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作成:2003/10/13
更新:2009/10/05

アヴァンティ・エンジェルス Avanti's Angels



 小説"Double Blind"の主役である傭兵部隊です。壮絶な過去のなかで生まれた、その戦術と編成は、小規模傭兵隊の理想といえるでしょう。







トルネードの進路の中で In the Path of the Tornado:

 惑星ガルステッドで小さな企業の利権を守るために、他のメック戦士と一緒に雇われていたマーカス・ジオアヴァンティは、スモークジャガー氏族がガルステッドを攻撃したとき、辺境からの侵攻に関するうわさ話を聞いていただけだった。ジオアヴァンティはDCMS(ドラコ正規軍)の亜中隊に強制入隊させられた。この部隊は、他の企業の兵士3名と、ペシュト正規隊の除隊者1名を含み、サン・ツァン兵学校の士官候補生によって指揮された。士官候補生は突撃による名誉ある死を見いだし、小さな部隊のほとんどが破壊された。マーカスはかろうじて彼自身と、他の企業の傭兵だったシャーリーン・ボスケ、ペシュト正規隊除隊者(すぐあとに負傷による死を遂げた)を助け出した。

 1ヶ月後、シュルイアーの世界上で、不気味なほど似通った出来事が繰り返された。第3アルシャイン正規隊にまだ属していたマーカスとシャーリーンは、同じようにむりやり入隊させられた9名のメック戦士とともに、第2の「補助」部隊を作るよう命令された。この部隊は、支援と援軍の見込みなしで、後方防衛、牽制任務を命じられていた。マーカス(クリタによる「補助部隊」の定義が「人間の盾」であるのをいま理解していた)は、あらゆる策略を用い、彼の部隊が生きのびるようにするため、あらゆる戦場でのアドバンテージを利用した。戦闘で疲れ果てたジオアヴァンティ大尉は、3名の生き残りを率い、最後にようやく撤退の呼びかけがあったときに、シュルイアーを脱出した。彼らはジェロニモで、第3アルシャイン隊から分離され、新たな補助部隊を再結成し、第5ゲイルダン正規隊の惑星防衛を助けた。

 ジェロニモ、ハイナー、ジュアゼイロ、アースガルド、カノウィット――エンジェルスは惑星防衛の準備をし、防衛を助けたにもかかわらず、すべての惑星から押しのけられた。撃破された他中隊からの落伍者がエンジェルスにつなぎあわされた。サバイバルのコツを期待してのことだったが、戦闘のたびに装備と生命が等価で代償となったのである。


司令部 Command:

 マーカス・ジオアヴァンティがエンジェルスを率いている。シャーリーン・ボスケが副隊長として活動する。マーカスはスカイア島の有力な商人の生まれで、2年間、ニューアヴァロンメック戦士養成校に通った。家族と不和になったあと、彼はスカイアのジオアヴァンティ家とすべてのつながりを断ち、養成校をやめ、アウトリーチに降り立ち、危険な傭兵契約(ガルステッドでの企業防衛任務のようなもの)を結んで働いたのである。マーカスは公式にエンジェルスの司令官であるものの、公式の制服や階級章をまとうのを避ける。

 エンジェルスは戦術命令権を手放すような契約を拒否する。もう二度と犠牲的部隊にはならないと決心しているのである。彼らが培ってきた素晴らしい評判に基づいて、この契約ポイントを彼らは勝ち取るのである。


保有戦力と組織 Available Forces and Organization

 エンジェルスは氏族侵攻初期の地獄のような日々に、柔軟であることを学んだ。いま彼らは、単機戦闘から、6機メック小隊編成までの戦術ドクトリンを訓練しており、戦闘の最中にいかなる配置にも再編成できるようにしている。この傭兵部隊は、数両の装甲車、数機の航空機と歩兵といった限られた支援を保持している。バトルメックの半数は実戦で能力を証明済みであるが、彼らは3052年初期の戦闘でなんとか氏族技術の武器を回収(サルベージ)していて、のちにそれらを中心領域製のマシンに付け加えた。最近、先進技術を回収したことと、機能する氏族技術を持っていることから、全体の55パーセントはアップグレードされていると考えられる。


