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作成:2003/05/31
更新:2010/08/18

第12ヴェガ特戦隊



 大規模で有能な傭兵団。ウルフ竜機兵団やエリダニ軽機隊ほど有名ではありませんが、それに勝るとも劣らない技量と独自の名誉を持ち合わせたエリート部隊です。現在から過去にいたるまで五本の指に入る傭兵隊といっても差し支えないでしょう。



第12ヴェガ特戦隊
12th Vegan Rangers

傭兵部隊(恒星連邦、3025年)

司令官:カール・ヴァンタン将軍
財政状況:良好
契約期限:3026年 7月
部隊規模:4個連隊
熟練度:エリート(アルファ連隊)
    古参兵(ベータ連隊)
    古参兵(ガンマ連隊)
    一般兵(デルタ連隊)
戦車隊:あり
歩兵隊:なし
降下船:あり
航宙船:なし
メック重量:重量級/強襲級級
気圏戦闘機重量:中量級





 明るい星ヴェガは、地球から見てビーコンのように輝いてる。「脱出」のあいだ、それは探検家と植民者にとって様々な意味でビーコンとなった。開拓者たちはヴェガのふたつの居住可能惑星(暖かな気候と豊富な水に恵まれていた)に集まった。

 ヴェガ創設者のひとりはロラン、シンスティック・ヴィクトリーズ社のレンジャーである。この古き時代、レンジャーたちはひとつの星系内の星々のあいだの広大な空間をパトロールしていた。これは6ヶ月間の孤独な時間を気にかけない人々に向いた仕事であった。

 ロランは、彼と仲間10人の生活に沿って、規範を定めた。ロランが書いたところによると、レンジャーはシンプルに生きなくてはならない、正直でなくてはならない、妄想や熱狂にとらわれてはならない。レンジャーの真価はその忠誠心にあるが、盲目的に従ってはならない。企業でなく、人々に仕えねばならず、とりわけそれぞれの運命から自由でなくてはならない。57年後、辺境に育った少年がこの本を読み、12人目のヴェガのレンジャーになろうと誓った。

 その若者は中心領域でもっとも偉大な傭兵部隊リーダーのひとりとなった。彼の名はローレンス・ヘルムンド・ネルソンといい、ヴェルデ公爵として知られていた。公爵は人生のほとんどを放浪生活に費やした。父の王座を簒奪した人物から隠れていたのである。ネルソンは第一次継承権戦争を、ウルバリーンバトルメックのコクピット内で過ごした。正体を隠すため、若き公爵は自身を第12ヴェガ特戦隊と呼び、レンジャーロランのシンボルである輝ける星に向かう"V"を使った。

 多くの人々が、この背が高くひょろひょろした若者に注目した。その瞳は強烈に光っており、信じられないようなアクロバティック的技術を持っていた。最高の傭兵部隊から1ダースもの入隊の誘いがあったものの、ネルソンは別の計画を携えていた。失われた王座を取り戻すために、自分自身の軍隊が必要だと知っていたのである。

 ネルソンは彼が良いメック戦士と考える理念にあった男たちを探し始めた。彼が従っていたルールは、レンジャー・ロランの規範とよく似ていた。彼は小隊を作り、小さな中隊を作り、その後、最終的にはメックと車両からなる大隊を作り上げた。捜し出せた最高のメック戦士だけを選び、そして彼の持っていた物腰の何かにより、兵士たちは通常の相場の半分で働いてくれたのである。おそらくそれは彼が持っていた使命の意識……過酷な傭兵の世界では贅沢なもの、だったろう。そうして多くの有能な部下を集めることが出来たのである。

 第一次継承権戦争を通して、ネルソンは復讐の策謀を巡らし、計画を練った。彼の父を殺した男は、彼自身、姉妹のド・マヴェーロ伯爵夫人に殺されていた。彼女は王座を乗っ取り、兄の若い息子二名の摂政となった。1年以内に、ふたりは死に、宮廷にて伯爵夫人は摂政女王と呼ばれた。

 ヴェルデはクリタの襲撃者の群れから守ってくれる軍隊を切実に必要としていた。クリタは絶えず獲物を求めて星系をさまよっていた。

 したがって、熱心な傭兵大尉が宮廷に姿を現したとき、マヴェーロは追い返そうとはしなかった。彼女の現状を知っていた彼は、助力を申し出た。彼女が示した報酬は標準以下だったのだが、彼は受け入れ、彼女を大きく驚かせ、疑わせた。こうして真のヴェルデ公爵は、父を殺した一族のために働き始めたのである。

 クリタの海賊を追い出す以上のことを、ネルソンはやってのけた。ヴェルデの市民軍を改善し、トレーニングキャンプを設置し、恒星連邦内の独立系メック戦士を雇用した。この活動は、にわかにニューアヴァロンの気を引いた。結局、誰もがヴェルデのことを小さく停滞した公爵領で、並みの重要度だと考えており、軍事の原動力になるとは考えていなかったのである。

 マヴェーロ女王は真の名を持たぬその男を信用していなかった。2年後、恐れていた真実の証拠が充分に集まった。ヴェルデの王座を狙う人物を処理するために、彼女は自らの近衛隊分隊を急派した。

