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作成:2002/07/14
作成:2009/04/19

ケンタウリ第21槍機兵隊 21st Centauri Lancers



 「バトルテック」ルールブックにも記述のあるケンタウリ第21槍機兵隊です。中心領域で1,2を争う名門部隊なのですが、大きな戦いに加わっておらず、有名な部隊に比べると知名度が劣るようです。聖戦では大打撃を受けましたが、ダークエイジの時代までエリート傭兵団として生き残っています。




ケンタウリ第21槍機兵隊 21ST CENTAURI LAMCERS: BEST OF THE BEST

 元々は、リャオ家の聖アイヴス装甲機兵団正規大隊だったケンタウリ第21槍機兵隊の創設者たちは、給料が未払いになったことから100年以上前に反乱を起こした。このグループは物資、降下船、航宙船を奪い、カペラ宙域から脱出して傭兵となった。

 それ以来、槍機兵団は静かに高い評価を築いていったが、他のもっと目立つ傭兵部隊の影に隠れている。彼らはリャオ家以外の全王家で働き、いまだリャオに対する怨みを持っている。継承権戦争で大きな損失を被ったにもかかわらず、特筆すべき長きにわたって、エリートの称号を保ち続けた。

 戦場外における正直さと、戦闘中の名誉ある行為で名声を得ている槍機兵隊は、連絡士官から大王家の統治者まで、他者にも似たような高潔さを求めてる。誤った取り扱いをなされたら、彼らはそれを声高に何度も主張する。実際、このようなことが起きて、槍機兵隊はクリタ家との契約を離れたことがある。他王家からの評価が下がることはまったくなかったが、彼らが熱狂的な忠誠を誓う兵士たちと評価されないのは、これが原因であろう。コムスターが自由世界同盟から槍機兵隊の契約を買い取ったのは、槍機兵隊の高潔さが主な理由のひとつであると一部では言われている……コムスターは雇用によって自身の評判が高まるのを望んだようだ。槍機兵隊は最近、ワード・オブ・ブレイクの陰謀に巻き込まれ、不当に評判を貶められたが、真実が明らかになって以来、この部隊は普遍の高潔の評判を取り戻している。


指揮
 ハスケル一族が二世代にわたって第21槍機兵隊を支配しているが、ハスケル指揮官の系譜は終わりをつげそうである。エヴェレナ・ハスケル大佐は息子のマイケルが若干14歳で、これまでのところメック戦士になろうという意志も欲求も見せてないのを見て、ライアン・サーシーを後継者として教育している。

 通常、槍機兵隊は全部隊の戦略、戦術指揮権を強く要求する。過去、大王家は、正規軍部隊を戦役の間、槍機兵隊の指揮下においてきた。これは槍機兵隊指揮官の能力に対する絶対の信頼のあらわれである。


現有戦力と組織
 マーリック家と契約していた際、トーマス・マーリックは安価で槍機兵隊にアップグレードパッケージを供給し、契約をつなぎ止め続けた。この傭兵隊は結局、マーリック家を離れたが、パッケージにより40%のアップグレード率を達成している。槍機兵隊との契約を得て以来、コムスターは似たようなアプローチを行い、技術的支援によって、部隊のアップグレード率は70%という驚くべき数字に達した。

 ケンタウリ第21槍機兵隊は、各大隊に独立した指揮小隊を持ち、連隊指揮部隊を1個完全中隊に拡大した。


技術・輸送支援
 槍機兵隊は100%を超える技術基盤を持っている。全技術者は、現在、コムスターから先進技術、氏族技術の訓練を受けており、その後、アウトリーチで竜機兵団から追加訓練を受けることになっている。槍機兵隊は中心領域の傭兵団で最高ランクの技術支援チームを持っている。

 槍機兵隊は全部隊と装備、一族を輸送するのに充分な降下船、航宙艦を所有している。部隊が所有しているスターロード級航宙艦は、リチウムフュージョンバッテリーを装備し、再充電なしに複数回のジャンプが可能である。槍機兵隊は他の航宙艦にもリチウムフュージョンバッテリーを組みこむ予定だ。


配色と記章
 槍機兵隊は、バトルメックと気圏戦闘機をロイヤルブルーで塗装する。戦闘機の下面はライトブルーで、全車両が地形に沿ったカモフラージュを使っている。

 ケンタウリ第21槍機兵隊の記章は、縦になった紫の旗に描かれるコクピットのキャノピーと、交差するように突き付けられた2本の槍である。



ケンタウリ第21槍機兵隊

 槍機兵隊はツカイードに配備されていることを深刻に受け取っている。氏族が停戦を破った場合には最初に攻撃される部隊になることを彼らは知っているのである。彼らは戦司教フォヒト指揮するコムガードで最高の部類に入る戦士たちと共に、または相手に訓練している。

竜機兵団評価値: A*


士官
 ライアン“ブレード”サーシー中佐は槍機兵隊の次席指揮官であるが、それにふさわしくない気質を持っているかもしれない。改造されたバーサーカーに乗った彼は、後方に控えて指揮をとるよりも、近接戦闘に走ってしまうのである。サーシーに匹敵する能力を持った大隊少佐がいないことから、ハスケル大佐はこの問題を解決していこうとしている。


戦術
 槍機兵隊は開けた地形での戦闘を専門とし、制限のある地形を避ける。また、夜間戦闘、非通常重力での戦闘も得意とし、彼らの評判はよく敵をおびえさせるのだった。

槍機兵隊指揮隊
中隊/エリート/信頼できる
指揮官:エヴェレナ・ハスケル大佐
副指揮官:ライアン“ブレード”サーシー中佐
 槍機兵隊は指揮部隊として重強襲メックの1個中隊を使っている。各小隊指揮官のメックはC3コンピュータを持ち、C3スレイブが小隊のメック2機と、第17装甲偵察中隊の装甲車両1両に接続される。さらに各小隊のC3コンピュータはハスケルのメックを通してマスターネットワークに接続される。
 エリートの第17装甲偵察中隊は槍機兵隊指揮隊に恒久的に所属している。各偵察小隊は1個メック小隊に付く。各小隊の装甲車1両はC3スレイブを搭載し、指揮中隊のマスターC3ネットワークに接続する。