技術・輸送支援 Technical and Transportation Support:

 早くも3052年には、エンジェルスは適切な技術支援チームを作り上げている。マーカスは所属していたDCMS(技術スタッフにほとんど敬意を払っていない)から数人のベテラン技術者とひとりの著名なR&D(技術開発)の専門家を引き抜いた。エンジェルスは長期戦役で必要とされる優れた技術スタッフを揃えており、戦場でマシンを戦闘可能な状態に保つ。彼らの支援レベルは80%と見積もられている。

 アヴァンティ・エンジェルスの降下船は完全な航空支援を提供する。アップグレード版ユニオン級ヘブンセントが部隊の主力展開艦船である。彼らの二隻目の降下船は、非常に古いフォートレスで、主に移動メンテナンス倉庫として、また部隊の扶養家族輸送用として使われている。フォートレスはエンジェルス技術者によってのみ維持され、たいてい戦闘からできるだけ遠くに置かれる。


配色と記章 Colors and Insignia:

 アヴァンティ・エンジェルスは、アストロカジー戦役のあとで、純白の色彩と銀の装飾を採用した。彼らは敵に誰と戦っているのか教えてやりたいので、テックたちはマーカスのカエサルに特別な注意を払って塗装した。まずメック全体に白の下地を作り、その後メックの横と足を塗装していく。最後にアークエンジェルの名をメックの胴前部にわたって金で描いて仕上げる。部隊の記章は小さい。太陽に近づきすぎたギリシャ神話のイカロスの詳細な肖像である。バトルメックの左肩に描かれる。メックの名は、胴か左足上部にわたって描かれる。


火中の鍛錬 Forged in Fire:

 氏族侵攻の嵐のなかで鍛えられたエンジェルスは、最初に戦場で生き残る方法を学び、その後、勝ち方を学んだ。カオス境界域で彼らは、アルボリスのファーマー自由軍の一部が裏切り、エンジェルスを破滅に導きかけるまで、一年近く忙しくしていた。3058年の初期、彼らはカノープス統一政体との長期契約を結んで辺境の世界アストロカジーに行き、ハイテクバトルメックを用いる謎の部隊と戦闘を行った。外部の裏切りと内部の衝突で、部隊はほとんど分裂し、この野蛮な世界で立ち往生させられた。もしマーカス・ジオアヴァンティの強い意志と、信頼できる戦士たちの忠実な献身のためでなかったとしても。

 エンジェルスは新たなアイデンティティの感覚と、6機の回収した新型メック(簡単に修理できるもの)とともにアストロカジーを離れた。マリア帝国に対する数度の襲撃契約のあとで、彼らはアウトリーチに戻り、スモークジャガー氏族と戦う中心領域を支援する補助契約のひとつを拾い上げた。


士官 Officers:

 キ=リン・タナガの本当の才能は通信にある。彼女はエンジェルスの価値ある財産である。敵の暗号を破る技術、敵の通信を妨害する技術の両方を持つ。彼女のメック技術はそれほどたいしたことがないため、彼女は支援メックを動かしていて、激しい戦闘からはできるだけ保護される。エンジェルスは彼女のアーチャーを改造して最新鋭の通信システムを取り付けた。彼女は「地面を狙うほうが楽」と、よくサンダー弾(地雷弾)を携行する。

 最近まで、ハンフォード“将軍”リーは、連邦=共和国で将軍の地位についていた。どのようにしてエンジェルスに来たかは不明である。カオス境界域が作られた最初の数ヶ月のうち、連邦=共和国軍に残された彼をエンジェルスが救出したのだろうとウルフネットは推測している。


戦術 Tactics:

 エンジェルスは潜入、捕獲、襲撃、その他の作戦を専門としており、「激しく攻撃し、素早く離脱する」アプローチで成功してきた。主導権を取れば戦闘の支配者となれる、そうマーカスは好んでよく言う。エンジェルスは防衛的な作戦と守備任務の類を避ける。氏族から逃げ続けた2年間で、エンジェルスは急いで去るあいだに回収(サルベージ)する術を学んだ。エンジェルスのパイロットは、撃墜したバトルメックから回収できる腕、足、頭、胴の塊を、部隊のテックが使うために、乱雑にだが素早く引き裂く方法を教えられている。