 2829年の暖かい夏の夜、ネルソンのシンプルな木製住宅のまわりに、クリタの紋章を付けた4機のメックが降下船から降り立った。レーザーの高熱な炎で、メックは家に火を付けた。一方、マヴェーロ女王の空軍にいた友人から攻撃の警告を受けていたネルソンは、彼のメックを給水塔の近くに撤退させていた。炎が最も高く上がったとき、ネルソンのウルバリーンは、メックのうち一機サンダーボルトのもとに飛んだ。サンダーボルトの長距離ミサイルラックが爆発し、コクピットをバラバラに吹き飛ばした。

 残った3機のメックは散開し、逃げ回るウルバリーンを包囲しようとした。しかしながら、ネルソンは都市郊外のゆがんだ廃墟に彼らを誘引した。街角を急襲したアサシンメックは、ネルソンのワールウインド・オートキャノンからの猛烈な砲火に遭遇しただけだった。

 オートキャノンを遠隔操作にしていたネルソンは、残った3射分のうち、2射分を放った。他のメック2機はすぐさま騒音のほうに向かい、くすぶるミシン工場の周囲に忍び寄った。工場から灼熱するビームが生じ、ウルバリーンが背後から飛び出し、ハンチバック左胴背面ヒートシンクの排気口に金属が叩き込まれた。鋭く尖った金属の槍が薄い背面装甲を貫き、メックの弾薬庫を貫通し、19射分の弾薬を爆発させ、ネルソンのウルバリーンをミシン工場の廃墟に吹き飛ばした。

 最後のメック、ウォーハンマーが、オーバーヒート・シャットダウンしたウルバリーンに近づいたとき、第12ヴェガ特戦隊のローカストバトルメックが到着し、ウォーハンマーと戦い始めた。ローカストは破壊されたものの、ネルソンのメックが冷却するのに充分な時間を稼いだ。

 耳をつんざくように吠えるウルバリーンのジェットが点火し、水平にウォーハンマーを撃った。メックのコクピットは外したものの、ネルソンはなんとか粒子砲の一撃を浴びせ、重量級メックをふらつかせ、電源装置に叩き伏せた。まぶしい火花が上がり、その後静寂が訪れた。

 ネルソンはウォーハンマーのメック戦士の命を助けた。マヴェーロ女王が背後から暗殺しようと試みたことの証拠にするためである。後にこのメック戦士は、マヴェーロ女王の側近とともに絞首刑にされた。ローレンス・ヘルムンド・ネルソンはヴェルデ公爵領を取り戻した。

 200年後、第12ヴェガ特戦隊は成長し、繁栄している。第二次、第三次継承権戦争を通して、特戦隊はダヴィオン政府のために数多の仕事をこなしてきたが、正規軍に加入する申し出は断り続けてきた。

 今日、サラ・ネルソンがヴェルデの玉座にいる。もっとも忠実な配下、シェリダン・ダグラス公爵とともに、彼女は第12ヴェガ特戦隊を4個連隊にまで拡大させた。恒星連邦、辺境の諸侯、ライラ共和国と契約する独立軍である。現在、全4個連隊が恒星連邦に雇われており、彼らの続く忠誠に、特別手当が支払われている。
























第12ヴェガ特戦隊 3059

 氏族侵攻による戦禍を逃れた第12ヴェガ特戦隊は、3057年のマーリック=リャオ攻勢でその姿を見ることができた。戦役中、特戦隊の連隊群は、サーナ境界域のキーとなる4つの世界を守っていた。自由世界同盟とカペラ大連邦国、双方の国境エリアである。マーリックの傭兵連隊にバックアップされたリャオ軍が、同時に4つの世界を叩き、特戦隊がそれぞれに援軍を送るのは妨げられた。

 3倍の数に襲われた特戦隊は、出来うる限り最高の戦いを行ったが、撤退か、消耗による殲滅かの選択に直面した。最初、連隊は統一された防衛線を構築しようと、コーレイ、セカンドトライへと撤退したが、すでに侵攻者の手に陥落しているのを見つけただけだった。結局、特戦隊はふたつの機動部隊に分かれ、敵戦線の後方に残されるのを避けるべく、さらに後退した。

 特戦隊のアルファ、ベータ連隊がニューアラゴンに辿り着くと、彼らは、持ち場を守りさらなるリャオの拡大を妨げよとの命令を受け取った。デルタ、ガンマ連隊はそれほど幸運でなく、プレイオネのパイレーツポイントにジャンプし、新たに雇われたブリオン軍団に守られているのを見た。第四次継承権戦争中に逃亡したのと同じ敵を予期した特戦隊は、連邦=共和国のために世界を取り戻そうと試みた。しかしながら、弾薬不足の問題があり、また再生された軍団に直面し、特戦隊連隊はすぐに連邦=共和国へと足を引きずって戻り、最終的にアルゴルで休息と補修のためにとどまることができたのだった。


司令部
 第二次継承権戦争期、第12ヴェガ特戦隊が傭兵になって以降、アルファ連隊の指揮官が常に先任士官を務め、将軍の階級を帯びる。現在、トム・スタンセルがこの地位にあり、11年間、在任している。部隊指揮官として、彼が特戦隊4個連隊の任務を監督し、各隊の上級士官を管理する。

 特戦隊の各連隊は独立部隊として行動し、将軍だけが1個連隊以上の指揮を請け負う。従って、2個以上の特戦隊連隊が同時に配備される場合は、アルファ連隊がそのひとつとなる。


