示唆している――隠れ場所から飛び出し、無警戒な敵を動けなくして、素早く捕獲するのである。ERレーザー、ストリークミサイル、プロトタイプのブラッドハウンドプローブを搭載する二機種目の仕様が存在すると信じられているが、未確認である。だが、興味深いことに、マネイ・ドミニのエリートたちはこれらのプロトタイプメックをまったく使用していないことが知られている。


タイプ: ラプターII
技術ベース: 中心領域
重量: 40トン
戦闘価値: 969

                          装備重量
内部中枢:      エンドースティール         4
エンジン:         280XL              8
    歩行:         7
    走行:        11(14)
    ジャンプ:       0
放熱器:         10[20]             0
ジャイロ:                        3
操縦機器(スモール)                  2
装甲板(ライトFF):    118              7

        内部中枢    装甲
頭部:      3         8
胴中央:    12        20
胴中央(背面):           4
左/右胴:    10        15
左/右胴(背面):          3
左/右腕:    6        10
左/右脚:    10        15

武器・装備       配置    装備欄数    重量
バトルメックテーザー  右腕      3       4
弾薬(テーザー)    右腕      2       2
中口径VSPレーザー    右胴      2       4
中口径VSPレーザー    左胴      2       4
識別無効化システム    *       7       0
ガーディアンECM     頭部      2      1.5
CASE          右胴      1       .5
MASC          左胴      2       2
*識別無効化システムはすべての箇所の装備欄を1つずつ消費する(頭部除く)




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