 エンジェルスは敵機の進軍を送らせるために、しばしばサンダー地雷をばらまく。その後、エンジェルスのホバークラフトが敵戦線を駆け抜ける。そのうちの一両は、1個バトルメック小隊の長距離射撃の正確さを増すために、C3スレイブが装備されている。


アヴァンティ・エンジェルス Avanti's Angels:

 2個メック中隊/古参兵/信頼できる
 指揮官/第1中隊:マーカス・ジオアヴァンティ
 通信士官:キ=リン・タナガ
 副長/第2中隊:シャーリーン・ボスケ

 この部隊はエリートのステータスを得るにはやや足りない。そのメックの半分以上が旧モデルだが、完全2個小隊が3055年型、3058年型のメックを使っている。部隊の重量配分は実に古典的である。1個小隊が軽量級、1個小隊が高速中量級、3個小隊が中重量級、1個小隊が強襲級である。部隊はワーキングスタイルを維持するために、絶えず中隊の構成を再編し、小隊を改名する。

 エンジェルスは、氏族侵攻の時期に回収した氏族技術の武器約16トン分を所有している。彼らはまた1個C3コンピュータネットワークを所持している。メック戦士ジェイス・ヨルゲンソンが部隊に持ち込んだものだ。


エンジェルス航空隊 Angels Aerospace:

 航空小隊/一般兵/信頼できる
 航空隊指揮官:ナサニエル・クリッパー

 エンジェルスはカノープスとの契約中にナサニエル・クリッパーを得て、もうひとり別のパイロットを加えて、1個航空小隊を編成した。幾度かの懸命な駆け引きによって、2機の古いが使用できるスティングレイ戦闘機を獲得した。


エンジェルス特別強襲部隊 Angels Special Assault Force:

 混成中隊/古参兵/信頼できる
 部隊指揮官:ハンフォード・リー将軍

 強襲隊は1個装甲小隊と、小規模な機械化歩兵の分遣隊を含んでいる。装甲隊は、2両のサバンナマスター、1両の古いSRMキャリアー、1両のサラディン強襲ホバータンクである。ベテラン歩兵は、対メック戦術から一般的な火力支援、偵察までのすべてを訓練している。

竜機兵団評価値: B+








指揮小隊
 カエサル、ウォーハンマー、マローダー、パンサー
偵察小隊
 ダート、シカダ、ダート、センチネル
支援小隊
 カチューシャ、アーチャー、カチューシャ、ライフルマン
強襲小隊
 オウサム、ライフルマンII、ハイランダー(クレイモア型)、バトルマスター
軽量小隊
 キンタロー、ラインホルダー、アーバンメック、ラインホルダー
中量小隊
 ファルコナー、ウォードッグ、シャドウホーク、グリムリーパー
航空小隊
 スティングレイ、スティングレイ
装甲小隊
 サバンナマスター、サバンナマスター(C3スレイブ搭載)、SRMキャリアー、サラディン
歩兵1個小隊
 (あらゆる訓練を積んでいて、特に対メック作戦を得意とする)
海軍
 ヘブンセント(ユニオン級降下船)、ヘッドオブピン(ピンヘッド、フォートレス級降下船)









小説サマリー

 3058年3月17日―アバンティ・エンジェルスはアルボリスでの契約からちょうど離れたところであった。アルボリスで彼らは、惑星上のカペラ大連邦国軍に嫌がらせ攻撃をするため、ファーマー自由軍(FFA)に雇われていた。どこかで誰かが、バトルメック中隊を雇った金のいくばくかを取り返そうと決めたに違いない。二ヶ月間、イシャラ擲弾兵隊への一撃離脱戦術を成功させたあと、FFAは擲弾兵隊司令官ジョン・ヴォンにエンジェルスの陣地を文字通り売り払ったのである。エンジェルスはなんとかアルボリスを脱出した――甚大な損害が彼らの戦力を減らしていた。彼らは二人のメック戦士と3機のメックを失い、残った中隊もひどく打ちのめされていた。FFAを離脱したメック戦士ブレント・カーサコフが加入したにもかかわらず、部隊の戦力をほぼ完全なまで戻すのに、エンジェルスは中隊の金庫にしまわれていた最後のコムスタービルと、同様に傭兵隊員の個人資産のほとんどを費やさねばならなかった。