現有戦力と組織
 カオス境界域での損失後、スタンセル将軍は連邦=共和国からの助けが望み薄なことに気付いた。連邦=共和国は氏族方面の王家部隊の再建と強化に手一杯だったのである。よって、スタンセルはデルタ連隊を解散し、生存者をベータ連隊に回した。こうして、古参兵以上の経験を持つ3個完全連隊が作られたのだった。伝えられるところによると、彼らはすぐにもデルタ連隊の降下船数隻を売り払い、ユニオンのような小型の部隊輸送船を入手して、独立大隊、連隊指揮小隊を作るかもしれないとのことだ。

 特戦隊のメックは大幅にアップグレードされているわけではないが、各種の先進兵器を相当数使用している。


支援
 カオス境界域の激しい戦闘に参加した特戦隊は、新たな契約を結んだ後で、大規模な技術支援スタッフをくみ上げた。特戦隊は1個連隊を失ったにもかかわらず、テックたちを全員雇い続けている。この決断によって、最高120パーセントの技術支援率が達成された。これまでのところ、スタンセル将軍は支援スタッフの削減に興味を持っていない。

 特戦隊は4個連隊の輸送に、オーバーロード級、シーカー級降下船の組み合わせを使っている。デルタ連隊の解散に伴い、降下船の輸送能力には余剰が発生した。だが、特戦隊の航宙艦は降下船の半分を輸送するのみである。結果、スタンセルはデルタの降下船を売却して、追加の航宙艦を購入するプランを考えている。






アルファ連隊 ALPHA REGIMENT: THE CONCRETE CRUSHERS

 カオス境界域戦役の後に行われた最終的な損害評価で、特戦隊のエリート、アルファ連隊は、考えられていたよりも良い形で敗北を逃れ、ほぼ無傷の完全な部隊が生き残ったことが明らかになった。1個大隊分のマシンを失ったのだが、戦死したメック戦士は13名のみで、経験を保ったまま容易に連隊を再建したのである。現在、連隊はニューアラゴン、いわゆる「紛争領域」の中心に位置する戦略的な世界に駐屯している。

竜機兵団評価値:A*


士官
 マーガレット・スマイスは第四次継承権戦争後、退役に追い込まれた元AFFCの少佐である。どうやら彼女は撤退命令を受けなかったか、無視したらしく、その結果、大隊全体が三名のメック戦士を除き失われたのだった。スマイスは前々から第12ヴェガ特戦隊と関係を結んでおり、彼女が入隊を求めた時に、すぐさまアルファ連隊の大隊の指揮を任されたのだった。

 クリス・ジェンキンス少佐は自由世界同盟の生まれで、マーリック=リャオ攻勢の直前、連邦=共和国にやってきた。3057年の攻勢において、彼は同国人との交戦をいとわず、同盟の伝統を中傷し、彼らを誘い込んだ。そして、怒って隊形から離れた敵のメック戦士を火力集中戦術で倒したのである。


戦術
 自信にあふれるアルファ連隊はどんな地形であろうと、戦いを避けることはない。だが、この部隊は、都市防衛と強襲戦術を得意としている。しかしながら、可能なときは、ひとけの少ない高速道路、工業地区、宇宙港で戦い、民間被害を減らそうとする。

 戦闘が始まると、スタンセル将軍は部隊を整列させる。このため敵は正確に数を数えることが出来る。それから将軍はスマイス中佐指揮の部隊(たいていは2個中隊)を派遣する。この部隊はセンサーの範囲から消え去り、敵の側面に移動する。敵の指揮官が幅広い側面のスクリーンを取ってない限り、これらのメックはどちらの側面でも好きなところに出現できる。部隊を不均等に分割し、センサー有効範囲に出たり入ったりすることで、スマイスは全部隊が敵の両側面にいるという幻影を作り出すことが可能だ。これによって、敵指揮官はスマイス隊と同規模の2個部隊で両側面を守るか、スマイス隊の半分の部隊を両側面に送り、どちらかの戦力が不足しないか祈ることになるのである。


アルファ連隊
連隊/エリート/信頼できる
指揮官/第1大隊: トム・スタンセル将軍
副指揮官: マーガレット・スマイス中佐
第2大隊: クリス・ジェンキンス少佐
第3大隊: ラルフ・マハフェイ少佐
 アルファ連隊は、2個エリート大隊と1個大隊分の一般兵、古参兵戦士からなる。第1大隊は主力が重、強襲級バトルメックで、2個の軽小隊を持つ。第2大隊のメックは、ほぼ同数の重量級、中量級、軽量級に分かれる(連隊内で最もアップグレードされた大隊でもある)。第3大隊はほとんどが重、強襲級メックで、およそ2個小隊が中量級バトルメックである。連隊のバトルメックの大半は主砲を先進兵器に改装している。

アルファ航空隊
航空大隊/古参兵/狂信的
航空隊長: エリック・エリクソン少佐
 この中量級航空大隊は、バトルメック隊とは違い独立指揮小隊を使っている。その一方、戦力はいまだにやや不足気味である。現在、14機の各種戦闘機が所属している。その各機は、少なくとも1門の先進技術兵器を積んでいる。