ケンタウリ第21槍機兵隊
連隊/エリート/信頼できる
第1大隊:ジェームズ・ルモンズ少佐
第2大隊:キャサリン・リー=スミス少佐
第3大隊:ティ・ヴァン・トラーン少佐
 槍機兵隊は連隊、大隊、中隊、小隊での戦闘にきわめて熟達している。使用マシンの大部分が重量級である一方、各大隊は少なくとも1個強襲小隊、1個軽小隊を持っている。各部隊同士は良い意味での競争関係を持つが、第21槍機兵隊は他に類を見ないような団結した部隊である。

ケンタウリ第21航空槍機兵隊
航空大隊/エリート/信頼できる
航空隊指揮官:ジョシュア・リン少佐
 航空槍機兵隊は3個航空中隊と1個指揮小隊からなる。この部隊の戦闘機は60%の先進技術でアップグレードされており、数機はエクストラライト核融合エンジンを搭載して追加装甲、武装を付けている。

ケンタウリ第21装甲槍機兵隊
6個中隊/古参兵/信頼できる
装甲隊指揮官:ウー・ツィー・セン少佐
 装甲槍機兵隊は大隊の編隊を取ることがない。大隊を構成する各中隊――セン少佐のエリート第3装甲指揮中隊、古参兵の第23偵察中隊、第5火力支援中隊、第11火力支援中隊、第2強襲中隊――はそれぞれ独自に訓練し、センは必要に応じて各中隊を戦場で操る。(エリートの第17装甲偵察中隊は槍機兵隊指揮隊に恒久的に所属する。この中隊の各車両は30パーセントのアップグレードである)

ケンタウリ第21保安槍機兵隊
連隊/古参兵/信頼できる
歩兵隊指揮官:ブラッドレー・ハンター少佐
 保安槍機兵隊は主に通常歩兵で構成され、その主な仕事は槍機兵隊の作戦基地を守ることである。大隊の第4中隊は野戦偵察を行う2個パスファインダー小隊と、間接砲槍機兵隊(ロングトム、アローIV砲兵隊を戦線の後方に展開する1個小隊)を持つ。









偽槍機兵隊事件

 リャオ家によるサーナ境界域侵攻が始まり、ワード・オブ・ブレイクは人類のゆりかごでありコムスターの要塞がある地球を奪取するチャンスをつかんだ。ちょうどカオス境界域の傭兵部隊の高い需要がコムスターの力を激減させたように、自由世界同盟からカオス境界域への襲撃部隊の移動は、地球の攻撃有効距離内にいたワード・オブ・ブレイク軍の数個師団を移動させる助けとなった。

 第四次継承権戦争以来、傭兵部隊のブリオン軍団は、コムスター地球防衛軍の半分を占めていた。彼らは突然、契約を解除して、もっと良い報酬を求めカオス境界域の仕事を請け負った。氏族との境界線からコムガードを移動させるのを渋った戦司教は、ブリオン軍団のかわりに別の傭兵部隊、ケンタウリ第21槍機兵隊を地球に置くことにした。

 ケンタウリ第21槍機兵隊の評判を鑑みて、コムスターは5年間の契約にサインした。そのころ、コムスター内に潜んでいたワード・オブ・ブレイクのエージェントが巧妙な動きを見せていた。

 11月30日に結ばれた契約の下で、槍機兵隊は3058年の1月に地球へ到着した。

 契約が締結してすぐ、第5、第6ワード・オブ・ブレイク師団が槍機兵隊の本拠地ネスターへと降下して、素早く部隊の家族を人質に取り、施設を守った。本物の槍機兵隊が惑星に辿り着いたとき、ワード・オブ・ブレイクの指揮官は話を持ちかけた。もし槍機兵隊がおとなしく待つならば、ギブソンで「保護」されている家族と再び再会できるだろう。もし拒否するならば2個師団(4個メック連隊)が槍機兵隊を破壊し、敵対行為に出たら家族の安全も保証しない。

 槍機兵隊は他にどうしようもなく、身を引いて指示に従った。

 槍機兵隊が地球に辿り着くことなかった。かわりにワード・オブ・ブレイクが自軍の部隊を送り込んだ。槍機兵隊に偽装した「影の槍機兵隊」である。

 3058年2月のおわり、ワード・オブ・ブレイクが攻撃を仕掛けた。地球のコムガードは奇襲を受け、ブレイク派工作員の内部からの破壊活動によって強力な惑星防衛システムを使用不能にされた。各大陸にわたって血みどろの戦いが巻き起こったが、結局は無駄であった。3月のはじめ、ワード・オブ・ブレイクが地球の支配権を手に入れた。コムスターの戦司教フォヒトは、氏族が中心領域の驚異である限り、地球の再占領を諦めた。

 地球陥落のニュースがギブソンに届き、ワード・オブ・ブレイクは本物のケンタウリ第21槍機兵隊とその家族を解放した。そして真の「槍機兵隊の裏切り」はここから始まった。

 ほとんどすぐに、多くの傭兵部隊とワード・オブ・ブレイクの間で交渉が行われたが、傭兵は組織のために働くことを拒否した。

 地球占領のあとで無事解放されたにもかかわらず、この件で槍機兵隊がワード・オブ・ブレイクを慕うことはなかった。




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