 軍事部隊(解散の危機に突き進みつつあるエンジェルス)を支援する運転資金が必要ななかで、マーカスは、シーンズ男爵の申し出た契約を受け、彼が最近勝ち取った独立の維持を助けるため、ニューホームへとジャンプした。報酬はかろうじて二ヶ月分が前払いされるのみだったが、回収権はエンジェルスがしばらくお目にかかっていなかったような良いものであった。支払いが終わった後でもまだ完全な戦力には不十分だったが、彼らの生きる道を助けるには充分だったかもしれない。片目を未来に、もう片方の目を新たな雇用者に用心深く向けたエンジェルスは、ニューホームの補佐に向かったのである。

 惑星は、第30ライラ防衛軍(カトリーナ・シュタイナーからの招待を受けず、ライラ同盟に戻らないことを決めていた)の支援を受けて、自由を得ようと務めていた。ニューホーム正規軍(サン=ツー・リャオに支援されたツァンシェン・ディ・グァン・テロリストグループの一派)は、第30隊に対して、かなり成功したゲリラ戦を数ヶ月間、展開した。第30隊は、カトリーナの申し出を受けないと決めたことで、主要な補給源を失い、拡大する戦役のなかで資源を危険にさらすわけにはいかなくなった。そこで、ニューホーム正規軍の抵抗活動を終わらせるため、遠隔基地を発見して破壊する任務がエンジェルスの手に託された――この仕事はアヴァンティ・エンジェルスに特に適していた。エンジェルスは電撃戦のスタイルに特化していたのである。潜入、捕獲、襲撃――どの状況でも、強打即時離脱のアプローチが必要とされる。それは2年間にわたる氏族侵攻の地獄のなかで培われてきた戦闘哲学だった。

 氏族侵攻初期の期間、エンジェルスはクリタ家DCMSの一部であった。氏族に抵抗する正規部隊の追加戦力になるよう作られた、バトルメック6機の特殊な部隊だったのだ。彼らの非公式な役割は、犠牲となることだった。マーカスは常に責任を負い、エンジェルスは戦列連隊が逃げる貴重な時間を稼ぐための後方防衛任務を常に引き受けていた。

 DCMS正規軍を強化するにせよ、単独で行動するにせよ、エンジェルスは氏族に立ち向かったときはほとんど敗北を喫してきた。マーカスは数多の素晴らしい戦士たちが散るのを見てきた。そのうちの何人かは彼の友人であった。男女は大地の上で生を終えた。その部分はすぐに武器によって黒焦げになるか、巨人の足の下でかき回されるか、戦闘マシーンに踏みつけにされた。しかしエンジェルスは生き延び、粉砕された他部隊の生き残りによって補充された。整備兵に歩兵。メックパイロット(カウボーイ・ヴィンス・フォーリーを含む)と彼らのマシン、失機者の中から数多くである。彼らのサバイバル能力は落伍者たちを引きつけた。ちょうど彼らが培ってきた経験、その特殊技能は言うに及ばず、小部隊の交戦に関する戦術や、逃げながら回収する方法といったものを、上級者たち――エリートにさえも――教えているように。

 しかしながら、次の戦いで生命と装備が代償として要求されると、当初の成長の感覚はどこかに行ってしまった。そういった絶え間ない戦闘と変化の年月により、エンジェルスは放浪するライフスタイルに身を投じることとなった。同様に、攻撃がすべての利点となると確信したのである。この傭兵部隊は防衛戦を避け、また守備任務を引き受けることがなかった。マーカスはもう何かを守るために重要なものを費やそうとはしなかった。場所でも、人でも、戦いでもなかった。「主導権を持ち続けよう。そうすれば戦闘の支配者となれる」この教訓は次の機会で活かされた。