アルファ装甲隊
連隊/一般兵/信用できる
装甲隊長: ベン・セゴー少佐
 各アルファ装甲大隊は、1個独立指揮小隊と、偵察用の軽装甲車両1個完全中隊を持つ。装甲車両のほとんどはまだアップグレードを受けていない。
 現在、第1大隊は32両、第2大隊は29両の車両を持つ。






ベータ連隊 BETA REGIMENT: METAL MAYHEM

 ベータ連隊はマーリック=リャオ攻勢で、マシンの半分と同数のメック戦士を失った。デルタは、チャンド、プレイオネの激しい戦いで戦力の2/3を失った。生存者たちの似たような経験レベルが、融合の助けになると見込んだスタンセル将軍は、デルタ連隊を解散し、生き残りをベータの強化のため配置転換した。ミラー・アル=ナヒブ大佐は、デルタの戦士たちが共にいるのを許可し、ベータの旧名ヴィクトリーズを抹消して、デルタの戦士たちに新しい名前を選ばせた。デルタの戦士たちは、プレイオネで戦死したデルタの指揮官、アレックス・グリーン大佐を偲び、大佐のメック名「メタル・メイヘム」を連隊の新しい名称に選んだ。

 ベータの連隊記章は、バトルメックの左脚大腿部に描かれる。赤と黄色地のメックの拳である。

竜機兵団評価値:A+


士官
 元ヤクザの戦士、シリ・オムサナカ少佐は、怒り狂ったオヤブンの懲罰から逃れるため、3055年、DCMSのゴースト連隊から脱走した。いつかヤクザの手で残酷に殺されることを予期しているオムサナカ少佐は戦場での死を恐れず、彼のグランドドラゴンは戦場のど真ん中にいるのがよく見られる。実際、オムサナカの凶暴さは、アル=ナヒブが彼女を大隊指揮官の座に昇進させた主な理由のひとつである。

 オリオン中尉は若い年齢のわりに信じがたいほどの撃墜記録を持つ、エリートパイロットである。彼はAFFCより表彰され、これまでに特戦隊で三回昇進を拒否している(彼は自分とウィングマンの生命以外に責任を持ちたがっていない)。プレイオネ上空の戦いでは、6機の撃墜を記録し、デルタ連隊が撤退するあいだ、敵の航空戦力を押しとどめる助けとなった。


戦術
 この連隊は開けた戦場での戦いを専門とする。アル=ナヒブ大佐は通常、第1、第2大隊を密集した陣形で展開し、第3大隊の3個中隊を敵戦線の弱点に投入するか、側面機動を実行させる。


ベータ連隊
連隊/古参兵/信用できる
指揮官/第1大隊: ミラー・アル=ナヒブ大佐
副指揮官: ショーン・ドノヴァン少佐
第2大隊: シリ・オムサナカ少佐
第3大隊: アルベルト・リセッティ少佐
 第1、第2大隊が、ベータ連隊の伝統である連携した連隊機動で戦う一方、第3大隊は古きデルタ連隊の習慣である中隊サイズでの作戦を好む。今のところ、アル=ナヒブ大佐は両者のスタイルを、新たな展開戦略に統合するのに成功している。

 第1、第2大隊のバトルメックの多くがXLエンジンを搭載し、これがさらなる装甲、武器、放熱器を積むのを可能としている。第3大隊は主砲を先進兵器にするのを好む。

ベータ航空隊
航空大隊/古参兵/信頼できる
航空大隊長: ドナ・フェロポロス少佐
レッド航空中隊、第2航空分隊: カーター"シュラウド"ズィム中尉
 ベータ航空大隊は、レッド、ブルー、グリーン、イエロー航空中隊と、1個指揮小隊からなる。各中隊内の小隊には、第1から第3までの部隊番号が割り振られる。

ベータ装甲隊
大隊/古参兵/信用できる
装甲隊長: ダイアナ・ウォルシュ少佐
 ベータ連隊の軽装甲大隊は、カオス境界域の戦役で主に偵察を務め、わずかな損害しか受けなかった。戦闘中、大隊は各中隊に分かれ、敵のバトルメック1機に対し、高速攻撃を仕掛けた。






ガンマ連隊 GAMMA REGIMENT: THE DEADLY DANCERS

 オールドケンタッキーとプレイオネでの激しい交戦は、ガンマ連隊の経験レベルをエリートに引き上げたのだが、これまでのところ連隊は2個大隊までしか再建できていない。スタンセル将軍との協議後、クリスティ・ディサントス大佐は、入隊希望者の審査を行う時間が充分に取れるまで、アウトリーチでの大規模な新兵募集を延期すると決めた。(彼女が探しているのは、氏族侵攻を経験した若い兵士である)

竜機兵団評価値:A+


士官
 プレイオネでのコニー・ディサントス大佐と副指揮官の戦死は、ガンマ連隊の士気を崩壊させた。潰走に陥るかもしれないところで、母の地位を継いだのが、第2大隊のクリスティ・ディサントス少佐である。即興の複雑な陽動を行い、撤退しながら激しく戦った後で、部隊の2/3近くがどうにかプレイオネを脱出できたのだった。戦後、スタンセル将軍は、ディサントスが連隊の新しい大佐になることを承認した。第12ヴェガ特戦隊連隊の指揮権が、前指揮官から直接子供に渡されたのははじめてのことだった。

 第3中隊のローレン・マークス大尉は、連隊の諜報士官も兼任している。マークスのコンタクトのネットワークは、ドラコ連合から自由世界同盟の後背地にまで広がっている。彼のネットワークは、オールドケンタッキーへの攻撃が差し迫っているのを警告できたかもしれないが、マークスはその時二週間の休暇に出ており、マーリック=リャオの航宙艦が星系内に入ってから呼び戻されたのだった。


戦術
 ガンマ連隊は常に様々な訓練を念頭に置いている。伝統的にこの連隊のバトルメックは、大隊に分かれ、それぞれに装甲中隊が帰属する。各大隊=装甲中隊団は、特定の地形で訓練を行う。第1メック大隊と第1装甲中隊は、夜間作戦、視界の悪い状況を専門とする。第2メック大隊と第2装甲中隊は、開けた地形を好み、大胆な機動と"スナップショット(速射)"で敵を驚かせることがよくある。第3大隊は、険しい山岳、深い森での戦いや、その他の接近戦を非常に得意としている。第3大隊(ハチェットマン、アックスマンのようなバトルメックを持ち、接近戦を専門としていた)は、カオス境界域の戦役で重い損害を出した。現在、大隊の残存兵力は、他の特戦隊大隊に散っている。


ガンマ連隊
2個大隊/エリート/信頼できる
指揮官/第1大隊: クリスティ・ディサントス大佐
副指揮官: テラー・フィンハーベン少佐
第2大隊: エリアス・ウッディングス少佐
  第3中隊: ローレン・マークス大尉
 ガンマ連隊の各大隊は、3個中隊を持つ。各中隊は2個重/強襲小隊と、1個軽小隊か高速中小隊からなる。バトルメックの大半は、先進兵器の主砲を搭載し、その6機がXLエンジンを持つ。連隊はまた、6基のC3マスターコンピューターと、6つの独立したC3ネットワークを作り出す、充分な量のスレイブユニットを保有する。

ガンマ航空隊
航空大隊/エリート/信頼できる
航空大隊長: デイン・ソームホー少佐
 ガンマ航空隊は、20機の中重量級戦闘機を持つ。航空中隊は、カッパー、シルバー、ゴールドの名称を与えられ、各航空分隊は第1から第3の部隊番号を持つ。ガンマのパイロットたちは、特戦隊連隊で最高ランクの「一人当たり撃墜率」を記録している。

ガンマ装甲隊
大隊/古参兵/信頼できる
装甲隊長: グリム・ヘンドリスク少佐
 ガンマ装甲隊で最軽量の車両は50トンで、大半は70トン以上である。この重量級仕様はガンマにとって最適である。なぜなら、失われたバトルメック大隊の埋め合わせとなるからだ。












第12ヴェガ特戦隊 3067 12TH VEGAN RANGERS:TO PROTECT AND SERVE

 元々はヴェルデ公爵の私兵隊の一部だった第12ヴェガ特戦隊は、第二次継承権戦争中に傭兵隊になった。ソロモン・ネルソン公爵はこの状況を儲けるチャンスと認識し、兵士を血眼になってもとめるAFFSには部隊を吸収させず、傭兵隊に転身させたのである。これは抜け目のないビジネスであったと証明され、ヴェルデは豊かになり、部隊は4個連隊に拡大されたのである。特戦隊は恒星連邦とライラ共和国の双方に仕え、ぬきんでた戦果を残した。

 ガルター戦役、第四次継承権戦争で激しく戦った後、特戦隊は後方に残って氏族侵攻による大破壊を避けた……3057年にライラが分離するまで、サーナ境界域の連邦=共和国国境に防衛の要として残ったのである。もし、ライラが離脱時に航宙艦を持っていかなかったら、4個傭兵連隊は援軍があるまでカペラの強襲を遅らせることが出来たかもしれなかったが、1個連隊分の装備を失った後で、数に劣る特戦隊は嫌々ながらに後退したのである。

 当然ながら、特戦隊はそれ以降カトリーナ・シュタイナー=ダヴィオンへの嫌悪感を抱き、サーナ境界域陥落での損失を彼女の責任とした。ヴィクター派だったのだが、彼女がダヴィオンの玉座についた後でさえも、このプロの兵士たちは、連邦=共和国に対する契約上の義務をすべて果たす意志を持っていた。しかしながら、カトリーナ派の部隊が、ニューアラゴン、アルゴルの特戦隊に対していわれのない攻撃を始めると、事態に巻き込まれたのである。戦闘に身をゆだねた第12ヴェガ特戦隊は、連邦=共和国内戦の間、数多の戦いに加わり、カトリーナ派、連合、カペラ傭兵部隊を追い返した。だが、ほぼ戦い続けていたにもかかわらず、特戦隊は驚くほど良い状態で生き残ったのである。

 ジョージ・ハセク元帥は、カペラがどこからアケルナルPDZに侵入しても妨害出来るように、アルファ、ベータ連隊の持ち場を転換し、余った他の部隊をタウラス連合前線に回した。

司令部
 伝統的にアルファ連隊の指揮官が特戦隊の先任士官となり、将軍の階級を帯びる。3048年、不作法で葉巻吸いのダグラス・シェリダンに代わり、トム・スタンセルがその地位についた。