 ニューホーム正規軍のシールマンベースキャンプには、大量の補給物資があった。1個強化バトルメック中隊と通常歩兵大隊に守られていた。マーカスは、中隊未満の戦力でニューホームに降り立った――メックの一機は修理中だったのである――そして一両の軽サバンナマスターホバークラフトがあった。11機と16機――あまり勝ち目はなかった。マーカスが決定的な決断を下すまでは。ニューホーム正規軍の武器、物資といった補給品の排除が目的だったマーカスの計画は、タイミングの良い攻撃で直ちに遂行された。

 彼らが氏族と戦っていたときのこと、エンジェルスは、なんとか氏族技術の武器や装備を少量だけ回収していた。機能するオムニメック(恐怖の的である氏族版バトルメック)を得たことはなかった一方で、半ダースの氏族PPC、数本のレーザー、ガウスライフルを一本だけ備蓄していたのだ。ジオアバンティは、ニューホーム上の敵軍司令官に致命的な効果を与えるため、これらの装備を用いた(ウォーハンマーに装着した)。

 敵軍を敗走させたエンジェルスは、損害(メアリーの恋人であるトーマス・ファベールのマローダーが最悪のダメージで一方の腕を破壊されていた、この男はドラコの生まれだが氏族のエレメンタルであると噂されている)と、戦利品を評価した。5トンのサバンナマスターホバークラフト(すでにエンジェルスが保有していた車両に似たもの)、加えて炎上したウルバリーンと破壊されたローカスト、加えて半分スクラップになったジャガーメック、これはマーカスのPPCの被害者である。エンジェルスのマシンを修理し、ジャガーメックが動けるように戻せそうなほどの充分な軍需品と補給品で、彼らの倉庫は満たされた。シャーリーンとヴィンセント・フォーリー(プロメテウス分隊の隊員2名)は爆発を引き起こしたが、軍事物資倉庫の中でではなかった。エンジェルスは補給物資を奪取しないので嫌悪されていた……特に充分な量の航空燃料タンクを吹き飛ばすときは。ジオアヴァンティは正規軍追撃を命じたが、それは単に彼らを駆り立てるためだけのもので、メック戦士ポーラ(彼女はマーカスの気を引こうと常に無駄な努力をしていた。マーカスは傭兵部隊指揮にビジネスライクな態度をとっていたのだが)を残していった。ワスプに乗り、ジャガーメックのパイロット(敵司令官)を捕虜として警護するためである。

 3058年3月19日―副官のボスケは、ジェイス・ヨルゲンソンの助けを借りるという契約を結んだ。この男は自由世界同盟の生まれで、これまで彼女が出逢ったなかでもっとも機略に富んだひとりだった。エンジェルスへの参加の仕方さえ、印象的であった。彼らの作戦……ゴーストベア氏族の後方戦線である本拠地ユトレヒトを襲撃するというものを聞きおよぶと、彼はサービスを申し出たのである。彼の家族を助け出すことが条件だった。彼はさらに(ドラコ)連合の貴重なC3コンピュータのひとつを持ってきた。これを使えば、メックの照準システムの情報を分け合うことができる。前の部隊を指揮していたときに事務上のミスと見なす離れ業で、これを手に入れたのだった。ジェイスはいまエンジェルスの偵察員長で、素晴らしい強襲級メックのパイロットである。

 しかしながら、今度の作戦のために、彼はアウトリーチ(中心領域で活動しているすべての傭兵の中心地)へと帰っていた。エンジェルスはまだ財政的に不安定な状況にあり、マーカスはもうひとつの仕事が必要であることがわかっていたのである。ジェイスは、エンジェルスにいた2名の失機者のひとりにバトルマスターを貸し出し、エンジェルスの他の降下船、扶養家族、技術支援スタッフのほとんどと一緒にアウトリーチに残ることにした。ヘッド・オプ・ピン(ピンヘッドと愛情を込めて呼ばれている)は、古のフォートレス級降下船で、本当に腕のいい数少ない整備兵の技術によって維持されている。戦場から充分離れた安全なところに置かれるピンヘッドは、普通、エンジェルスの扶養家族と支援人員を基地から基地へと運んでいる。