 各特戦隊連隊は独立部隊として行動する。本来は、将軍だけが1個連隊以上の指揮を受け持つことが許され、よって複数の連隊が行動する時は、常にアルファ連隊がその一部となっていた。第四次継承権戦争と連邦共和国内戦ではこの伝統を破らねばならなかった。アルファ連隊がいないときは、先任の連隊指揮官の手に全体の指揮権がわたったのだった。

現有戦力と組織
 サーナ境界域で被った損失によって、スタンセル将軍はデルタ連隊を解散せねばならなくなり、それに伴い、生存者たちはベータを完全な戦力に戻すために転属となった。連邦共和国内戦ではさらに重大な損失を被り、特にガンマ連隊は紛争中、ベータ連隊に組み入れられた。ガンマ連隊だけが、最近、現役に復帰した。この暗雲に差し込む一筋の光は、倒した敵から回収した先進技術兵器であり、装備が大規模にアップグレードされている。

 スタンセル将軍は、再編成された特戦隊の支援部隊に新たな名称を導入する機会を持った。各部隊に独自のアイデンティティを与える(メック連隊に縛り付けるのではなく)ことによって、彼らが特戦隊の成功に計り知れない貢献をしていると認めたのである。

支援
 特戦隊は大規模な技術支援スタッフを持っている。これは連邦=共和国内戦中、激しい戦闘に加わった諸連隊にとっては大きな長所となった。ガンマ連隊が再建中である現在、支援率は最適な140%である。

 アルファ連隊所属の降下船の多くが、内戦開始時に地上で破壊された。幸運なことに、部隊は前デルタ連隊が使っていた輸送船を所有している。特戦隊の航宙艦は降下船の2/3を輸送出来る。

配色と記章
 特戦隊は、活動する地形に関わらず、標準のカモフラージュを使う。部隊の記章は、惑星ヴェガの盾型紋章(ヴェガ特戦隊が最初に使ったもの)である。この記章は、メックの胴、または車両、戦闘機の側面に付けられる。ベータ、ガンマ連隊は、左脚上部に連隊記章を付ける。






アルファ連隊:コンクリート・クラッシャーズ ALPHA REGIMENT: THE CONCRETE CRUSHERS

 第一次継承権戦争で最も偉大な傭兵隊長の一人だった、ローレンス・ネルソン亡命公爵は、星間連盟時代の書物「星々に向かう11人」にあるヴェガ・レンジャーの信念に従っていた。自らを12人目のヴェガ・レンジャー(twelfth Vegan Ranger、第12ヴェガ特戦隊)であるとしたネルソンは、自身の評判を使って部隊を編成し、簒奪されたヴェルデの玉座を取り戻した。

 コンクリート・クラッシャーズは、歴史をネルソンの部隊に辿り、継承権戦争史上、最も重要な戦役のいくつかを戦った。ガルターIIIでの断固たる防衛が第三継承権戦争に終止符を打ち、またダヴィオン軽近衛隊と共にセント・アンドレを強襲して第四次継承権戦争を開始した。マーリック=リャオによる強襲で、数に勝る敵と遭遇してもなお、アルファ連隊は戦力を保ったまま、生き残ったのである。

 進行しつつある連邦共和国内戦に関わらないという連隊の望みは、第3連邦共和国RCTの指揮官が、上官からの惑星離脱命令を拒否した時に打ち砕かれた。その指揮官は第1アラゴン国境守備隊にいわれのない攻撃を仕掛け、特戦隊が契約の条文に従いながらこのカトリーナ派部隊と戦えるようになった(国境守備隊のカーストン准将は、ニューアラゴン防衛の責任者だった)。アルファ連隊は、自軍より大規模な敵RCTを倒し、それから他のヴェガ特戦隊連隊の援軍になるべくアルゴルにジャンプした。(アルゴルで)チコノフ共和国防衛軍を敗退させた後、アルファは再配置され、アディックスから第10、第12ゴースト連隊を追い出すのを助けた。

 非常に多くの王家部隊が壊滅するか、大打撃を受けた現在の状況において、ヴェガ特戦隊は、カペラ境界域を守るジョージ・ハセク公爵の奮闘にとって重要になっている。

 アルファ連隊は、記章として部隊のロゴを使う。

竜機兵団評価値:A*


士官
 元AFFC士官、マーガレット・スマイスの深い知識は、ニューアラゴンで第3連邦共和国を破った時に有用であると実証された。独立部隊を与えられたスマイスは、カトリーナ隊の最も弱い地点を繰り返し叩き、マカロック第3大隊がとどめの一撃を叩き込めるように敵を弱体化させた。


戦術
 都市防衛、強襲戦術に特化しているのだが、アルファ連隊はあらゆる地形で等しく効果的に戦える。都市部で行動する時は、人口密集地帯での戦闘を避けて、民間被害を最小限にしようと務める……工業地帯、宇宙港、人気のない高速道路沿いの近辺で戦うのを好む。

 連邦共和国内戦の間、アルファ連隊は戦闘降下を大規模に使い、敵の側面を突いた。敵に大打撃を与えた後で、特戦隊は降下船に戻り、この作戦をくり返したのである。


アルファ連隊
連隊/エリート/信頼できる
指揮官/第1大隊: トム・スタンセル将軍
副指揮官: マーガレット・スマイス中佐
第2大隊: クリス・ジェンキンス少佐
第3大隊: ジョン・マカロック少佐
 その評判に違わず、アルファ連隊の戦士たちは、内戦の激しい戦いを良い状態で切り抜けた。エリートの第1大隊は重強襲バトルメック(カトリーナ派から奪った2機のマッドキャットMKIIを含む)を配備し、第2大隊(現在1個中隊が欠けている)は4つのメック重量クラスをバランスよく使っている。第3大隊のジャンプ能力を持った重強襲級メックは、新型のロータリーオートキャノンを自ら選んで採用した。

第1ヴェガ攻撃航空大隊
航空大隊/古参兵/狂信的
航空大隊長: ロースガール・グリーン少佐
 コルセアなどの中型戦闘機が、第1攻撃航空大隊のホワイト、グレイ、ブラック航空中隊を占めている。その一方で、グリーン航空中隊は独立指揮分隊を所有している。戦闘機の大半は古い型であるが、多くが放熱器のアップグレードを受け、一部は武器をアップグレードしている。

第1ヴェガ装甲連隊
連隊/一般兵/信用できる
装甲隊長: イアン・マラリー中佐
 各装甲大隊は、2個重装甲中隊と、斥候用の1個軽装甲中隊を展開している。捕獲したマントイフェル、アヤックス・オムニ車両が、内戦後に傭兵隊とAFFS補給部のあいだで予期せぬ争いの種となった。スタンセル将軍はこの最新装備が未払い報酬の一部になっていると主張している。その一方で、補給担当将校は、特戦隊の契約によると、捕獲された全ての先進技術は恒星連邦に属することになっていると主張している。最終的にハセク元帥が、この争いを解決するのに介入せねばならなかった。






ベータ連隊:メタルメイヘム BETA REGIMENT: METAL MAYHEM

 アルファ連隊の功績に隠れているのだが、ベータ連隊の能力を過小評価するのは愚者のみであろう。第二次、第三次継承権戦争の間の短い小康期に結成されたベータは、ライラ側に立って自由世界同盟と戦い、初陣を飾った。連続した成功で部隊にニックネームが与えられ、恒星連邦のアルファ連隊の元に戻るまでの数年間、「ザ・ヴィクトリーズ」はマーリック家の脇に刺さったとげであり続けたのである。

 マーリック=リャオ攻勢の間に50パーセントの損害を受けたベータは、解散したデルタ連隊の生存者で補強され、同時に新たな名称を採用した。連邦共和国内戦の間、アルゴルで包囲されていたガンマ連隊の支援に動いたベータは、ガンマと同じく共和国防衛軍の手により大損害を受けたのだが、引き替えに第3防衛軍を全滅させたのだった。アルファ連隊が支援に来るまでに、ガンマは消耗していたので、生存者たちは戦争が終わるまでベータに編入された。

 アルゴルを確保したベータは再建する猶予時間を与えられた。回収された共和国防衛隊の装備(多くが新品だった)を使ったベータは、約3個大隊分を集結させ、その後、ジョージ・ハセク元帥が、スン=ツー・リャオのカオス境界域での攻撃を食い止めるべく、彼らを再展開した。内戦を利用しようと考えたリャオ首相は、鉱物資源豊富な世界ジェノアを確保すべく、リトルリチャード機甲旅団を派遣したのだが、旅団の採用した高圧的な威嚇戦術は裏目に出て、特戦隊が数日後に到着した時、民衆はすぐ彼らについたのだった。

 旅団は主導権を取り返すことが出来ず、続くベータ連隊との戦いで戦力の半数が潰され、生存者はアルボリスへと撤退せざるを得なくなった。旅団のメックと装甲車両を回収するために、わずかに立ち止まった特戦隊は彼らを追いかけ、旅団の惨めな残存勢力を同じくアルボリスから追い出した。3067年が終わるまでに、両星系は恒星連邦に再加入したのだった。

 ベータ連隊の記章は、赤と黄色の地に描かれたバトルメックの拳である。

竜機兵団評価値:A


士官
 ミラー・アル=ナヒブは、第四次継承権戦争の前からベータを指揮している。同世代の多くとはまったく違い、ミラー・アル=ナヒブは、この40年でもたらされた、装備、戦術、戦略の抜本的な変化に容易に順応した。


戦術
 野戦に熟達したアル=ナヒブ大佐は、第1、第2大隊を緊密な陣形で展開し、第3大隊の分隊を使って、敵の弱い地点を突くか、側面機動を実行する。


ベータ連隊
連隊/古参兵/狂信的
指揮官/第1大隊: ミラー・アル=ナヒブ大佐
副指揮官: ショーン・ドノヴァン少佐
第2大隊: クリスチーナ・トラスコット少佐
第3大隊: アルベルト・リセッティ少佐
 XLエンジン技術を大量に使用するベータ連隊は、統率された連隊機動を取る時に、優れた速度でよく敵を驚かせる。特戦隊の技術支援チームは、共和国防衛軍、リトルリチャード機甲旅団から最高の装備を回収し、ベータ連隊は先進技術のアップグレードを完了した――ジェノアで回収されたカペラのステルスマシン1個小隊を含む。

第2ヴェガ攻撃航空大隊
航空大隊/エリート/信頼できる
航空大隊長: メレア・フォーゲル少佐
 共和国防衛軍と戦った第2航空大隊は装備が貧弱で、ベータの地上部隊が享受していた技術的優位を持てなかった。戦闘機(大半が中量級)の半数が先進型放熱器でアップグレードされ、一部のみが長射程兵器を搭載されている。