アヴァンティ・エンジェルス 3071

 氏族侵攻の厳しい時期に犠牲的な部隊として作られたエンジェルスは正規軍が退却に退却を重ねている間、敵の牙の中に何度も放り込まれた。損耗は激しく、もし彼らが戦場の「孤児たち」を拾い上げて戦力を強化しなかったら、その存在を辞めていたことだろう。生命は安く、短かったが、採用された戦士たちは、家と目的と、失うものがないかのごとく戦う戦友たちを与えられたのである。

 困難をものともせず、部隊は生き残り、小規模な生計を立てるレベルの傭兵隊としては成功しさえしたのである。このサバイバルの才能はエンジェルスに熱心な部隊であるとの確たる名声を作り上げたのである。カオス境界域での数度の短期契約で地歩を固め、辺境に行った彼らは最終的にカノープス統一政体とカペラ大連邦国(そして噂によるとワード・オブ・ブレイク)の注目を集めた。この評判と引き替えに、エンジェルスは、3059年、スモークジャガーに対する星間連盟の強襲で有益な支援契約をつかみ取った。

 シュタイナー=ダヴィオン内戦の間、エンジェルスは公式に「中立」としてリストアップされた。だが、指揮官のマーカス・ジオアヴァンティは自分の部隊を離れ、スカイア地方の疎遠な家族を助けるために小規模な分遣隊を率いた。その詳細は現在に至ってもはっきりしていない。わかっているのは、この小部隊がシルマでカトリーナ派の部隊を叩き、次にゼベベルゲヌビのヴィクター派を叩いたことだ。3067年の短い調査の後で、LAAFはマーカス・ジオアヴァンティを非難する拘束力のない声明を出したが、エンジェルスは公式の起訴を受けなかったのである。

 もう一度、カノープス統一政体と契約したエンジェルスは、3067年に聖戦が勃発した時にジョッパに駐留していた。AMC、同盟傭兵軍に参加していたのだが、彼らは呼び戻しの命令を受け取らず、アウトリーチからのニュースを待っていたが、それが来ることはなかった。ワード・オブ・ブレイクがAMCを壊滅させる大量虐殺の一環として、エンジェルスを攻撃したのはこの時である。

 エンジェルスは強襲を退けたが、地元の統一政体高官が共謀していたことにより、契約を破らざるを得なくなった。上層部との連絡を取ろうとしたが、3068年の後半に統一政体の通信が使えなくなり失敗した。それからまもなく、ニューホームのかつての雇用主シーンズ男爵(ワード・オブ・ブレイクのシンパと疑われている)から救援の要請が届いた。エンジェルスは投票を行ってこの救援に応じることを決め、契約状況が公式にどうなっているのか未解決なまま統一政体を離れた。それ以降、エンジェルスは息の根を止めようとするワード・オブ・ブレイクの攻撃を幾度か切り抜け、また最低でも二度私的な契約を完了している……シーンズ男爵に対するものと、リバティでのものである。

竜機兵団評価値: A-(調査中)

アヴァンティ・エンジェルス
 エンジェルスは猛烈な「攻撃後離脱」作戦に特化している。これは、逃走中のサルベージなど、多くの特殊な戦術に結びついた。常に動き続け、守りの薄い目標を叩く能力によって、これまでのところ彼らはワード・オブ・ブレイクの一歩先を行っている。
 噂によると、戦司教キャメロン・サン=ジャメはエンジェルスに対する個人的な恨みを抱いているという。もっともこれは、AMC、同盟傭兵軍に関わるすべての部隊を根絶するというワード・オブ・ブレイクの企てに由来しているかもしれない。

エンジェルス航空隊
 ニューホームへの大胆な襲撃の直後、エンジェルスは2隻ある降下船のうち1隻、ヘッド・オプ・ピンを失ったと伝えられている。だが、この由緒あるフォートレス級が戦闘での損害で失われたのか、単に移動中なのかはわかっていない。エンジェルスは少なくとも1個の戦闘機小隊を維持し続けている。

エンジェルス特別強襲部隊
 恒星連邦人、ハンフォード・リー将軍の指揮下で、この装甲・械化歩兵の混合中隊は、型にはまらない支援戦術の福袋としての役割を続けている。リバティでは「コヨーテ・カモフラージュ」という戦術を使って、敵部隊を切り立った峡谷に閉じこめるのに成功した。




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