第2ヴェガ装甲連隊
2個大隊/一般兵/信用できる
装甲隊長: グレイディ・ポムス少佐
 アルゴルで第15デネブ軽機兵隊による打撃を受けた後、第2ヴェガ装甲は、リトルリチャード機甲旅団から奪った装甲車両の半分を使って再建された。第1大隊は現在、中軽量級装甲車両を展開し、偵察に最適である。第2大隊はブルータス、ポーなどで占められている。






ガンマ連隊:デッドリー・ダンサーズ GAMMA REGIMENT: THE DEADLY DANCERS

 サラ・ネルソン女公は、世紀の変わり目に、アルファ、ベータ連隊が集めた回収品を使って、ガンマ、デルタ連隊を結成した。それ以来、ガンマは「デッドリー・ダンサーズ」の名前を得ている。最低でも三回以上、文字通り死と踊ったからである。

 第四次継承権戦争の最中、ガンマはデルタと肩を並べ、ウェイで戦った。ガンマの分隊は、リャオ兵による化学兵器の攻撃を受けた。連隊のメック戦士の半数が、致死性のUrbStryc-Aがフィルターを透過する前に戦闘を終わらせようとしてボーガンヴィル・ハイウェイの絶望的な戦いで死んだ。

 ガンマは3057年のマーリック=リャオ攻勢で、再び崩壊の危機に瀕した。オールドケンタッキー、そしてプレイオネから押し出されたガンマは、絶望的なまでの敵を相手に大損害を出した。ひどい戦力低下をきたしたダンサーズは、さらに多くの死傷者を出した……ニューアラゴンのアルファを支援すべくアルゴルを出発する準備をしていたその時に、チコノフ共和国防衛軍の第2連隊が無認可の攻撃を行ったのである。他の2個共和国防衛軍連隊がすぐさま戦闘に加わる中で、ガンマが生き残れたのは、ベータ連隊が折良く到着したからだった。アルファ連隊が首尾良く第3連邦共和国RCTの撃破に成功し、アルゴルにやってくるまでに、ガンマは激しい戦いでぼろぼろになった。

 生き残ったガンマの戦士は、ベータ連隊の一部として戦い続け、カオス境界域に展開し、ジェノアとアルボリスを恒星連邦の手に取り戻した。リトル・リチャード機甲旅団からの回収品は、ガンマ連隊を再建し始めるに足る充分な量の物資をもたらした。同時に、彼らは無価値な世界、ワッピンガーズに、戦略予備として配備された。

 ガンマ連隊の記章は、緑地に、バトルメックのヴィクターが嵐に巻き込まれた姿である。

竜機兵団評価値:A


士官
 母の死に際し、クリスティ・デサンティスは、カオス境界域のガンマを崩壊から救うべく前に進み出て、打ちのめされた部隊が連邦共和国内戦で再び打撃を受けるのを目撃することになった。デサンティスはかつてより有能であると証明されたが、幾度か攻撃を行わせるのに失敗した後で鋭さを失ってしまったのではないかと、スタンセル将軍は個人的に懸念している。

 ローレン・マークス少佐(特戦隊情報士官)は、アルゴルを生き残った最先任士官のひとりである。彼のコンタクトのネットワークは、スタンセル将軍が連邦共和国内戦の動向を判断する上において計り知れない価値を持った。


戦術
 新たに復帰したガンマ連隊は、基準となる戦術を持っていない。ディサントス大佐は、ガンマの拡大する通常装甲部隊を使いこなすような、諸兵科連合作戦の様々な訓練を施すのがいいと固く信じている。


ガンマ連隊
大隊/一般兵/疑問
指揮官/第1大隊: クリスティ・ディサントス大佐
副指揮官: ローレン・マークス少佐
 戦闘限界点(CLG)まで達したことによって、ガンマ連隊から軽量級の部隊は失われてしまった。ディサントス大佐は生存者を3個重強襲半中隊に再組織した。1個連隊分の装備から良いものを吟味して、特戦隊の技術者たちはガンマのバトルメックを完全にアップグレードした。各中隊は完全なC3ネットワークをひとつ所有している。

第3ヴェガ攻撃航空大隊
航空大隊/エリート/信頼できる
航空大隊長: ジャクリーン・イリーニ大尉
 コッパー、シルバー、ゴールド航空中隊は、アルゴルの航空支援で特戦隊に素晴らしい貢献をしたのだが、引き替えに大きな代償を支払った。ディサントス大佐は降下船を軌道上に待機させ、そこから第3連隊の戦闘機隊に作戦を行わせた。こうして、特戦隊は共和国防衛軍を容易に追跡し、地上軍は脆弱な発着場、宇宙港を守る任務から解放されたのだった。

第3ヴェガ装甲連隊
連隊/新兵/疑問
装甲隊長: ティム・デビッドソン中佐
 第3装甲連隊の重強襲級装甲車は、戦争勃発直後、包囲された部隊にとって計り知れないほど価値があると判明した。デベルネの崩壊した都市に潜った第3装甲隊のマンティコア、シュレックは、ベータがチューリッヒからやってくるまでに、ガンマ連隊を持ちこたえさせたのである。
 ティム・デビッドソン中佐は、アルボリスで獲得した回収品(大半がブルータス、ポー戦車)から第2大隊を作った。




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